2019年8月28日水曜日

ニューヨーク公共図書館

平日に妻と行く映画シリーズその2。制限時間30分で,梅田スカイビルから中津まで走り,阪急宝塚線一駅のって十三の第七芸術劇場に向う。開演5分前に到着し,整理番号は56と57。平日このテーマにもかかわらず,結構お客さんが入っている。12:00から15:35の長丁場なので途中に休憩が入る。

さて,タイトルは「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(Ex Libris: The NewYork Public Library)」で,フレデリック・ワイズマン監督の2017年米国ドキュメンタリー映画(205分)である。3時間を越えるドキュメンタリーってどんなものかと思ったが,妻の予想だったシックでクラシックな建物を中心とした紹介などではまったくなかった。

ニューヨーク公共図書館(NYPL NewYork Public Library 1895-)は,国,州,市などの行政が設置した図書館ではなく,カーネギーの寄付などをもとにした私立(だがパブリック)の図書館であり,ニューヨーク市からの公的資金と民間からの寄付によって運営される。マンハッタン,ブロンクス,スタテンアイランドに92の分館を設置し,5300万冊の図書・資料を所蔵し,年間350万人が利用している。クイーンズとブルックリンには運営が別組織である公共図書館がそれぞれにある。

映画は,レファレンスサービスでの電話のやりとりから始まったが,1つのエピソードが長い。しかもほとんどが言葉や対話の積み重ねだ。図書館のプログラムで社会的な問題についての話をする講師や,芸術的な対話の数々。黒人文化に関するショーンバーグ研究図書館も大きなテーマとして,黒人差別の問題と関って取り上げられていた。また,NYPLの運営にかかわる委員会での議論がたびたび登場する。全編の3割以上を占めていたのではないか。予算獲得の問題。インターネットアクセスの問題。図書館の教育機能にかかわる問題。ホームレスへの対応の問題。などなど,多様な問題についての議論の様子が克明に記録されている。日本のオリンピック委員会も見習ってほしい。

予想とは異なっていたが,とても楽しく3時間半を過ごすことができた。さまざまな病巣をかかえる国であるにしろ,民主主義の基本となる言葉がしっかりと生きている場所がある安心感。翻って,日本の政治家やマスコミやTV知識人の細切れで歴史を無視した表層的な議論の数々を対比させたとき,なんともいえない虚脱感に襲われる。

あるいは,大阪では,児童図書館や公共的な文化施設が破壊されただけでなく,公共交通,病院,公園,大学が次々とターゲットとなり,公共から営利への流れができている。そして,それを推進する政治勢力がマスコミによって擁護され,さらに多くの市民・住民の支持を得ていくという,公共性の喪失の危機が進行している。

この映画は,民主主義の本質を支える言葉(Speech)の映画だった。

2019年8月27日火曜日

ディリリとパリの時間旅行

平日に妻と行く映画シリーズその1。梅田スカイビルイーストタワー3Fのシネ・リーブルに「ディリリとパリの時間旅行(Dilili a Paris)」を観に行った。日本経済新聞の文化欄か映画欄で紹介されていておもしろそうだったので。フランスアニメーションのミッシェル・オスロ監督による,2018年フランス・ベルギー・ドイツ合作の94分のアニメーション。

紙兎ロペ風の,平面的で対称的な構図を中心としたリアルなデザインと色彩の作品。パリ市街や室内装飾などの一部は実写写真を加工したものが使われている。19世紀末から20世紀初頭までのベル・エポック時代のパリの著名人,マリー・キュリーと娘たち,パスツールエッフェルツェッペリン,印象派の画家達,ルソーピカソロートレック(背が低かったのか),サティドビュッシーサラ・ベルナールエマ・カルヴェなどが登場する。

ストーリーは,ニューカレドニアから密航し,パリ万博の見せ物を演じつつ庇護者の下でしっかりしたフランスの教育を受けている,混血の少女ディリリが主人公だ。物語の発端から突如登場する副主人公の三輪車乗りの青年オレルとともにパリの観光スポットをめぐる冒険が始まる。パリの少女を狙った連続誘拐事件は,男性支配団(非常にストレートな女性差別構造の表現だ)のしわざであり,警視総監などパリ警察のトップもこれにつながっている。権力の腐敗,パリの貧困や差別構造にも目配りされている。

誘拐され,男性支配団によって四つ足椅子(江戸川乱歩を彷彿とさせる)にされていた少女たちを,ディリリと仲間たちがツェッペリンの飛行船で救出し,最後は大団円で終わる。


2019年8月26日月曜日

物理学会支部活動

佐々真一さんからメールが来て,なんだろうと思ったら,日本物理学会の京都支部総会の案内だった。なぜ,京都支部?これまでは,大阪教育大学の所属だったので,大阪支部に所属していたのだろうと思う。この3月に定年退職したので,大学との紐付けが切れて自宅住所との関係から連絡が来たということかもしれないが,支部活動には関与したことがないので,そのあたりの事情はよくわからない。なお,日本物理教育学会の近畿支部としては,日本物理学会の大阪支部とはいろいろ関係があった。

そこで,日本物理学会のホームページで支部活動がどうなっているかみた。やはり奈良県は,京都府や滋賀県と並んで京都支部のテリトリーである。大阪支部のテリトリーは,大阪府,兵庫県,和歌山県。名古屋支部は,愛知県,岐阜県,三重県。北陸支部は,福井県,石川県,富山県。新潟支部は新潟県単独で,これは,日本物理教育学会とおなじ構造になっている。なお,そこでは,京都支部+大阪支部の範囲が,近畿支部と定義されている。東京を中心とする巨大な範囲が支部ではなく本部直轄地の様相を呈していた。これも日本物理教育学会の構造に近いものがある。

さらに,支部に関する規程をみた。支部を構成する会員の条件は,各支部の支部規約で定義されることになっていた。なるほど。ところが,京都支部も大阪支部も支部規約がウェブでみられないのだった。うーん・・・。

支部には重複して所属することもできるのだろうか?本部から配分される支部の運営費用はどうやって算出しているのだろうか。などなど,謎は尽きない。

2019年8月25日日曜日

河野談話


1993年の宮澤内閣の内閣官房長官,河野洋平の談話の方が村山談話より先であった。

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慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話

平成5年8月4日

     いわゆる従軍慰安婦問題については,政府は,一昨年12月より,調査を進めて来たが,今般その結果がまとまったので発表することとした。
     今次調査の結果,長期に,かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され,数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は,当時の軍当局の要請により設営されたものであり,慰安所の設置,管理及び慰安婦の移送については,旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については,軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったがその場合も,甘言,強圧による等,本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり,更に,官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また,慰安所における生活は,強制的な状況の下での痛ましいものであった。
     なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については,日本を別とすれば,朝鮮半島が大きな比重を占めていたが,当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり,その募集,移送,管理等も,甘言,強圧による等,総じて本人たちの意思に反して行われた。
     いずれにしても,本件は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は,この機会に,改めて,その出身地のいかんを問わず,いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また,そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ,今後とも真剣に検討すべきものと考える。
     われわれはこのような歴史の真実を回避することなく,むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは,歴史研究,歴史教育を通じて,このような問題を永く記憶にとどめ,同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
     なお,本問題については,本邦において訴訟が提起されており,また,国際的にも関心が寄せられており,政府としても,今後とも,民間の研究を含め,十分に関心を払って参りたい。
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2019年8月24日土曜日

村山談話

日韓関係を考える上での原則的立場の一つ。1995年の村山富市首相の談話。

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村山内閣総理大臣談話

「戦後50周年の終戦記念日にあたって」
平成7年8月15日

 先の大戦が終わりを告げてから,50年の歳月が流れました。今,あらためて,あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき,万感胸に迫るものがあります。
 敗戦後,日本は,あの焼け野原から,幾多の困難を乗りこえて,今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり,そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に,私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで,米国をはじめ,世界の国々から寄せられた支援と協力に対し,あらためて深甚な謝意を表明いたします。また,アジア太平洋近隣諸国,米国,さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを,心から喜びたいと思います。
 平和で豊かな日本となった今日,私たちはややもすればこの平和の尊さ,有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう,戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて,アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには,なによりも,これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は,この考えにもとづき,特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し,各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために,この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また,現在取り組んでいる戦後処理問題についても,わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため,私は,ひき続き誠実に対応してまいります。
 いま,戦後50周年の節目に当たり,われわれが銘記すべきことは,来し方を訪ねて歴史の教訓に学び,未来を望んで,人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
 わが国は,遠くない過去の一時期,国策を誤り,戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ,植民地支配と侵略によって,多くの国々,とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は,未来に誤ち無からしめんとするが故に,疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め,ここにあらためて痛切な反省の意を表し,心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また,この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
 敗戦の日から50周年を迎えた今日,わが国は,深い反省に立ち,独善的なナショナリズムを排し,責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し,それを通じて,平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に,わが国は,唯一の被爆国としての体験を踏まえて,核兵器の究極の廃絶を目指し,核不拡散体制の強化など,国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ,過去に対するつぐないとなり,犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると,私は信じております。
 「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり,信義を施政の根幹とすることを内外に表明し,私の誓いの言葉といたします。
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あれから24年,遥か遠くまで来てしまった。御霊という言葉がここで1回使われている。

2019年8月23日金曜日

星稜高校

星稜高校といえば,中学3年の同級生の筒井君を思い出す。高校受験を控えて不安な気持ちがクラスに充満したとき,2人でギャグ漫画を書き始めた。カエルが主人公のくだらないギャグで満ちたノートだったが,彼が主に絵を描いていた。それを見て自分たちで笑い転げるというなんだかわからない日々が続いたが,受験前にはもう少し落ち着いて勉強に取り組むべきだった。で,かれは公立の普通高校の受験に失敗して星稜高校に進学した。

星稜高校は当時の金沢経済大学と同じ稲置学園の経営だったが,このあたりは複雑なことになっているようだ。金沢の代表的な私立高校だったが,当時はまだ野球部もそれほど有名でなく,大学への進学コースも充実してはいなかったので,今は様変わりしている。

筒井君は中学卒業のころに金沢市内から宇ノ気町に引っ越してしまった。一度だけ手紙をもらったので,自転車でその住所まで尋ねたことがあったが(それは高校時代のことだろうか),家にはたどり着かなかったような気もする。

その星稜高校の野球といえば,次の記憶がある。
1976年 夏の甲子園2回目の出場でベスト4,小松辰雄がすごかった(このときは友達と夏の信州合宿にきており,ラジオでニュースをききながら応援していた)。
1979年 夏の甲子園で和歌山の箕島高校と延長18回の大熱戦,大学から帰ってテレビをつけるとちょうどいいところで,そのまま釘付けになって応援していた。
1995年 夏の甲子園で帝京に2−1で破れて準優勝。このときの印象はない。
2019年 夏の甲子園で履正社に5−3で破れて準優勝。決勝戦はテレビでみていたが,疲れがでていたのか,攻めや守りの精度がやや足りなかった。いくつかの盗走塁失敗で,せっかくのヒットが無駄になっていた。それでも履正社を相手に良く頑張ったと思う。


2019年8月22日木曜日

multiplicative persistence

しばらく前,TwitterでUniversity of WashingtonのKeiko Toriiさんの12歳の娘さん(gifted class)の算数の自由課題が話題になっていた。任意の自然数の各桁の積を計算して新たな自然数を求める。答えの自然数に対してさらにこの計算を反復しする。これを繰り返すと最後には1桁の自然数が得られる。1桁の自然数に到達するまでの反復回数がなるべく大きくなるもとの自然数を探せというのが賞品付きの課題だ。8th grade にも関らず,pythonでプログラムを組んで反復数11の数を見つけたとのこと。

飛び級小学生(=中学生相当)には負けてられませんと,Brute Forceで計算してみた。残念ながら時間ばかりかかって反復数が10にしかとどかなかず老人は小学生に完敗だ。調べてみると,Persistence of a NumberというWikipediaの項目が見つかった。日本語版はない。自然数に一定のアルゴリズムでの操作を行って不変になるものを探すという問題群らしい。OEIS(On Line Encyclopedia of Integer Sequences )A003001 にもある。

さらに調べると,Rubyで効率的な探索をしている人がいたので,この方法を Juliaにあてはめてみた。考え方としては,2と3と7のベキからなる数の集合から,反復数が最も大きいものを探し,その数を構成する因子の2と3と7の数字が並んだ数が,反復数+1の数を与えるというものだ。反復回数11回の数が2つ見つかった。

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function pcount(n::Int128)
  local m::Int128
  println(n)
  c = 0
  while n >= 10
    m = 1
    while n>0 && m>0
      m *= n%10
      n ÷= 10
    end
    n = m
    c += 1
    println(n)
  end
end

function count(n::Int128)
  local m::Int128
  c = 0
  while n >= 10
    m = 1
    while n>0 && m>0
      m *= n%10
      n ÷= 10
    end
    n = m
    c += 1
  end
  return c
end

function search(n2,n3,n7)
  local n,m3,m7::Int128
  d = (0,0,0,0,0)
  max = 0
  for k in 1:n7
    m7 = 7^k
    for j in 1:n3
      m3 = 3^j
      for i in 1:n2
        n = 2^i*m3*m7
        c = count(n)
        if c > max
          d = (i,j,k,c,n)
          max = c
        end
      end
    end
  end
  println(d)
  return d
end

function next(p)
  s="23789"
  m=[0,0,0,0,0]
  m[1]=p[1]%3
  m[2]=p[2]%2
  m[3]=p[3]
  m[4]=p[1]÷3
  m[5]=p[2]÷2
  c=""
  for i in 1:5
    for j in 1:m[i]
      c=c*s[i]
    end
  end
  return parse(Int128,c)
end

a=search(20,10,10)
pcount(next(a))
b=search(10,20,10)
pcount(next(b))
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(19, 4, 6, 10, 4996238671872)
277777788888899
4996238671872
438939648
4478976
338688
27648
2688
768
336
54
20
0
(4, 20, 5, 10, 937638166841712)
27777789999999999
937638166841712
438939648
4478976
338688
27648
2688
768
336
54
20
0


2019年8月21日水曜日

運転免許証の更新

昨日,66歳の誕生日を前に,豪雨の田原本地区を通過して雨の降っていない奈良県橿原市新ノ口の運転免許センターに免許証の更新に向った。思わず免許状更新講習と書いてしまいそうでこわい。午前中の受付時間は8:30〜9:30だがちょうど8:30に到着。雨模様だったので更新にくる人は少ないかと思っていたがそうでもなく,いつもと同じようだった。

違っていたのは受付と手続きのフローだ。これまでの数回の更新ではなかなかもっちゃりしていたが,今回かなり改善されていた。最初に並ぶ列が,70歳以上(高齢者講習が必要)と69歳以下の2つに分かれている。列の先の端末機に免許証を入れると,暗証番号を発券する。高齢者列は難渋していて,待ちきれない別の人が係の人を呼び出していた。ゲットした暗証番号を窓口に提示するために待っていると,受付順に申請書類が速やかに印刷されており,すぐ名前がよばれた。記入事項はあらかた印刷されており,電話番号を記入するだけだ。申請書と同時に体調チェックアンケートを渡され,記入して1番に向うよう指示される。

1番窓口。証紙発行窓口に1列に並ぶよう誘導される。窓口は6箇所あり,スムーズに列は進む。かつてはこの窓口に手書きの申請書を持って並列で窓口開始前から長時間並んでいたのだったが,かなり改善された。証紙代金の3,000円を払い込むと既に貼り付けも完了しているので,名前と生年月日を書いて2番に進めと指示される。

2番窓口。ここは視力検査だが,列に並ぶ前で書類に不備がないか簡単にチェックされて,やはり1列に並ぶ。なお,証紙をはった紙は色分けされていて,自分は優良講習のピンクだった。次回は70歳以上なのだがどうなるのだろう。検査機は2台だが,列も淡々と進む。視力検査は眼鏡ありでOKだった。眼鏡がないと小さいランドルト環は見えない。

3番窓口。ここでも列に並ぶ前に必要書類があるかを確認する係員が立っている。このように要所要所に人がいて,流れを円滑にしている。大変結構ですね。3番窓口では,免許証の申請書類の内容をデータベースに入力して次の関門に進むための書類と免許証だけが返ってくる。

5番窓口。4番がないのは,縁起担ぎか。いよいよ写真撮影だ。ここもかつてより円滑に流れているような気がする。書類と免許証を渡し,2台のうちの左側で撮影すると受領番号札パウチがもらえた。これも色分けされていて,優良講習は2Fの講習室に進めと指示された。問題が1つ。写真を撮るとき頭が少し右に傾く癖がある。それを指摘されて修正する過程で気が緩んでにやけてしまったのが失敗。今後5年間は,このニヤケタ免許証とつき合わなければならない。いつもの逮捕された犯人顔ではないのでよしとしよう。ここまでで,最初から30分経過している。

2F講習室。20分ほど待って,30分の講習が始まる。いよいよ自動運転時代を前にして,両手でハンドルを持ってしっかり操作してください,他の車とコミュニケーションしてくださいという,非常に本質的な注意を受ける。夜間はハイビームがデフォルトで,対向車があればこまめにロービームに変えて下さいということだった。もちろん,話題のあおり運転の話もあった。

次回は71歳の2024年です。




2019年8月19日月曜日

加藤恭子と田島道治

NHK特集の昭和天皇(1901-1989)に関するテーマは,夜7:00のニュースにまであふれ出して,国民に何らかの変化をもたらせようとしている。8月17日に放映された,NHKスペシャル「昭和天皇は何を語ったのか −初公開・秘録拝謁記」である。初代宮内庁長官を務めた田島道治(1885-1968)の昭和天皇とのやりとりを記録した手帳やノートが発見されたということで,昭和天皇のこれまで伝えられなかった考えを伺い知ることができる。

これに対してさっそく,昭和天皇と田島道治のことは既に知られていたとのコメントがあった。その内容は,フランス文学者で伝記著者である,加藤恭子(1929-)が不思議な因縁で田島家から受け取った資料の一部によって知られ,書籍としても出版されていた内容だということである。具体的には「近現代日本の政策史料収集と情報公開調査を踏まえた政策史研究の再構築」という科研費の報告書にある2003年の講演記録から分かる。

ただ,フランス文学者の加藤恭子は「田島メモ」を直接見てはおらず,それがゆえに,歴史学者である茶園義男(1925-)からその推論(天皇の謝罪詔書の草稿の位置づけ)を強く否定されていた。しかし,今回NHKが報道した田島メモが本当ならば,茶園のほうが誤っていたということなのだろう。

天皇の戦争責任と憲法改定と再軍備をめぐるいくつかの重層的なテーマが含まれており,NHKがこれを報じたのが,どのような意図のもとでなのか,あるいは安倍政権がどうやってこれを改憲スケジュールに編み込んでいくのか,不安で不確実な暗雲がただよっている。

そうこうしているうちにも,れいわ⊗韓国⊗あいちトリエンナーレ⊗N国をめがけて,杉田水脈,橋下徹,東国原英夫らが続々と右からの工作に励んでおり,マスコミは反韓国で一色の報道。それにしても,金正恩があれほど文在寅に対して敵意を表明するのはなぜなのだろうか。板門店でのトランプ+金正恩+文在寅(あるいは最初の段階の会談)からどうしてこんなに遠くに来てしまったのだろうか,どんな理や利があるのかよくわからない。

2019年8月18日日曜日

ひろしま

NHKが深夜に映画「ひろしま」を放送していた。日教組が関川秀雄の監督で製作し,1953年8月に完成しているので,誕生してからちょうど自分の年齢と同じだけの時を経ている。はっきりしたストーリーはなく,岡田英次と広島出身の月丘夢路が主人公かと思っていたら,そうでもなかった。様々なエピソードの積み重ねで原爆投下前後の悲惨な状況をリアルに描写しているが,現実の重みがそれらのエピソードを支えている。また,原爆投下後8年目に,地元広島市民の協力の下に製作されており,監督の視点ではなく市民や被爆者の呻きのような空気も感じられる。

広島大学の教育学者である長田新が原爆を体験した子どもたちの作文を編集した文集「原爆の子」がもととなっている。当初は,日教組が新藤兼人を監督として製作を進めるはずだったが,両者は意見があわなかった。新藤兼人は「ひろしま」とは別に「原爆の子」という映画を乙羽信子主演で製作し,1952年8月6日に公開した。こちらのほうは見たことがない

1953年9月には,国際物理学会が日本(東京・京都)で開催されている。海外からはノーベル賞学者17名を含む55名が参加しているが,そのうち8名がこの映画を見ているらしい。いつ誰が観たのかについての情報はみつからなかった。映画には仁科芳雄博士が原子爆弾であることを確認した話と,原爆であることを秘匿しようとする軍部とのやりとりが出てくる。

2019年8月17日土曜日

(夏休み7)

にんけんハあざないものであるからに
すゑのみちすじさらにわからん
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)

2019年8月16日金曜日

(夏休み6)

どろうみのなかよりしゆごふをしへかけ
 それがたん〻さかんなるぞや 
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)

2019年8月15日木曜日

(夏休み5)

 ほそみちをだん〻こせばをふみちや
これがたしかなほんみちである
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)

大東亜戦争終結の詔書(裕仁)
3.1独立運動100年光復節記念演説(文在寅)

2019年8月14日水曜日

(夏休み4)

一れつにあしきとゆうてないけれど
一寸のほこりがついたゆへなり
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)


2019年8月13日火曜日

(夏休み3)

よろずよにせかいのところみハたせど
あしきものハさらにないぞや
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)


2019年8月12日月曜日

(夏休み2)

よろずよのせかいぢふうをみハたせバ
みちのしだいもいろ〻にある
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)

2019年8月11日日曜日

(夏休み1)

このよふハりいでせめたるせかいなり
(おふでさき通訳 芹澤茂 より)

2019年8月10日土曜日

原発危機と「東大話法」:安富歩

(「安富歩さん」からの続き)

この本を買ったのはいつのことだったろうか。長いこと積ん読状態だったけれど,安富さんのれいわ新選組の参議院選比例区候補としての演説を聞いているうちに再読しようという気になった。

典型的な東大話法者として,池田信夫があげられている。彼は,福島第一原発災害の後,一瞬だけ正気になったブログ記事を書いたことがあったが,その後は安定の新自由主義反動路線の人で,安富をボロクソにけなしている。「京都生まれで東大卒で新左翼崩れでNHKで青木昌彦の下でドクターをとるとこんな結末を迎えるのか」という差別的な言辞を吐きたくさせる方である。

話がそれた。ブログ記事を再編集したものが中心になっているので,とりたてて新鮮な感想は持たなかったが,第4章の「役」と「立場」の日本社会というのは,自分もその考え方にどっぷりと染まっていたので,よくわかった。また,第5章の槌田敦のエントロピー論に立脚した議論も素直に納得できるものだ。

安富歩は,既存の学の枠組みに束縛されず自由に考えることができる希有の人だと思う。2011年の3月に発行された(たぶん東日本大震災以前の対談)京都大学大学院人間・環境科学研究科の雑誌人環フォーラムNo.28に,「<対談>生きるための経済学:安冨歩,間宮陽介, 司会 阪上雅昭」という記事が掲載されている。阪上君は阪大理学研究科で,森田研のとなりの内山研で3〜4学年下の院生だったが,その後,福井大学教育学部を経て京大人間・環境科学研究科の教授となっている。安富さんとは親しいようだった。

この対談では,間宮陽介が典型的な東大話法型の人間であることが透けてみえる。間宮は岩波文庫でケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」を翻訳しているが,山形浩生経済のトリセツボロクソに叩かれていた(まあ,山形のことなので,どこまで真剣に受け止めるべきかは留保したほうがよいのかもしれない)。間宮は物知りで引出をたくさん持っている人であり,安富の考えを正面から受け止めず,既存の知識で斜めにバンバン打ち返していた。その点,阪上君は安富さんを理解した上で対応している。

この続編が,「幻影からの脱出−原発危機と東大話法を越えて(明石書店,2012)」であり,上西充子さんの「呪いの言葉の解き方(晶文社,2019)」にも続いている。

2019年8月9日金曜日

中田敦彦のYouTube大学

ヨビノリが話題になっていると思っていたら,オリエンタルラジオ中田敦彦YouTube大学の話が飛んできた。チャンネル登録者は65万人を越え(277位),動画再生数は3700万回に達している。2019年4月から青山学院大学経営学部の客員講師に就任して,「エンターテインメントビジネス実践経営学」を担当するともに,教育系YouTuberとして,日本史,世界史,経済,政治,文学,などをテーマとした番組を配信している。タイトルは次のようなものであり,わりといい感じ。
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【政治】なぜ増え続ける?「消費税増税」〜裏に隠された歴史編〜①
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中田敦彦は,茂木健一郎の発言をめぐる議論で,松本人志を批判し,吉本興業から圧力が加わったとの話があった。中央や地方の政権との癒着でポストTV時代の延命を目指しているよしもとが差別の温床になっていることを考えると,中田敦彦には頑張ってもらいたい。が,一方でヨビノリや中田敦彦のYouTube大学の隆盛がはらむ危険性も少し感じる。ポピュリズムであるにしても,山本太郎のようなはっきりとした原理が必要なのだろうと思う。

追伸:結局中田敦彦のそれはチャンネル登録から外してしまった。

2019年8月8日木曜日

ヨビノリ(1)

ヨビノリは,予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」というYouTubeのチャンネルである。教育系ユーチューバのヨビノリたくみ(松本拓巳)さんが運営している。予備校講師の経験をもとに,大学院生であった2017年からYouTubeを用いたアウトリーチ活動として始め,2018年に大学院(あの沙川研だ)を中退してYouTuberとして専念しているらしい。

大阪教育大学で担当していた「科学のための数学」は,理科教育専攻の1回生を対象とした専攻専門の選択科目であり,60名程が受講している。大教大理科の個別学力検査では,数Ⅲが必須ではなく,理科の教員を目指すといっても,小学校,中学校,高等学校と幅広いスペクトルの学生が集まっていることから,数学の基礎知識や基本技能には大きな開きがある。

そこで,この授業は,微分積分入門(初等関数,関数の極限,微分法,積分法,偏微分,重積分)ということで,数Ⅲ+αの内容をカバーしている。高校時代の数Ⅲが未習の学生にはハードルが高く,既習の学生には物足りないという絶妙の内容で毎年苦労していた。

一昨年のある日,この授業の受講生が研究室に「先生,ヨビノリって知ってますか」といってきた。ウェブ上の様々な学習コンテンツは,ある程度リサーチしていたので,「知ってるけど」と答えると,「来年度から是非これを授業に取り入れたらどうでしょう」との提案があった。学習進度がまちまちなので,反転学習の教材として使えるかもしれなかったのだが,定年1年前でちょっと元気が足りなくて断念した。

2019年8月7日水曜日

戦時性暴力の問題(1)

サイゾーウーマン というのはウェブ版の女性週刊誌のようなものなのかな?
特集「慰安婦問題」を考える第1回として,「今さら聞けない「慰安婦」問題の基本を研究者に聞く――なぜ何度も「謝罪」しているのに火種となるのか」が取り上げられていた。
関東学院大学教授の林博史先生のたいへんていねいな解説である。いわゆる「慰安婦」問題は,日本における最近のすべての民族・歴史・性差別・表現問題の中心点だと思われる。

一番の戦犯は小林よしのりだろうか。そして,中川昭一と安倍晋三とNHKだ。安倍に重用される極右女性議員たちと安倍を支える日本会議とその周辺の文化人。橋下徹と維新グループや大都市の首長たち。気づかないふりでスルーを決め込むどころか,反韓気分の火に油を注ぐ勢いのマスメディア。それによって燃え上がるネトウヨ工作員。信じ込む高齢者たち小人閑居して不善をなす。

戦時性暴力の問題(2)に続く)

2019年8月6日火曜日

原爆のイメージ

小学校5年か6年のころに,教室にアサヒグラフ(だったのか?)の原爆写真がやってきたことがあった。先生が持ってきたのか,教室の誰かが持ってきたのかははっきり憶えていないが,一面に焼けただれた市街地の白黒のあらいホワイトノイズのようなイメージがぼんやりした恐怖とともに鮮明に印象づけられた。このとき被爆者の写真があったのかはよくわからない。

中学生になったころか,近所の会館で原爆資料映像の公開があって見に行った。たしか,社会党の市会議員か県会議員の方がお世話していたものだったと思う。その後,NHKでも同様の映像がはじめてテレビで放映されることになり,家族でみいった記憶がある。

広島平和記念資料館をはじめて訪れたのは,大学2年の夏休みのちょうど原爆記念日を前後するころだった。友達と巡った山陽・山陰・北陸の旅の途中に広島に立ち寄った。資料館の展示物の印象は強烈で声も出なかった。平和記念公園では中核派などのデモがあり,我々はそれを横目で見ながら,夕方の灯籠流しまで広島にとどまり,それから夜行で島根・鳥取に向った。

[1]原爆映像の経緯(日映映像)



2019年8月5日月曜日

表現の自由

日本国憲法

第二十一条 集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。
○2 検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。
日本国憲法の下でも,表現行為が他者とのかかわりを前提としたものである以上,表現の自由には他人の利益や権利との関係で一定の内在的な制約が存在する。内在的制約とは,第一には人権の行使は他人の生命や健康を害するような態様や方法によるものでないこと,第二には人権の行使は他人の人間としての尊厳を傷つけるものであってはならないことを意味する。 (Wikipedia 日本語版「表現の自由」より)


2019年8月4日日曜日

あいちトリエンナーレ

あいちトリエンナーレ2019は,愛知県で開催される現代美術の国際芸術祭である。2010年から3年おきに開催されており,今回が4回目になる。芸術監督はツダるでおなじみの津田大介。2015年1月18日〜2月1日に東京練馬のギャラリー古藤で「表現の不自由展」という企画が開催された。これまで,組織的な検閲や忖度によって展示を拒否あるいは撤回された作品を集めたもので,澤地久枝さんのトークなどもあった。

あいちトリエンナーレ2019では,この「表現の不自由展」の続きとして,「表現の不自由展・その後」が企画された。慰安婦問題を契機とする少女像,昭和天皇の肖像を燃やす映像,安倍政権への警鐘を掲げるかまくら等を展示していた。これに対して抗議や脅迫が殺到するとともに,松井大阪市長に教唆された河村名古屋市長や,菅官房長官の企画に対する否定的発言が,抗議・脅迫側を支持して煽っために,企画は8月3日に中止に追い込まれてしまった

日本には,安倍政権の中核に存在する極右的(含むネトウヨ)な見解に反対する表現の自由(特に戦時の性暴力や徴用や虐殺等に関して)の余地が極めて乏しいことが改めてはっきりと可視化されてしまった。また,それを補完するように,脅迫側の存在や警察による不対応を所与の前提として出典企画側の非をとなえる江川紹子のような言論が幅をきかせている。表現の自由をあからさまに攻撃することはまずいと考える手合は,一定の集団に不快を催す企画を公金でまかなうことについて異を唱えるという作戦に出ている。

なお,表現の自由は無制限・無限定に認められるとは考えない。生存に関る人権と抵触する場合は認められるべきではないと思う。つまり,国際人権規約の次の条項が議論の出発点になるということ。その上で今回の抗議・脅迫・弾圧側にはなんの理も認められない。

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自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約 B規約)

第十九条
1 すべての者は,干渉されることなく意見を持つ権利を有する。
2 すべての者は,表現の自由についての権利を有する。この権利には,口頭,手書き若しくは印刷,芸術の形態又は自ら選択する他の方法により,国境とのかかわりなく,あらゆる種類の情報及び考えを求め,受け及び伝える自由を含む。
3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって,この権利の行使については,一定の制限を課すことができる。ただし,その制限は,法律によって定められ,かつ,次の目的のために必要とされるものに限る。
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全,公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護

第二十条
1 戦争のためのいかなる宣伝も,法律で禁止する。
2 差別,敵意又は暴力の扇動となる国民的,人種的又は宗教的憎悪の唱道は,法律で禁止する。

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[1]自由権規約委員会 一般的意見34(仮訳)(日本弁護士連合会)
[2]あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」をめぐって起きたこと−事実関係と論点の整理(明戸隆浩)


2019年8月3日土曜日

ローレンツ条件

今年から非常勤で物理を教えることになり,はじめて電磁気学を担当した。45年前の自分が学部のときの電磁気学は伊達宗行先生が担当されており,授業はたんたんと進行していた。電磁気学演習はどなたが担当だったのだろう。はっきり覚えていない。

「理論電磁気学」の教科書で有名な砂川重信先生は当時の教養部の所属であり,大学院に入ってはじめて量子電磁力学の授業を3〜4人で受講するようになるまでは,ご尊顔も拝見したことがないくらいだった。大学院入試の面接で,森田正人先生,小谷恒之先生と砂川先生のチームが,物理以外の内容を質問する部屋があった。どんな物理の本を読みましたかという問に,マンドルの「場の量子論入門」と答えた。いまひとつピンとこなかったのか,他によかった本はありますかということで,砂川さんの「理論電磁気学」がとてもよかったですと,ご本人が目の前にいるとは知らずに答えていた。ただ,後半がちょっとわかりにくかったというと,それはあなたの勉強不足ではと森田先生からコメントがあり,みんな笑っていた。

さて,その電磁気学で,電場や磁場に対するマックスウェル方程式から,スカラーポテンシャルやベクトルポテンシャルの方程式を導出する際に,ローレンツ条件という,電磁ポテンシャル間の条件式を課すことがある。そのローレンツ(Ludvig Valentin Lorenz 1829-1891)は,デンマークの物理学者である。一方,電磁気学のローレンツ力でおなじみのローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz 1853-1928)の方は,オランダのノーベル賞物理学者である。後者は,特殊相対性理論のローレンツ変換でも有名である。ところがローレンツ条件は相対論的に不変であり,電磁ポテンシャルの方程式を相対論的不変にするという特徴を持つ。ややこしいことこの上ない。

というわけで,これまでの多くの著名な電磁気学の教科書や事典は両者を混同しており,ローレンツ条件をLorentz条件と誤記している。理化学辞典,培風館の物理学事典,岩波の現代物理学の基礎,電磁気学の教科書では,パノフスキー・フィリップス,平川浩正,牟田泰三,そして砂川重信,ああ,全滅である(いずれも手元の旧版の場合)。

J. D. Jackson の Classical Electrodynamics 3edは大丈夫。Ohta-Wakamatsuの太田浩一さんは,Lorenzをローレンスと表記してLorentzと区別している。物理教育学会の大御所の霜田光一先生も正しく認識されており,注意を喚起していた。


[1]霜田光一:光速の原理と電荷保存則からマクスウェルの方程式を導く(物理教育第53巻第4号319-322,2005)
[2]霜田光一:光速の原理と電荷保存則からLorenz条件を導く(物理教育第54巻第4号286-287,2006)





















写真:Wikipediaより 左:ルードビィヒ・ローレンツ 右:ヘンドリック・ローレンツ


2019年8月2日金曜日

White List

暑い夏がさらに熱くなった日。

日本における安全保障貿易管理の枠組みの中で,大量破壊兵器及び通常兵器の開発等に使われる可能性のある貨物の輸出や技術の提供行為などを行う際,経済産業大臣への届け出およびその許可を受けることを義務付けた制度が「補完的輸出規制キャッチオール規制)」である。

その中の,グループA(輸出管理優遇措置対象国=27カ国)が,いわゆるホワイトリストに載っている国。韓国をこれから外してグループBにするというのが本日の日本政府の閣議決定の内容である。8月7日に公布,8月27日から施行予定。

自分の立場は,文在寅(ムン・ジェイン)支持,安倍内閣不支持である。経済産業省がコアになっている現政権は,どんなメリットを求めてこの措置へと踏み出したのだろうか。普通に考えると経済的なメリットは全くないので,政治的・軍事的な判断であるが,なにか不思議な気がする。

北朝鮮との緊張緩和路線を進める韓国への対抗。建前としても安全保障上の問題から今回の措置を取ったという説明をしている。今回の北朝鮮の短距離ミサイル実験にJアラートも出さずゴルフに勤しんでいた安倍だが,韓国と北朝鮮が主導し米国(トランプ)と中国とロシアが支持する朝鮮半島の緊張緩和は困るので,それを妨害するための一手と考えられる。

朝鮮半島の緊張状態は,拉致被害者を利用した国内世論の喚起や,軍事的脅威をあおって米国の軍事産業への協力の言い訳に使えることなどから,安倍にとってこれを維持することには価値がある。これはトランプに取っては困った日本の行動なのだが,ポンペオ国務長官の取り成しもいまいち迫力がなく,もしあったとしても日本はこれを蹴っている。反トランプの米国内対北朝鮮強硬派との繋がりや両者の力関係がなせる技かもしれない。

ホワイトリストからの削除は,韓国との間に軍事的な信頼関係はないと日本側が宣言したことと同じだから,日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)を韓国側が破棄しても,当然ということになる。この協定は,日本と韓国のどちらにとってよりメリットがあったのだろうか。最近の北朝鮮のミサイル実験については明らかに韓国側の情報が優位なので,今後,日本はそれが米国経由でしか得られないことになる。いずれにせよ,米軍が圧倒的な情報をもっているということであれば,日本にとってのデメリットは相対的に小さいかもしれないが・・・GSOMIA破棄は北朝鮮と韓国を接近させる方向に作用する。

10月の消費税増税を見越し,国民の関心をそらし,きたる衆議院議員選挙のための反韓気分を醸成することが目的なのだろうか。れいわ新選組の効果を無効化し,右寄りで排外主義的な気分を煽ることが,日本会議や維新をはじめとしたコアな安倍支持層を元気づけ,政権の浮揚や安倍4選あるいは憲法改正への道を開くという考えがあるのかもしれない。ハイテク産業やインバウンド需要などへの経済的なダメージがどれだけあろうが政権支持率にはほとんど影響ないという判断なのだろうか。

長期的に見て,日本の高度素材産業への影響がどうなるかは,正確な情報が読み切れない。数ヶ月で韓国は新しいサプライチェーンを構築できるという説と,日本の技術的な蓄積はそんな短期間では乗り越えられないという説がある。結局は時間スケールの問題なのであって,グローバルなハイテクサプライチェーンからの日本の剥落は進むだろう。あるいは,高度素材提供企業が倒産して,韓国企業に買収されるというオチなのかもしれないが。

[1]安全保障貿易管理(大学研究機関向け)…orz なんと生き苦しい世界なのか

2019年8月1日木曜日

暗黒通信団

書店で暗黒通信団の「円周率1000000桁表」や「自然対数の底100万桁表」などを見かけたことがあって名前は知っていた。偶然に,古典不変式論のpdfファイルをみかけたのがきっかけで,そのホームページにたどり着いた。なかなか面白そうなテキストがたくさん並んでいる。天羽優子氏や左巻健男氏がメンバーに入っているのか。教育大改革論もすべての議論を支持するわけではないが興味深い。

2019年7月31日水曜日

参院選後の無残な大阪

れいわ新選組の特定枠で当選した,舩後靖彦議員と木村英子議員の障害に対する対応をめぐって,さまざまな意見が飛び交っている。参議院の議院運営委員会や事務局の当面の対応は妥当だと思う。これに対して維新の党首をはじめ,主要メンバーらが真っ先にかみついている。反人権・差別主義者たちの本領発揮である。松井一郎のツイートに対して,2万5千件のイイネがついていることにがく然とする。同じような空気がN国党の立花孝志を当選させ,それを核として新自由主義かつ差別的言辞を弄するはぐれもの議員の集まりが形成されつつある。大阪の教育も公園も,すべての公共的存在が商品化され,吉本を中心とした企業に売り飛ばされていく。なにせ辰巳商会中央図書館ですよ。今日で7月も終わりだが暑い夏は続く・・・

2019年7月30日火曜日

SNSの国内ユーザ

主要SNSの国内ユーザ数の最新データが流れていた。前年データよりも特徴がぼやけてきたが,LINE,Facebook,YouTubeの平均年齢は,43〜44歳であり,Twitter,Instagramの平均年齢は,39歳である。前者は40〜50代に利用者のピークがあり,Instagramは30〜40代,Twitterは20代で最も若年層にシフトしている。60代利用者が最も少ないのもTwitterである。

なお,グローバル(日本国内)の利用者数は次のようになっている。Facebook 23.7億(2,800万),YouTube 19億(6,200万),Instagram 10億(3,300万),Twitter 3.3億(4,500万),LINE 1.6億(8,000万)である。


2019年7月29日月曜日

きしみ

日本経済新聞 7月29日朝刊で報じられた日経・テレビ東京による7/26-28世論調査の結果。安倍内閣支持率52%(18-39歳 58%,40-59歳 56%,60歳以上47%)。改憲国民投票賛成52%(18-39歳64%,40-59歳58%,60歳以上43%)。このまま推移すれば,憲法改正に至るのは時間の問題かもしれない。

大阪での維新の躍進は,反動的な動きだと思っていたが,大阪はこれまでも政治的には日本の先端を走っていた。中選挙区制時代の自民党の凋落や,公明党・共産党の拡大など,他の地域に先駆けていたように思う。今の動きは,大都市圏と地方の違いが顕著に現れているようだが,日本社会の閉塞感と変化への切望が,維新という形で吹き出している面もあるのだろう。

猛暑がはじまりそうな朝のベランダから,緑の水田を見下ろしていたら,蟬の鳴き声とともに,日本のきしみが響いてくるような気がした。このきしみをなんとかしたいという社会の気分が,後先を考えずに改憲という道へと走らせてしまいそうな予感がする。

複雑化・肥大化した社会システムの持つ慣性と既得権をそのままにして(受益主体は変わるかもしれないが),社会の変革を進めようとすることが,社会の高度情報化(ネットワーク→AI)と絡み合ってグロテスクな様相を呈している。20世紀のソ連などによる社会主義と計画経済は失敗に終わったが,21世紀のIT技術に根ざした資本主義の上に新しい計画経済が構築されようとしている。PDCAとエビデンスの悪夢が世界を覆っている。

2019年7月28日日曜日

Nagi MOCA

特定のアーティストの建築と一体化した作品がそこへいかなければ見ることができない,というタイプの現代美術の美術館の先駆けが,岡山県奈義町の奈義町現代美術館 Nagi MOCA(1994-)である。という説明を,今,NHKのEテレの日曜美術館でやっている。小野竹喬のふるさとの岡山県笠岡市から始まる旅がテーマなのか。Nagi MOCAは,その後登場した,地中美術館(2004-),金沢21世紀美術館(2004-)の先駆けだということ。Nagi Museum of Contemporary Artの頭文字が,Nagi MOCAなのか。荒川修作+マドリン・ギンズ,岡崎和郎,宮脇愛子の4人の,建物を含む作品で構成されている。

写真 NagiMOCAのFacebookページより引用


2019年7月27日土曜日

安富歩さん

たぶん,2011年の東日本大震災の福島第一原子力発電所の事故がきっかけである。これを巡ってウェブで戦わされた議論の中に,2012年当時のヒゲ面の安富歩さんが語っているものがあった。共鳴した自分はさっそく「原発危機と東大話法−傍観者の論理・欺瞞の言語−(明石書店)」を買った。今日までページを開かずに大切に保存していた。

その後,山本太郎のれいわ新選組から第25回参議院議員選挙の比例区候補として立候補し,馬をつれて演説を重ねた。その一部をYouTubeで耳にしたが,彼の文章と同様に,たいへんわかりやすく納得できるものであった。

Wikipediaによれば,安富歩さんは,京大の経済出身だが,住友銀行をやめて大学院に入り,今は東京大学の東洋文化研究所の教授である。研究分野は非常に多様性に飛んでいて,複雑性にからむ経済物理学の論文(貨幣の生成と消滅について等)も数編ある。10年近く,非線形科学の研究をしていたのことだ。

[1]安富歩:純セレブスピーカーから見える新しい経済世界〜イノベーションとマネジメント〜(2019年4月,浩志会4月度定例講演録)
[2]安富歩:堺市役所前の演説(2019年7月19日,バイオリン:田崎健,キーボード:片岡祐介)

原発危機と「東大話法」:安富歩 に続く)

2019年7月26日金曜日

判別式

多項式の判別式は,3次式以上でも定義できるということを知った。$n$次多項式 $=0$となる代数方程式を,$\displaystyle \sum_{i=0}^n a_i x^i = 0 $とし, その解を$\alpha_i$ ($i=1,2, ... ,n$)とする。
このとき,判別式は,$\displaystyle \Delta = a_n^{2n-2} \prod_{i<j} (\alpha_i - \alpha_j)$となる。根と係数の関係によって,判別式は$a_i$ ($i=1,2, ... ,n$)によって表すことができ,代数方程式の解のふるまいがわかる。

[1]判別式(Wikipedia)
[2]3次方程式の判別式(tsujimotterのノートブック)
[3]4次及び5次方程式の判別式(サイエンスとサピエンス)
[4]判別式(吉田正章)

2019年7月25日木曜日

参院選(2019)の結果

開票直後の新聞やテレビでは,自民公明の与党が勝利と大々的に報じていたような気がしたが,落ち着いてみるともう少しややこしくなっていた。

・投票率はかなり下がった(特に若年層)。これは政権・マスコミの狙いどおり。
・自民党は議席数をかなり減らしたが,公明党は低投票率に救われ議席数を増やした。
・若年層を中心として支持の高い維新の会やN国党が議席をかなり伸ばした。N国党はYouTubeで資金調達し,選挙区の供託金の300万円を出資金として立候補者をつのり,政党助成金で還元するというビジネスモデルをつくってしまった。政党要件の2%は確保できるというシミュレーションにもとづいている。彼らは政策(NHK放送のスクランブル化のみ)ではなく,単純な利殖の手段として国会を利用している。背後関係はあるかないか不明だが,維新と同様の新自由主義的なヘイト政党であって親安倍であることは違いない。
・今回,立憲の数が増えたのは,国民民主党との再編過程のボーナスにすぎない。
・社民共産の支持者高齢化が進行し,得票率が顕著に下がった。その分をれいわ新選組がカバーした。3党(共社れ)の比例区得票率合計は,15.39%→15.59%である。立憲が食われたという見方が正しいかどうかは疑問。なお,3党(自公維)の比例区得票率合計は,58.63%→58.22%だ。

投票率 54.7%→48.8%
議席数 総数 242→245 
     2/3  162→164   比例政党得票率
    自民 124→113  自民 35.91→35.37 △
    公明   25→  28  公明 13.52→13.05 △
    維新   13→  16  維新   9.20→  9.80 ○
    N国  0→ 1  N国     0→  1.97 ○
    国民   23→  21  国民  (20.98)→  6.95 −
    立憲   24→  32  立憲  (20.98)→15.81 −
    社民  2→ 2  社民   2.74→  2.09 ×
    共産   14→  13  共産 10.74→  8.95 ×
    れいわ 1→ 2  れいわ(1.91)→  4.55 ○
    無所属  12→  17
    欠員  4→ 0
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    改憲派 162+α → 158/179+β

当初の予定通りに国民民主党を改憲グループに含めれば,179+βで改憲可能になった。
比例得票率でいうと,改憲派(自民+公明+維新+N国+国民)が67.14%で反改憲派(立憲+社民+共産+れいわ)が31.40%である。結局,この参議院選挙が分岐点になったということかもしれない。国民民主党内がどの程度まとまるか,造反が出るかにもよるが,ベネッセと吉本興業(+テレビ・新聞・広告)を押さえた安倍政権は強い。もし,上記の改憲派を背景に安倍がゴーサインを出すことができれば,どんどん改憲キャンペーンのCMを打って,大阪の維新のような様相が全国的に展開されるのは火をみるより明らか。

安倍自身は,背景組織などを踏まえた改憲狙いかもしれないが,別に,極右に義理立てする必要のない新自由主義派のとりまきは,消費税増税+インボイス導入(これ自身は合理的政策だと思う)による不満や反政権の動きを打ち消すための手段として考えているのでは。もちろん,憲法9条,24条の改悪は,それぞれ関連業界の利益(防衛産業はトランプにむしられているか?)と,家族の扶養義務強調=社会保障政策の超軽量化による財政負担の軽減というメリットがあるわけで。

2019年7月24日水曜日

仮名手本忠臣蔵(五・六・七段目)

夏休み文楽特別公演の四日目の火曜日,平日の国立文楽劇場は初めてだったかな。お客さんの年齢層は高いがほぼ満員御礼状態。冷房が効きすぎていたのか休憩時間には男子トイレまで行列が絶えることがなかった。

演目の第二部は仮名手本忠臣蔵の五段目,六段目,七段目である。立川志の輔の中村仲蔵の落語でこの五段目に開眼し,前回(平成24年11月)の通し狂言も見ているので,ストーリーはある程度押さえているはずだけれど,まだおぼつかない。祇園一力茶屋のおかるは吉田蓑助になっていたが,二階の場面に少し出たあとは吉田一輔に交代したようだ。人間国宝になったばかりの豊竹咲太夫も,前回は一力茶屋の段の由良之助だったのが,今回は軽い身売りの段を勤めていた。まだ体調が十分ではないのかもしれない。早野勘平腹切りの段は,豊竹呂勢太夫。

一力茶屋の段の掛け合いの構成や最後の場面での斧九太夫の扱いなどを覚えていなかったので,新鮮だった。おかるの手鏡は丸いのかと思っていたら,四角いものであったし,おかるが由良之助の促されて二階からはしごを降りるところなども面白かった。最近は記憶が衰えてきたので,何度も新鮮な気持ちで見ることができる。いいのか悪いのか。

3列33番は,床の直下である。若手をはじめなかなかの迫力で聞き応えがあった。小住太夫も咲寿太夫もよかった。靖太夫は有望なのだけれど,最初の平板な入りをもう少し何とかしてほしいかも。藤太夫が見台と床本なしで,下手で鷺坂伴内を語っていた。こんな演出だったのか。

鷺坂伴内といえば,10年近く前の文楽入門講座か何かで,竹本相子太夫が鷺坂伴内の役を使って説明してくれたのが印象深かった。その当時はまだ,仮名手本忠臣蔵の面白い役回りだと認識していなかったころだ。2013年に相子太夫は文楽座を退座してしまった。残念だった。久しぶりだったので,人形遣いの若手で初めて見るような顔がいくつかあった。太夫の若手もはやく育ってほしい。

2019年7月23日火曜日

ベネッセと吉本興業

単純化された物語:安倍政権は教育を梃子とした日本の改造を目指してきた。それが新自由主義的な動きと連動して様々な問題を噴出させている。ベネッセは幼児から大学入試までの知育をカバーし,吉本興業はお笑いによる差別的な構造の再生産を通じて徳育をカバーする。その背景には,日本会議的な反左翼や反人権のトーンで染められたタペストリーがあり,官僚崩れのフィクサーが蠢いて行政や政治を結ぶ網目を張り巡らしている。新しい教育基本法の下で飼いならされた若者たちはこの網目に搦め捕られていく・・・

大阪都構想・憲法改正のための強力な宣伝エンジンとしての吉本興業,そして,その報酬としての沖縄開発利権とIT教育システム利権。松本人志に象徴されるいじめの構造を内在化したグロテスクなヘイトチームが,大阪から日本を覆い尽して行く。安倍が吉本の舞台に立ち,吉本芸人が首相を訪問するのは,すべてこのための地均しだった。


2019年7月22日月曜日

喜光寺(菅原寺)

奈良にある法相宗の別格本山喜光寺は,721年に行基が創建したという説がある。菅原の里につくられたので,当初は菅原寺と名付けられていたが,748年に行幸された聖武天皇によって喜光寺という名前が賜られた。左下の写真のように菅原寺という名札も懸かっている。右下の写真の建物は,行基が東大寺大仏殿を建立する際に十分の一の雛形として建てたとの伝承から「試みの大仏殿」とよばれていると受付の方が説明してくれた。十分の一は長さなのか面積なのか体積なのかよくわからなかった。

写真:喜光寺の本堂1(2019.7.18撮影)

本堂の中には阿弥陀如来,観自在菩薩,勢至菩薩の三尊が治められている。もうすぐ修理に入るらしい。奈良大学に預けられている四天王が里帰りしていた。9月2日まで特別公開されているらしい。奥のお写経道場ではいろは写経ができる。境内では鉢植えの蓮の花がちょうど見頃になっていた。

写真:喜光寺の本堂2(2019.7.18撮影)


2019年7月21日日曜日

菅原神社

奈良の喜光寺は,菅原道真(845-903)の生誕地(異説も多い)である菅原の里にあったためかつて菅原寺とよばれていた。喜光寺のそばには菅原神社(菅原天満宮)と菅原道真が産湯を使ったといわれる天神池の遺跡があった。「すがはら」なのか「すがわら」なのかどうなのだろう

写真 菅原天満宮あたり(2019.7.18撮影)

2019年7月20日土曜日

アポロ11号

1969年の7月20日の20:17(UTC)にアポロ11号の月着陸船が人類初の月面着陸に成功した。日本時間では7月21日の5:17(JST=UTC+9)になるのだけど,高校1年の自分はこれをテレビの実況中継で見ていたのだろうか?あまりはっきり記憶にないし,それほど感動しなかったような気もする。当時は早川書房のSFマガジンの定期購読者であり,月をテーマとした短編の特集がその前後1〜2年にあったのははっきり憶えている。いずれにせよ,1年後の1970年の夏休みには大阪万博のアメリカ館で,そのアポロ11号が持ち帰った月の石を見ることになるのだった。ソ連館に比べるとその曇りの日夕方の行列の待ち時間はたいしたことはなく,月の石の感動もそれほどのものではなかった。

宇宙開発のこれまでの歴史で最も感動したのは,1970年2月11日の13:25に内之浦から打ち上げられた日本初の人工衛星おおすみの方である。建国記念の日は1966年に制定されており,当日は祝日だったはずなので,家でテレビの中継にかじりついていた。夕方のニュースなどを繰り返して見続けた。各国独自のロケットによる打ち上げでは,ソ連1957,アメリカ1958,フランス1965,につづいて4番目,その後すぐに中国1970,イギリス1971が続いた。1966年から始まった東大宇宙航空研究所のラムダ4Sシリーズで,4回も失敗を重ねて新聞を賑わしていたので,やっと達成できたという喜びが大きかった。

次に感動したのは,1972年3月2日にケープカナベラルから打ち上げられた惑星探査機パイオニア10号である。3月3日から5日までが,国立大学一期校の大学入試であり,前日に金沢から大阪に向った雷鳥の中で新聞記事を見てすごいと思った。それ以前にもこのニュースは伝わっていたが,いよいよ現実のものとなったのかと感慨深かった。そのときに金属銘板に刻まれた図を以下に引用した。果たして,人類の存在に気付く地球外知性体は存在するのかというテーマであり,地球と人類の自己紹介を刻んだものであった。

図 探査機に取り付けられた金属板(Wikipediaより)

2019年7月19日金曜日

ソーシャルメディア利用ガイドライン(3)

ソーシャルメディア利用ガイドライン(2)からの続き)

googleで検索したものからは,短大や高専や専門学校や大学の学部単位のソーシャルメディアガイドラインを省いてきた。ここで,日本大学法学部のソーシャル・メディアポリシーをみてみよう。これは,公式ソーシャルメディアの運用ガイドライン,教職員のソーシャルメデイア利用のガイドライン,学生・大学院生のソーシャルメディア利用のガイドラインの3つから成り立っている。よくできている。さらによいのが表現の自由の項がトップに来ていることである。下記の例は教職員のガイドラインであるが,学生のガイドラインにも同様の項がある。大学のソーシャルメディアガイドラインはこうでなくてはね。他の大学では,足利大学のソーシャルメディアガイドラインも表現の自由が最初にきている。
表現の自由
 日本大学法学部は,ソーシャルメディアにおける教職員の職務上及び私生活における表現の自由を尊重します。ただし,社会におけるさまざまな法令,ルール,マナーを遵守し,公序良俗に反しないことが大前提です。
昔の(今でもか)中学校や高等学校の生徒手帳に書かれている校則のように考え,授業中のソーシャルメディアへの発信を厳に慎めというようなばかげたソーシャルメディアガイドラインを作っている大学は,これを参考にしてはどうだろう。

大阪府立大学の例では,ソーシャルメデイア活用ガイドラインとして,個人使用編と団体活用編に分けて,pdfリーフレットを作っており,具体的な注意事例の説明やトラブル時の相談窓口を案内している。学生の安全を守りながら活用を進めるという方向性に好感が持てる。大阪市立大学の学生案内の中では,通信販売やインターネットオークションやネットワービス等のトラブルを含めて注意喚起しており参考にできる。リーフレット形式のものとしては,立命館大学の「SNS利用にあたって知ってもらいたい5つのこと」も学生の視点に立ちよくできている。


日本の大学のソーシャルメディアガイドライン(その3)
(google順2019.7 ソーシャルメディア ガイドライン +site:ac.jp

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大阪大谷大学:ソーシャルメデイアガイドライン
https://www.osaka-ohtani.ac.jp/socialmedia/

久留米大学:ソーシャルメディア公式アカウント一覧(ポリシー)
https://www.kurume-u.ac.jp/soshiki/3/socialmedia.html

国際教養大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://web.aiu.ac.jp/about/sns_policy/

松山大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
https://www.u-tokai.ac.jp/enrolled/sns/

国際基督教大学:ソーシャルメディア公式アカウント(ポリシー)
https://www.icu.ac.jp/about/public/sns/

梅花女子大学:ソーシャルメディア利用のためのガイドライン(学生向け)
https://www.baika.ac.jp/assets/pdf/aboutus/approach/socialmedia_guidelines.pdf

× 大阪大学:ソーシャルメディア私的利用ガイドライン
http://daleda.law.osaka-u.ac.jp/~lecture2018/SNS-G.pdf

愛知工業大学:ソーシャルメディアガイドライン(学生向け)
https://www.ait.ac.jp/guide/responsibility/social-media/

芝浦工業大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.shibaura-it.ac.jp/educational_foundation/compliance/social_media_policy/index.html

静岡大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.shizuoka.ac.jp/outline/vision/social/index.html

足利大学:ソーシャルメディアガイドライン(表現の自由がトップ)
http://www.ashitech.ac.jp/campuslife/guidelineFiles/socialMediaGuideline.pdf

甲南女子大学:ソーシャルメディアガイドライン(ガイドライン+ポリシー)
https://www.konan-wu.ac.jp/social/guideline.php

中村学園大学:ソーシャル・メディアガイドライン
http://www.nakamura-u.ac.jp/outline/pr/socialmedia.html

西南学院大学:ソーシャル・メディア・ガイドライン
http://www.seinan-gu.ac.jp/about/activity/sns_guideline.html

甲南大学:ソーシャルメディア公式アカウント一覧(ポリシー+ガイドライン)
https://www.konan-u.ac.jp/life/sns/

立命館大学:SNS利用にあたって知ってもらいたい5つのこと(学生向け)
http://www.ritsumei.ac.jp/rs/sns/

東北福祉大学:ホームページ及ソーシャルメディアの利用に関するガイドライン(学生向け)
https://www.tfu.ac.jp/students/arpn890000001r7l-att/arpn890000004pjc.pdf

独協医科大学:ソーシャルメディア利用に関するガイドライン
http://www.dokkyomed.ac.jp/assets/files/dmu/news/3429-003.pdf

福島大学:ソーシャルメディアポリシー(ガイドライン)
https://www.fukushima-u.ac.jp/university/efforts/social.html

西九州大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
https://www.nisikyu-u.ac.jp/information/detail/i/719/faculty/101/

一橋大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.hit-u.ac.jp/SNS/s_policy.html

大阪学院大学:ソーシャルメディア公式アカウントコミュニティガイドライン(ポリシー)
https://www.osaka-gu.ac.jp/guideline/index.html

沖縄大学:ソーシャルメディアポリシー
http://www.okinawa-u.ac.jp/campuslife/u-life/sns-policy

沖縄キリスト教学院大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
https://www.ocjc.ac.jp/gakuin/kouhou/facebook_guideline/

東北福祉大学:ホームページ及びソーシャルメディアガイドライン
https://www.tfu.ac.jp/students/hp_guideline.html

常磐大学:ソーシャルメディアポリシー
https://www.tokiwa.ac.jp/snspolicy/

広島女学院大学:SNS公式アカウント運用に関するガイドライン(ポリシー)
https://www.hju.ac.jp/info/inc/pdf/officialsns_guideline.pdf

九州大学:ソーシャル・メディア公式アカウント一覧(ポリシー)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/university/publicity/social

帝京科学大学:ソーシャルメディア・ポリシー
https://www.ntu.ac.jp/docs/sns_policy.pdf

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2019年7月18日木曜日

ソーシャルメディア利用ガイドライン(2)


ソーシャルメディア利用ガイドライン(1)からの続き)

大阪大学ソーシャルメディア私的利用ガイドライン」の謎が少しとけた。法学部の田中規久雄先生の平成30年度「法の世界(火曜5限)」全学部対象のページからリンクされた資料のようだ。2018.7.27に「本部から,SNSの利用に関する注意事項を学生さんに広報するよう依頼がありました。見といてください 」とあるので,阪大の学内でサーキュレートされている公式文書のようだ。

しかし,阪大のキャンパスネットワークの利用に関してはサイバーメディアセンターネットワーク利用者ガイドラインが基本になるはずである。そこには,ソーシャルメディアの私的利用ガイドラインをカバーする事項はほとんど網羅されている。一方,私的利用ガイドラインは,サイバーメディアセンターからも大学のトップページの「在学生の方」からもリンクされていない。なんなのでしょうね。

SNSについての注意喚起や啓発が目的ならば,大阪府立大学のようなリーフレットにしたほうが良かったかもしれない。ネットワーク利用者ガイドラインとの最も大きな違いは,大阪大学ソーシャルメディア私的利用ガイドラインにある次の項目とトラブル対応や調査協力に関する項目だけである。
(8)授業時間中や勤務時間中の情報発信 授業時間中や勤務時間中に私的にソーシャルメディアへ情報発信すること、及び授業時間外や勤務時間外であっても、修学上や業務上支給されている端末を用いて私的にソーシャルメディアへ情報発信することは厳に行わないでください。
十日遅れの七夕のお願い:「これが他の大学へと拡散しませんように・・・」



日本の大学のソーシャルメディアガイドライン(その2)
(google順2019.7 ソーシャルメディア ガイドライン +site:ac.jp)
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静岡県公立大学:ソーシャルメディアガイドライン(教職員向け)
https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/guide/public-relations/sns/guideline/

昭和女子大学:ソーシャルメディア活用に関するガイドライン(学生向け)
https://univ.swu.ac.jp/student/service/sns/

大阪府立大学:ソーシャルメディアガイドライン(学生向けリーフレット形式)
https://www.osakafu-u.ac.jp/info/publicity/sns_guideline/

神戸学院大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.kobegakuin.ac.jp/socialmedia_policy/

桃山学院大学:ソーシャルメディア・ガイドライン(学生向け)
https://www.andrew.ac.jp/students/guideline_sns.html

名古屋経済大学:ソーシャルメディア利用のためのガイドライン
https://www.nagoya-ku.ac.jp/support/sns/sns_mobile_guideline.html

群馬大学:ソーシャルメディア利用に係るガイドライン(ガイドライン+ポリシー)
http://www.gunma-u.ac.jp/outline/out009/snsguideline

大阪電気通信大学:ソーシャルメディアガイドライン
https://www.osakac.ac.jp/campuslife/guide/social-guideline/

京都ノートルダム女子大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
https://www.notredame.ac.jp/social_media.html

大阪経済大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.osaka-ue.ac.jp/information/socialmediapolicy/

九州栄養福祉大学:ソーシャルメディア・ガイドライン
https://www.knwu.ac.jp/socialmedia/

順天堂大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.juntendo.ac.jp/corp/news/sns_policy.html

共立女子大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/univ/policy/socialmedia_guideline/

関西福祉科学大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/utility/socialmediapolicy.html

東京家政大学:ソーシャルメディアガイドライン(ポリシー)
https://www.tokyo-kasei.ac.jp/about/disclosure/info_system/sns_guideline.html

福岡女子大学:ソーシャルメデイアポリシー(簡潔なポリシー)
http://www.fwu.ac.jp/media_policy/

明治国際医療大学:SNSガイドライン(学生向け)
https://www.meiji-u.ac.jp/sns/

創価大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)

京都文教大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)

横浜市立大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)

花園大学:ソーシャルメディアガイドライン

津田塾大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン

横浜美術大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン

岩手大学:ソーシャルメディア公式アカウント(ポリシー+ガイドライン)

東京工業大学:ソーシャルメディア公式アカウント運用ポリシー(ポリシー)

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2019年7月17日水曜日

ソーシャルメディア利用ガイドライン(1)

 キクマコでおなじみの阪大が,ソーシャルメディアの私的利用ガイドラインを出したとの噂が伝わってきた。菊池誠さんはこれを無視するとしている。そこで,他大学も含めて調べてみると次の3パターンに分類できる。

(1) ソーシャルメディアポリシー:組織の公式SNSの紹介とそれらの運用方針
(2) ソーシャルメディアガイドライン(教職員):教職員向けのSNSガイドライン
(3) ソーシャルメディアガイドライン(学生):学生向けのSNSガイドライン

各大学では,これらをひっくるめて,ポリシーやガイドラインなどとよんでいるので,以下のURLリストでは,()内にどのパターンかを示した。断り書きがないものは,大学の構成員全体に対するガイドラインもしくは,教職員ガイドライン+学生ガイドラインの両方が含まれているものである。

いずれも,法令遵守(特に著作権),守秘義務,プライバシー保護,人権尊重,倫理と態度,大学の名誉保護などの一般的な事項が並んでいる。が,注目したいのは,×印で示した,島根大学,岡山大学,大阪大学である。授業時間中や勤務時間中の私的利用を厳に謹めということが書かれている。時間順序からは,岡山大学が震源地のようだが,さらに調査が必要である。国立大学を中心にこれが広がりそうなのでこわい。

ところで,大阪大学のソーシャルメディア私的利用ガイドラインのURLをみてほしい。法学部の怪しいURL(daleda.law.osaka-u.ac.jp/~lecture2018/SNS-G.pdf)が発信元になっている。日付や連絡先も記載されていない不完全な公文書?であり,これが阪大公式の文書かどうなのかは判別できない。daleda.law.osaka-u.ac.jp/~lecture2018/ は,「のぞき見禁止」となっていて,法学部の授業の教材の一部である可能性も否定できない。阪大のトップページやサイバーメディアセンターからのリンクは存在していない。


日本の大学のソーシャルメディアガイドライン(その1)
(google順2019.7 ソーシャルメディア ガイドライン +site:ac.jp)
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中央大学:ソーシャル・メディア・ポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/social_media/

× 島根大学:ソーシャルメディアガイドライン(2017.9.7)
https://www.shimane-u.ac.jp/introduction/information_solution/social_media_guideline/

神奈川大学:ソーシャルメディア利用のためのガイドライン
https://www.kanagawa-u.ac.jp/sns/guideline/

東京大学:ソーシャルメディアポリシー(広報室のポリシー)
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/general/sns_policy.html

東京経済大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
https://www.tku.ac.jp/SNS-guideline/

学習院女子大学:ソーシャルメディアガイドライン
https://www.gwc.gakushuin.ac.jp/campus_life/social_media.html

日本赤十字看護大学:ソーシャルメディアガイドライン
https://www.redcross.ac.jp/campus/guideline/social_media

文化学園大学:ソーシャルメディアガイドライン(学生向け)
https://bwu.bunka.ac.jp/campus-life/sns.php

神戸親和女子大学:ソーシャルメディアガイドライン(学生向け)
https://www.kobe-shinwa.ac.jp/campuslife/social/

名古屋工業大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.nitech.ac.jp/intro/mediapolicy/index.html

駒沢大学:ソーシャルメディアガイドライン(学生向け・教職員向け)
https://www.komazawa-u.ac.jp/campuslife/student-life-support/socialmedia-g.html
https://www.komazawa-u.ac.jp/about/compliance/socialmedia-k.html

東洋大学:ソーシャルメディアポリシー
https://www.toyo.ac.jp/ja-JP/about/effort-activity/policy/

大阪国際大学:ソーシャルメディアポリシー
https://www.oiu.ac.jp/socialpolicy/

関西医科大学:ソーシャルメディア利用ガイドライン
http://www.kmu.ac.jp/snsguideline/index.html

聖心女子大学:ソーシャルメディア扱いのガイドライン(学生向け)
https://www.u-sacred-heart.ac.jp/life/files/socialmedia.pdf

× 岡山大学:ソーシャルメディアガイドライン(2014.6.18)

東京情報大学:ソーシャルメディア・ガイドライン
http://www.tuis.ac.jp/university/privacy-policy/5_53378cec855dd/

熊本大学:ソーシャル・メディア・ガイドライン
https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/katudou/guideline

亜細亜大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.asia-u.ac.jp/information/socialmedia/

広島国際大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
http://www.hirokoku-u.ac.jp/student/support/socialmedia_guideline.html

東海大学:学生を対象としたソーシャルメディア活用ガイドライン(学生向け)
https://www.u-tokai.ac.jp/enrolled/sns/

明治大学:ソーシャルメディアガイドライン
https://www.meiji.ac.jp/koho/social_media/guideline.html

浜松医科大学:ソーシャルメディア・ガイドライン(ポリシー+ガイドライン)

日本大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.nihon-u.ac.jp/about_nu/effort/socialmedia_policy/

広島大学:ソーシャルメディアガイドライン
https://www.hiroshima-u.ac.jp/koho_press/sns/smguide

摂南大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン内部)
https://www.setsunan.ac.jp/social/

東北大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン内部限定)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/site/socialmedia/01/socialmedia0101/

神戸松蔭女子学院大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.shoin.ac.jp/guide/publicity/sns/policy.html

慶応義塾大学:ソーシャルメディアの利用に関するガイドライン
https://www.itc.keio.ac.jp/ja/itc_socialmedia_guideline.html

滋賀県立大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+職員のガイドライン)
http://www.usp.ac.jp/campus/publicity/socialmediapolicy/

和洋女子大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.wayo.ac.jp/social_policy/tabid/695/Default.aspx

東京理科大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.tus.ac.jp/info/socialmedia/

富山大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー+ガイドライン)
https://www.u-toyama.ac.jp/about/socialmedia_policy.html

国士舘大学:ソーシャルメディア・ガイドライン
https://www.kokushikan.ac.jp/socialmedia/

聖マリアンナ医科大学:ソーシャルメディアガイドライン
https://www.marianna-u.ac.jp/houjin/disclosure/socialmedia.html

大阪工業大学:ソーシャルメディアポリシー(ポリシー)
https://www.oit.ac.jp/japanese/contents/sns.html

仏教大学:ソーシャルメディアの利用に関するガイドライン
http://www.bukkyo-u.ac.jp/social.html

北里大学:一般教育部SNSガイドライン
https://www.kitasato-u.ac.jp/clas/snsguideline/

京都産業大学:ソーシャルメディア運用ガイドライン(ポリシー)
https://www.kyoto-su.ac.jp/outline/approach/sns/

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× 大阪大学:ソーシャルメディア私的利用ガイドライン(2018 公式版なのか?)
http://daleda.law.osaka-u.ac.jp/~lecture2018/SNS-G.pdf


ソーシャルメディア利用ガイドライン(2)に続く)

2019年7月16日火曜日

トリニティ実験

74年前の今日,1945年7月16日に,アメリカのニューメキシコ州アラモゴードで人類初の核実験(トリニティ実験)が行われた。マンハッタン計画の最終段階である。長崎に投下されたファットマンと同じプルトニウムタイプのTNT火薬20kt相当の原子爆弾である。

これにまつわる様々な逸話がある。
ロバート・オッペンハイマーが,ヒンドゥー教の聖典バガヴァッド・ギータの一節「我は死なり,世界の破壊者なり」を思い浮かべた。
エンリコ・フェルミが,実験場で落とした紙片が爆発の衝撃波によって動いた距離からそのエネルギーを概算(フェルミ推定)した。
リチャード・ファインマンは,支給された遮光グラスを使わず,トラックの風防ごしに爆発を観察した。

2019年7月15日月曜日

分断と中庸

7月14日の東京新聞の参議院選に関する記事「選挙ツイート受信に偏り 無党派ユーザー「1党だけ」63%」は,2017年の衆議院議員選挙に対する豊橋技術科学大の吉田光男助教(計算社会科学)と東京大の鳥海不二夫准教授(同)の研究を紹介している。衆議院選挙前後の1ヶ月くらいの政党の発信を受け取ったユーザ1600万人のうち,政党の公式アカウントを直接フォローしたりリツイートするユーザ(政党支持層)以外の受信者1300万人を無党派的なユーザとして分析した。このうち6割が1党だけからしか情報を受け取っておらず,分断(エコーチェンバー現象)が進んでいるとしたものだ。

佐々木俊尚がこれを受けて,解説している。ネット上ではエコーチェンバーによって左右の過激な極論が拡大しており,中庸な意見をすくい上げる必要がある,というものだ。佐々木自身が左派に暴力的なものいいはやめたほうがよいといったところ,トーンポリシング(抗議内容ではなく態度を問題にして批判をそらす行為)だという返信が殺到したとのこと。図星をさされたので,東京新聞で反論している。佐々木も主戦場のミキ・デザキにもう一度学んでほしいところである。

大学時代に読んだ岩波新書の「現代の神話(B.ダンハム)」では,第五章の「どんな問題にも二つの面があるものだということ」,が一番印象に残った。大学に入学したのは1972年で,キャンパスには70年安保前夜の大学闘争の余熱が少しだけ残っていたが,いずれにせよ我々は遅れてきたのであった。それでも,キャンパスの中で生ずる様々な問題に対して,意思決定を迫られる場面はあり,どのような態度をとり行動をするかを迷い続けることになる。そんな中で読んだアメリカの進歩的哲学者ダンハムの新書本は非常に読みやすく納得しやすかった。もちろん,ドイツ・イデオロギーや経済学・哲学草稿や弁証法的唯物論入門(モーリス・コーンフォース…)などの友人との勉強会もあったのだが,素人にはちょっとハードルが高すぎた。

ダンハムは,次のように書いた。
最後に,重大問題に関しては,中立ということは1つの幻想にすぎない,ということをのべておかなければならない。一たび実際に問題に関して二つの立場ができてしまえば,なにをやろうと,やるまいと,どちらかの側を助けることになる。かような時代になっても民主主義を助けようとしなかったはみかみ屋の紳士たちは,ファシズムを助けたものとみなさなければならない。こういう紳士たちの「科学的」な無為こそは,ヒットラーが一番あてにしたものの一つであって,それで相当な成功をおさめたのである。
(「現代の神話」−正しいものの考え方− (上)岩波新書168aより引用) 

いまでは,ネット上で活躍し,社会的な発言をする科学者たちのある部分(主に反ニセ科学派から構成される)は,「科学的」で中立な立場などとっておらず,強者の論理が貫徹する「科学」の立場に立って堂々と自説を展開し,弱者たちの「非科学的」な言説を,「科学的でない」ことに加えて「倫理」や「人権」の名目でもって退治しようとしている。もちろんかつても政府や企業の立場に立つ御用学者はたくさんいたが,インターネットの言説空間は新しい種類の集団を生み出した。これをエア御用と名付けたのは秀逸だったと思うが,かえって問題がややこしくなるだけだったかもしれない。

さて,佐々木俊尚は水平社宣言をどう評価するのだろうか。中庸性からの逸脱の先駆者であり,実際に様々な副作用を発生したではないかとして,真っ先に否定すべき対象だと認識するのかもしれない。

2019年7月14日日曜日

キャリア・パスポート

読売新聞が報道した内容。「文部科学省は,小中高校生が学習や学校生活の,目標を設定し,達成度を自己評価する教材「キャリア・パスポート」を2020年4月から全国の小中高校で導入する方針を決めました。自己肯定感,学習意欲の向上を目指します。」

文部科学省に設置された調査研究協力者会議(初等中等教育)のひとつに,2018年の8月にスタートした,「キャリア・パスポート」導入に向けた調査研究協力者会議がある。2019年の1月に第3回の会議を開催したところまで公表されているので,その後の進展があったのかどうか。

よくわからなかったのは,高大接続にかかわる,Japan-e-portfolio(またベネッセか・・・orz)との関係。あるいは,学習ポートフォリオ一般との関係。サンプルをみたけれど,なんだか面倒くさいことになってきた。確かに学習指導要領に書いていることを現実化するとこうなるのだろうけれど。

twitterの部分空間では批判の嵐だったが,文科省のページをみると,なんというか無駄な面倒くさいことに貴重な国の教育政策のエネルギーを使ってしまっているなあという感想しかない。

2019年7月13日土曜日

韓国と日本

A谷君から電話あり。韓国の件どう思う,ひどくないかと。いや,世間はみな韓国を批判しているけど,自分は文在寅支持だと答える。自分の周りの友達もみな韓国が悪いと思っているようだ。いや,日本人の大半がそうなのだろう。安倍政権は参議院選挙のために反韓国を持ち出した。前回の2016年参議院選挙では反北朝鮮だった。慰安婦問題徴用工問題貿易管理問題と続く一連の流れで,NHKのニュースや民放のニュースバラエティを見続ければ,必然的に日本人の大半の意見が形成されるのだと思う。これが,日本の強みとしての高度素材産業の優位性を失う階段を降りるきっかけになりそうだ。

P. S. 7/25/2019「対韓輸出規制」,電子機器メーカーの怒りの矛先は日本に向く?
https://eetimes.jp/ee/articles/1907/10/news027.html

2019年7月12日金曜日

Society 5.0

文部科学省の最近のペーパーはみな,Society 5.0というキーワードからはじまっている。なんだか気持ちが悪い。官僚があるキーワードを取り上げると,その傘下の利害団体は一斉にそのキーワードを使った申請書を大量生産し,そのキーワードがバズりだすことになる。そういう自分もさんざんそのような仕事をしてきた。Web2.0というタームを使って科研費を獲得し,チーム学校という言葉を駆使して大学設置審向けの書類を積み上げた。なんとも悲しくてむなしい話である。なので,人のことはいえない。

さて,日本政府のSociety 5.0は,狩猟採取社会を1.0,農耕牧畜社会を2.0,産業工業社会を3.0,情報化社会を4.0としての5.0である。当初は超スマート社会としていたが,Society 5.0と呼び習わすのが普通になってきた。第4次産業革命とも書いてある。第1次は蒸気機関+鉄道,第2次は内燃機関+車・航空機,第3次は半導体+コンピュータ・インターネット,そして第4次はAI・IoT+バイオ・ナノテクノロジーらしい。

経済産業省的な背景のもとに内閣府が作り出したと思われる。第五期科学技術基本計画(2016-2020)では,超スマート社会(Society 5.0)とある。また,総合科学技術・イノベーション会議が策定した統合イノベーション戦略2019では,Society 5.0が前面にでてきている。日本政府の政策ビジョンであるが,Wikipediaでは,日本語以外ではロシア語版のみ存在しており,英語版はない。一方,第4次産業革命ということばは,2016年のダボス会議から使われており,国際的にはこちらが通用している。Society 5.0 は日本ローカルなコンセプトであるが,産業革命というよりその結果として生ずる社会のほうに焦点を当てたということはそれなりに意味があるのかもしれない。

テイヤール・ド・シャルダンならば,叡智圏(ノウアスフィア)の段階にSociety2.0以降は含まれてしまう。アルビン・トフラーならば,第一の波:農業革命,第二の波:産業革命に対して,第三の波:情報革命(=脱産業社会)の第三波に包括されているものだ。ただ,それがこうして精密に分析されて行くのは現実に世界の相転移が見えはじめているからかもしれない。もう少し考えてみる。

2019年7月11日木曜日

新しい時代の初等中等教育の在り方について

教育再生実行会議に仕事を奪われて,中央教育審議会がお休みなのかと勘違いしていたが,やはり利権に直接からみにくい話題の方は,従来のように中教審で議論されていた。うかつなことに見落としていたのが,今年の4月17日に文部科学大臣が諮問した「新しい時代の初等中等教育の在り方について」だ。初等中等教育分科会のもとに,新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会が設置され,6月27日から議論がスタートしている。いつものメンバーであるが,兵庫教育大の加治佐学長,プロップステーションの竹中ナミさん,東北大の堀田さんが入っている。臨時委員には京都教育大学の浜田麻里さん(日本語教育)やキャリアリンクの若江眞紀さんの名前もみられる。新しい時代の高等学校教育の在り方だけは,ワーキンググループが設けられている。

諮問理由は,「今後の社会状況の変化を見据え,初等中等教育の現状及び課題を踏まえ,これからの初等中等教育の在り方について総合的に検討」ということだ。社会状況の変化とは,いわゆる経産省的Society 5.0と,人口減少があげられている。初等中等教育の現状と課題とは,読解力+汎用基礎力的な内容と特別な配慮が必要な子どもの増加と教員の働き方改革×教員採用倍率の低下のことらしい。

そこで,次の4項目が取り上げられ,まず1と4から始め,その後2,3へと進むようだ。
1 新時代に対応した義務教育の在り方について
2 新時代に対応した高等学校教育の在り方について
3 増加する外国人児童生徒等への教育の在り方について
4 これからの時代に応じた教師の在り方や教育環境の整備等について

答えはある程度書いてあって,1は小学校教科担任制の導入と習熟別指導の導入,障害をもった子どもとギフティッドなどの個別対応の推進,2は普通科の解体とSTEAM教育の推進(でもこれは別のところで議論する),3は外国人児童生徒の就学支援と日本語・日本文化教育,4は教員の多様化を目指す免許制度改革,うーん,学校のブラック労働環境をなんとかして教員志望者を増やそうというような話は完全に後方に退いてしまっていた。

結局,すけてみえるのは多様性を旗印にしながら,階層社会化をさらに進めるということのようだ。

2019年7月10日水曜日

第25回参議院議員通常選挙

第25回参議院議員通常選挙の投票日は7月21日(日)だが,期日前投票のため市役所まで往復した。今回の目玉は,山本太郎がひきいる「れいわ新選組」。自動車のラジオからは,トランプ政権が有志連合の軍をホルムズ海峡に派遣して,イランに圧力をかけようとしているというニュースが流れてきた。日本への踏み絵だ。憂鬱な時代の変わり目がきてしまった。そして,日本もまた,トランプに倣うかのように,国際捕鯨委員会から脱退しただけでなく,韓国への貿易制裁まではじめてしまった。

こわいものみたさで,自民党の政見放送を見る。内容はまったくひどいのだが,三原じゅん子のしゃべり方は悪くはない。そのため,安倍晋三の滑舌の悪さが際立ってしまう。いつもはNHKのニュースの「神」編集で見ているのでそこまで感じないことが多いのだけれど,通しで聞くとこれだ・・・orz。やはり,国会審議はいずれかのチャンネルでノーカットですべてを放送すべきである。しかし,この聞き苦しさが,とんでもない話を良く噛まずにスッと丸飲みさせるための秘訣なのかもしれない。あれ,アベノミクスといわず三本の矢の経済政策といったのはなぜだ。その後,アベノミクスの果実を生かしてとのお言葉あり。後半は野党批判でまとめ,三原じゅん子の,先の国会演説を褒めるシンゾー。

2019年7月9日火曜日

ノウアスフィア

新国立劇場で,テイヤール・ド・シャルダンの生涯を描いた「骨と十字架」の公演が,7月11日から始まる(7月6・7日にプレビュー)。矢島道子さんがMLで紹介しており「ノースフェーラを提案し」と書いていたのでなんだろうと思った。

さて,テイヤール・ド・シャルダンの「現象としての人間」を買ったのは大学生の頃だ。その頃の愛読書の文学や理工書以外で印象に残っているのは,コリン・ウィルソンの「アウトサイダー」,エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」,ディヴィッド・リースマンの「孤独な群衆」,バローズ・ダンハムの「現代の神話」と並んで,ティヤール・ド・シャルダン(ティと発音すると思い込んでいた)の「現象としての人間」だった。

調べてみると,ノースフェーラ(ヴェルナツキー,ロシア文化界隈,叡知圏)は,noosphereの訳語だった。訳語は1つに定まっておらず「ノウアスフィア(山形浩生,オープンソース界隈)」,「ヌースフィア(怪しい系界隈,精神圏)」などもある。テイヤール・ド・シャルダンやヴェルナツキーがいうには,物質=精神進化の段階により,ジオスフィア(地質圏)→バイオスフィア(生物圏)→ノウアスフィア(叡智圏)が形成されるということだ。

テイヤール・ド・シャルダンは神学者・科学者として,キリスト教と相容れないキリスト教的進化論を提唱した。宇宙の進化は叡智の究極としてのオメガ点を目指しており,その完成がコスミック・キリストの誕生を意味するというストーリーは,小松左京の「神への長い道」などのコンセプトと一致する。小松左京はピランデルロを専門としていたが,テイヤール・ド・シャルダンについてどこまで語っていただろう。いや,自分が「現象としての人間」を手にとったのも,SF界のどこかでそれを目にしたからに違いないとは思う。

テイヤール・ド・シャルダンのオメガ点やノウアスフィアは,科学のフレーバがただよっている論考ではあるが,これはもちろん科学ではなく,あくまでも思弁(スペキュレーション)の一つである。しかし,その概念は今となっては,傾聴に値するものに近づいてきているのではないか。

バイオスフィアとほぼ並行に,世界は意識を持った人であふれ,未だ意識をもたない電子脳(コンピュータ)や電子感覚器(センサー)や電子神経系(インターネット)の大群が,世界中の意識を持ったヒトと,ヒトが作り出した人工物の生態系を網目のように繋ごうとしているのを見て,このグローバルな複雑系を,バイオスフィアに対応するノウアスフィアと呼ぶことには全く抵抗がない。果たして,そのノウアスフィア上に一つのあるいは複数の人工的な意識=神が誕生するのだろうか。

2019年7月8日月曜日

新聞記者

リタイアすると,平日の昼に映画を見ることができるようになった。新ノ口のシネマ橿原で「新聞記者」を上映していたのでいってきた。はい,朝から老人ばかりです。東京新聞の望月衣塑子が原作を書いていおり,東京新聞が映画の製作にも協力している。この映画は「シン・ゴジラ」のようにカタルシスを与えるものではなく,「この世界の片隅に」のように現実のディテイルからなにかを紡ぎ出すものでもなく,「主戦場」のように課題を照射するものでもなかった。抽象的で抑制的な画像と演出の中で,現実の世界のできごとと相似な世界が描かれていく。

登場するのは,新聞記者と官僚とそれらの家族三組だけであり,安倍晋三も加計孝太郎も,政治家や企業家はまったく登場しない。それはそれでありだと思う。物語の構造は非常に単純であり深みはない。いや,小説より奇な現実の非常にうまい写像になっているために,見慣れた風景にしか見えないといったほうがよいかもしれない。気がつかなかった視点を新たに提供するものでもない。南彰と前川喜平とマーティンファクラーと望月衣塑子の対談が埋め込まれているのだが,映画のストーリーと完全にシンクロして矛盾しない。そしてひたすら,現実世界の少し裏側にすけてみえる内閣調査室のカラクリを提示してくる。

主演女優のシム・ウンギョンはとてもよかったが,松阪桃李は努力賞といったところか。映画で重要な役割を果たした多田の田中哲司が,尾美としのりにしか見えなかった自分の識別力に問題があったのかもしれない。というわけで,菅野完にいわせれば望月衣塑子の世界観が間違っとるからということになるのかもしれない。家族のドラマのところでもっとドロドロしたものが出てくるのかと思っていたら,そうではなく定型的なパターンだった。原作の問題なのか監督や演出の問題なのか。

もうひとつ引っかかったのが,加計学園のモデルにダグウェイ羊事件をからめたところである。内閣府主導の軍事目的施設というのはちょっとどうかと思う。現実の加計学園はそれどころではない,グダグダの施設でほとんど学園の資金計画ありきの間に合わせの計画だったように報道(マスコミではない)されているので,なかなかリアリティを持つことができなかった。

P. S. ニューヨーク公共図書館の映画の予告編がよかった。

2019年7月7日日曜日

記述式問題の問題

大学入試に記述式問題が必要であるというロジックはどうなっているのか。まずは,教育再生実行会議の中から, 第四次提言高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について(平成25年10月31日)をみなければならないだろう。

要約
○グローバル化とイノベーションに対応する人材の質が重要であり教育がその要
○大学入学者選抜が教育の在り方を大きく左右する。知識偏重の一点刻み試験や,学力不問のAO入試はだめ。高校教育+大学教育+入学者選抜の一体的改革が必要
○高校教育:生徒の多様性を踏まえた特色化+主体的に学び社会に貢献する能力
○大学教育:厳格な卒業認定及び教育内容・方法の可視化+人材育成機能を強化
○入学者選抜:能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価・判定するものに転換

大学入試センター試験の改革は,当初,複数回実施の達成度テストという話のはずだった。しかし,現実と折り合わせた結果は,大学入試共通テスト(記述問題+英語民間試験)というところに落ち着いてしまった。面接や活動の重視と生徒の多様性を踏まえた高等学校の特色化という主張から見えるのは,色濃く漂う社会階層の分離政策である。なんだかなあ。

記述式テストは個別学力検査において,これまでも十分実施されてきた。一方,アルバイトを含む1万人の採点者が標準化された採点基準で公平な(提言元は,一点刻みを否定しており,公平性や公正性なんかクソ食らえと思っているかもしれないが)試験をするためには,マークシート並のレベルの問題に落とし込まなければならないだろう。今のセンター試験は十分工夫されていて,単純な知識偏重問題ではない。なんだかなあ・・・orz

ミクロにみるとこの大学入試改革で得をするのは,教育関連産業とそのロビーであり,御用学者であり,システム開発企業であり,それらに力を及ぼすことができる政治家だろう。また損をするのは,振り回される側の受験生・家族や,高校・大学教員ということになる。それはそれとして,この結果,当初のもくろみのように,高校や大学の教育が改善されて,質の高い人材が本当に育成されることになるのかどうかだ。この国の文部科学省や財務省はエビデンス・エビデンスと口を酸っぱくして畳みかけてくるが,彼ら自身が,政策の効果を測定した結果を公開し,それによって政策担当者を評価しているという話はあまり聞いたことがない。

2019年7月6日土曜日

大学入学共通テストの採点

大学入学共通テストの採点に学生アルバイトを使うことがNHKで報道され,波紋を呼んでいる。既に実施されたプレテストでは,ベネッセが学生アルバイトを使って採点している。本番で必要な採点者数は約1万人ということだ。採点時期も通常の大学の授業期間であり,その他さまざまな懸念が示されている。

こんなに拙速に物事が進められているのはなぜか。一つは,インターネットの普及を契機として,世界全体が大きく変貌しつつあることだ。先進国の中で日本社会だけがイノベーションに取り残されかけているので,なんとかしなければならない,そのためには教育を変える必要があるというわけだ。これに,自民党右派による戦後民主主義に対する反動的な動きが加わることで,「教育改革」の推進に拍車がかかっている。

従来であれば,中央教育審議会が教育政策の方向性を決めていたはずなのだが,いまでは,政策のベクトルは自由民主党の教育再生実行本部を発信源としてあらかじめ設定され,それを官邸主導で廻す教育再生実行会議でブーストしてただちに実行するという作戦がとられている。

最近の日本の教育政策の実現度には非常に目覚ましいものがある。教育基本法が改定され,国立大学が法人化され,道徳が特別の教科となり,日本の教育はほぼ回復不能な形に切り刻まれつつある。特に問題なのが,新自由主義的な考え方の浸透であり,公教育は私企業の営利活動の草刈り場に変貌しつつある。それは,道徳教育の推進や教育委員会の解体と変貌によってもたらされる権威主義との間で微妙なバランスをとられている。

その象徴的な事態として,大学入学共通テストにおける英語民間試験の導入と,記述式問題の採点の民間委託があげられる。政策担当者が主張する本来の目的と,彼らが実践している真のねらいとの間に大きな矛盾が噴出して混乱している。政策を主導する側は,このまま突っ走るのであろう。多くの教育関係者は,これはまずいと思っているが,すでに大学にはこれに抵抗するエネルギーが存在していない。2045年を迎える前に,大学入学試験に関るシンギュラリティが発生するかもしれない。

P. S. 自由民主党の教育再生実行本部は,なぜ,党組織の中できれいに位置付いていないのだろうか。少なくとも,自民党のホームページではぐずぐずになっている。提言の文書ファイルが散発的にニュースに埋め込まれているが,全体を通覧できるまとまったページは存在しないし,自民党の「政策ページ」の下にも他の本部のようなバーナーすらない。あたかも,下村+安倍ラインが私的にマネジメントしているかのように。

[1]教育再生会議(2006-2008)
[2]教育再生懇談会(2008-2009)
[3]自由民主党教育再生実行本部(2012-)
https://www.jimin.jp/news/policy/130290.html
第一次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/130321.html
第二次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/130323.html
https://www.jimin.jp/news/policy/130322.html
https://www.jimin.jp/news/policy/124927.html
第三次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/124911.html
第四次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/127697.html
第五次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/127748.html
第六次提言 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai36/sankou2.pdf
第七次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/133741.html
第八次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/134987.html
第九次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/136348.html
第十次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/137394.html
第十一次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/138660.html
第十二次提言 https://www.jimin.jp/news/policy/139621.html
[4]教育再生実行会議(2013-)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/teigen.html

2019年7月5日金曜日

Numba

奥村さんが,奥村さんに,Numbaを勧めていたので,調べてみた。Pythonの関数を実行時にJITコンパイルして最大200倍高速化するとのこと。具体例がMyEnigmaのブログ記事にあった。検証用コードは次のようなものだ。自分の環境では,pip3 install numbaでインストールできてしまったが,上記記事を参考にしたほうがよいかもしれない。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
#! /usr/local/bin/python3
# -*- coding: utf-8 -*-

##from numba import jit
from numpy import arange
import time

##@jit
def sum2d(arr):
    M, N = arr.shape
    result = 0.0
    for i in range(M):
        for j in range(N):
            result += arr[i, j]
    return result

start = time.time()
a = arange(100000000).reshape(10000, 10000)
print(sum2d(a))
elapsed_time = time.time() - start
print ("elapsed_time:{0}".format(elapsed_time) + "[sec]")
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

##の2行をオン(test2.py)にするか,オフ(test1.py)にするかで次の結果を得た。
マシンは非力な,MacBookAir 13-inch Late2010

 ./test1.py
4999999950000000.0
elapsed_time:75.88523197174072[sec]
 ./test2.py
4999999950000000.0
elapsed_time:5.047018051147461[sec]

うーん,200倍ではなくて,25倍だった。

2019年7月4日木曜日

フッ化水素酸

たいへん残念なことには,いつの間にか韓国バッシングがこの国の作法となってしまったようだ。韓流ドラマにはまったときは(いまでもそうだが),50年前と比べてなんとすごい世界に変貌したのかと思っていたのだが,いつの間にか逆コースである。政権側が率先してあの調子だから,ネトウヨだけでなく,多くのマスコミやインテリ層が安心して叩きにかかっている。これというのも日本が余裕をなくすほどの衰退の坂を下っているからだろう。それに反比例するように,日本スゴイと中国+朝鮮半島 disの合唱が聞こえてくる。

その制限品目のフッ化水素,常温では気体で扱いにくそうなので,フッ化水素酸として使いそうなものだけれど,よくわからない。大阪の2つの中小企業が国内生産シェアのほとんどを握っているようだ。高等学校の化学で,細心の注意を払いながらフッ化水素酸を取り扱い,ガラスに文字を書いて腐食させる実験を行った。何やら意味ありげにKの文字を書いたのだった。

理数科に在籍していた当時の金沢泉丘高校の理科では,生物や化学はそれぞれの実験室で授業があり,ごくたまには生徒実験もあった。地学は教室だったが,プリントを使った地質図の作業などがあった。ほとんど受験問題対応であった物理だけはまったく実験がなかった(一度だけ,光の実験があったかもしれない)。数学の時間でさえ,プログラム電子式卓上計算機やアナログ計算機でのプログラミング実習があったのだが。今はSSHに指定されているので,当時とは大違いだと思われる。さて,それにもかかわらず,物理に興味があって,物理学科に進学することになってしまった。たぶんSFの影響だ。

当時,物理の次に興味を持ったのは生物である。これもSFの影響だ。遺伝と進化の未来を夢見てこれからは生物学の時代だと思った。阪大の受験でも第2志望は生物学科だった。そんなわけで,受験科目でもないのに定期試験で生物の勉強に集中していたため,医学部に進学するのかと思われていたことあるが, 生まれつきの臆病者で血を見ると卒倒するので医者にはなれない。

2019年7月3日水曜日

TOEIC撤退

独立行政法人大学入試センターによる大学入学共通テストが2020年度(=「2021年度入試」)から実施される。英語における民間試験の導入については,利用中止を求める国会請願が出され,TOEICが離脱するなど,予断を許さない状況である。例えば,日本英語検定協会をみるとかなり複雑なことになっているようだ。試験会場としては全国にテストセンターを設けるようだが,一方,某B社のGTECは高等学校を使うとかいうとんでもない話もあって,なにがなんだかよく分からない。

2019年7月2日火曜日

地には平和を

今月のNHKの100分 de名著は,小松左京スペシャルだ。ナビゲーターは宮崎哲弥。この番組のMCの伊集院光は,これまで見た回では,かなり的確なコメントをしていておもしろかった。ただ,彼はSFについてはあまり知らないような様子だった。初回の昨日は「地には平和を」,第1回のハヤカワ・SFコンテストの努力賞である。ちなみにこのときの入選は該当作なしで,佳作として,眉村卓の「下級アイデアマン」など3作が選ばれている。また,1962年の第2回には小松左京の「お茶漬けの味」が,半村良の「収穫」とともに,入選(第3席)になっている。

「地には平和を」を含む小松左京の第一短編集は,ハヤカワ・SFシリーズ(銀背)から出ており,自分が中学生のときに読んでいる(ちなみに小松左京の短編集で最初に購入したのは「日本売ります」)。番組の中では,「戦争はなかった」という短編についてもふれられていた。小松左京には他にも戦争と関係した作品が多い,というか1960年代の日本SFシーンに出てくる作品群は,高度経済成長の躁状態を支えると同時に,その裏側にどこか重いテーマが秘められている。もちろん,一般の日本文学はほとんどそんなトーンだったわけだが。

星新一の「白い服の男」はそういう戦争テーマSFの主要短編の1つであるが,「戦争はなかった」と同じような発想が含まれている。星新一の多くの短編の中でも強く印象に残ったものの一つだ。小松左京の「戦争はなかった」は読んでいたのだろうか,こちらのほうは,はっきりした記憶がない。

2019年7月1日月曜日

「神への長い道」と素粒子

神への長い道とツイッターからの続き) 

高校時代に読んだ小松左京の「神への長い道(1967年)」でもう一つ記憶に残った文がある。当時は,素粒子の標準理論が成立する前夜であり,小松左京の頭にあった素粒子といえば,光子,ニュートリノ,荷電レプトン,ハドロン(重粒子+中間子)であったはずだ。その段階で次のような文を書いている。
—物質の相互作用の間に,現在のような量子的関係が発生したのは,彼らにいわせれば,この宇宙に素粒子が生じてからだ,というんだ。われわれのいう,プランク恒数が,非常にマクロな時間の中では,かわってくると考えている—とにかく,その素粒子のスペクトルの中で,安定な素粒子がくみあわさって,原子が生じてくる。—きわめて巨大な量のエネルギーが,きわめて小さな空間に閉じ込められる,という現象が,ここでまた起こる。…彼らは,それが可能になる秘密は,秩序にあると考えている。ある秩序でもって,整理してつめこめば,非常に小さな時空容積内に,非常に巨大な量がつめこめる—この関係は,ずっと高次な情報段階までつづいているというのだ。 (引用:世界SF全集35 日本のSF(短編集)現代編 神への長い道 より)
プランク定数をプランク恒数という表現にしているところに1960年代を感じるが,物理の基本法則の成立の中核が秩序=情報(今日の言葉での対応物)と関係しているという説明に何ともいえないセンスを感じる。