6月26日の日経朝刊1面トップの記事のタイトルが「ヒトは衰退するのか」だった。テクノ新世 岐路に立つ人類という特集記事の初回なのだ。来月から購読料が値上げされる日経の気分はほとんどSFになっている。他の全国紙ではなかなか考えにくい取り扱いかもしれない。
一つはAIによって,人間の仕事(欧米の場合)の4分の1が自動化されるという話である。これは,ゴールドマン・サックスの2023年3-4月のレポートに基づいているのだけれど,彼らは"Generative AI could raise global GDP by 7%"というタイトルをつけていて,受け取り方や強調の仕方が違う。
もう一つが,地球上の人工物の総重量が生物のそれを越えたというものである。これはワイツマン科学研究所の2020年のnature論文からきているので,早速調べてみたところ原論文が見つかった。なんとなく機械やプラスチックの総量が生き物を越えたのかというイメージだったけれど,そういうわけでもない。
上の図が日経朝刊で引用されたものだが,バイオマスの値は乾燥重量であった,人工物は,コンクリート,骨材,レンガ,アスファルトがほとんどを占め,これに金属とプラスティックが続く。下の図では,水を含んだバイオマスの重量の値も示されている,これならば,2037年くらいになる。また,廃棄物がグレーで示されている。こちらもかなりの値になる。
人為的な気候変動説については必ずしも十分には信用できなかったが,これを見ると考えが変わるかもしれない。