嫦娥4号月裏面着陸からの続き
最近, マスコミの水準がかなり衰えているような気がする。老化する自分の理解力や思考力も衰えつつあるが,それを上回る勢いだ。NHKのニュースには毎日のように言葉の訂正のお詫びが入る。鋭い政治的なつっこみはほとんどみられず,公平を装いながら為政者へのステルス忖度を重ねている。威勢がいいのは,芸能スキャンダルや生け贄になる弱者を見つけたときだけだ。
マスコミ記者達の情報源が手軽なネット検索になってしまったため,SNSから情報をかき集めてそのまま右から左に紹介するような(自分のようなブロガーはそうなりがちだけれどさ)ことを繰り返している。深い分析や考察はマイナーなごく一部の番組だけだ。こうして,エコーチェンバーで増幅されたセンセーショナリズムが横行する。
さて,ニュース記事を書くのも生成AIに任せれば,記者は楽々仕事を済ませられる。政治家へのインタビューで俯いてパソコンに向かいボイスレコーダに頼る記者の行き着く先だ。ダブルチェックの替わりに複数の生成AIに書かせて平均をとればよい。それなら,新聞もテレビもいりませんよね。いや,生成AIがそれなりの答えを返すのは,リアルな情報源があるからのはずだ。なんだか面倒で鬱陶しい自己参照ループが発生しそうな予感。
そこで一つの見本を考えてみる。これにもう少し手を加えればニュースの出来上がりだ。
Q(koshix):
嫦娥6号と月面探査や月の裏面からのサンプルリターンに関する情報を,新聞のニュース記事のような形でまとめて,解説を加えてください。
Q(koshix):
月面の着陸日時と場所の情報がありません。月面探査ローバーの名称がありません。
Q(koshix):
ありがとうございます。普通日本語の新聞では,である調を用いますので,それに合わせた修正記事にしてください。
A(Perplexity PRO):
中国の無人月面探査機「嫦娥6号」、月の裏側からのサンプルリターンに成功
中国の無人月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」が、世界で初めて月の裏側からサンプルを採取し、地球に帰還した。この歴史的なミッションは、2024年6月25日に完了し、月の裏側の謎に迫る重要な一歩となった。
ミッションの概要
嫦娥6号は2024年5月3日09:27 UTC(協定世界時)に中国海南島の文昌衛星発射センターから長征5号ロケットによって打ち上げられた。6月1日22:23 UTCに、月の南極付近の南極エイトケン盆地内のアポロクレーター南部(南緯41.6385度、西経153.9852度)に着陸した。
探査機は約2kgの土や岩石のサンプルを採取し、6月3日23:38 UTCにサンプルを搭載した上昇機が月面から打ち上げられた。6月6日06:48 UTCに上昇機が周回機(オービター)と月軌道上でドッキングし、07:24 UTCまでにサンプルが帰還機(リターナー)に移送された。
6月25日、サンプルを収めたカプセルが中国内陸部の内モンゴル自治区シリンゴル盟ドルノド旗の指定地点に無事着陸した。中国国家航天局(CNSA)の張克倹局長がミッションの成功を宣言し、習近平国家主席も「歴史的な成果」と称賛した。
月面探査ローバー
今回のミッションには小型の月面探査ローバー「移動相机」(Yidong Xiangji)が搭載された。このローバーは月面で短距離を走行し、赤外分光法による月面の観測や嫦娥6号着陸機の撮影を行った。
月の裏側探査の意義
月の裏側は地球から見えず、クレーターが多く平坦な地形が少ないため、これまで探査が困難であった。中国は2019年に嫦娥4号で初めて月の裏側への着陸に成功しており、今回の嫦娥6号は裏側からのサンプルリターンという新たな挑戦であった。
月の裏側には希少元素や水を含む氷が存在する可能性があり、科学者たちの注目を集めている。今回のサンプル分析により、月や地球、太陽系の進化に関する新たな知見が得られると期待されている。
技術的課題と解決策
月の裏側は地球との直接通信が不可能なため、中国は2024年3月に中継衛星を打ち上げ、嫦娥6号と地球間の通信を確保した。この通信上の課題を克服したことで、高難度のミッションを成功させることができた。
この嫦娥6号のミッション成功は、中国の宇宙開発計画における重要な節目となり、月探査の新時代の幕開けを告げるものとなった。今後の分析結果が、月と地球の関係や太陽系の形成過程に新たな光を当てることが期待されている。
図:嫦娥6号のイメージ(NHKから引用)
Q(koshix):
中華人民共和国の月開発計画について,年代,プラン名,内容の一覧を作ってください。日本語でお願いします。
A(Claude 3.5 Sonnet):
承知しました。中華人民共和国の月開発計画について、年代、プラン名、内容の一覧を日本語で作成します。
年代 プラン名 内容
2004年 中国探月工程(
嫦娥計画)開始長期的な月探査計画の立ち上げ
2007年 嫦娥1号 最初の中国製月周回衛星
2010年 嫦娥2号 改良型月周回衛星、小惑星フライバイも実施
2013年 嫦娥3号 最初の中国製月面軟着陸機と月面探査車(玉兎号)
2018年 嫦娥4号 月の裏側への世界初の軟着陸と探査
2020年 嫦娥5号 1976年以来初の月のサンプルリターン任務
2024年 嫦娥6号 月の裏側からのサンプルリターン計画
2026年 (予定)嫦娥7号 月の南極地域の資源探査
2028年 (予定)嫦娥8号 月面基地技術のテストと実証
2029-2030年(予定)有人月面着陸2名の宇宙飛行士による月面着陸計画
2030年代(予定)国際月面研究ステーション ロシアなど他国と協力して月面基地を建設する計画
この計画は、軌道周回(フェーズI)、着陸と探査(フェーズII)、サンプルリターン(フェーズIII)、そして月面基地の建設(フェーズIV)という段階的なアプローチを取っています。中国は着実に月探査の能力を向上させ、最終的には持続可能な月面プレゼンスの確立を目指しています。
これに相当する記事が,6月26日の日本経済新聞 朝刊3面に掲載されている。ところが,嫦娥計画の開始年や嫦娥4号の年代が誤っている。上記のClaude 3.5 Sonnetによるものは,英語版のWikipediaのChiniese Luna Exploration Program の内容のpdf出力を読み込ませてまとめたものであり,中国語版のWikipedia の中国探月工程 とも一致している。たぶん,日経の記者は日本語版wikipediaで確認しただけなのではないかという疑惑がある。まあ2019年の方は着陸したのが1月だからあながち間違いではないけれど。
それにしても,中国は着実に宇宙計画を進めている。日本が乏しい予算のなかででフラフラになりながら足掻いている(個人の主観です)のとは大きな違いである。