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2024年2月7日水曜日

Apple Vision Pro(2)

Apple Vision Pro(1)からの続き

2月2日にAppleのVision Proが発売になって,数日が経過した。アメリカ国内だけの限定発売であり,日本語にもまだ対応していないが,YouTubeでは日本人によるファーストインプレッションも沢山あがってきた。

最低の256GBモデルでも3499ドル(52万円),多少オプションを付ければ60万円のシステムなので,おいそれとは手が出ない(昔の為替レートなら30万円なのだけど)。その上現地までの航空費や宿泊費を含めると,仕事関係の人か,収益化につながるYouTuberかよほどのアップルフリークでないと参戦していない(米国の連絡先/配送先住所と米国のAppleIDが必要)。

なおかつ,アップル製品への関心が高くてテクノロジーに関する経験の深い人々による印象なので,割り引いておかないと本当のところはなかなかわからないかもしれない。それでも,その評判はなかなかよいものだった。

視野角は左右90度で上下も狭いが,外部カメラからとりこまれる環境映像が自然にパススルーされている。そこに非常に高精細なVision OSのUI画面が重ねられ,丁寧に個人向けに調整された視覚環境は申し分ないようだ。ユーザインタフェースも視線と指による(音声は英語がひつようなのであまりレビューされていない)もので,まったく違和感なしに使えている。自分が2008年8月に最初に手にしたiPhoneのタッチ画面を楽々と使いこなせたのと同じようだ。

手元にMacbookがあればその画面を表示できて,マウスコントロールやデータのやりとりがVision OS固有アプリとの間で簡単にできるところも素晴らしい。

外付けになるバッテリは妥協できそうだが,問題は,650gの重さのようだ。あと,人によっては眼がつかれるとのこと。ブラウザのYouTubeは問題なく視聴できるらしく,Apple のVisionOS ネイティブアプリもあって,iOSアプリも利用できるらしいからほとんど問題はなさそうだ。

ただ,空間コンピューティングを実現する新しいディスプレイとコンピュータだと考えた場合は,macOSのように,Xcode環境はターミナルが動いて,JuliaとMathematicaまで動かなければちょっとためらわれる。もしそれが可能になれば,いまのMacBook Airとディスプレイを完全におきかえるものとなる(スペック上はM1 MacBook Airを越えられる)。ただし,G5とGPSが使えなければ,モバイル端末としてのiPhone/iPadを代替するまでにはならない。



写真:店頭のApple Vision Pro (Wikipediaから引用)

[4]Apple Vision Pro - できること全て(大川優介)

2024年1月30日火曜日

Apple ID

朝起きていつものようにMacbook Airを立ち上げると,何だかエラーが出ている。

iCloudにアクセスできないとかなんとか。パスワードを入力してもその先に進めない。パスワードの変更もできない。困った。とても困った。Appleのサポートページには,「iCloud に接続またはサインインできない場合」には丁寧な説明がある。が,そこからIDを入れて,CAPTCHAを通ったのに,そこではねられてしまう。どうやらApple IDがロックされていることに気がついた。

思い当たる節がある。いよいよ非常勤講師も最後なので,金曜日に大学のMacbookAirの掃除をしていた。iCloudにログインしたままだったので,ログアウトしようとした。OSが古くてきびきび動かないのでパスワードも何度か間違えてしまう。授業が始まりそうになったので,途中で作業を中断したまま放置してきた。どうもこれがあやしい。

仕方がないので,大学でもう一度状況を確認してから,心斎橋のアップルストアに行こうと考えた。大学のMacbookAirの方は再起動して簡単にiCloudからログアウトできた。もちろんこれだけでは,AppleIDのロックは解除されない。このため,自分のMacBook Air 2000だけでなく,iPhoneもiPadも,メールは届かないし,アップルストアの予約も出来ないし,ICOCAのチャージも出来ない

心斎橋アップルストアの予約のために電話をしてみた。これまた繋がるまでに15分以上待たされた。忍耐力あるもの達だけが通過できるシステムだ。最初に,アンケート協力用の電話番号を入れさせられ,さらに待ち時間用音楽のジャンルを選択するのだが,そんなサービスはいいからとにかく速く対応してほしい。

結局,心斎橋まで行くことはなくて電話だけでロック解除してもらえた。ただし作業は24時間以内なのでしばらく待たなければならない。月にいるSLIMの電源が復活しているかどうかは,地球から電波を送ってそのレスポンスを見る必要があるのだが,気分はこれと同じだ。30分,1時間,3時間では復活していなかったが,6時間でようやくApple IDが復活してほっとした。めでたし,めでたし。

写真:ようやくここまでたどり着いて原因がわかった地点。

2023年12月4日月曜日

万博リング

評判の悪い大阪・関西万博2025の大屋根(リング)である。

万博のシンボルとなる木造大屋根リングは350億円もかかる。そのため,会場建設費+α=2350億円+800億円以上の無駄遣いの象徴とされて,あちこちから叩かれている。まあ大阪維新が万博を持ち出した動機が,同じ夢洲で計画されているIR用地周辺の環境整備だったり,虚構の経済効果だったりするので,それらが見透かされるとこうなってしまう。

そもそも,失われた30年を取り戻すための戦略が,高度成長期の夢よ再びという東京五輪+大阪万博でしかなかったという,創造力+想像力の貧困と税金奪取機会の創出が問題だったわけだ。そのあたりの本質的な問題点を一度忘れて考えてみると,万博にはシンボル的な建造物が必要であるということはわかる。ロンドンの水晶宮,パリのエッフェル塔,大阪の太陽の塔などなど。

1970年の大阪万博にもお祭り広場の上に大屋根があった。その大屋根を突き破った太陽の塔には岡本太郎(1911-1996)が必要だったけれど,今の日本にはそれに匹敵するパワーを持ったクリエイターはいないので,大屋根リング止まりになった。リングがなくて,海外各国からの主要パビリオンもなければ,大阪・関西万博2025は本当にグズグズ,バラバラになってしまうのだろう。

なんだかんだいって,パビリオンが一部建設途上のままでも,2025年の4月に万博が始まってしまえば,マスコミがこぞって囃し立てて機運を盛り上げる。大阪の子供に配った無料チケットの効果もあって,2800万人ではなくともそこそこ人は集まるだろう。よほどの混乱や災害が起きない限りは,東京五輪と同様に無事終って良かったというストーリーがでっち上げられそうな気がする。自分は,万博には行かないつもりだが,孫が連れていってと言い出したときにどうなるかはわからない。


さて,当初計画にはなかった万博リングをごり押しで導入した会場デザインプロデューサの藤本壮介だが,リングのデザインがノーマン・フォスター(1935-)のアップルパーク(2017)のパクリではないかという疑惑記事をみかけた。丸くて中に池があるので似ているというのも言い掛かりじみている。それぐらいはしかたないだろう。ただ,万博リングの直径650mは,アップルパークの直径460mの約√2倍で,万博リングの平均高さ16mの方は,アップルパーク23mの約1/√2倍になっていた。まあ偶然である。

ちなみに,小松左京の物体Oに関係があるのではないかと思って確認してみたが,物体Oは直径1000km,幅100km,高さ200kmの銀の塊だったので形状はかなり違う。また,中心は大阪ではなくて,兵庫県の相生市付近だった。そんなこんなで,リングという形状それ自身はあまりいじめられなくてもいいのにと思う。


図:各リングの断面図の比較

2023年9月26日火曜日

iPhone15

9月13日にAppleからiPhone15シリーズとAppleWatchの発表があった。

Apple Eventのビデオは,飯村正彦さんの風に揺れる洗濯物のパンツのイメージから始まった。なんだろうと思っていると,途中でMother Natureが登場する小芝居があって,それもスルーすると見るべきところはあまりなかった。

仕方がないので,YouTubeで情報収集する。外部インターフェイスがLightningからUSB-Cに変わったというポイント以外の大きな特徴がよくわからないままだった。ましてやAppleWatchはまだ機能が完全ではない健康デバイスという位置づけから変化していない。YouTubeではガジェット系の皆さんが予約争奪戦に走っていた。まあそれが仕事なので引きずられてはいけない。

散歩の時にiPhoneズームがあると遠くの鳥を撮るときに少しだけ楽しいかもしれない。しかし,そのためにわざわざiPhone Pro Maxを買う気にはならない。そもそもアベノミクス円安のせいで値段が高すぎる。最新機種のドル建て価格が一定なのにも関わらず,円価格の上昇が数年続いている。

2020年7月にiPhone SE2を買ってから3年経過しているが,まだ十分働いているので,買い替えは等分先のことになりそうだ。2026年にはサポートが切れるので,それまでには何とかするのか。発売当初の2-3年は毎年機種更新していたが,これから死ぬまでに機種更新するのは残り1,2回ということか。

念のために,iPhone15とSE2の機能を比べてみたのが次の表だ。
iPhone15       iPhoneSE      
2023 Sep       2020 Apr      
139,800円        69,800円      

A16 Bionic       A13 Bionic     
3.5GHz          2.66GHz       
6コアCPU        6コアCPU      
5コアGPU        4コアGPU      
16コアNE        8コアNE       
256GB         128GB        

6.1インチOLDE     4.7インチLCD    
2556×1179ピクセル    1334×759ピクセル  
460dpi          326dpi  
2,000,000:1       1,400:1       
1000ニト       625ニト       

48MPメイン|超広角   12MPシングル    
12MPフロント     7MPフロント     
ズーム .5× 1× 2×    ズーム 1×      

USB-C/USB2      Lightning/USB2   
FaceID        TouchID       
5G          4G/LTE       
BlueTooth5.3       BlueTooth5.0    
MagSafe        —         

20時間ビデオ     13時間ビデオ    
80時間オーディオ   40時間オーディオ  
147.6×71.6×7.8      138.4×67.3×7.3  
171g         148g        

少なくとも,この近所に5Gの電波が届くまではいらないかな。 


写真:iPhone15青 Appleのサイトより引用

2023年6月10日土曜日

Apple Vision Pro(1)

2023年6月5日のWWDC23で,Apple Vision Pro という最初の空間コンピュータのモデルが発表された。

事前には,アップルから待望のMRゴーグル(ただし非常に高額)が発表されると思っていたが,アップルの宣伝文句はそうではなかった。
(1) Mac (+マウス):パーソナルコンピューティングの登場
(2) iPhone(+マルチタッチ):モバイルコンピューティングの登場
(3) Vision (+指・声・視線):空間コンピューティングの登場
と位置づけられていた。ユーザインターフェイス的には (1.5) iPod (+クリックホイール)もあった。

3500ドル≒49万円なので,一般消費者向けにすぐ普及するというものではないけれど,企業やソフトウェア開発現場では十分導入可能なものだろう。単なるゴーグルと考えると,Meta Quest 3Pico 4の数倍以上だが,新しいコンピュータと考えれば一応納得できるかもしれない。

なにせ,CPUとしてM2チップを搭載し,これに,前方のメインカメラ2基,下側を見るカメラ4基,赤外線照射器が2基,サイドカメラが2基,ライダースキャナ,TrueDepthカメラ2基,マイク6個,内側には眼を囲むようにLED(アイトラッキング用に目に見えない光のパターンを照射)と赤外線カメラ2基,をコントロールするR1チップが加わるというものだ。虹彩認証が組み込まれ,他社のような操作のためのコントローラはない。

一番ビックリしたのは,Twitterでのうみゆき@AI研究さんの次の記事だった。
Vision Proはアイトラッキングと網膜状態の検出ができる。ハンドトラッキング、身体の揺れ方、声の調子とかも常にデータ収集し続けている。AppleWatchを付けてれば脈拍だって取得できる。AppleのAIモデルはこれらの人体データを総合的に判断して、ユーザが好奇心を感じてるか、怯えているか、そういう精神状態を予測する。

眼球を介在した脳コンピュータインターフェイス。あんな大きなものを頭・顔に付けるというのはどうしても納得できないのだけれども(今でも),もしかするとその先には脳波インターフェイスも視野に入ってくるかもしれない。それでもせいぜい,キャップ型空間コンピュータということで勘弁してほしい。


写真:Apple Vision Pro (バッテリで2時間駆動…orz)(Apple から引用)

追伸:年金生活者にはちょっと買えそうもないデバイスだけれども,新しい種族のコンピュータ & 初の3Dムービーカメラ & 初の3Dテレビ と考えるとどうだろうか。問題は,家族で共用できないこと。装着したまま外出するのはたぶん危険をともなうこと。

2023年1月8日日曜日

MacのOCR

だいぶ以前,MacでOCRを使いたいと思ったことがあった。散々探し回ったけれどなかなか適当なアプリケーションがなくてそのままになっていた。

ふと気がつくとMacでOCRできるコマンドがころがっていた。Tesseractというものだ。homebrewでインストールしてみると,すでに導入済みだ。あれ?いつ入れたっけ。覚えていないので再インストールし,ついでに日本語セットもインストールした。

brew install tesseract
brew install tesseract-lang
tesseract --list-langs | grep jpn
jpn
jpn_vert
tesseract test.png test.txt -l jpn+jpn_vert


tesseractでOCRを体験しようにあるような例を一通り試してみたところうまくいっている。横書きと縦書きの混合文も大丈夫だけれど,日本語と英語が混じっている場合,わずかに狂いが生じる場合もありそうだ。また,手書き文字はやはりうまくいかない。これが実用的かどうかはちょっと未知数。

しかし,そもそも何をOCRしようと思っていたのかを忘れてしまっている老人だった。

あっ,思い出した(というかblogを検索して見つけた,こういうときのために毎日ログをとっているわけだ)。WHOのCOVID関係のデータがpdfになっていて,そこからテキストデータを取り出したかったのだ。しかし,これは,pdftotextで解決済みだった(久々のPerl 2020.3.18)。


2022年7月15日金曜日

iPhoneの隠しコマンド

 iPhoneの裏コマンドというページにいきあたった。犬は毎日散歩しているので棒にぶつかりっぱなしだ。だから平均移動速度は極端に遅くなる。

iPhoneの電話アプリで,一連の番号を入力すると機能が発現するというものだ。電話番号として,*3001#12345#* を入力すると,接続されている回線業者のネットワークの情報が見える。

試してみると,上記のWebページとは表示が異なったが,いろいろと情報が出てくる。が,素人にはあまり御利益はなかった。ということは,他にもあるのではないかと検索したら,iPhoneの隠しコマンド集というのがあった。

■【注意事項】隠しコマンドは説明書にも書かれておらず、アップル社が公式に公表しているものではないので、何か不利益な事があっても自己責任・自己解決ということを忘れないでください。また、全てのiPhoneの型番で再現する保証はありませんので事前にご了承ください。

それはそうです。なので眺めるだけにしておく。 


写真:iPhoneの画面キャプチャー(右上のリストから詳細情報に入る)

2022年6月7日火曜日

WWDC22

奈良盆地の田植えがはじまると,アップルの開発者カンファレンスWWDC(World Wide Developers Conference)の季節がやってくる。WWDC22のキーノートが日本時間6/7の午前2時から2時間弱あった。もちろん熟睡中である。朝起きてから評判をざっとみると,イマイチ大きなニュースがなかったようだった。

早速,Appleのサイトでキーノートの録画をみる。今回は屋外でのApple Park 内のライブビューイングだった。現地ではTim CookCraig Federighiの登壇あったが,ライブビューの様子が見えない編集動画を公開していた。印象に残ったのは,カプコン伊集院勝さんが登場したところ。バイオハザードビレッジがApple Siliconに対応したので,もうゲーミングPCでなくてよいという話を日本語でしていた。これは珍しいシーンだ。

ハードウェアは,Macbook Air M2とMacbook Pro M2 13inchの2つが軽く紹介されていた。昨年4月に買ったMacbook Air M1 は CPU/GPU=8/8,Memory/Storage=16G/1T で21.5万円,同じスペックのMacbook Air M2は,CPU/GPU=8/8,Mamoru/Storage=16G/1Tで 26.5万円(注:34.5万円 = 10/8,24G/2T)なので,5万円アップだ。為替レートが130円/$の効果もあって,5万円高くなる。

その5万円で手に入るのは,M2チップ(+20%処理性能),新デザイン(軽量・薄型・スクェア・新色),FaceTimeカメラ 720p→1080p,3.5mm ヘッドホンジャック→ハイインピーダンス,スピーカー→×4,MagSafeポート追加,ディスプレイ→LiquidRetina + 500ニト + 13.6 inchなので,微妙。

iOS16やiPadOS16やmacOS Ventura に至っては,ほとんどどうでもいいような細かな機能を,大げさに宣伝しているので,ちょっとうんざりしてしまう。その中で気になったのが,Dictation(日本語は大丈夫なのか)と,iPadOSとmacOSのシームレスな運用を実現するステージマネージャーくらいか。

iPhoneSE第2世代はぎりぎりiOS16に対応したが,次はどうかわからない。iPad ProもiPadOS16をクリアできた。Macbook Air M1 はもうしばらくいけるだろう。ということで,今回も前回に続いていまひとつ盛り上がりに欠けるWWDCだった。

今回の印象でもっとも大きかったは円が弱いことだ。30-40%程度の貨幣価値の違いはボディーブローのように日本の消費者やAppleユーザを毀損している。まさに後進国化のはじまりだ。

2022年3月9日水曜日

Apple Event 2022 March

  日本時間3月9日午前3時(米国時間 3月8日午前10時),Apple Event 2022 March が開かれた。

最近は1時間でさらっと終るEventが中心になっているようなイメージだ。超強力な新しいM1 Ultra チップの紹介では,登場する開発者たちがすべて女性だった。ティム・クックは青いシャツに黄色いバンドのApple Watchをはめている。今回のプレゼンテーションは全体に地味な感じに抑えられていた。戦争中なのであまり浮かれて騒ぐこともできない。さて,今回の目玉は次のとおり。

(1)iPhone SE3: 大変魅力的なのだけれど,自分の生活圏がソフトバンクの5Gサービスエリアになるのは当分先のようなので,それまでは機種更新することはない。SE2とSE3の比較をすると,サイズは全く同じ,A13 BionicからA15 Bionicへ,RAMは3Gが4G,セルラーは4Gが5Gになり,バッテリは13hから15h。12MP(フロント7MP)のカメラの機能はほぼ同じだが,Deep Fusionが加わった,何それおいしいの?指紋認証があるのがありがたいが,あいかわらずLightningコネクタのままだった。

(2)iPad Air: いま,自分が持っているiPad Pro 11" (第1世代)との違い。チップがA12XBionic からM1へ,セルラーモデルでは5Gが可能,12MPと7MPのカメラはフロントだけ広角12MPに。Apple Pencil 2 はともに使える。Proである必要はない

(3)Mac Studio: Mac Studio M1 Max のほぼ最小モデルは,M1 Maxの10コアCPU+24コアGPU+16コア NeuralEngine,32GBメモリ,1TBストレージで,27万円(同じ構成で MacBook Pro 14" = 36.5万円)。一方,Mac Studio M1 Ultra の最小モデルは,M1 Ultraの20コアCPU+48コアGPU+32コア NeuralEngine,64GBメモリ,1TBストレージで,50万円。

MacBook AirのM1チップ(8コアCPU+8コアGPU)の8倍の面積を持つのが M1 Ultraチップである。M1 Ultraの処理性能はM1の数倍以上で旧MacProを越えているのだった。これに27インチのApple Studioディスプレイが20万円か。研究費が潤沢だった25年前ならばたぶん買っていた。コンパクトなのがなにより。

P. S. 1 : その後,ベンチマークの情報も出てきたが,まだ,WindowsのゲーミングPCの最上位機レベルには達していないようだ。シングルコアの性能は,自分のM1 MacBook Airと同じだし。さらに,これは,次のMacProへの伏線であるという噂だった。あとM2との整合性や整理をどうするか問題とか。

P. S. 2 : macOS 12.3(Monterey),iPad OS 15.4,iOS 15.4 のアップグレードが引き続いてやってきた。目玉は,マスクをつけたままのFace ID認証と,Mac-iPad間のユニバーサルコントロールだ。前者は使わないし,後者は試してみたののの,サイドカーの場合と同様に今ひとつピンとこないのであった。


2021年10月21日木曜日

フォトグラメトリ

 水中考古学の山舩幸太郎の話がテレビで流れていた。NHKのカネオ君だったのかな。YouTubeチャンネルもある。沈没船の様子を記録するためには,長期間のダイビング作業が必要であり,コストもたいへんなものになるところ,フォトグラメトリの技術を使って圧倒的に時間と費用が削減できたという印象的な話だった。

そういえば,大学の地学実験の授業ではじめてみたステレオグラムの写真に感動したことを思い出した。ここでは狭義に「デジタルカメラ等で多面的に撮影した複数のデジタル写真をコンピュータで画像解析し,3次元コンピュータグラフィックス等を得るプロセス」のことを考えたい。

AppleのMacBook発表会をみて,ほとんどのYouTuberが単純な性能や機能談義に終始していたところ,トバログ氏が,MacBook Proからみえる今後のAppleの方向性を議論していたのがおもしろかった。それは,Appleが出遅れている 3DCGを利用したVRARなどのMRが重要な役割を果たす世界である。

その兆候は,iPhoneカメラにおけるLiDARセンサーや,次期macOSのMontereyにおけるObjectCaptureという開発者向けAPIなどにみられる。そう,住宅・建築・土木関係や美術館・博物館・考古学あたり,あるいは自動運転・ロボティックス業界の皆様にとってはフォトグラメトリ最強かもしれませんが,一般コンシューマにtiktokのように浸透するには何が必要なのだろうか。VR/ARヘッドセットをかぶるのはちょっと勘弁してほしいのだけれど。


図:photogrammetryのイメージ(lecture.nakayasu.comから引用)

[1] Sketchfab(The Leading Platform for 3D & AR on the web)

2021年10月20日水曜日

MacBook Pro

 4月にMacBook Pro (mid 2012)を壊してしまって MacBookAir (2020 M1)に乗り換えてから半年たった。M1 MacBook Air は大変快調に動作している。夏場に少し熱くなったファンレスマシンだけれど,バックグラウンドで動いていたソフトを1つ外したところ,全く問題なくなった。これからはむしろ掌に冷たいボディの心配をする必要があるかもしれない。

さて,昨日(日本時間2021年10月19日未明)のAppleEventで,新しいM1 Pro/MAX チップを搭載した MacBook Pro が発表された。ネット上ではかなり盛り上がっている。新しいチップは,従来のM1チップに比べて面積が2〜3.5倍(トランジスタ数がMAXで570億個)。CPUコア数は8(高性能4+省電力4)から10(高性能8+省電力2)へ,GPUコア数は8から16/32へと増えている。メモリ帯域幅は200GB/s または 400GB/sで,従来のM1チップの3〜6倍である。

今のM1チップとシングルコアでの性能は変わらないそうで,マルチコアによる性能が1〜2倍の範囲で強化されるということになる。Appleの宣伝では大変素晴らしいことになっているが,あくまでも旧いIntelチップとの比較であり,実運用上どこまで確かなのかは試してみないとわからない。最も,動画編集をしない自分にはそもそも関係ない話かもしれない。

というわけで,新しいMacBookで一番良かったのは,TouchBARの廃止。TouchIDの採用,1080pのフロントカメラ,USB-C (Thunderbolt 4) × 3ポート,Magsafeの復活かな。3.5mmヘッドフォンジャックも残った。それに+10万円の価値があるかどうかという問題だけど・・・。

(1) MacBook Air  13":21.2 × 30.4 × (0.4-1.6) 1.3kg, 8CPU+8GPU, 16G+1T = 20万円

(2) MacBook Pro 14" (Pro):22.1 × 31.3 × 1.5 1.6kg, 10CPU+16GPU,16G+1T = 30万円

(3) MacBook Pro 14" (Pro):22.1 × 31.3 × 1.5 1.6kg, 10CPU+16GPU,32G+2T = 39万円

(4) MacBook Pro 14" (MAX):22.1 × 31.3 × 1.5 1.6kg, 10CPU+16GPU,32G+2T = 43万円

(5) MacBook Pro 14" (MAX):22.1 × 31.3 × 1.5 1.6kg 10CPU+32GPU,64G+4T = 54万円


写真:MacBook Pro 2021 のサイドビュー(Appleより引用)


写真:M1チップの面積(Appleより引用)

2021年10月11日月曜日

mas

 macOSのアプリは,Mac App Soreを経由してインストールするのが普通である。このためのアプリ名がApp Soreでなので,iOSやiPadOS用のサービス兼アプリの App Storeと同じ名前になっている。微妙にややこしい。

macOSのApp Storeアプリは普通のアプリケーションソフトウェアなので GUI(グラフィッカルユーザインターフェイス)でアクセスする。可もなし不可もなし。この CLI=CUI(コマンドラインインターフェース)版で mas(mas-cli)というものがあることがわかった。しかも,homebrewで簡単にインストールできた。使用例は次の如し。

$ mas list

863486266 SketchBook (8.7.0)
539883307 LINE (7.2.0)
640199958 Developer (9.2.3)
409222199 Cyberduck (7.10.2)
409183694 Keynote (11.2)
405399194 Kindle (1.33.0)
895264364 DjVu Reader Pro (2.5.8)
1380563956 辞書 by 物書堂 (1.2.15)
682658836 GarageBand (10.4.3)
1482454543 Twitter (8.82)
1496833156 Playgrounds (3.4.1)
425424353 The Unarchiver (4.3.3)
1168254295 AmorphousDiskMark (3.1)
1055273043 PDF Expert (2.5.18)
409203825 Numbers (11.2)
497799835 Xcode (13.0)
1153157709 Speedtest (1.22)
409201541 Pages (11.2)
721540800 PDF to DjVu (1.3.0)
1465576485 GraphicConverter 11 (11.5.2)
408981434 iMovie (10.2.5)
1438772273 Cinebench (23.2)
1024640650 CotEditor (4.0.8)
405843582 Alfred (1.2)
1444383602 GoodNotes (5.7.36)
1272842196 egword Universal 2 (2.2.11)
古くなってしまった(outdated)アプリケーションを更新する(upgrade)こともできるらしいのだが,どうもそれはうまくいかなかった(できたのもあるが)。

2021年10月3日日曜日

USB-DAC

 オンライン授業の1回目を配信した後で,「ノイズが大き過ぎて聞き取れない,ノイズキャンセリングマイク使ってください」というコメントがあった。昨年は,「声が小さい」というのが何件かあったので,できるだけ iPhone内蔵マイクには口を近づけるようにしていた。

そもそも,オンラインデジタル教材は「遠隔授業のばたばた(2)」にあるように,iPhone のボイスメモ(非可逆圧縮)で収録した音声の m4aファイルと,iPadの GoodNotes5による手書きノートの jpgファイルを,MabBookAirに転送して,ffmpegでマージして mp4ファイルにしたものだった。

音声の収録に,iPhone内蔵マイクを使っていたのを反省して,多少はマシだと思われるEarPodsのマイクを使うことにした。これも3.5mmジャックで MacBook Airに繋ぐか,ライトニングで iPhone SE2に繋ぐか迷ったけれど,とりあえずライトニングの方を選ぶことにして,ffmpegの音声のビットレートを 72kから144kに上げてみた。

#!/bin/sh
for arg in "\$@"; do
 sips -z 880 660 \$arg.jpg
 ffmpeg -loop 1 -i \$arg.jpg -i \$arg.m4a -ab 144k -vb 288k -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p -shortest \$arg.mp4
done


これで解決するかどうかよくわからないけれど,いきなり数万円のコンデンサーマイクを買うのもどうかと思うし,ちょっと関心がある AirPods Proにしたところで目的は達成できなさそうだ。これに至る過程でいろいろ調べてみたけれど,音声入力は奥が深くて難しい。

(1) USB接続のノイズキャンセリングヘッドセット(数千円から1万円)を探してみたが,どうもしっくりこない。

(2) アナログ–デジタルの変換やインピーダンスと入力ゲインに鍵がありそうで,USB-DACというものがあることに気づいた。3.5mmジャックをUSB-Cに変換するタイプが1500円からある。これだと思ったが調べてみると EarPodsのマイク入力には対応できそうでない。

(3) ソフトウェアでノイズキャンセルをAI的に処理するものとして,Krispがあったので早速無料版をインストールしてみたが,今ひとつ要領を得なかった。

(4) コンデンサーマイクは1万円からあるけれど,大き過ぎてどうもしっくりこない。iPhoneのライトニング端子に直挿しするzoomのiQ7が対応アプリのHandy Recorderとの組み合わせで良さげであるが,もう少し様子見をする(電波でプチプチ雑音が入るのが難らしい)。

(5) なんだかんだいって,結局 余分なコストゼロで済ませられる EarPods 単体が最も良さそうだなあ。

YouTubeばかり見ていると素晴らしい音質に慣れてしまうのだけれど,これらのYouTuber は数万円から数十万円のマイクやオーディオ環境を整えているので,なかなか簡単には手が届かないということを学生さんは理解してくれるだろうか。

あるいは自分の方がどこかで間違っているのかもしれない。なにせ,高齢者なので高音域の感度が全く悪くなっており,変なノイズもそもそも自分では聞き取れていない可能性も高い。聞こえチェックで,60代の10,000Hzがクリアできないのだから。


写真:zoomのiQ7(Amazonより引用


2021年9月15日水曜日

Apple Event 2021 September

 日本時間9月15日午前2時(米国時間 9月14日午前10時),Apple Event 2021 September が開かれた。

M1 Macbook Airの全画面表示でみる映像はなかなか美しい。バイオリンのドローン空撮映像による音楽から始まり,何だろうかと思っていたら Calfornia Soul(1967)だった。自分には The 5th Dimension のアルバムStoned Soul Picnicバージョンでなじみの曲だ。Tim Cookの挨拶は,そのCalifornia賛美から始まり,TV+のちょっとした宣伝の後,次の新製品が紹介される。

(1) iPad / iPad mini:衆目の一致するところ,今回の目玉はこのiPad mini の発表である。A15 Bionic 搭載の8.3インチ Liquid Retina Display に Apple Pencil 2 が対応した。Top ボタンに Touch ID が対応しているので安心して使える。A15 Bionic は CPU 6コア+ GPU 5コア,ニューラルエンジンによる機械学習速度2倍など,なかなかの性能を発揮できるという謳い文句だ。12MP の超広角フロントカメラはセンターフレームによる自動パンに対応。背面にもフラッシュ付の12MP 広角カメラがある。価格は59,800円($499)から。買わないけれどなかなかよろしい。

iPad mini はだいぶ以前のバージョンを大学の研究費で購入したことがある。iPadとしては2台目だったが,そこまでうまく使いこなせなかったような気がする。小さいほうは iPhone があるので,iPad 的な使い方のためにはもう少し広いエリアが必要だから。

(2) Apple Watch Series 7:ディスプレイ部分などマイナーな改良が中心だけれど,しだいによくなっている。ただ,これはあいかわらず,アウトドア派で健康指向の人向きだと思えてしまうので買いません。フィットネスと健康管理には最適なのだろう。ウェアラブルデバイスとしては,直接,視聴覚とリンクしていないと難しいと考えてしまうのだ。

(3) iPhone 13:これもマイナーバージョンアップ。Pro Max,Pro無印,mini の4系列はこれまでと同じ。機種の色合いも落ち着いてきたようだ。いつのまにか,望遠,広角,超広角の3カメラシステムに慣れてきた。カメラが一回りおおきくなり,マクロ撮影もできるし,アダプティブな120 Hzとかシネマティックモードとか,たいへん結構です。ただ,iPhone SE2を去年買ったばかりなので,iPhone19くらいまでは更新しない年金生活者なのであった。死ぬまでにあと1機種くらいかしら。あるいは日本が滅びるほうが先か。

TIme Cook のエンディングの言葉は,Stay Safe, Take Care だった。ビデオの最後のエンディングロールでは,プレゼンター,キャスト,クルー,撮影環境において入念な感染予防対策を行っていることをこれでもかと強調していた。今回のAppleの映像は全編を通して,これまでのシリーズに比べとてもよくできているような印象だった。もちろん,Steve Jobsのマジック(特に2007年)には届かないかもしれないけれど。


写真:見たことがなかった California Soul のシングル盤(Discogsさんから引用)


2021年6月29日火曜日

音声合成機能(2)

音声合成機能(1)からの続き

 Macの音声合成機能のコマンドライン版 say はもう少し複雑な使い方ができる。なお,$ man -a say > sample.txt でマニュアルコマンドsayの全体をsample.txtに出力できる。以下はzshでなくbashでの例である,zshでは?を\?とエスケープすること。

(1) \$ say -v \? (出力されるVoice一覧)

(2) \$ say --file-format=\? (出力されるファイル形式一覧)

(3) \$ say --file-format=m4af --data-format=\? (あるファイル形式でのデータ形式一覧)

(4) \$ say --file-format=3gpp --bit-rate=\? (あるファイル形式でのビットレート一覧)

(5) \$ say -a \? (出力デバイス一覧)

(6) \$ say '現在の東京の天気は' `curl -s ja.wttr.in/Tokyo\?0 | sed -n 3p | cut -c 31-` 'です'

ビットレートについては,manの記述も微妙だし,うまく出力されないものがあるがよくわからない。例えば,say --file-format m4af --bit-rate ? が返ってこないんだけれど・・・

英語音声として SamanthaとTomをおすすめされた。Good News,Bad News,Cellos,Pipe Organの4つはそれぞれ特定の歌を歌ってくれるらしい。

[1]Mac の say コマンドの使い方(Qiita)
[2]Macのsayコマンドを使って英語スピーチを練習しよう(福野泰介)
[4]Speech Manager (Apple Developer)


2021年6月28日月曜日

音声合成機能(1)

 Macの音声合成機能については,編集メニューにスピーチがあって,アクセシビリティ機能拡張に読み上げコンテンツの設定があることは知っていた。しかし,これらがコマンドラインで使えるとは。それが say コマンドである。

$ say "こんばんは"
$ say -i (インタラクティブに入力)
$ say -f readme.txt
$ say -o output.m4a "こんにちは"
$ say "こんにちは [[slnc 1000]] さようなら"
$ say "こんにちは [[rate 100]] さようなら"
$ say "こんにちは [[pbas 250]] さようなら"

などが最も簡単な使い方である。日本語の音声としてはKyoko(女声)とOtoya(男性)とSiriう(声1)とSiri(声2)が用意されている。システム環境設定で設定された声が使われている。[[slnc 1000]] は 1000ms の無音時間を表している。[[rate 100]] は,一分当たりの発音回数が100であることを意味し,標準値 175に対して発音速度をゆっくりとさせる。[[pbas 250]]は,標準値175に対して,音の高さを高く発音させている。

漢字もいちおう読めるのだが,自分の姓はだめで,名のみOKだった。2012年のMacOSX Lionから実装されているのだけれども知らなかった。

[1]Mac OSX Lionのsayコマンドに感動した。(理想未来ってなんやねん)

2021年6月9日水曜日

WWDC21

 アップルの開発者カンファレンスWWDC(World Wide Developers Conference)がWWDC21として6/7から開催されている。例年,奈良盆地のヒノヒカリやキヌヒカリの田植えの時期に重なるのだった。日本時間では6/8の早朝深夜であり,午後にキーノートの録画を途中まで見たけれど頭に入ってこなくて寝てしまった。

WWDCはそもそもmacOSやiOS/iPadOSのソフトウェア開発のためのカンファレンスなので,新製品発表会ではない。ところが,昨年のM1アップルシリコン発表のインパクトが強すぎたため,今年もM1Xにからめてなんらかのハードウェア新製品の発表があるのではとの期待が過熱していた。

残念ながら,iOS15,iPadOS15,macOS Monteley などOSのマイナーレビジョンアップの話で終始したため,ネット上では残念感が満ちている。その中にもアピールポイントを探そうと努力しているようだが,Apple信者以外にはきびしいのかもしれない。

FaceTimeもMemojiも使わないし,FocusもNotificationもピンと来ない。空間オーディオとロスレスといわれても AirPods Pro も AirPods Pro MAXも持っていない。売り上げはあがっているはずの日本では,地図の更新もWalletへの身分証明書IDのとりこみもLiveTextも当面無関係である。中国語には対応しているのに・・・。

日本経済新聞紙面のトップ記事は,プライバシーの保護であり。iCloud+と合わせて,これは地味だけれど意味があるのかもしれない。あとは,iPadのSwift Playgroundがアプリ開発にまで対応できるということで,Macなしの開発サイクルが実現されるとどうなるのか。

少し興味があったのは,Universal ControlやMacへのAirPlayで手元のMacBook Air M1でiPad Pro (11" 2nd gen) が操作できるとsidecarよりは少しましかもしれない。AutomatorがShortcutsになるようで,ますます,iPadとMacの融合が進んでいる。この先の世界には何がくるのだろう。

2021年5月18日火曜日

MacBook Air M1(4)

 MacBook Air M1(3)からの続き

4月18日にMacBook Air M1 がやってきてからちょうど1ヶ月になる。このところCPU負荷がつねに30-40%を越えて,CPU温度が70-80℃となっていた。Apple シリコンのM1チップを搭載したMacは発熱が少ないのが特徴だったはずなのになぜだ。すべてのアプリを終了させてスリープした状態で一晩寝かせ,朝を迎えてもパームレスト部分が暖かいのである。

さすがにおかしいと思って,アクティビティモニタで調べてみると,なんとアンチウィルスのSophosが非常に大きなCPUタイム消費の原因だった。さっそくこれを取り除いた。ウィルス対策は,ClearnMyMacのアンチウィルス機能に頼ることにする。おかげで,CPU負荷は5%,温度は35℃前後まで下がった。やれやれ。

なお,MacBook Air M1(2)で書いていた「jupyterlabが動かない問題」はしばらく前に以下のようにして解決した。これで残ったのは pythonの機械学習ライブラリ scikit-learn が動かないことくらいである。

/opt/homebrew/opt/python@3.9/bin/python3.9 -m pip install --upgrade pip
pip3 install jupyterlab
jupyter lab -> error
jupyter lab build -> error
brew install node.js
jupyter lab build
jupyter lab

2021年5月17日月曜日

スクリーンタイム

アップルの macOS や iOS には,端末やアプリの使用時間 を記録したり制限したりするツールとしてスクリーンタイムが準備されている。NHKの朝の情報番組「あさイチ」のスマホ認知症特集で登場したのでチェックしてみた。

なお,司会の博多花丸大吉は好感がもてるけれど,「あさイチ」の生活の知恵的特集にはいまイチのものも散見される。「チコちゃんに叱られる」や「ガッテン」も同様で,眉唾で楽しむ必要がある(特に脳科学者などの肩書きででてくるものに注意)。

まあ,まじめな顔(疑似客観性や疑似中立性)を装いながら,著しく操作/加工された情報を流したり,重要な情報をシカトするNHKの報道番組よりは数段ましかもしれない。もっとひどいのは吉本芸人を使って大阪維新や菅政権の提灯持ちをする民放のニュースワイドショーなのだが。

話をもとに戻して,自分の端末のスクリーンタイムのデータ(5月1日〜5月16日)を確認したところ,iPhoneの利用時間は平均2時間10分ほどだった。利用アプリベストスリーは,Facebook,Twitter,LINEである。これに対して,MacBook Air の利用時間は平均11時間50分で,その内訳は,Safari 8時間,YouTube 3時間,twitter 1時間,blogger 30分,Wikipedia 30分といったところだ。いいようなわるいような。

なお,ほとんど信用できないスマホ認知症のチェックリストの点数は12点である。GIGAスクールが進めば,子どもの端末使用時間は12時間を軽く越えてくるのは間違いないので,もう少し科学的なメリット・デメリットの分析と評価が必要になるはずだ。現在のゲーム・スマホ有害論のほとんどはそれ自身が有害だと思われる。

2021年4月24日土曜日

MacBook Air M1(3)

 MacBook Air M1(2)からの続き

前回,Processingが動かないと言ったが,正しいJDKが入っていなかったからなのかもしれない。arm対応のJDKが,AZULから入手できた。OpenJDK Runtime Environment Zulu16.28+11-CA (build 16+36) ということで,Processing 4.0α3をインストールしたところ無事に動作した。

その他は次のとおり

(1) Wolfram Engine 12の導入ができた。これをjupyterで実行したところ,無事にMathematicaが動作したが,バージョンが12.2かどうかはわからなかった。これが起動している状態では,カーネルの動作数が制限を越えたということで,元々インストールしていた Mathematica 12.0は動かなかった。

(2) iPad Proを sidecar で繋ぐことができた。ミラーリングでも別ディスプレイでも動くことは動くのだけれど,なぜか想像していた動作とは違うのと,本体の解像度が勝手に変わったりして微妙に使いにくい。macOSX用の GoodNotes 5 があるので,なんとかタブレット代わりには使えるとは思うが,AirDrop が優秀なのでつながなくても十分に使えてしまう。

(3) Time Capsuleのタイムマシンが動いた。無線でつながっている上に,2TBのハードディスクが遅いので,フルバックアップに10時間ほどかかるがそれでも一応の安心感は得られる。

(4) Apple USB スーバードライブがつながった。ドライブが空の状態ではデスクトップにアイコンが表示できないのでどうかと思ったが,ディスクを入れると無事に認識してアイコンが表示された。

(5) iPhone SE2 のバックアップができた。このためMacBook Air M1の1TBストレージの使用量は330GB,残量は700GBを切った。

(6) 環境設定のキーボードで指定した後も,標準の日本語入力で\と¥の入れ替えがうまくいかないような気がしたが,今日は正しく動作している。なんだったのか?