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2024年4月4日木曜日

機能性表示食品

食品衛生法からの続き

ちょっとよそみしていたら,そもそも安倍晋三森下竜一が導入した機能性表示食品が原因ではないかという話が盛り上がっていた。

安倍晋三のアベノミクスの三本の矢の一つが規制改革による民間需要の喚起だった。これを実現するため第2次安倍内閣が2013年1月に復活させたのが規制改革会議だ。そのメンバーにあの大阪の吉村知事肝いりDNAコロナワクチン開発騒動でお馴染の森下竜一が,アンジェスMG株式会社取締役として加わった。

規制改革会議は半年で答申をまとめ,規制改革実施計画[1]として閣議決定される。森下の文章[2]を読めばその意図がわかる。まあ,一般に規制改革には副作用が付き物で,今回の事件もその一端だといえばそうかもしれない。美味しい話にさっそく蟻さんが群がっている。

機能性表示食品は,内閣府による政令,食品表示基準で定義されることになり,企業による届出だけで承認される。また,これについては消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索データベースで調べることができる。

機能性表示食品は,2月9日分までで8154件登録されている。その中でキーワード紅麹を含むものは次の10件だった。
F216 2020/06/29 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプ 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/03/22 ・撤回 2024/03/26

G970 2021/12/08 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプa 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/03/22 ・撤回 2024/03/26

H98 2022/05/16 株式会社ファンケル(3020001000366)
コレステサポート 加工食品(サプリメント形状)
紅麹ポリケチド・りんご由来プロシアニジン ・変更 2024/01/24

H393 2022/08/10 小林製薬株式会社(4120001077402)
ナイシヘルプ+コレステロール 加工食品(サプリメント形状)
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン、米紅麹ポリケチド ・変更 2023/11/07 ・撤回 2024/03/26

I199 2023/05/17 小林製薬株式会社(4120001077402)
ナットウキナーゼさらさら粒ゴールド 加工食品(サプリメント形状)
納豆菌由来ナットウキナーゼ、米紅麹ポリケチド ・変更 2024/01/31 ・撤回 2024/03/26

I631 2023/08/18 株式会社ZERO PLUS(9290001031420)
悪玉コレステロールを下げるのに役立つ 濃厚チーズせんべい 加工食品(その他)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/03/25 ・撤回 2024/03/27

I773 2023/10/16 小林製薬株式会社(4120001077402)
いきいきヘルプ 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド、大豆イソフラボン ・撤回 2024/03/26

I827 2023/10/31 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプWa 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド、EPA・DHA ・変更 2023/12/22 ・撤回 2024/03/26

I873 2023/11/10 小林製薬株式会社(4120001077402)
コレステヘルプb 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド ・変更 2024/01/30 ・撤回 2024/03/26

I1027 2023/12/14 小林製薬株式会社(4120001077402)
いきいきヘルプa 加工食品(サプリメント形状)
米紅麹ポリケチド、大豆イソフラボン ・撤回 2024/03/26
小林製薬の8件と,ZERO plusの1件が撤回されている。ファンケルの機能性関与成分は「紅麹ポリケチド」であり,他の9件の「米紅麹ポリケチド」とは異なっている。報道されていた大阪市による回収対象は3種類だけだったけれどいいのかしら。

[1]規制改革実施計画(平成25年6月14日閣議決定,2013年)
[2]「機能性表示食品制度」が始まります!(消費者庁,2015年)

2024年4月3日水曜日

食品衛生法

小林製薬による,紅麹原料の機能性表示食品「コレステヘルプ」等の件。

なぜ,大阪市が回収命令を出したのか?これは薬品ではなく食品扱いなので,食品衛生法食品衛生法施行令の対象となる。食品衛生法で,回収という文字が出てくるのは,第58条だけである。
第五十八条 営業者が、次の各号のいずれかに該当する場合であつて、その採取し、製造し、輸入し、加工し、若しくは販売した食品若しくは添加物又はその製造し、輸入し、若しくは販売した器具若しくは容器包装を回収するとき(次条第一項又は第二項の規定による命令を受けて回収するとき、及び食品衛生上の危害が発生するおそれがない場合として厚生労働省令・内閣府令で定めるときを除く。)は、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、回収に着手した旨及び回収の状況を都道府県知事に届け出なければならない。
一 第六条、第十条から第十二条まで、第十三条第二項若しくは第三項、第十六条、第十八条第二項若しくは第三項又は第二十条の規定に違反し、又は違反するおそれがある場合
二 第九条第一項又は第十七条第一項の規定による禁止に違反し、又は違反するおそれがある場合
② 都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、厚生労働省令・内閣府令で定めるところにより、当該届出に係る事項を厚生労働大臣又は内閣総理大臣に報告しなければならない。
たぶん,第六条で「有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの」は販売してはならないとあり,これに違反しているので,回収命令が出されたということになる。厚生労働省は,食品衛生法に基づく製品の廃棄命令などの措置を取るよう大阪市に通知し,これを受けて大阪市が回収命令を出したと報道されている。

食品衛生法は,そもそも中小の食品製造企業や飲食店なども視野に制度設計されているので,直接の対応は,保健所のある都道府県や市町村が行うものと思われる。一般的な薬害事件とは少し違うストーリーになっている。

まあ,健康維持を薬(サプリ)に頼るなというのは,貝原益軒先生の養生訓にも書かれていることだ。

2024年3月15日金曜日

認知症とAI

たまには生成AIの相手をしてあげないと,<細菌>の<瞳孔>に追いつけなくなる。

今日は,Geminiに聞いてみた。いかに良い答えを引きだすかという質問のクオリティが問われるのである。答えは長かったので途中で途切れてしまった。<続けて>を入れることで,2回に分けて出力された。下記の(koshix注:一旦停止継続地点)を見よ。

Q(koshix):認知症の診断や予防をするAIシステム,あるいは軽度認知症になったときの進行を抑制するAIシステム,さらには重度認知症になったときの人格を補間支援するAIシステムのコンセプトをまとめ,その技術的な可能性や現時点での達成点を整理してください。
A(Gemini):
認知症とAI:診断、予防、進行抑制、人格補完支援の可能性と現状

認知症は、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす疾患です。近年、AI技術の発展により、認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援など、様々な分野での活用が期待されています。

1.認知症診断におけるAI

AIは、膨大な量の認知機能検査データや脳画像データから、認知症の早期診断に役立つパターンを見つけることができます。具体的には、以下のような技術が研究されています。

認知機能検査の自動化: AIを用いて、従来の紙と鉛筆による検査を自動化し、効率的に認知機能を評価することができます。
脳画像分析: AIを用いて、脳MRI画像からアルツハイマー病などの認知症特有の異常パターンを検出することができます。
音声分析: AIを用いて、会話中の声のトーンや発話速度などを分析し、認知症の兆候を検出することができます。 
これらの技術はまだ開発段階ですが、将来的には、医師による診断を補助し、早期診断の精度向上に貢献することが期待されています。

2.認知症予防におけるAI

AIは、生活習慣や遺伝情報などのデータを分析し、個々のリスクに合わせた認知症予防策を提案することができます。具体的には、以下のような技術が研究されています。

・生活習慣改善支援:  AIを用いて、運動や食事、睡眠などの生活習慣を分析し、認知症リスクを下げるためのアドバイスを提供することができます。
・遺伝リスク評価: AIを用いて、個人の遺伝情報から認知症発症のリスクを予測し、予防策を提案することができます。
・脳トレーニング: AIを用いて、個々の認知機能に合わせた脳トレーニングプログラムを提供することができます。 
これらの技術は、認知症の発症リスクを早期に把握し、予防効果の高い対策を講じることに役立つ可能性があります。

3.軽度認知症の進行抑制におけるAI

AIは、認知機能訓練や薬物療法など、個々の状態に最適な治療法を提案し、進行抑制に役立てることができます。具体的には、以下のような技術が研究されています。

認知機能訓練: AIを用いて、個々の認知機能に合わせたゲームやパズルなどの訓練を提供し、認知機能の低下を抑制することができます。
薬物療法: AIを用いて、個人の遺伝情報や症状に基づいて、最適な薬剤と用量を提案することができます。
生活支援: AIを用いて、日常生活におけるスケジュール管理や服薬管理などのサポートを提供することができます。 
これらの技術は、軽度認知症の進行を遅らせ、自立した生活を維持することに貢献することが期待されています。

4.重度認知症の人格補完支援におけるAI

AIは、過去の会話データなどを基に、認知症患者の人格や価値観を理解し、コミュニケーションを円滑化するための支援を行います。具体的には、以下のような技術が研究されています。

会話支援: AIを用いて、患者との会話履歴に基づいて、適切な話題や質問を提供することができます。
感情認識: AIを用いて、患者の表情や声から感情を認識し、それに応じた対応をすることができます。
思い出支援: AIを用いて、患者の過去の思い出を記録し、共有することができます。 
これらの技術は、認知症患者とのコミュニケーションを円滑化し、QOL(生活の質)向上に貢献することが期待されています。

5.技術的な可能性と課題

AI技術は、認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援などの分野において大きな可能性を秘めています。しかし、現状では多くの課題も存在します。

データ不足: AI技術の開発には、膨大な量のデータが必要です。現状では、認知症に関するデータ量が十分とは言えず、更なるデータ収集が必要です。
倫理的な問題: 認知症患者の人格やプライバシーを尊重する倫理的なガイドラインの策定が必要です。
コスト: AI技術の開発、導入、運用にはコストがかかります。
これらの課題を克服するためには、研究開発の推進、産学官連携の強化、社会的な理解の深化などが重要となります。

6.現時点での達成点

AI技術は、認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援などの分野において、まだ研究開発段階ではありますが、いくつかの成果が出ています。

認知機能検査の自動化:  一部の企業では、AIを用いた認知機能検査システムを開発しており、臨床試験が進められています。(koshix注:一旦停止継続地点
脳画像分析: AIを用いて、アルツハイマー病などの認知症を早期診断する精度が向上しており、実用化に向けて研究が進められています。
音声分析: AIを用いて、会話中の声から認知症の兆候を検出する技術が開発されており、早期診断に役立つ可能性があります。
生活習慣改善支援: AIを用いた生活習慣改善アプリが開発されており、認知症予防に役立つ可能性があります。
認知機能訓練: AIを用いた脳トレーニングゲームが開発されており、認知機能の維持に役立つ可能性があります。 
これらの成果は、将来的に認知症の診断、予防、進行抑制、人格補完支援に大きく貢献することが期待されています。

7.今後の展望

AI技術の発展と認知症に関する研究の進歩により、将来的には以下のようなことが期待されます。

・認知症の早期診断、早期治療の確立
・認知症の発症リスクの予測
・個々の患者に最適な治療法の提供
・認知症患者のQOL向上の実現 
これらの実現に向けて、研究開発の推進、産学官連携の強化、社会的な理解の深化が重要となります。

8.参考資料 (koshix 注:以下の資料リンクは誤りや不正確な交差を含みます)

免責事項
この回答は情報提供のみを目的としており、医療診断や治療を代替するものではありません。認知症についてお悩みの方は、専門医にご相談ください。

この分野のセミプロならば, これをもとにして半日でプレゼン資料の下書きが作れるレベルのように見える。各セクションについて3項目づつきれいにトピックスをあげている(その妥当性は別にして)。最後には,不正確だけれどそれらしい参考資料や免責事項もあるのだった。

P. S. セクション番号や体裁にはこちらの手が少しは行っているが,文章はさわっていない。

P. P. S. このテーマで最初に見つかったのは,理研の大武美保子さん資料である。80-20運動によって,高齢者の無歯顎者率が1975年の20%から2005年の2%に改善した例を示し,先進国で中国と日本だけが増加している認知症率を減らすことが可能だという強いメッセージを発信していた。

2024年3月10日日曜日

洗濯マーク

ズボンの洗い方で揉めたので,洗濯表示タグのピクトグラムで確認することになった。

早速調べてみると,全国クリーニング生活衛生同業協同組合の説明がわかりやすかった。日本産業規格の JIS L0001(繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法)で定義されていた。ISOと整合させるために,旧規格から数年前に変更されたものだ。

図:JISL0001 の洗濯表示

問題になったのは,真ん中の欄にあった複雑な×記号だ。これは家庭での洗濯禁止なのかとおもったら,回転式乾燥機がだめということだった。ドラム式洗濯機がある逸般の御家庭にとっては紛らわしい記号かもしれない。PとかFとかWなどは商業クリーニングの業者さんが理解していればよい。洗濯×と漂白剤×と乾燥×とアイロン×だけ憶えればいいか。

2024年2月15日木曜日

歯医者

2月14日,バレンタインデー。ようやく去年の5月から通っていた歯医者が一段落した。

右上の4番目の歯に亀裂が入っていたのは,2-3年前から気がついていたのだけれど,それがだんだん悪化してきてついに歯がそこから分裂し始めたので,あわてて近所の歯医者さんに電話したのが,去年の5月中ごろだ。

予約をとってから行った旅行先で,カレーライスを食べていたら,とうとうその歯が半分折れかかってしまった。あわてて,洗面所でうがいして,元通りに押さえ込んだ。せっかくの旅行中なのに堅いものや刺し身が食べられず,残念なことになってしまった。歯医者に電話して予約の日を変更してもらい,帰宅後すぐに向かうことになった。

近所の歯医者は,昔から二階堂の駅前で開業していた地味な西川歯科なのだが,息子さんの代になり,線路脇の空き地に移転して,「にしかわ歯科・口腔外科クリニック」として新装開店したのだ。設備はきれいだし,こども向けのギミックも満載で(二階堂駅のホームから楽しそうな絵が描かれたはいしゃさんがみえるのだ),患者さんでにぎわっている。

治療は2-3回で終了したのだが,その後の,歯茎の検査とゆっくりと進められる歯石除去で半年以上かかってしまうことになった。さらに,今後は約3ヶ月に1回のサブスクリプションまでついてくることになった。まあ,行かなければ終了するのだけれど。歯をやられてものを食べられなくなるのが心配なので,とりあえず通うことにしょうか。


歯医者に通うのは30年ぶりだった。前回は西川歯科を敬遠して,近鉄郡山駅前の伊藤小児歯科にお世話になった。当時は歯周病が進行して下の歯を2本抜いてブリッジを入れることになってしまったのだ。前々回は,学生のときで,阪急宝塚線蛍池駅前の田中歯科である。これは,こどものときの虫歯治療のアマルガムが脱落したためであり,簡単な治療だけで終った。

最初の歯医者は,小学校4-6年ごろかな。学校の歯科検査で虫歯がたくさん見つかって,寺町2丁目のバス停前の白石歯科に何年か通った。そのとき初めてアマルガムという水銀の合金を虫歯の詰め物に使うことを学んだ。アマルガムをこねる作業も見ていたような気がする。こどものときから甘いお菓子ばかり食べていたのがよくない。もらったお菓子を引き出しにたくさん溜めながら,ちびちびと食べ続けていたのである。ろくな子供ではない。


写真:にしかわ歯科の受付で配布されたバレンタインチョコ


2023年6月16日金曜日

べんとりくん

人間ドック(2)からの続き

昨日は,天理市立メディカルセンターで1年ぶりの国保人間ドックだった。

事前に送られてきた便の潜血検査キットがちょっとリニューアルされていた。青と赤のラベルが貼ってある採便容器が無駄に大きくなっただけでなく,便採取支援シートに名前がついて形状が変化していた。べんとりくんだ。早速試してみたが,ちょっと不安定で使いにくかった。ネーミングはいいのだけれど,うーん,もう一工夫必要かも。トイレットペーパーを重ねて自分でコントロールするほうが安全だ。

去年のバリウム検査で懲りたので,今年は口からの胃カメラにしてみた。以前,大手前病院で一度だけ胃カメラに挑戦したが,そのときはわりと楽だった印象があるので今回も安心していた。

ところがです。呼び出されて,何やら変な味のクスリを2種類飲んだところまではいいのだけれど,5分間麻酔ゼリーを口に含む当たりからややこしくなってくる。タイマーが5分過ぎてもなかなか呼び出しがこない。麻酔がきれるのではないか。中からはゲーゲーいう音も聞こえてきて不安を一層あおる。

そうこうしているうちに名前が呼ばれたのだか,看護師さんが若干こわい。ベッドに横になってマウスピースをはめたが,以前のもののようにしっかり安定していない。しかも,ドクターの持っている内視鏡がえらい太いのである。えーっ,話が違う。わりと高速にのどから胃にむけてカメラが入っていったため途中で二,三回,オエーッとなってしまう。後半はようやく落ち着いて耐えることができた。



写真:べんとりくんと採便容器(撮影 2023.6.12)

2022年10月15日土曜日

物理学科同窓会(1)

阪大理物アラS51同窓会2022が10月8日土曜日に新大阪で開かれた。S51は卒業年の昭和51年,アラはアラフォーのアラなので,卒業年度には分散がある。当時の物理学科のクラス定員は40名,入学年度は1972年(昭和47年),今年でもう50年になる。

台風やコロナの影響でしばらく中断していて4年ぶりの対面の同窓会。去年一昨年はzoomを使っての開催だった。まだ,コロナの影響はおさまっていないので,出席者は9名,ビュフッェ形式ではなく,大きなアクリル板に仕切られた和洋折衷膳+フリードリンク(=ほとんどビールをサーブしてもらう)。

まだ健康寿命(男性70.4歳,女性73.6歳)に達していないので,皆おおむね元気そうだった。そういえば,健康寿命というものが存在することを教えてくれた大石君が,今は,幸福寿命だといっていたのだけれど,怪しいウェルビーイングキャンペーンが頭にあったので,ちゃんと説明を聞くのを怠ってしまった。そこで,自力で調べてみた。

日本語で幸福寿命を検索しても,腸内細菌とホルモンの宣伝しか出てこない。こりゃだめだ。その中で目を引いたのが昨年の日経ビジネスの記事のキーワード「幸福感」は60代以降に上昇傾向だ。ダートマス大学のブランチフラワー教授が145カ国の年齢別主観的幸福度の研究によれば、先進国でも発展途上国でも,欧米でもアジアでも,主観的幸福度は次の図のように「U字型」になっている。


図:年齢別の主観的幸福度(Blanchflowerの論文から引用)

内閣府の2019年の調査でも,60歳以上で主観的満足度が急上昇するとなっている。むむむ。どうなのだろうか。

[1]LWC指標利活用ハンドブック(スマートシティインスティチュート)
[2]世界幸福度調査World Happiness Report2020の概要(産業精神保健研究機構)
[3]国民の幸せな人生(well-being)を政策目標に(第一生命経済研究所)

2022年8月19日金曜日

LDLコレステロール(2)

 LDLコレステロール(1)からの続き

天理市立メディカルセンターの人間ドックの結果がよろしくなかったので,8月15日に血中脂質の再検査を申し込んでいた。

9時の受付で,体重を測り採血してもらう(血圧は測らなくていいのか)。50分くらい待って診察を受けた。結果は,総コレステロール(130-219 mg/dL)が 257 -> 229,HDLコレステロール(40-75 mg/dL)が 68->64,LDLコレステロール(70-139 mg/dL)が 170 ->145 だった。

朝食のトーストのバターをやめるなどの成果がでたのか。次回は来年の人間ドックでチェックすることにした。お医者さんからは,卵黄・魚卵・肉類の脂肪を減らせと指示された。食品に含まれるコレステロールの摂取と,体内でのコレステロール合成を促進する飽和脂肪酸の摂取の2つがあって,それらを両方とも控えなさいということだった。

帰ってから,コレステロールについてもう一度勉強してみた。胆石はコレステロール98-99%でできてるものなのか。コレステロールが血漿中で輸送されるときには,コレステロールにタンパク質が結合したリポタンパク質の形をとる。これは,その密度のわずかな差によって数種類に分類できる。もっとも密度が大きなものが,HDL(高密度リポタンパク質,ρ=1.063–1.210  d= 7–10 nm),その次がLDL(低密度リポタンパク質,ρ=1.019–1.063  d=19–22 nm)だ。

LDLが酸化してマクロファージに取り込まれたものが血管に沈着すると動脈硬化の原因となって,死因順位第2位の心疾患(16%)や第4位の脳血管疾患(7%)を引き起こすらしい(なお,第1位の悪性新生物の死因割合は27%)。

ところが,WikipediaのLDLの節には次のような記述があった(参考資料)。

以前は悪玉コレステロールとも呼ばれたが、現在では否定されている。最新のACC/AHAガイドラインでは家族性高コレステロール血症の患者以外ではLDLの目標値を設定するエビデンスはないとされている。

 ACC/AHAは,米国心臓病学会と米国心臓病協会のことで,その2018年ガイドラインはこれ。専門的な英文を解読するのが難しいので,日本動脈硬化学会の反論の方をみる。

今回のACC/AHA ガイドラインの特徴の一つは、脂質管理目標値を設定しないことである。LDL-Cの管理目標値を決定するに足るエビデンスは現状では十分ではないことに関しては我々も異論はなく,すでに動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版でも20-30%のLDL-C低下を目標とすることも考慮すると記載されている。

他のリスク要因がなく,単にLDLコレステロールの値が高いだけという場合は,LDLコレステロールを一定値まで下げるということに意味がないということなのか?


図:脂質異常症と栄養の関係(下記参考資料から引用)

[1]日本人の食事摂取基準(2020年版)

2022年5月13日金曜日

LDLコレステロール(1)

人間ドック(2)からの続き

以前から,中性脂肪やLDLコレステロール値にしばしば警告が出ていたが,あまり気にすることはなかった。ところが,今回はいよいよ,要治療領域まであと一歩という説明をドクターから直接受けたので早速以前の結果を見直してみた。 



図:人間ドックにおける2001年以降の血清脂質値

この22年の人間ドックの検査値の平均は中性脂肪(TG=トリグリセリド)が TG=113±24 mg/dL(35-149),LDLコレステロール(悪玉)が LDL-C=139±11 mg/dL(70-139),HDLコレステロール(善玉)が HDL-C=61±4 mg/dL (40-)となった。総コレステロールは,TC=LDL-C+HDL-C+TG/5で求まり,TC=225±12 mg/dL(130-219)である。括弧内が正常値だ。なお 善玉を除いたnon-HDLコレステロールは,non-HDL-C = TC − HDL-C となっている。

中性脂肪とHDLコレステロールはほぼ問題ないのだが,これまでのLDLコレステロールの平均値が,許容値の70-139 mg/dL の上限に達し,上回ることの方が多かった。LDLコレステロールが140 mg/dL以上は高コレステロール血症に該当し,180 mg/dL以上が要治療対象だ。加齢や運動量の不足からか,定年後の3-4年でLDL-CやTCが上昇傾向にあるのがよろしくない。

高コレステロール血症の 2-3割は食物や生活習慣が原因で,7-8割がコレステロールをつくる肝臓の機能の問題らしい。肝臓の機能のうち遺伝的な原因が主ならばなかなか対応が難しいわけだ。ネットで検索するとちょっと怪しいサプリページがどんどんと引っかかってくる。

とりあえず,次の検査の3ヶ月後まで,動物性脂肪(飽和脂肪酸)を少しでも減らして,有酸素運動を始めろということか。

[1]脂質異常症(eヘルスネット)
[2]人間ドック学会判定区分(2021年度版)

2022年5月12日木曜日

人間ドック(2)

人間ドック(1)からの続き

昨日は,天理市立メディカルセンターの人間ドック健診日だった。

天理市の国民健康保険加入者に対する人間ドック補助制度がある,今年から条件に該当することになったので,早速申し込んでいた。メディカルセンターの受付時間は8:30から8:45までで,10分前につくと6番目だ。大手前病院では,家を6:00前に出て,7:15に病院に到着してやっと6番目前後だったので,えらい違いである。

天理市立メディカルセンターは,高井病院の福祉医療法人である高清会が運営していて,設備も比較的新しく普通の病院とあまりかわらない。健診を受けている人数がそもそも少ないので対応はよい。タニタの最新式体重計では,体脂肪率だけでなく身体各部の脂肪量や筋肉量まで算出してくれる。脂肪量は平均値なのだが,筋肉量が平均より2段階下である。どおりで懸垂ができなくなるわけだ。

気になった点は,(1) 眼底検査がなかなかうまくいかず,3回取り直した。これは私のせいなのか?(2) 聴力検査はかなりアバウトなのであった。(3) 胃X線(バリウム)は検査技師の方はとても丁寧で親切だったけれど,発泡剤を補助液なしにそのまま口に入れ,大量のバリウムで直接流し込む方式には閉口した。診断台で身体を支えるのもなかなか困難になってきたので,来年は胃カメラかな。

問診は,超音波検査を担当していたお医者さんに血液検査のデータを見ながら丁寧に説明してもらった。LDLコレステロールが170mg/dLと後一歩で要治療の180mg/dLに達するということで脅された。さっそく看護師の保健指導をうけつつ3ヶ月後の再検査を申し込むことに。

[1]バックス発泡顆粒(「透視開始に際して、造影剤投与開始直前あるいは投与開始後、年齢、胃内容積の個人差、造影の体位に応じて、約100~400mLの炭酸ガスの 発生量に相当する量を、少量の水または、造影剤と共に経口投与する」なので,補助液なしでもかまわないらしい。)

2021年7月10日土曜日

一読・十笑・百吸・千字・万歩

午前の昼寝から起きると, 高齢者の健康法というチラシが眼前に届けられました。杏林大学名誉教授石川恭三先生ご指導による日本医師会の健康プラザNo.481(日医ニュース)です。

一読:一日に一度はまとまった文章を読もう。✓(これはクリアできているかな,でもまとまった文章ってどのくらいの量をさすのだろうか,どうやら新聞の社説程度ということで,日経だと2000字弱だ。私の履歴書も同程度なので,文化欄読破というのがよさそうだ)

十笑:一日に十回くらいは笑おう。✓(家族LINEをみていればクリアできそうである)

百吸:一日に百回くらい(一度には十回くらい),深呼吸しよう。×(これはできていません)

千字:一日に千字くらいは文字を書こう。?(認知機能を高めるためにできるだけ漢字を使えとあるので,キーボードはカウントしないのかもしれない。なお千字というのは結構多くてこの日々のブログの平均値ではちょっと足りない)

万歩:一日に一万歩を目指して歩こう。△(目指してはいるのだけれど,毎日の朝の散歩は年平均で4500歩である。歩く日は45分以上で5000歩を超えるのだけれど雨の日もあるからなあ・・・)



2020年10月13日火曜日

人間ドック(1)

 昨日は晴れ。大手前病院の人間ドックの受診日だった。今年度になって大阪市に出るのもこれが2回目か。そういえば,政令指定都市の大阪市の存続も風前の灯となっている。菅首相のもとで勢いづいている大阪維新に対し,なかなか有効な反撃の手だてが見つかっていない。

新型コロナ感染症対策が厳重になされている中での人間ドックだったが,受診者は例年より多かったかもしれない。なんだか混んでいた。なじみの職員が入れ替わっていたり,あいかわらず胃X線が荒っぽかったり,このごろ眼底検査の要領が悪かったり(こちらの目が濁ってきているのかな),聴力検査の説明がやけに丁寧だったり,心電図のペーストがべとつかなくなったり,なんとなく例年とは違う空気を感じる。ここでの診断も,共済組合の任意継続が終了するので今年限りかもしれない。

大阪城が見える見晴らしのよい12階のレストラン(職員食堂)の人間ドックサービスメニューが変更されていた。昨年までのうどん+おにぎりが,和定食,洋定食,やわらか食の三択になっており,洋定食を注文したところ,ななかなクオリティが高かった。

血液検査の速報値も出るようになった。あいかわらず悪玉コレステロールの値が高すぎる。


写真:12F職員食堂にて洋定食(2020.10.12 撮影)