Q(koshix):解析力学の一般論です。q(t) = (q_1(t), … ,q_n(t)) であり,自由度nの系を扱っている。以下,\dot{q}(t) = p(t) と表記し,q(t) p(t)などの(t)は省略する。ラグランジアンLが点変換に対して不変であるとは,変換後のL'が次式をL'(q',p',t) ≡L(q,p,t) で与えられることを意味する。点変換であるため,δq'_i=Σ_j ∂q'_i/∂q_j δq_j などが成り立つ。このとき,以下の関係式が成立することを導いてください。∂L'(q',p',t)/∂p'_i = Σ_j ∂L(q,p,t)/∂p_j・∂p_j/∂p'_i = Σ_j ∂L(q,p,t)/∂p_j・∂q_j/∂q'_iA(DeepSeek V3):解析力学における点変換に対するラグランジアンの不変性から、以下の関係式を導出します。前提条件・ラグランジアンL(q,p,t) が点変換に対して不変である。・点変換後のラグランジアンをL'(q',p',t)とし,L'(q',p',t)≡L(q,p,t)が成り立つ。・点変換により,q'i=q'i(q,t)およびp'i=p'i(p,t)が定義される。・点変換の性質から。δq'i=Σj∂q'i/∂q'jδqjが成り立つ。目標以下の関係式を導出する:∂L'(q',p',t)/∂p'i = Σj ∂L(q,p,t)/∂pj・∂pj/∂p'i = Σj ∂L(q,p,t)/∂pj・∂qj/∂q'i導出過程1.ラグランジアンの不変性:点変換に対してラグランジアンが不変であるため,次式が成り立つ:L'(q',p',t) = L(q,p,t)ここで,q'とp'はqとpの関数である。2.偏微分の連鎖律:L'をp'iで偏微分するために,連鎖律を適用する:∂L'(q',p',t)/∂p'i = Σj(∂L(q,p,t)/∂qj・∂qj/∂p'i + ∂L(q,p,t)/∂pj・∂pj/∂p'i)ここで,qjはp'iに依存しないため,∂qj/∂p'i=0となる。したがって,次式が得られる。∂L'(q',p',t)/∂p'i = Σj ∂L(q,p,t)/∂pj・∂pj/∂p'i3.点変換の性質を利用:点変換の性質から,pjとp'iの関係は,qjとq'iの関係と対応する。具体的には,運動量pjは一般加速度\dot{q}jに関連しており,点変換により\dot{q}'i=Σj∂q'i/∂qj \dot{q}j が成り立つ。したがって,運動量の変換も同様の関係を持つ:pj = Σi p'i ∂q'i/∂qjこれを逆に解くと、次式が得られる:∂pj/∂p'i = ∂qj/∂q'i4.最終的な関係式上記の結果を代入すると,次式が得られる:∂L'(q',p',t)/∂p'i = Σj ∂L(q,p,t)/∂pj・∂qj/∂q'i5.結論以上から、以下の関係式が成立する:∂L'(q',p',t)/∂p'i = Σj∂L(q,p,t)/∂pj・∂pj/∂p'i = Σj ∂L(q,p,t)/∂pj・∂qj/∂q'i
芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。
2025年2月11日火曜日
点変換
2025年2月10日月曜日
電磁場中の荷電粒子
物理系の運動=状態変化が,時間を変数とする力学変数に対する微分方程式系で表される。適当な初期条件の下で,この微分方程式系を時間で順次積分することにより物理系の運動状態変化が求まる。これとは異なって,初期条件と終期条件が固定されたすべての仮想的に可能な(状態変化)経路の中から変分原理によって物理的に実現される経路が定まると考えることもできる。
この系の力学変数のある関数を,経路にわたって時間で積分した量を構成する。これを作用とよぶ。あらゆる仮想的な経路についての作用の集合の中から,実際に実現される物理系の(状態変化)経路を選び出す条件は,作用が停留値を取ることであると考える。
これが停留作用の原理(最小作用の原理)とよばれるものであり,力学変数の関数をラグランジアンとよんでいる。
力学変数を$\bm{q}(t) \equiv \{ q_i(t)\ (i=1,\ \dots n) \}$とし,経路は$\bm{q}(t) \ (t_0 \le t\le t_1) $である。また,始点と終点は,$\bm{q} (t_0) , \bm{q}(t_1) $で表される。
ラグランジアンを$L=L(\bm{q}(t), \dot{\bm{q}}(t), t)$とすると,作用$S$は,$\displaystyle S[\bm{q}]= \int_{t_0}^{t_1} L(\bm{q}(t), \dot{\bm{q}}(t), t) dt$ となる。これが停留値となって物理的に実現される経路を$\bm{q}(t)$として,停留作用の原理が成り立つ条件を表すと,
$\bm{q'}(t)=\bm{q}(t) + \delta\bm{q}(t), \ \dot{\bm{q'}}(t)=\dot{\bm{q}}(t) + \dfrac{d}{dt}\delta\bm{q}(t) \equiv \dot{\bm{q}}(t) + \delta\dot{\bm{q}}(t) $として,$\delta \bm{q}(t_0) = \delta \bm{q}(t_1)=0$ および,\\
$\displaystyle \delta S = S[\bm{q'}]-S[\bm{q}]= \int_{t_0}^{t_1} \Bigl\{ L(\bm{q'}(t), \dot{\bm{q'}}(t), t) - L(\bm{q}(t), \dot{\bm{q}}(t), t) \Bigr\} dt = 0$
これから,$ L(\bm{q}(t), \dot{\bm{q}}(t), t) \rightarrow L(\bm{u},\bm{v},t) = L$として,
$\displaystyle \int_{t_0}^{t_1} \Bigl\{ \dfrac{\partial L}{\partial \bm{u} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \delta \bm{q}(t) \ + \dfrac{\partial L}{\partial \bm{v} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \delta\dot{\bm{q}}(t) \Bigr\} dt $
$\displaystyle = \int_{t_0}^{t_1} \Bigl\{ \dfrac{\partial L}{\partial \bm{u} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \delta \bm{q}(t) \ + \dfrac{d}{dt}\Bigl( \dfrac{\partial L}{\partial \bm{v} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \delta{\bm{q}}(t) \Bigr) - \dfrac{d}{dt}\Bigl( \dfrac{\partial L}{\partial \bm{v} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \Bigr)\delta \bm{q}(t) \Bigr\} dt $
$\displaystyle = \int_{t_0}^{t_1} \Bigl\{ \dfrac{\partial L}{\partial \bm{u} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} - \dfrac{d}{dt}\Bigl( \dfrac{\partial L}{\partial \bm{v} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \Bigr) \Bigl\} \delta \bm{q}(t) dt + \Bigl[ \dfrac{\partial L}{\partial \bm{v} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \delta \bm{q}(t) \Bigr]_{t=t_0}^{t=t_1} = 0$
第3項は0であり,任意の$\delta \bm{q}(t)$ についてこの式が成り立つためには
$\dfrac{\partial L(\bm{u}, \bm{v}, t)}{\partial \bm{u} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} - \dfrac{d}{dt}\Bigl( \dfrac{\partial L(\bm{u}, \bm{v}, t)}{\partial \bm{v} } \Bigr|_{\bm{u}=\bm{q}, \bm{v}=\dot{\bm{q}}} \Bigr) = 0$ あるいは,$\displaystyle \dfrac{\partial L}{\partial q_i} - \dfrac{d}{dt} \dfrac{\partial L}{\partial \dot{q}_i} = 0 \ (i=1,\dots n)$
このn本の連立微分方程式を オイラー・ラグランジュの方程式という。
ある物理系に対して同じラグランジアンや作用は一意的に定まらない。例えば,
$ L(\bm{q}, \dot{\bm{q}}),t ) \rightarrow L' (\bm{q}, \dot{\bm{q}}),t )= L (\bm{q}, \dot{\bm{q}}),t ) + \dfrac{d}{dt} W(\bm{q},t)$ とすれば,作用には $\displaystyle \int_{t_0}^{t_1} \dfrac{d}{dt} W(\bm{q},t) dt = W(\bm{q}(t_1), t_1) - W(\bm{q}(t_0),t_0)$の項が付け加わるが,停留値の計算には影響しないので,同じ,オイラー・ラグランジュの方程式を与える。
電磁場中の荷電粒子,$\bm{r}=\{q_i i=1,2,3 \} $,電荷 $q$)が,スカラーポテンシャル$\phi(\bm{r}),t$,ベクトルポテンシャル$\bm{A}(\bm{r},t)$中を運動する場合,ラグランジアンは$L(\bm{r},\dot{\bm{r}},t) = \dfrac{m}{2} \dot{\bm{r}}^2 - q \phi(\bm{r},t) +q \dot{\bm{r}} \cdot \bm{A}(\bm{r},t)$となる。
オイラー・ラグランジュの方程式は,
$\displaystyle 0 = \dfrac{\partial L}{\partial \bm{r}} -\dfrac{d}{dt} \dfrac{\partial L}{\partial \dot{\bm{r}}} = -q \dfrac{\partial \phi(\bm{r},t)}{\partial \bm{r}} +q \dot{\bm{r}}\cdot \dfrac{\partial \bm{A}(\bm{r},t)}{\partial \bm{r}} -\dfrac{d}{dt}\Bigl( m \dot{\bm{r}} + q \bm{A}(\bm{r},t) \Bigr)$
$\displaystyle 0=-m \ddot{\bm{r}} -q \Bigl( \dfrac{\partial \phi(\bm{r},t)}{\partial \bm{r}} +\dfrac{\partial \bm{A}(\bm{r},t)}{\partial t} \Bigr) + q \Bigl( \dot{\bm{r}}\cdot \dfrac{\partial \bm{A}(\bm{r},t)}{\partial \bm{r}} - \dfrac{\partial \bm{A}(\bm{r},t)}{\partial \bm{r}} \cdot \dot{\bm{r}} \Bigr)$
つまり,$m \ddot{\bm{r}} = q \bm{E}(\bm{r},t) + q \dot{\bm{r}} \times \bm{B}(\bm{r},t)$
ここで,$\bm{E} (\bm{r},t) = -\nabla \phi(\bm{r},t) -\dfrac{\partial \bm{A}(\bm{r},t)}{\partial t} $
および,$\bm{B} (\bm{r},t) = \sum_{ij} \varepsilon_{ijk} \bigl( \nabla_i A_j - \nabla_j A_i \bigr) = \nabla \times \bm{A}(\bm{r},t)$
2025年1月19日日曜日
国際量子科学技術年
Uber quantentheoretische Umdeutung kinematischer und mechaniseher Beziehungen.Von W. Heisenberg in Gottingen. (Eingegangen am 29. Juli 1925.)In der Arbeit soll versucht werden, Grundlagen zu gewinnen fur eine quantentheoretische Mechanik, die ausschliellich auf Beziehungen-zwischen prinzipiell beobachtbaren Grossen basiert ist.運動学的・力学的関係の量子論的再解釈についてW. ハイゼンベルグ ゲッチンゲンに於て (1925年7月29日受領)この著作では、主として観測可能な量間の関係のみに基づく量子論的力学の基礎を得るための試みがなされている。
2025年1月12日日曜日
ケプラーの法則
Q(koshix):放送大学の物理の授業で,ケプラーの法則における太陽から惑星までの距離の算出は三角測量によるという説明がありました。地球が太陽に対して半年(半周期)動く間の年周視差から求めるという説明です。しかし,この半年の間に対象の惑星も動いてしまうので,その説明はおかしいと思います。なおかつ,ケプラーの第2法則(面積速度一定)を導くには,一定の時刻ごとの惑星の距離を細かく求める必要があります。ケプラー当時の正しい惑星までの距離の算出方法を教えてください。A(ChatGPT 4o):ケプラー(1571-1630)の時代(16-17世紀)には、正確な天体の距離を測定する直接的な手段は存在せず、彼が導いた法則は全て当時の天文学的観測データを基にした理論的な成果です。特に惑星までの距離に関しては、ケプラーが自身で測定したのではなく、師であるティコ・ブラーエ(1546-1601)が収集した膨大で正確な観測データを利用しました。以下、ケプラーがどのように惑星の軌道や距離を導き出したかについて説明します。1.ケプラーのデータの基盤:ティコ・ブラーエの観測ティコ・ブラーエは肉眼による観測で非常に精密な惑星の位置データを記録しました。このデータは地球から見た惑星の位置(天球上の角度)であり、視線方向に沿った正確な距離を含むものではありません。しかし、ケプラーはこのデータを用いて、惑星の相対的な位置関係と軌道の形状を特定しました。2.惑星の軌道と距離を決定する方法ケプラーが惑星の距離を導き出したプロセスは以下の通りです:(1) 軌道形状の特定ケプラーは火星の運動を解析し、地球中心ではなく太陽中心の楕円軌道であることを発見しました。特にケプラー第1法則(楕円軌道)を導くためには、火星が地球の位置に応じてどのように見えるかを計算し、楕円形状に適合させました。(2) 相対的な距離の算出ケプラー第3法則(公転周期の2乗が軌道長半径の3乗に比例する)を導く際、惑星の軌道の大きさを相対的な値として計算しました。この段階では、惑星の距離が具体的な長さ(例えばキロメートル)として測定されたわけではありません。(3) 地球の公転周期を基準とした計算地球の軌道を基準にして、火星など他の惑星の公転周期や位置を求めました。このプロセスで、地球が太陽の周りを公転していることを前提とした解析が行われます。惑星の位置はティコ・ブラーエの観測データと地球の軌道位置(半年ごとの視角差)を組み合わせて計算されました。(4) 具体的な距離の単位の確立ケプラー自身は「天文単位(AU)」という現代の距離単位を使うことはありませんでした。彼の計算は全て相対的なスケールで行われており、具体的な数値距離は後世の科学者が導きました。特に19世紀に恒星の年周視差が測定されるまで (注) 、天文単位をメートルやキロメートルに変換する手段は存在しませんでした。3.あなたの疑問に対する回答ケプラーの時代には「三角測量」や「年周視差」を利用して直接惑星の距離を測定することは不可能でした。年周視差は恒星の距離を測るための手法であり、ケプラー当時は恒星までの視差すら測定できていませんでした。ケプラーの法則は、視差や三角測量を直接使わず、惑星の相対的な位置とティコの観測データから導き出された理論です。惑星が動いてしまうという点に関しては、ケプラーが惑星の動きや相対的な位置関係を細かく解析することで克服しています。彼はティコの観測データを楕円軌道に適合させることで、惑星の位置を追跡し、時刻ごとの距離を計算しました。補足実際に太陽と惑星の距離が具体的な単位で測定されたのは、以下の進展を経てからです:・1672年:天文学者ジョヴァンニ・カッシーニが火星の視差 (注) を測定。・19世紀:恒星の年周視差が測定され、天文単位の具体的なスケールが確立。ケプラーの法則は、相対的な解析による成果であることを理解すると、当時の方法論の精巧さがより明確になります。
2024年12月18日水曜日
交代磁性体
交代磁性体は、従来利用されてきた強磁性体と異なり、①ビット間干渉の原因となる漏れ磁場が存在しないため素子の集積化に有利、②応答速度が100倍以上高速、③磁気的な外乱に対する耐性が高い、といった特徴を持ち、次世代の超高密度・超高速な情報媒体としての活用が期待されます。(東大工学部プレスリリースから引用,なお,常温で動作することも重要なポイント)
Q(koshix):反平行なスピン配列と、特殊な対称性の原子配列を併せ持つ、交代磁性体(Altermagnet)が,室温で情報の読み書きが高速で可能になると聞きましたが,その原理について,理系の大学生にわかるように説明してください。A(Perplexity Pro):(回答略)Q(koshix):「交代磁性体の特殊な構造により、↑↓と↓↑のスピン状態の下で運動する電子が、量子力学的な機構を通じてそれぞれ逆符号の大きな仮想磁場を感じます。」の部分を量子力学を学んでいる学生向けに詳しく説明してください。仮想磁場の意味もわかりません。A(Perplexity Pro):交代磁性体における仮想磁場の発生は、量子力学的な効果に基づいた興味深い現象です。以下に、この現象をより詳しく説明します。1.仮想磁場の概念仮想磁場とは、実際の磁場が存在しないにもかかわらず、電子が感じる磁場のような効果のことを指します。この場合、電子の運動に影響を与える何らかの力が存在し、その効果が磁場と同様の振る舞いを示すことから「仮想的」と呼ばれます。2.交代磁性体における仮想磁場の発生メカニズム(1) ベリー位相と幾何学的位相交代磁性体における仮想磁場の発生は、量子力学的な概念である「ベリー位相」または「幾何学的位相」と密接に関連しています。ベリー位相は、量子系のパラメータが断熱的に変化する際に波動関数が獲得する位相のことです。(2) スピン-軌道相互作用交代磁性体の特殊な結晶構造とスピン配列により、電子の運動に伴って強いスピン-軌道相互作用が生じます。このスピン-軌道相互作用により、電子の運動に依存したベリー位相が発生します。(3) 運動量空間での曲率電子の波動関数は、運動量空間において特定の曲率を持つことになります。この曲率は、実空間での磁場と同様の効果をもたらし、電子の運動に影響を与えます。3.↑↓と↓↑のスピン状態による逆符号の仮想磁場交代磁性体の↑↓と↓↑のスピン状態では、以下のメカニズムにより逆符号の仮想磁場が生じます:(1) 時間反転対称性の破れ: ↑↓と↓↑の状態は時間反転操作で互いに移り変わります。この時間反転対称性の破れが、逆符号の効果をもたらします。(2) 運動量空間での曲率の反転: スピン状態が反転すると、運動量空間での波動関数の曲率も反転します。これにより、仮想磁場の向きが逆転します。(3) スピン-軌道結合の符号変化: スピン配列の反転に伴い、スピン-軌道相互作用の符号も変化します。これが仮想磁場の符号反転につながります。4.仮想磁場の観測この仮想磁場の効果は、ホール効果として観測することができます。↑↓と↓↑のスピン状態で、電流に垂直な方向に逆符号の起電力が生じます。これは、実際の磁場がなくても、強磁性体におけるホール効果と同様の現象が起こることを意味します。5.量子力学的な解釈量子力学的には、この現象は以下のように解釈できます:(1) 電子の波動関数は、スピン状態と結晶構造に依存した位相因子を含みます。(2) この位相因子が、電子の運動に対して追加的な位相変化をもたらします。(3) 位相変化は、実効的なベクトルポテンシャルとして作用し、これが仮想磁場を生成します。
物理としては非常に面白い話だと思う。その技術的応用についての定量的な評価に関する説明がほしかった。
2024年12月3日火曜日
物理AI基盤モデル
Q(koshix):論文の内容を以下のようにまとめましたが,不正確な部分を修正してください。「ある特定の物理現象の解析にAIを用いることはよく行われている。今年のノーベル化学賞のタンパク質構造予測もその一例だろう。太陽系外惑星の探索に深層学習を利用する場合のように,大量のデータから特徴をつかみ出すことができる。あるいは大量のデータの中に潜む法則性=方程式を導くこと,さらには方程式を経由せずにデータから直接別のデータを予測することなどなどがある。今回の論文では,複数の物理現象にまたがって,背景となる物理法則を与えずに,AIによって新しい予測を可能にするというものだ。その結果,単独の現象だけでAI予測をする場合よりも精度が上がる場合があるというのだ。たぶん,複数の減少をまたぐことで,物理法則による制限がインプリシットに含まれているのではないかと思われる。5.1億個のデータを分析しているというが,何種類の実験を対象にしているのかが必ずしもはっきりしなかった。論文で例示されていたのは,減衰調和振動子でカオス的な振舞いをするもの,電流エネルギーの熱エネルギーへの転化やその逆過程,都市や国レベルの電力消費や気象データなど,複数種類のセンサーの測定値の時系列の関係を表現するものだ。測定値の時系列データは適当な時間幅に区切られて数値化し,それらの生成順序を含めたデータにすることで,大規模言語モデルのトークンのように扱うことができる。とNotebookLMは説明してくれた。なるほどもっともらしい話だ。あとは通常のLLMの手法が使えるということか。」A(NotebookLM):ご指摘いただいた論文内容のまとめについて、ソースに基づいて修正点を以下に示します。(1)物理法則を用いないAI予測:論文で提案されているAIモデルは、複数の物理現象にまたがるというよりも、物理法則に関する事前知識や帰納的バイアスを導入せずに、様々な物理現象を扱うことができる点が新しいです。このモデルは、単一の現象に特化したAI予測よりも精度が向上する場合があることが示されています。これは、多様な物理データで学習することで、物理法則による制約が暗黙的にモデルに組み込まれているためと考えられます。(2)データ分析の対象:論文では、5.1億個のデータを用いてAIモデルを学習させています。このデータは、41種類の公開データセットから収集されており、河川流量、太陽光発電量、降水量、太陽活動など、様々な現象、物理量、センサーが含まれています。論文では、減衰調和振動子、熱電変換、都市や国レベルの電力消費、気象データなどを例として挙げて、モデルの性能を検証しています。(3)時系列データの扱い:論文では、測定値の時系列データを一定の時間幅で区切り、数値化し、生成順序を含めたデータとして扱っています。これは、大規模言語モデルのトークンと同様に扱うことができるとのことですが、この記述はソースには見当たりません。NotebookLMの説明とのことですが、ソースの情報からは、このモデルが通常のLLMの手法と全く同じであるとは断言できません。(4)モデルの構造:論文で提案されているモデルは、センサーデータを入力として、それを時系列の1次元パッチに分割し、Transformerベースのエンコーダネットワークを用いて共通の埋め込み空間に射影します。このエンコーダは、多様なセンサーデータで学習することで、特定のセンサーの種類に依存しない、様々な物理現象の根底にある時間的パターンを効果的に学習します。その結果得られるコンパクトな表現は、現象論的デコーダと組み合わせて、軌跡予測や再構成などのタスクに使用されます。重要なポイント・論文では、物理法則を明示的に与えることなく、多様な物理データから学習することで、様々な物理現象を予測できるAIモデルを提案しています。・モデルは、ゼロショット学習が可能であり、学習データに含まれていない現象に対しても予測を行うことができます。・論文では、このモデルが、大規模言語モデルと類似した能力を持っている可能性を示唆しています。ご指摘いただいた内容とソースを比較検討することで、論文への理解が深まることを期待します。
2024年11月24日日曜日
朝永振一郎
2024年11月9日土曜日
シンバル
2024年11月8日金曜日
火星19
2024年10月9日水曜日
ニューラルネットワーク
Q(koshix):ホップフィールドネットワークとボルツマンマシンについて,ニューラルネットワーク全体の中でそれぞれがどのように位置づけられて,その後の発展にどういう影響を与えたかを,なるべく分かりやすく具体的に説明してください。A(Perplexity Pro):ホップフィールドネットワークとボルツマンマシンは、ニューラルネットワークの発展において重要な役割を果たした2つのモデルです。それぞれの位置づけと影響について説明します。ホップフィールドネットワークホップフィールドネットワークは、1982年にジョン・ホップフィールド(1933-)によって提案された再帰型ニューラルネットワークの一種です。
特徴と位置づけ・単一層のニューロンで構成され、各ニューロンが他のすべてのニューロンと双方向に結合しています。・連想記憶として機能し、不完全または雑音のある入力からパターンを復元できます。・エネルギー関数の最小化によってパターンを想起します。影響と発展1.記憶容量の向上:研究者たちは、ホップフィールドネットワークの記憶容量を向上させる方法を探求しました。例えば、ニューロン間の複雑な接続を導入することで、従来のモデルの2倍以上の記憶容量を実現しました。2.最適化問題への応用:ホップフィールドネットワークは、組み合わせ最適化問題の解決にも応用されました。3.深層学習への影響:現代の言語モデル(ChatGPTなど)の基盤となるTransformerネットワークは、ホップフィールドネットワークと類似した構造を持っています。4.脳機能のモデル化:記憶や認知プロセスの研究に応用され、神経科学の発展に寄与しました。ボルツマンマシンボルツマンマシンは、1985年にジェフリー・ヒントン(1947-)らによって提案された確率的ニューラルネットワークモデルです。特徴と位置づけ・対称的に結合されたニューロン様ユニットで構成され、確率的に on/off を決定します。・二値データセットから興味深い特徴を発見する能力を持ちます。・学習アルゴリズムは単純ですが、多層構造では非常に遅くなる傾向があります。影響と発展1.制限ボルツマンマシン (RBM):ボルツマンマシンを簡略化した RBM は、深層信念ネットワーク (DBN) の基本構成要素となりました。2.深層学習の前駆:RBM は、深層ニューラルネットワークの事前学習に使用され、深層学習ブームの先駆けとなりました。3.生成モデルへの貢献:ボルツマンマシンの考え方は、変分オートエンコーダ (VAE) や生成敵対的ネットワーク (GAN) などの現代の生成モデルの発展に影響を与えました。4.確率的モデリング:機械学習における確率的アプローチの重要性を示し、後の研究に影響を与えました。5.教師あり学習への応用:教師あり RBM は、分類タスクのための興味深い分布設定を提供しました。これらのモデルは、ニューラルネットワークの理論的基礎を築き、現代の深層学習技術の発展に大きく貢献しました。ホップフィールドネットワークは主に連想記憶と最適化問題に、ボルツマンマシンは特徴学習と生成モデリングに影響を与え、両者ともに現代のAI技術の礎となっています。
2024年9月24日火曜日
知性の物理学
Q(koshix):知性の物理学 Physics of Intelligence について教えてください。専門用語を避けずに説明して見てください。多角的な視点はOKです。A(Gemini 1.5 PRO)知性の物理学:専門用語を交えた多角的な解説「知性の物理学」とは、従来、哲学や心理学の領域であった「知性」を、物理学の厳密な枠組みで理解しようとする学際的な研究分野です。近年、人工知能の発展や脳科学の進歩を背景に、急速に注目を集めています。1.知性の物理学の目的・知性の本質の解明:知性を、単なる情報処理ではなく、物理的な現象として捉え、その本質を明らかにすることを目指します。・人工知能の限界と可能性:人工知能のさらなる発展のために、人間の知性の仕組みを解明し、それを模倣する技術開発を目指します。・脳科学との連携:脳イメージング技術などの進歩を活かし、脳内の情報処理メカニズムと知性の関係を解明します。2.知性の物理学における主要なアプローチ・神経回路網の物理モデル:脳の神経回路網を、物理学のモデルを用いて記述し、学習や記憶といった高次脳機能をシミュレーションします。・情報熱力学:情報処理とエネルギー消費の関係を、熱力学の法則に基づいて考察し、知性の効率的な実現を目指します。・量子脳理論:量子力学的な現象が、意識や創造性といった高次の認知機能に関わっている可能性を探求します。3.知性の物理学が扱う概念・複雑系:脳は、多数の要素が複雑に相互作用する複雑系であり、そのダイナミクスを理解することは大きな課題です。・エマージェント現象:個々の要素の性質だけでは説明できない、全体として現れる新たな性質を指します。知性は、脳の複雑系からエマージェントに現れる現象と考えられます。・計算論的神経科学:脳の情報処理を、計算論的な視点から解析し、神経回路網の機能をモデル化します。4.知性の物理学が抱える課題・意識の問題:意識の起源や本質は、哲学、神経科学、物理学など、様々な分野で議論されている難問です。・測定の問題:脳の活動を直接観測することは困難であり、間接的な方法を用いる必要があります。・モデルの複雑性:脳の機能を完全に再現できるようなモデルを構築することは、非常に困難です。5.知性の物理学の将来展望・汎用人工知能の実現:人間の知能に匹敵する、あるいはそれを超える人工知能の開発が期待されます。・脳疾患の治療:脳のメカニズムの解明は、アルツハイマー病や統合失調症などの脳疾患の治療法開発につながる可能性があります。・人間理解の深化:知性の物理学は、人間がどのように思考し、学習し、創造性を発揮するのかをより深く理解するための新たな視点を提供します。6.より専門的な用語・相転移:物質の状態が、ある特定の条件下で急激に変化する現象。脳の学習過程における相転移が注目されています。・自由エネルギー原理:脳が、外界の情報と内部モデルとの間の不一致を最小化するように機能するという仮説。・結合係数:神経回路網において、ニューロン間の接続の強さを表すパラメータ。学習によって変化します。知性の物理学は、物理学、脳科学、コンピュータサイエンスなど、多岐にわたる分野の研究者が集結し、共同で研究を進めている最先端の学問分野です。この分野の研究は、人間の知性の謎を解き明かすだけでなく、人類の未来を大きく変える可能性を秘めています。
2024年5月19日日曜日
電子イオンコライダー
Q(koshix):ブルックヘブン国立研究所で計画されているEICは,どんな粒子をどの程度のエネルギーで衝突させる加速器ですか。またその目的はなんですか。A(ChatGPT):ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory, BNL)で計画されている電子イオンコライダー(Electron-Ion Collider, EIC)は、電子と重イオンを衝突させる次世代の加速器です。以下はEICの主な特徴と目的です。粒子とエネルギー1.衝突する粒子:・電子・重イオン(例:金イオン、鉛イオンなど)2.エネルギー:・電子ビームのエネルギー:約10〜18 GeV(ギガ電子ボルト)・重イオンビームのエネルギー:約40〜275 GeV目的EICの主な目的は、物質の最も基本的な構成要素であるクォークとグルーオン(これらがハドロンを構成する)の相互作用を理解することです。具体的には以下の点が挙げられます。1.核子の内部構造の解明:クォークとグルーオンがどのように核子(陽子や中性子)の内部に配置され、どのように運動しているかを明らかにする。2.核子の質量とスピンの起源の解明:核子の質量やスピンがどのようにして生成されるのか、特にクォークやグルーオンの寄与を詳しく調べる。3.強い相互作用の研究:強い相互作用(量子色力学, QCD)がクォークとグルーオンの間でどのように作用し、ハドロンを形成するのかを研究する。4.ハドロン物理学の進展:ハドロンの性質や相互作用に関する新しい知見を提供し、ハドロン物理学の理解を深める。EICは、既存の加速器では解明が難しい細部まで明らかにすることを目指しており、素粒子物理学および原子核物理学の分野において重要なブレークスルーをもたらすと期待されています。
2024年5月17日金曜日
放射光施設
1.SPring-8場所: 兵庫県佐用郡佐用町運営機関: 理化学研究所、高輝度光科学研究センター (JASRI)建造年: 1997年,周長: 1436 m,最大エネルギー: 8 GeV,ビームラインポート: 622.SACLA(XFEL:X線自由電子レーザー施設)場所: 兵庫県佐用郡佐用町運営機関: 放射光科学研究センター(理化学研究所)建造年: 2011年,全長: 700 m,最大エネルギー: 800 MeV/8.5GeV,ビームラインポート: 63.Photon Factory (PF Ring)場所: 茨城県つくば市運営機関: 高エネルギー加速器研究機構 (KEK)建造年: 1982年,周長: 187 m,最大エネルギー: 2.5 GeV,ビームラインポート: 394.Photon Factory Advanced Ring (PF-AR)場所: 茨城県つくば市運営機関: 高エネルギー加速器研究機構 (KEK)建造年: 1987年,周長: 377 m,最大エネルギー: 6.5 GeV,ビームラインポート:8場所: 宮城県仙台市運営機関: 東北大学建造年: 2024年,周長: 349 m,最大エネルギー: 3 GeV,ビームラインポート: 28場所: 兵庫県上郡町運営機関: 兵庫県立大学建造年: 1999年,周長: 119 m,最大エネルギー: 1.5 GeV,ビームラインポート: 14場所: 佐賀県鳥栖市運営機関: 佐賀県産業振興機構建造年: 2006年,周長: 76 m,最大エネルギー: 1.4 GeV,ビームラインポート: 10場所: 愛知県瀬戸市運営機関: 公益財団法人科学技術交流財団建造年: 2013年,周長: 72 m,最大エネルギー: 1.2 GeV,ビームラインポート: 16場所: 愛知県岡崎市運営機関: 分子科学研究所 (IMS)建造年: 1983年,周長: 53 m,最大エネルギー: 750 MeV,ビームラインポート: 15場所: 広島県広島市運営機関: 広島大学建造年: 1997年,周長: 22 m,最大エネルギー: 700 MeV,ビームラインポート: 15場所: 滋賀県草津市運営機関: 立命館大学建造年: 1996年,周長: 3.14 m,最大エネルギー: 575 MeV,ビームラインポート: 14
2024年5月5日日曜日
オッペンハイマー
2024年3月4日月曜日
相対論的な速度の合成則
2024年2月28日水曜日
束縛力のする仕事
2024年1月23日火曜日
藤岡作太郎
2024年1月19日金曜日
トリチウム(3)
2024年1月18日木曜日
コンストラクタ理論
コンストラクター理論とは、物理学における基本法則を定式化する新しいアプローチである。世界を軌道、初期条件、力学的法則で記述する代わりに、構成理論では、どのような物理的変換が可能で、どのような変換が不可能か、そしてその理由についての法則を記述する。この強力な転換は、現在は本質的に近似的とみなされているあらゆる興味深い分野を基礎物理学に取り込む可能性を秘めている。例えば、情報、知識、熱力学、生命の理論などである。
量子計算理論の創始者の一人であるデイヴィッド・ドイッチュ(1953-)が2012年に提案し,キアラ・マレットとともにオックスフォード大学で展開している理論である。
[1]Constructor Theory (D. Deutsch, 2012)[2]Constructor Theory of Information (D. Deutsch, C. Marletto, 2014)