芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。
2024年8月23日金曜日
異世界転生
2024年8月17日土曜日
経度問題
Q(koshix):経度問題の歴史的経緯に関する蘊蓄をお願いします。A(Claude 3.5 Sonnet):経度問題の歴史的経緯について説明いたします。これは航海と地図作成の歴史において非常に重要な課題でした。1.問題の背景:経度を正確に測定することは、船舶の位置を特定し、安全な航海を行うために不可欠でした。緯度の測定は比較的簡単でしたが、経度の測定は長年にわたり困難な課題でした。2.初期の試み:16世紀から17世紀にかけて、様々な方法が提案されました。例えば、木星の衛星の動きを観測する方法などがありましたが、海上での実用性に乏しいものでした。3.経度法の制定:1714年、イギリス議会は経度法を制定し、実用的な経度測定方法を開発した者に多額の賞金を提供することを決定しました。4.ジョン・ハリソンの貢献:時計職人のジョン・ハリソンは、精密な航海用時計(クロノメーター)の開発に取り組みました。彼は約30年の歳月をかけて、H1からH5までの5つの時計を製作しました。5.クロノメーターの成功:ハリソンのH4は1761年と1764年の航海試験で優れた性能を示し、経度問題の実用的な解決策となりました。6.影響と普及:ハリソンの技術は徐々に改良され、19世紀には多くの船舶でクロノメーターが標準装備となりました。これにより、航海の安全性と効率が大幅に向上しました。この歴史的経緯は、科学技術の進歩が実際の問題解決にどのように貢献するかを示す興味深い事例です。経度問題の解決は、航海技術の発展だけでなく、精密機械工学の進歩にも大きな影響を与えました。Q(koshix):ハリソンの物語にはもっと紆余曲折があったのではないでしょうかA(Claude 3.5 Sonnet):ご指摘の通りです。ジョン・ハリソンの物語には多くの紆余曲折がありました。より詳細に説明いたします。1.困難な始まり:ハリソンは田舎の大工の息子として生まれ、正式な教育を受けていませんでした。彼の時計製作の技術は独学で身につけたものでした。2.最初の挑戦:1730年代、ハリソンは最初の海洋時計H1を製作しましたが、これは重すぎて実用的ではありませんでした。その後、H2、H3と改良を重ねましたが、いずれも満足のいく結果を得られませんでした。3.H4の breakthrough:1759年、ハリソンは画期的なH4を完成させました。これは従来の時計とは全く異なる、ポケット時計サイズの革新的な設計でした。4.試験航海と論争:1761年と1764年の試験航海でH4は素晴らしい性能を示しましたが、経度委員会は更なる試験を要求しました。これはハリソンにとって大きな失望でした。5.政治的な障害:経度委員会の一部のメンバー、特に王立天文台長のネヴィル・マスケリンは、天文学的方法を推奨しており、ハリソンの機械式解決策に反対していました。6.賞金獲得の遅延:ハリソンは何度も賞金の支払いを要求しましたが、委員会は新たな条件を付け加え続けました。これにより、ハリソンは完全な賞金を受け取るのに数十年を要しました。7.王室の介入:最終的に、ハリソンはジョージ3世に直接訴えかけました。王の支持を得て、1773年に議会は特別法を制定し、ハリソンに残りの賞金を支払うことを決定しました。8.晩年の苦闘:ハリソンは80歳を過ぎてようやく正当な評価を得ましたが、その時には既に健康を害していました。彼は1776年に83歳で亡くなりました。9.遺産と再評価:ハリソンの業績は、当時は十分に認められませんでしたが、後世になってその重要性が再評価されました。現在では、彼は航海技術と時計製作の革新者として高く評価されています。ハリソンの物語は、革新的なアイデアが既存の権威や制度と衝突する際の困難さを示しています。同時に、粘り強さと信念の力を表す感動的な物語でもあります。
2024年8月9日金曜日
ABF
ABF(Ajinomoto Build-up Film)**ABF(Ajinomoto Build-up Film)**は、味の素ファインテクノ株式会社が開発した半導体パッケージ用の層間絶縁材料である。主に、半導体チップと基板を接続する際の絶縁層として使用される。概要ABFは、エポキシ樹脂をベースとした熱硬化性の絶縁フィルムである。半導体パッケージの小型化、高性能化、高信頼性化に貢献する重要な材料として広く利用されている。特徴・高い絶縁性能:優れた電気絶縁性を持ち、半導体デバイスの信頼性向上に寄与する。・低熱膨張係数:温度変化による寸法変化が小さく、熱応力の低減に効果的である。・優れた平坦性:均一な厚みと表面平坦性を実現し、微細な配線パターンの形成を可能にする。・高い耐熱性:半導体製造プロセスにおける高温工程に耐えうる耐熱性を有している。・低吸湿性:湿気による特性変化を最小限に抑え、長期信頼性の向上に寄与する。応用分野ABFは主に以下の分野で使用されている:・CPUやGPUなどの高性能プロセッサパッケージ・スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス・5G通信機器・自動車用電子制御ユニット(ECU)製造プロセスABFの製造プロセスは以下の主要なステップから構成されている:・樹脂組成物の調製・フィルム成形・熱処理・検査・品質管理市場動向半導体産業の成長に伴い、ABFの需要も拡大している。特に、5G通信やAI、IoTなどの先端技術分野における半導体の高性能化・小型化のニーズが、ABF市場の成長を牽引している。具体的な市場シェアや出荷金額は公表されていないが、90%程度の高い市場占有率を誇っている。生産拠点と輸出ABFの主な生産拠点は日本国内にある。以下は主要な生産拠点の一例:・味の素株式会社の川崎工場(神奈川県川崎市)・味の素ファインテクノ株式会社の群馬工場など各工場製品の多くは日本から世界各地に輸出されており、特にアジア、北米、ヨーロッパの半導体メーカー向けに出荷されている。技術動向今後の技術動向として、ABFのさらなる高性能化と環境負荷低減が進められると予想される。具体的には以下のような技術開発が期待される:・微細配線対応:さらなる微細化に対応した新材料の開発・高信頼性:長寿命化と高信頼性を実現するための改良・環境対応:環境負荷を低減するためのエコフレンドリーな製造プロセスの採用・コスト削減:製造コストの低減と効率化これらの技術開発は、5G通信、AI、IoTなどの先端技術分野での需要に応えるために行われます。環境への配慮味の素株式会社は、ABFの製造過程における環境負荷の低減に取り組んでおり、省エネルギー生産や有害物質の使用削減などを推進している。参考文献
[2]層間絶縁材料 - 味の素ビルドアップフィルム ABF"(味の素ファインテクノ株式会社)
2024年6月11日火曜日
マイナンバーカード
概要情報システム学会マイナンバー制度研究会は、「マイナンバー制度の問題点と解決策」に関する提言を2023年10月10日に発表しました。本提言は、マイナンバー制度の目的やデジタル化推進そのものを否定するものではなく、制度設計の根本的な問題点とその解決策を提示しています。 具体的には、制度導入初期に発生した誤った名寄せやコンビニでの証明書誤発行問題、3つの本人確認機能を1枚のカードに集約した設計の矛盾、保険証・運転免許証との一体化に伴うリスクなどを指摘しています。 その上で、名寄せ基準の明確化、ITガバナンスの強化、用語定義の見直し、3つの本人確認機能の分離、番号とカードの再設計、記載内容の精査などを提言し、国民目線に立った、より安全で効率的な制度への再構築を訴えています。Q:マイナンバー制度の根本的な設計不良とは何か?マイナンバー制度の根本的な設計不良は、制度で実現したいことが多すぎて議論が混乱し、目標が曖昧なままシステム設計をしてしまったことである。 その結果、システム設計が多岐にわたり、矛盾や齟齬が発生している。 さらに、すべての機能を1枚のマイナンバーカードに搭載したため、カード実装が複雑化した。具体的には、以下の2つの問題点が挙げられる。・1枚のマイナンバーカードに3つの本人確認機能(身元確認機能、当人確認機能、真正性確認機能と属性情報確認機能)を入れたこと。・1枚のマイナンバーカードに保険証機能と運転免許証機能を入れ込み、保険証と運転免許証を廃止する構想であること。これらの問題点により、国民はマイナンバーとマイナンバーカードの取り扱い方を理解できず、制度設計自体に不安を抱いている。 また、カードの紛失や盗難、なりすまし犯罪のリスク増加、高齢者施設でのカード管理の問題など、多くの社会問題を引き起こす可能性がある。Q:マイナンバーカードの取り扱いに関する矛盾点を具体的に説明しなさい。マイナンバーカードの取り扱いについては、国民にとって非常に分かりにくいという問題点があります。 具体的には、マイナンバー(番号)は「特定個人情報」であるため、他人に見せてはいけないとされています。 しかし、マイナンバーカードは身分証明書として使用するため、他人に見せる機会が多いという矛盾があります。 さらに、マイナンバーカードにはマイナンバーが記載されており、QRコードを読み取ることで他人が簡単にマイナンバーを読み取ることができてしまいます。このため、国民はマイナンバーとマイナンバーカードのどちらをどのように取り扱うべきか混乱しています。 政府はマイナンバーカードを大切に扱うように促していますが、マイナンバー自体をどのように取り扱うべきかについては明確な指示を出していません。このように、マイナンバーカードの取り扱いに関する矛盾は、国民の混乱を招き、マイナンバー制度への不信感を増大させる要因となっています。
2024年5月12日日曜日
決済トラブル
2024年5月11日土曜日
時計修理
2024年4月24日水曜日
自動物流道路
2023年9月18日月曜日
開放型イヤフォン
JVC Kenwood nearphone 11,77516mmドライバ,本体7時間+ケース10時間,BT5.1ambie sound earcuffs 15,339?ドライバ,本体6時間+ケース12時間,BT5.2OneOdeo OpenRock Pro 16,89016.2mmドライバ,本体19時間+ケース46時間,BT5.2SONY RingBuds 18,71712mmドライバ,本体5.5時間+ケース12時間,BT5.2,マルチポイントOladance Wearable Stereo 20,98016.5mmドライバ,本体10時間 | 16時間,BT5.2Cleer ARC 22,80016.2mmドライバ,本体7時間+ケース11時間,BT5.0
Shokz OpenFit 24,880?mmドライバ,本体7時間+ケース28時間,BT5.2
Oladance OWS Pro 34,80023*10mmドライバ,本体16時間+ケース42時間,BT5.3,マルチポイント
2023年4月7日金曜日
フリクション
2023年1月18日水曜日
ボイス キャンセリング マイク
2022年12月13日火曜日
未来をあきらめない(3)
2022年12月12日月曜日
未来をあきらめない(2)
最近の企業におけるサイバーセキュリティ問題の多発の原因は、上記のとおり、企業のシステム管理者が、様々な試行錯誤を行なうことをせず、または組織的にそのような正当な試行錯誤行為が禁止され、よって自らの判断を信頼することができない程度に、システム管理業務に必要な専門知識が欠けた状態が、組織的に、また日本全体的に、10 年間程度、誤って維持されてしまったことに起因するのである。なお、先輩玄人システム管理者たちは、10 年以上前にそういった知識を身に付けているから、何ら不自由はない。しかし、後輩の素人システム管理者たちにその秘技を伝授するためには、企業内において、物理的なサーバーやワークステーション、ネットワーク機器、ディスク等を用いて試行錯誤を行なう仕事の場が必要となる。ところが、最近の企業内においては、外注主義や、過度・無意味・または長期的にみると逆にトータルコストが上がってしまうようなクラウド移行などが、一時的に誤って蔓延している状態となっている。このことが、企業のシステム管理部門において最低限必要な IT スキルの維持が困難となった直接的原因である。
2022年11月25日金曜日
タイパ
2022年10月13日木曜日
未来をあきらめない(1)
2022年7月25日月曜日
全固体電池
スマートフォンなどのデジタルデバイスはほとんどリチウムイオン電池(二次電池=充電池)を使っている。これは,正極と陰極および有機溶媒を用いた電解質からなっている。
今の電気自動車(EV)にもこのリチウムイオン電池が使われているが,次のような問題がある。(1) 衝突の際に発火の危険性がある。(2) 有機溶媒電解質の性質から高温での安全性の危険,低温での機能不全,温度変化による劣化などがある。 (3) 充電に時間がかかる。 (4) 有機溶媒の漏れを防ぐための密閉構造に余分の重量が生ずる。
これらの課題を解決するものとして,電解質部分が固体のイオン伝導体になっている,全固体電池の開発が進められている。なお,経済産業省がこちらへの政策誘導を急速に進めたため,日本のリチウムイオン電池の世界シェアが,2015年の40%から2020年の20%から急減したというのが,朝日新聞論座の見立てだ。
Wikipediaは仕方ないにしても,全固体電池とか固体電解質の固体→個体というミスプリントがあまりにも多いのはいったいなんなのだろうか?まあ,NHKニュースが毎日のように放送中に訂正を出す時代なので,そんなものかもしれない。
小学生のころに,単一マンガン乾電池の外側の紙を取り除くと亜鉛の負極があらわれた。これをニッパーで切り開いて,正極の炭素棒を取り出したことがある。マンガンの混じった電解質は糊状になっていた。この炭素棒を使って電気分解をするつもりだったような気もするが,そこまで至ったかどうかは記憶にない。
[1]全固体電池とは?科学の目でみる,社会が注目する本当の理由(産総研)
[2]無機固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池の開発(辰巳砂昌弘)
2022年5月31日火曜日
スターリンク
Twitterに流れきた GIFアニメーションが人工衛星コンステレーション(星座)を表わしているという。何これ,イリジウムではなかったの,と調べてみると自分の知識が古いまま更新されていなかった。
イリジウムは,高度680kmの軌道に77個の衛星を投入して構成する衛星電話のシステムで(その後66個に),原子番号=電子数77個の元素イリジウムにちなんで命名された。1998年にサービスが開始しているが,2000年にはサービスが終っている。短命だったのだ。
2009年には,イリジウム衛星の一つがロシアの軍事通信衛星と衝突してスペースデブリをまき散らした。2015年には66個の衛星をすべて更新する計画であるイリジウムNEXTがスタートして,現在進行中らしい。
問題のGIFアニメーションの方は,イーロン・マスクのスペースXが運用している衛星インターネットサービスのスターリンクだった。2020年に運用が開始しているが,高度650kmに1600基,高度1150kmに2800基,高度340kmに7500基を順次打ち上げ,総数12000基の人工衛星を2020年代中期までに展開する。日本でのサービスは2022年から提供される予定だ。
先週,5月24日が最初の打ち上げから3年目に当たり,49回の打ち上げで2651機が投入され246機が落下している。問題はスペースデブリと光害だ。彗星の長時間露光写真にたくさんの衛星の航跡が重なって写った画像があったけれどどうなのだろうか。
2022年5月16日月曜日
AI自動音声合成
夜のNHKニュースで,AI自動音声合成によるというキャプションが出るものが登場した。これは,VOICEPEAKを使っているのかと調べると,NHK放送技術研究所が開発した独自の日本語音声合成システムらしい。
今回の開発では、「漢字仮名交じり文」から「仮名文字と韻律記号」を自動的に生成し、それを「系列変換モデル」の入力データとすることで大量のデータを効率的に学習させ、日本語の合成音声の品質を向上させることに成功しました。
また、仮名文字と韻律記号を簡単に編集できるユーザーインターフェースや、口調をニュース調や会話調などに切り替えられる技術も開発し、さまざまな番組の演出要件への対応も可能にしました。
ということで違和感なく聞くことができるレベルになって,NHKの朝のニュースにも採用されはじめた。VRのアバターによるニュースが始まるまであと一歩だ。アナウンサーは放送局のかかえるタレント的存在になっているが,その傾向に拍車がかかる。
なお,VOICEPEAKは29,800円くらいで購入できて商用利用も可能だが,VOICEVOXという無料の中品質音声合成ソフトウェアも登場していた。
[1]音声合成ソフトの進化がすごい!(PC Watch 2022.4.16)
2022年1月11日火曜日
ドローン操縦士資格
奈良自動車学校でドローン操縦士資格がとれるという広告が目に飛び込んできた。確かに車の操縦とドローンの操縦には共通点があるかもしれない。
最初は,自分が38歳ごろに免許を取得した奈良交通自動車教習所かと思ったが,スクールバスの経路がなんだか奈良県北部に偏っていてどうもおかしい。もう一度確かめてみると,近鉄奈良線の学園前あたり見える奈良自動車学校だった。自分がもう少し若くてお金と時間に余裕があればドローン教習に通ったかもしれない。
ドローン操縦技能+安全運航管理者コース講習は,3日間の学科9時間,実技11時間で25万円だ。日本でのドローン規制はますます強まるので,こうした講習が成り立つのかもしれない。奈良交通自動車教習所でもやっているかと思ったが,こちらは,大型1種や大型2種などの方を売りにしていた。
もしかして,全国の自動車教習所で同じような動きがあるのではと思って調べてみた。案の定,一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)という業界団体ができていて,30校ほどが加盟している。自動運転の時代には,自動車教習所の性格も変化するだろうから,こうした対応が必要なのだろう。
2021年7月25日日曜日
水素エネルギー
なぜか今ごろになって水素エネルギーがはやっている。 いや,今ごろだからこそなのかも。東京オリンピックの聖火台は,新国立競技場の10km南東にある,東京臨海部の有明とお台場の間にかかる幅60mの歩行者専用橋「夢の大橋」に設置されている。
聖火台のデザインは,天理市駅前のコフフンを手がけた佐藤オオキのnendoだ。この水素は福島県のたぶん浪江町の施設で製造され,電気分解のエネルギーには太陽光発電が用いられている。なお,着色の必要から炭酸ナトリウムが添加されている。オレンジの炎のもとになるナトリウムD線の二重項は明日の前期最終授業で取り上げるところだった。
ENEOSが東京五輪の公式パートナーなので,聖火リレーや聖火台の水素はここが供給しているようだ。水素エネルギーのパイオニアであるIWATANIではない。
1974年に太田時男(1925-2009)の「水素エネルギー」がクリーム色のカバーにモデルチェンジしたばかりの講談社現代新書から出版されすぐに買って,第1刷がいまも手元にある。そろそろ原発問題が社会化しはじめたときであり,物理学科のクラスで原発をめぐる討論の際に読んだばかりの知識を片手に斜め左上から水素エネルギー論を展開して顰蹙を買っていた。いまから50年近く前の話だ。
太田時男先生は金沢生まれで,京都帝国大学の物理を出た後に,金沢の高等師範や金沢大学に勤めていた。その後,米国を経由して横浜国立大学工学部の教授になったころ,この新書を書いている。あとがきの末尾は「一九四九年七月 多忙に紛れたミスのあることを恐れつつ 太田時男」となっていておもいっきりミスっている。
金沢一中/泉丘の出身なのかあるいは金大附属なのか,はたまた四高だったのかはわからなかった(太田時男先生のご逝去を悼む 岡崎健)。
「水素エネルギー(太田時男)」の目次ちょうどオイルショックに直撃されつつも,まだ未来に希望があった時代のことである。
Ⅰ 水素エネルギーの登場
1 太陽と水と人間と
2 石油エネルギー圏からの脱出
3 水素エネルギー・システム
Ⅱ 作る・使う・運ぶ
1 水素を作る
2 水素システムの青写真
3 水素を使う
4 水素を運ぶ
Ⅲ 水素エネルギー時代へ
1 水素は危険か
2 水素研究の現状
3 二十一世紀への展望
2021年7月2日金曜日
失敗知識データベース
畑村洋太郎さん(1940-)は,失敗学を提起し2002年には特定非営利活動法人の失敗学会を設立している。また,個人では,畑村創造工学研究所の名前でも活動している。
これに関連して,失敗学会には失敗知識データベースのページがある。明治時代から2008年までの様々な分野での失敗事例が,事例詳細,経過,原因,対処,知識化,背景などにわたって丁寧に記録分析されていて,たいへん有益である。その後の更新が止まっているのが残念だ。
福島原発事故が含まれておらず,医療・健康分野がその他にごくわずかな例しか取り上げられていないことも惜しい。せっかくだから,教育やその他の行政分野にわたっても失敗知識を蓄積してほしいところ。2chあがりのネトウヨ担当大臣がデジタル庁にうつつを抜かすくらいならば,失敗庁をつくるほうが日本の将来にとってよほど有益だろう。