2024年4月24日水曜日

自動物流道路

朝のニュースで,自動物流道路という物騒な名前がでてきた。

頭の中に思い浮かんだのは,高速道路の車線が大きなベルトコンベアー状の動く歩道になっていて,そこにコンテナが並んでいる絵だった。またぞろ,政権人気浮揚のための目くらましだと思うが,どうやら半分本気らしい。

2024年物流問題や脱炭素問題の解決のためだということになっている。水道クライシスや橋梁・隧道インフラの劣化でさえ,対応できていないのに,これ以上維持管理費がかさむインフラを追加してどうしようというのだろうか。

国土交通省の自動物流道路に関する検討会をみても,自動物流道路が何かがもうひとつわからない。例示されているのが,スイスの地下物流システム,総延長500km(2031年70km完成予定)で,トンネルの中をコンテナを積んだ自動輸送カートが走行するものだ。

地下20-100mに直径6mの貨物専用トンネルを掘って,自動輸送カートが3レーンを時速30kmで24時間走るというものだ。地下トンネルまではハブで垂直輸送する。建設費用は5.7兆円。
リニア新幹線をやめて,こちらに転用するならば考える価値はあるかもしれない。しかし,日本はスイスと違って地震国なので,どうなのだろうか。

検討会では,自動物流道路それ自身に関する話はなくて,各運送業者の問題意識が提示されている。中継拠点の整備とか,モーダルシフトとか,パレットに標準化とか,共同輸配送とか,だいぶ温度差がある。ただ,フィジカルインターネットというコンセプトはおもしろそうだった。


写真:スイスの地下物流システム(自動物流道路検討会資料から引用)

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