海外SF作家からの続き
神林長平(1953-)は,自分と同じ歳の作家だけれどもこれまで全く読んだことがなかった。というかあまり読む気もしなかった。たまたま,ハヤカワ文庫JAの「言壺」という短編集を手に取ってみると,はじめて面白そうだと思った。
1988年から1994年に出版されたものなので,まだインターネットが商用化される前の作品だ。ところが,そのごのネットメディアの特徴をうまく予言している。ワーカムというのは,ほとんどテキスト生成AIのことを表わしている。おもしろかったのは,「栽培文」だ。言葉が文字を失って植物という実体によって蓄積,伝達される世界を表わしている。
写真:ハヤカワ文庫「言壺」の書影
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