2020年7月31日金曜日

女帝 小池百合子(2)

女帝 小池百合子(1)からの続き

斎藤美奈子森達也web掲示板談話第105回が,『女帝 小池百合子』を読んで という斉藤から森へのメッセージであった。二人とも1956年生まれで新潟県立新潟高校の同級生だったとか。

「この本を褒めた人は,(1)じつはきちんと読んでいない,(2)都知事選前の時流に流された(リベラル陣営に忖度した・選挙で彼女を落選させたかった),(3)そもそも本を読む力がない,(4)そもそも性差別主義者である,のどれかではないかと思います。」として,「女帝 小池百合子」と石井妙子を強く批判していた。

著者の石井妙子は「おそめ」の件で評価していたけれど,考えてみれば,自分では読んでおらず,松岡正剛や菅野完の情報でしか判断していなかった。立ち読みしたエジプトの下りでも微妙な違和感を感じたのだけれど,それより,小池百合子憎しの気分が優先していたのは事実なので,自分の場合は上の4項目がすべて当てはまりそうだ。

斎藤美奈子は,東京新聞のコラムがときおりtwitterに放流されてきて,ほとんど同意できる内容なので相対的に信頼できるようにも思う。斎藤美奈子の判断の方が正解に近いのかもしれない。

2020年7月30日木曜日

中干し

近所の田んぼの水が干されている。

奈良県農業研究開発センターの,水稲「ヒノヒカリ」をつくりこなすための7つのポイント,によれば,「3.水管理:登熟向上のために!中干しは必要な茎数を確保した後 に,軽くひび割れするぐらいまでで7日程度実施する(7/中〜下)」ということなので,ちょうど今がその時期のようだ。

今年は,稲の大害虫であるスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)が大発生していて,田んぼやその周辺には毒々しい赤い卵が目立つのだけれど,大丈夫なのだろうか。



写真:朝の散歩で撮影した近所の田んぼの様子(左 2020.7.28 / 右 2020.7.13)

2020年7月29日水曜日

ひまわり

もうすぐ梅雨が明けそうだが,列島の各地を線状降水帯の豪雨が襲い,コロナの第一波第二幕の波は人口密集地に達している。今年は冷夏の予想もあって,夏のひまわりの存在感はうすいのかもしれない。

 ひまわりというと金沢市立野田中学校のシンボルであった。

久しぶりにホームページをのぞいてみると,金沢子どもかがやき宣言と野田中学校の目指す学校像がいきなり出てきて,あれあれとなったが,ちゃんと生徒信条は残っていました。

<生徒信条>
一.いつも太陽にむかって咲く ひまわりのように 明るく正しく生きよう
一.たくましく生長する  ひまわりのように  雄々しく元気に伸びよう
一.大きな輪になって咲く ひまわりのように  みんな仲良く協力しよう

有側友雄先生というハンプティ=ダンブティに似た先生がいた。野田中の「ぬし」のような威厳をもった先生だった。生徒指導というか道徳教育の核となり校長先生を差し置いて存在感を発揮していた。全校集会などで悪童どもへにらみをきかせるわけだ。その有側先生は,我々1年生の習字の授業も担当していたが,その最初の授業のときに指名されて,教卓の上に掲げられている生徒信条を読むようにといわれた。

「一(いち) いつも・・・」といったところでストップがかかり,これは一(ひとつ)と読むのだ,と訂正された。生徒信条はクラスの朝礼で毎日発声していたような気もするが,毎朝間違っていたのかもしれない。

有側先生が学年全員の前で講話をすることが何回かあったが,その1回は非常に強く印象に残っている。君たちにとって,頭,体,心,で一番大切なのは何かという問いが投げ掛けられた。幼い中学生の自分は,人間は命あっての物種なので,「体」かなと思ったが,有側先生はそれが「心」であるということをはっきりと語った。そうだったのか,と衝撃を受けた。衝撃を受けるほうがおかしいような気もするが,まあそんなものなのである。



写真:ヒマワリ(2020.8.3撮影)

2020年7月28日火曜日

GPT-3

しばらく前から,GPT-3が話題になっていた。星暁雄さんの解説「革命かパンドラの箱か,新AIツールGPT-3の波紋」がわかりやすかったので要約してみる。GPT-3はサンフランシスコにある非営利組織のOpenAIが開発して2020年6月に公開したAIツールである。OpenAIは,オープンソースと親和性の高い安全な人工知能への道を探ることを目的としている。

GPT-3をひとことでいうと,英単語や短い文章をインプットすると,関連する「それらしい」テキストを自動生成するツールである。文章以外に,プログラムコードや楽譜を自動的に生成すこともできるため,大きな反響をよんでいる。

その仕組みは,"Language Models are Few-Shot Learners"という論文で報告されている。1兆語からなるきわめて巨大な例文集を元に,1750億種類の変数を持つ「言語モデル」に言葉と言葉の関連の度合いを記憶させておき,この「言語モデル」に対して「数種類の実例と課題文」を与えると,それらしい文章を出力するものである。すべては公開されていないが,APIによって短い例文で試してみることはできるようだ。フェイクニュースや差別的表現が簡単に作り出されることなどまだまだ課題は大きいのかもしれないが,汎用的なAIへの一つのステップ。

2020年7月27日月曜日

ゴンペルツ関数

K値再訪からの続き

K値という名の中野さんモデルが主張する振る舞いの根拠として,ゴンペルツ関数(Gompertz function)とよばれる二重指数関数について言及されているものがいくつか見られる。

東京工業大学の生命情報科学の秋山泰さんは,中野さんの提案があってまもなく「累積感染者数の変化に関する新たな指標「K 値」の利点と欠点について(2020.5.10)」で,中野さんのモデルの根拠につながる議論をしている。また,京大基礎物理学研究所の原子核理論の大西明さんのグループは,"Universality in COVID-19 spread in view of the Gompertz function (2020.6.18) "という論文をmedRxivに投稿している。これは,各国の新規感染者数がゴンペルツ関数でユニバーサルに表現できるというものだ。中野さんといい大西さんといい原子核分野の(実験と理論ではあるが)物理屋さんはなぜCOVID-19に引かれるのだろうか。あるいは,Qiitaでは@BMJrさんが「COVID-19 数理モデル 〜 SIR と Gompertz と K値の関係〜(2020.6.30)」という詳しい記事を書いている。

一方,東京海洋大学の勝川俊雄さんは「K値による予測を使うべきでない理由(2020.7.13)」で,ゴンペルツ関数を用いて新規感染者数を予測することに対し,① 現在始まりつつある第二波がゴンペルツ曲線に従うとは限らない,② 現在の限られたデータから,ゴンペルツ曲線のパラメータを推定しても精度は低い,という2つの理由で警告している。さらに,牧野さんが紹介していたのが「K値は擬似科学」・・・なかなか激しい。

例えゴンペルツ関数を持ってしても,牧野さんのいうように,K値(という名の中野モデル)をこの度の事象全域にあてはめることは無謀だと思うのだけれど(まあそうはいっていないのだろうが,だからオフセットを取り続けてグダグダになる),むやみに否定してもそれほど生産的ではない。識者の皆様には,上記あたりにも目を通した上で反論をガードしつつ,その政治・社会的な側面をギリギリと詰めて大阪に充満する維新のよどんだ空気を一掃してほしい。

2020年7月26日日曜日

8億年前の小惑星シャワー

大阪大学理学研究科の寺田健太郎さんが,ネイチャー・コミュニケーションズ に出した論文,"Asteroid shower on the Earth-Moon system immediately before the Cryogenian period revealed by KAGUYA" が話題になっていた。阪大のホームページに詳しい説明がある。

日本の月周回衛星のかぐやが撮影したデータから,直径20km以上のクレータ59個を調べてその周辺に存在する直径が0.1-1kmの微小クレーターのサイズ分布などから,形成年代を推定した結果,8個またはモデルによっては17個の形成年代が8億年前となった。これは偶然では考えられないため,この時期に破砕された小惑星のシャワーが月−地球軌道周辺に降り注いだと考えられるというものだ。

8億年前に破砕した小惑星は100km以上の直径を持ち,一部は地球型惑星や太陽に落下し,一部は小惑星帯に残り,さらに一部は地球近傍小惑星へと軌道進化したようだ。

どうやって形成年代測定するのかを調べてみると,東京大学の諸田智克さんの論文がたくさん出てきた。諸田さんは金沢生まれで金沢大学の地球科学でドクターをとっている。寺田さんのネイチャー論文の共著者にも諸田さんの名前があった。ファーストオーサは寺田さんだけれど,むしろ彼が研究の中心ではないのか。それにしては,東大には記事が出ていない。はやぶさのタッチダウンの話がでたところだからか。


図 月面クレータの形成年代分布(阪大ホームページより引用)


2020年7月25日土曜日

K値再訪

中野さんのK値から2ヶ月半

牧野淳一郎さんが中野貴志さんのK値について言及している。「K値による「予測」は,その数学的構造から必ず,対策しなくても早期に収束する,という楽観的な予測をだすものになっており,そのため対策が不要,事態は深刻ではない,と信じたいメディアや自治体によって取り上げられる,という構造になっているように思われるが,予測事態はこのためにつねに「早期収束する」としか予言できない,実際の予言能力をもたないものになっている」

まあそうだわな。K値はたんなる定義(新規陽性者数累計の1週間差分比率)なので,しょぼい定義だとしても(だれでも簡単に公開データから求められるという長所もある)それ自身に責任はない。問題は,中野さんがその当時の複数のデータをみて,K値の収束パターンは簡単な共通の関数形に落とし込めるとしたところにある。ちょっと考えれば無理筋とわかるのに。

中野君が京大物理の同級生だったという野尻美保子さんもしきりに警告している。ふりむかない中野君に業を煮やした野尻さんは,対抗して f. o. 値(fatal outcome projection) という量を提案した。これは新規陽性者数の年代別分布に死亡率の重みをかけたものなので,K値よりも役に立ちそうである。なんといっても下手な予測をしないところがよい。予測があるとすれば,これを見た人が感じる変動の時間スケールについての直感によるものなので,害は少ない。

K値は,新規陽性者数累計が増加するにつれて感度が悪くなるので,あまり役にたたないように思われる。確かにそのとおりなのであるが,実際にはこの度の日本の第二波というのか第一波の第二幕というのか,これを検知することはできているので,あまり馬鹿にしなくてもいいのにかわいそうだなとは思う。中野説への反論は,実際のデータで単純に収束しない例をあげればいいだけかしら。

図 欧米のK値(4/1-7/23@2020)

最近のデータでは,アメリカ,メキシコ,ブラジルが K=0.1あたりのグループを形成し,ヨーロッパは0.05以下に概ね収束している(最近微増気味)。英国は途中でWHOへの報告データが変更されたので負の値をとっていることに注意する。


図 アジアのK値(4/1-7/23@2020)

香港,東京,日本のK値が この3週間,K=0.05あたりからはじまって,K=0.2をこえる勢いで増加中である。中野さんのいうK値の単調な減衰は感染初期のある時期に見られるだけだ。

追伸:宮沢孝幸がtwitterで大阪のK値の推移というグラフを公開している。6/28に0.9あたりでスタートしているのだけれど,累積値の初期値をどこに取ってリセットしているのだろう。その前後の類似グラフをみると6/24ということなのか。よくわからないが非常に恣意的にみえる(カットオフ色々試したけど K=0.6 前後が3週間ほど続いて今に至るという答えしか出ない・・・)。


2020年7月24日金曜日

赤摂也

高校の数学の時間に,理数科の担任の松川一雄先生が,赤摂也の名前を出したことがある。たぶん,我々の先輩で東大の数学にすすんだ凄い数学者なんだというニュアンスだったと思うが,いつものように記憶はあいまいである。大学に入り理工書の棚を定期的にチェックするようになると培風館の赤白の数学全書のシリーズ本のトップに赤摂也の「集合論入門」を見かけるようになり,その名前はしっかりと定着したのだがその集合論の本は買わなかった。

この度,整列集合の比較定理をなるべく簡単に説明している資料がないかとネット空間をさまよっていたら,赤摂也の名前が出てきた。培風館の「集合論入門」はたいへんよいとあったので,どうしようか。調べてみると,赤摂也先生は昨年の11月に93歳で亡くなられたようだ。金沢市出身なのでたぶん間違いないはずだけれど,金沢一中との関係にふれた記事はない。

なお,松川一雄先生,楠禎一郎先生,谷口澄雄先生が連続して(金沢泉丘高校の理数科の担任の順ではないか)石川県立金沢西高等学校の校長を務められている。一代とんでその次には地学の竹守熈先生も。



写真:赤摂也先生の肖像写真(筑摩書房「現代数学概論」から引用)

2020年7月23日木曜日

カリーニングラード

欧州のSpotify利用可能国をみていたら,ポーランドの北でバルト三国との間に小さな空白地帯があった。あれ?こんなとこに国があったっけと,調べてみたらロシアの飛び地のカリーニングラード州であった。その主要都市はカリーニングラードで,そもそもはドイツ騎士団がつくった東プロイセンの中心都市であるケーニヒスベルクだった。そこは,カント,オイラー,ヒルベルトの出身地であり,あの一筆書きで有名なケーニヒスベルクの橋はここにある。


図 ケーニヒスベルクの橋(Wikipediaより引用)


2020年7月22日水曜日

順序集合(3)

このあたりが難所で遭難しかかっている。

整列集合の比較定理
:2つの整列集合,(W,≦)と(W',≦')があるとき,つぎの3つの順序同型関係のうちいずれか1つだけが成り立つ。
 (1) W W'
 (2) a' ∈ W' が存在して(一意的に定まり),W ≃ W'〈a'〉
 (3) a ∈ W が存在して(一意的に定まり),W〈a〉 ≃ W'
つまり
 (4) 「a ∈ W とa' ∈ W' が存在して (それらが一意的に定まり)W〈a〉 ≃ W'〈a'〉 ということはない」ということを暗黙に意味しているような気がするけど・・・。つまり,(4) はどんな整列集合にたいしても自明なんだけれど,そうではない,どちらかあるいは両方の整列集合の切片はとらなくてもいいんだぁということを主張しているのかな。

Wが有限集合でW'の濃度がそれより大きいならば (2) ,W'が有限集合でWの濃度がそれより大きいならば (3),WとW'の濃度が等しければ (1) が成り立つという直観的なイメージはあっているのだろうか。あるいは,整列集合の切片は有限集合という直感は正しいのかしら。あるいは,整列集合の濃度はたかだか可算な集合のそれと同じと考えてよいのか。→※


整列集合の比較定理の証明は,松坂本も内田本も準備のための補題がごちゃごちゃとあって,なかなかすっきりと頭に入ってこない。

補題2(松坂本):整列集合Wからそれ自身への順序単射をfとすると,Wのすべての元についてf(x)  ≧ x が成り立つ(これはなんとかわかる)。

補題3(松坂本):整列集合Wは,その任意の切片と順序同型にはならない(それはそうだろう)。また,a,bをWの異る2元とすると,W〈a〉とW〈b〉は順序同型にならない(それはそうだろう)。

補題4(松阪本):整列集合WとW'が順序同型ならば,Wの任意の切片W〈a〉に対して,順序同型となるようなW'の切片W'〈b〉が存在し,bはaに対して一意的に定まる(そうなのか)。

定理3(松坂本103p):整列集合WとW'が順序同型ならば,WからW'への順序同型写像は一意的に定まる(そうなのか)。特に,Wからそれ自身への順序同型写像は,W上の恒等写像Iwの他にない。

※追伸
整列可能定理:任意の順序集合は適当な順序をとることによって整列集合にできる。・・・がーん。



2020年7月21日火曜日

順序集合(2)

順序集合(1)からの続き

整列集合:(W,≦)を全順序集合として,その空でない部分集合がいつも最小元をもつ場合,(W,≦)を整列集合という。有限の全順序集合や,順序関係として普通の大小関係を考えたときの自然数の集合は整列集合であり,整数の集合や有理数の集合は整列集合でない。

直前の元と直後の元:順序集合Aの任意の元a,bについてa<bかつ,a<x<bとなるAの元xが存在しないとき,aはbの直前の元,bはaの直後の元であるという。整列集合Wについては,その任意の元aに対して,a<bとなるbが存在すれば,整列集合の定義からaの直後の元が存在する。

切片:Wを整列集合として,その一つの元をaとする。aより小さなWの元全体の集合を,Wのaによる切片といい,W〈a〉で表す。つまり,W〈a〉 = {x| x∈W,x<a}である。a=min Wのときは,W〈a〉 = φとなる。また,aが直前の元を持つならばそれは,a* = max W〈a〉 とかける。

超限帰納法:整列集合Wの元に関する命題Pについて,次のことが示されれば,PはWのすべての元について成り立つ。「(1) Pがx = min Wについて成り立つ。(2) ∀a∈W かつ a≠ min W として,∀x∈W<aについてPが成り立つ ⇒ Pはaについて成り立つ」これは自然数に対する数学的帰納法の一般化であり超限帰納法とよばれる。


2020年7月20日月曜日

順序集合(1)

順序関係:同値関係は,反射律+対称律+推移律から成り立っていた。順序関係は,反射律+反対称律(aRb,bRa ⇒a=b)+推移律から成り立つ。順序関係の例として,大小関係,整除関係,包含関係などがある。大小関係にならって,順序関係を表す記号を ≦ とする。

順序集合:集合Aにある順序 ≦ が定められたとき,それらの組(A,≦)を順序集合,Aを台集合という。Aのどの2元にも順序が定められているとき,≦ はAの全順序であるといい,(A,≦)を全順序集合という。

順序写像:2つの順序写像(A,≦)と(A',≦')があって,AからA'への写像fがある。Aの任意の元,a,bに対して,a≦b ⇒ f(a) ≦' f(b)が成り立つとき,fを順序写像という。

順序同型写像:順序写像において,f(a) ≦' f(b) ⇒ a≦b も成り立つ場合,fは単射になり,これを順序単射という。fが順序単射でさらにAからA'への全射でもある場合,fをAからA'への順序同型写像であるという。

順序同型:順序集合(A,≦)から順序集合(A',≦')への順序同型写像fが存在するとき,両者は順序同型であるといい(A,≦)(A',≦')と表記する。順序同型関係は,反射律,対称律,推移律を満足する同値関係である。順序同型ならばAとA'には全単射fが存在するのでAとA'は対等関係(A〜A')になる。その逆は必ずしも真ではない。

双対順序:順序集合(A,≦)があるとき,Aの元a,bに対して,b≦aのときに限り,a≦' bとして関係 ≦' を定義する。これもまたAにおける1つの順序を与えるが,≦' を ≦ の双対順序とよんで, ≦' = ≦^{-1} と表記する。また,(A,≦^{-1})を,順序集合(A,≦)の双対順序集合とよぶ。

N, Z, Q は互いに対等な全順序集合ではあるが,どの2つも順序同型ではない?と本にはかいてあるのだけれど,そもそもどんな順序を導入したかを書かずに,順序同型かどうかを判定することはできないだろう。どういうことなのか。


2020年7月19日日曜日

集合の濃度(2)

集合の濃度(1)からの続き

濃度の和:2つの集合A,Bに対してそれぞれの濃度を μ = card A,ν = card B とする。A∩B = φ が満足されるとき(いつでもこのようなA,Bあるいは対等で濃度の等しい集合を設定することができる),2つの濃度の和とよばれる演算を,μ + ν = card (A∪B)  によって定義する。

濃度の和が満たす法則:定義により,交換則,結合則,零元(空集合の濃度)の存在,などが満たされる。可算集合の濃度 ℵ_0 について,ℵ_0 =1+ℵ_0 =2+ℵ_0 =ℵ_0 +ℵ_0 が成り立つ。

濃度の積:2つの集合A,Bに対してそれぞれの濃度を μ = card A,ν = card B とする。2つの濃度の積とよばれる演算を,μ ν = card (A×B) によって定義する。ただし,A×Bは2つの集合の直積である。

濃度の積が満たす法則:定義により,交換則,結合則,単位元(要素が1つの集合の濃度)と零元の存在,分配法則などが成り立つ。例えば,card (×) = ℵ_0 なので,ℵ_0 ℵ_0 = ℵ_0 である。

配置集合:任意の集合A,Bにおいて,AからBへの写像fのすべての集合を配置集合といい,𝔉(A, B) または B^Aで表す。A,Bがm個およびn個の元を持つ有限集合の場合は,配置集合の元の数はn^m個になる(f(1)〜f(m)に重複を許して1〜nを当てはめる場合の数)。

濃度の冪:2つの集合A,Bに対してそれぞれの濃度を μ = card A,ν = card B とする。このとき, 2つの濃度の冪とよばれる演算を, ν ^ μ = card (B^A) によって定義する。ν ^ 1 = ν,1 ^ μ = 1などが成り立つ。

濃度の冪が満たす法則:0でない濃度に対して,普通の自然数の冪に対して成り立つ指数法則が成り立つ。例えば,λ^μ λ^ν = λ ^ (μ+ν),(μ ν) ^ λ = μ^λ ν^λ,(λ ^ μ) ^ ν = λ ^ (μ ν) など。また,card M = μ となる集合Mの冪集合の濃度は,card 𝔓(M) = 2^ μ > μ である。

無限濃度の演算則:有限の濃度を𝔫,可算の濃度を𝔞,連続の濃度を𝔠とすると,
 (1)  𝔫 ≦ 𝔞 ⇒ 𝔫 + 𝔞 = 𝔞
 (2)  𝔫 ≦ 𝔠 ⇒ 𝔫 + 𝔠 = 𝔠
 (3)  1 ≦ 𝔫 ≦ 𝔞 ⇒ 𝔫 𝔞 = 𝔞
 (4)  2 ≦ 𝔫 ≦ 𝔞 ⇒ 𝔫^𝔞 = 𝔠
 (5)  1 ≦ 𝔫 ≦ 𝔠 ⇒ 𝔫 𝔠  = 𝔠
 (6)  2 ≦ 𝔫 ≦ 𝔠 ⇒ 2^𝔠 = n^𝔠


2020年7月18日土曜日

集合の濃度(1)

集合族からの続き

前回の続きのキーワードは,「集合族・一般の直積・選出公理・関係・同値関係・同値律・類別・直和・同値類・商集合」ということで,61pの第2章 集合の濃度にはいる。

対等関係:集合Aから集合Bの全単射が存在するとき,BとAは対等であるといい,A〜Bと書き,A〜A,A〜B⇒B〜A,A〜B,B〜C⇒A〜C,が成り立つ

濃度:対等関係を集合の同値関係とみなして,「集合全体のあつまり」を同値類に類別できる。この同値類を濃度(基数)といい,集合Aの属する類の濃度(同値類の名前)をcard Aであらわす。そこで,A〜B⇔card A= card B(card Aはあたかも数のようにみえるが,この等号はいったいなにかしら)

濃度の大小:AからBへの単射が存在するとき,これを集合のあいだの関係とみなして,「大小関係」と名付け,card A≦ card B と表記する。card A≦ card Bでありかつ,card A= card Bでないときに,card A< card Bと表記する。

有限集合の濃度:有限集合Aの元の個数をn(これは自然数)として,card A = n と表記する。空集合φにたいしては,card φ = 0 と表記する。濃度の大小関係と自然数の通常の大小関係は対応している。

可算集合の濃度:自然数の集合をとして,card = ℵ_0と表記する。と対等な集合を可算集合あるいは可付番集合という。任意の有限集合の元の個数nに対して,濃度の大小関係としてn<ℵ_0 となる。整数の集合を,有理数の集合をとすると,card =  card = ℵ_0 である。

連続の濃度:実数の集合に対して,card = ℵ と表記し,これを連続の濃度という。対角線論法により,ℵ>ℵ_0 である。ℵ_0より大きな濃度をもつ集合を非可算集合という。

ベキ集合の濃度:任意の集合Mに対して,そのベキ集合を𝔓(M)とすると,card 𝔓(M) >card Mである。


2020年7月17日金曜日

集合族

巨大数のところで,超限順序数のωが登場して,1+ωとω+1が等しくないというロジックがでてくる。そういえば,松坂和夫の「集合・位相入門」ででてきたよなあ思いながら,よくわかっていなかったので,もう一度本をひっくり返してみると,44pの集合族のあたりからわかっていないらしいことがわかった。

そこまでに登場する主なキーワードは,「集合・元・空集合・部分集合・和集合・共通部分・補集合・ベキ集合・集合系・直積・対応・写像・全射・単射・全単射・逆写像・合成写像」であり,正確な定義や証明は十分身に付いていないものの,直観的にはある程度わかる。が,その先の,集合族・選出公理から集合の濃度,順序数とすすむにつれてどんどん霧がかかってくるのだった。

松坂和夫の本は,位相のところでつまづいたので,内田伏一の「集合と位相」も買って手元にある。この本の集合のところは薄すぎて,順序数についての必要な情報は残念ながら得ることができなかった。

ということで,超限順序数の加法と乗法が納得できるまで勉強する予定。

追伸1:きょうのあさイチにmiletがでていて,印象はとてもよかったのだけれど,歌は,自分にとってはCOCCOとか伊藤由奈の系列で,いいといえばいいけれど,平沢進には負ける。

追伸2:利権まみれの GO TO キャンペーンに固執して混乱を極める政治状況のなか,虫の知らせでたまたま見続けていた国会中継に参考人の児玉龍彦さんがでてきて「エピセンター」を強調していた。部分的には納得できる面もあるけれど,「除染」の二の舞いになるのではと不安がよぎった。いずれにせよNHKはこのへんを無視して尾身さんの物語を紡ぐだけ。

2020年7月16日木曜日

巨大数(2)

巨大数(1)からの続き


巨大数の表記法としてよく用いられるものの一つが,ドナルド・クヌースによる矢印表記(Up-Arrow-Notation)である。ここでは簡単のため,$\uparrow^n = \uparrow \uparrow \cdots \uparrow $と表記する。矢印はつねに右結合するものとして,その定義は,$a \uparrow^1 b = a^b$,$ a \uparrow^n 1 = a$, $ a \uparrow^{n+1} (b+1) = a \uparrow^n (a \uparrow^{n+1} b)$とする。


積:$a\times b = a+a+\cdots+a =  a \uparrow^0 b $ 

累乗:$ a^b = a \times a \times \cdots \times a  = a \uparrow^1 b = a \uparrow^0 a \uparrow^0 \cdots \uparrow^0 a  = a \uparrow^0 ( a \uparrow^1 (b-1) ) $

テトレーション:$ ^ba = a^{a^{a^{\cdots^{a}}}}  = a \uparrow^2 b = a \uparrow^1 a \uparrow^1 \cdots \uparrow^1 a = a \uparrow^1 ( a \uparrow^2 (b-1) ) $

ペンテーション:$ _ba = ^{^{^{^{a}\cdots}a}a}a = a \uparrow^3 b = a \uparrow^2 a \uparrow^2 \cdots \uparrow^2 a = a \uparrow^2 ( a \uparrow^3 (b-1) ) $

ヘキセーション:$ a_b = _{_{_{_{a}\cdots}a}a}a  = a \uparrow^4 b = a \uparrow^3 a \uparrow^3 \cdots \uparrow^3 a  = a \uparrow^3 ( a \uparrow^4 (b-1) ) $


 累乗:
$a^0 \equiv 1, \quad 0^b=0\ (b \neq 0),  \quad a^1=a, \quad 1^b = 1, \quad 2^2 = 4, \quad 3^3=27 $

テトレーション:
$^0a \equiv 1, \quad ^b0=\begin{cases} 1\ (b=even) \\ 0\ (b=odd) \end{cases},  \quad ^b1 = 1$
$^1a = a \uparrow^2 1 = a \uparrow^1 ( a \uparrow^2 0 ) = a \uparrow^1 1 = a$
$^2a = a \uparrow^2 2 = a \uparrow^1 ( a \uparrow^2 1 ) = a \uparrow^1 a = a^a$
$^3a = a \uparrow^2 3 = a \uparrow^1 ( a \uparrow^2 2 ) = a \uparrow^1 a^a = a^{a^a}$
${^2}2 = 2^{2} = 4, \quad {^3}3=3^{3^3}=3^{27}=7625597484987$

ペンテーション(左下付き表現は独自): 
$_0a \equiv 1, \quad _b0=\begin{cases} 1\ (b=even) \\ 0\ (b=odd) \end{cases}, \quad _b1 = 1$
$_1a = a \uparrow^3 1 = a \uparrow^2 ( a \uparrow^3 0 ) = a \uparrow^2 1 = a $
$_2a = a \uparrow^3 2 = a \uparrow^2 ( a \uparrow^3 1 ) = a \uparrow^2 a = {^a}a $
$_3a = a \uparrow^3 3 = a \uparrow^2 ( a \uparrow^3 2 ) = a \uparrow^2 {^a}a = {^{^aa}}a $
${_2}2 = {^2}2 = 2^2 = 4, \quad {_3}3={^{^33}}3=^{7625597484987}3 $

ヘキセーション(右下つき表現は独自): 
$a_0 \equiv 1, \quad 0_b=\begin{cases} 1\ (b=even) \\ 0\ (b=odd) \end{cases}, \quad 1_b = 1$
$a_1 = a \uparrow^4 1 = a \uparrow^3 ( a \uparrow^4 0 ) = a \uparrow^3 1 = a $
$a_2 = a \uparrow^4 2 = a \uparrow^3 ( a \uparrow^4 1 ) = a \uparrow^3 a = {_a}a $
$a_3 = a \uparrow^4 3 = a \uparrow^3 ( a \uparrow^4 2 ) = a \uparrow^3 {_a}a = {_{_aa}}a $
$2_2 = {_2}2 = {^2}2 = 2^2 = 4$



2020年7月15日水曜日

巨大数(1)

昨年の現代思想の19ー12が「巨大数の世界」という特集だった。今月号(20-07)の「圏論の世界」に対応しているような。作品ということで,小林銅蟲の「寿司 虚空編」が掲載されており,「巨大数論」の著者で,巨大数研究家のフィッシュさんが重要な役割を果たしている。なかなか異色な特集号かもしれない。

巨大数を表現するための記法として,累乗(↑)が拡張された,テトレーション(↑↑),ペンテーション(↑↑↑)などのハイパー演算子がある。なかなかマニアックで奥が深い世界だ。

[2]Larg Numbers


2020年7月14日火曜日

Tikz-FeynHand

奥村さんがtwitterで,TeXでファインマン・ダイアグラムをかくパッケージを紹介していた。TikZ-FeynmanTikZ-FeynHandだ。前者はLuaTeXが必要だったが,後者ではその制限がないために,より使いやすくなっている。LuaTeXがなくてもコンパイルはできたのだが,Error when using TikZ-Feynman package のような図になってしまうのだった。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 

\documentclass[uplatex,a4j,10pt]{jsarticle}

\usepackage{fancybox,boxedminipage,ascmac}

\usepackage{amsmath,amsthm,amssymb,bm}

\usepackage{amsfonts,amscd,mathrsfs}

\usepackage{cases,physics}

\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

\usepackage[all]{xy}

\usepackage{tikz,tikz-cd}

\usetikzlibrary{shadows}

\usepackage{multicol}

\usepackage[version=3]{mhchem}

\usepackage{tcolorbox}

\tcbuselibrary{raster,skins}

\usepackage[compat=1.1.0]{tikz-feynhand} 

%\usepackage{tikz-feynman} 

%\tikzfeynmanset{compat=1.1.0}


\renewcommand{\labelenumi}{[\ \arabic{enumi}\ ]\ \ }


\setlength{\textwidth}{15cm}

\setlength{\oddsidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\evensidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\topmargin}{-2cm}

\setlength{\textheight}{24cm}


\begin{document}


\begin{center}

\textbf{tikz-feynman の使い方}\ (2020/07/12) \\

\end{center}


\begin{align*}

\int dx\; f(x) = \alpha 

\begin{tikzpicture}[baseline=(o.base)]

\begin{feynhand}

\vertex (a) at (-1,-1); \vertex (b) at (1,-1); \vertex (c) at (0,1);

\vertex [dot, blue] (o) at (0,0) {}; \propag [fermion, blue] (a) to (o);

\propag [anti fermion, blue] (b) to (o); \propag [fermion, blue] (c) to (o);

\end{feynhand}

\end{tikzpicture}

- 2i\,e 

\begin{tikzpicture}[baseline=-0.3cm]

\begin{feynhand}

\vertex (a) at (-1,-1); \vertex (b) at (1,-1); \vertex (c) at (0,1);

\vertex [dot, orange] (o) at (0,0) {}; 

\propag [photon, orange] (a) to (o); 

\propag [photon, orange] (b) to (o); 

\propag [photon, orange] (c) to (o);

\end{feynhand}

\end{tikzpicture}

\end{align*}


\vspace{1cm}


\begin{center}

\begin{tikzpicture}

\begin{feynhand}

\vertex [particle] (a) at (0,0) {e$^-$};

\vertex [dot] (b) at (2,0) {}; 

\vertex (c1) at (4,0.5); 

\vertex (c2) at (4,-0.5); 

\propag [fer] (a) to (b);

\propag [chasca] (b) to (c1);

\propag [chabos] (b) to (c2);

\end{feynhand}

\end{tikzpicture}

\end{center}

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図 tikz-feynhandの例


2020年7月13日月曜日

七佛通戒偈

橘寺で改修を待っているお堂にはいると,写経コーナーがあった。般若心経ほどの分量はない,七佛通戒偈(しちぶつかいのげ)という非常に簡単なものだった。薄く印刷してあるところを筆ペンでなぞるだけなのである。1枚500円で,自分の祈願項目(四文字)を添えられるので,「世界平和」にした。

 諸悪莫作 ・ 諸善奉行 ・ 自浄其意 ・ 是諸仏教 ・ 南無観世音菩薩
  しょあくまくさ ・ しょぜんぶぎょう ・ じじょうごい ・ ぜしょぶっきょう

意味は,法句経の183にある,「ありとある 悪を作(な)さず ありとある 善きことは
身をもって行い おのれのこころを きよめんこそ 諸仏(ほとけ)のみ教えなり」ということらしい。

なお,七仏とは過去七仏と云われるもので,毘婆尸仏(びばしぶつ)・尸棄仏(しきぶつ)・毘舎浮仏(びしゃふぶつ)・拘留孫仏(くるそんぶつ)・拘那含牟尼仏(くなごんむにぶつ)・迦葉仏(かしょうぶつ)・釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)のことだとか。


写真:橘寺の簡易写経,七佛通戒偈(撮影 2020.7.12)



2020年7月12日日曜日

橘寺

明日香の橘寺聖徳太子の生誕地だ。買物の途中の時間調整で訪れることに。厩戸皇子は馬小屋で生まれたのではなかったのか?そういえば寺の境内には馬の銅像があったけれどあれはなんだったのだろうか。明日香の観光スポットからすこし外れた落ち着いた場所にあり,ちょっと寂れた感じがしている。令和4年度にむけて老朽化したお堂を改修するための1億三千万円の募金をしていたが大丈夫だろうか。


写真:橘寺の二面石と賓頭盧さん(撮影 2020.7.12)

2020年7月11日土曜日

圏論入門(3)

数学に慣れていない人向けの圏論の入門を探すのだけれど,なかなか見当たらない。結局,谷村さんの参考文献のトップにあった檜山正幸さんの「はじめての圏論 その第1歩:しりとりの圏」に立ち戻ることになった。はてなブログの檜山正幸のキマイラ飼育記は,内容にはついていけなくても,その図絵表現がおもしろくてなんだか引き込まれる。このブログは feedly に登録して定期的にアクセスしているのでなじみ深い。

さて,このように具体例で示してもらうと非常にわかりやすかった。ショックだったのは,圏の対象を結ぶ射とは,関数のようなものをイメージしていたにもかかわらず,しりとりの圏ではこれが実体としての文字列であるというところだ。そうなのか。目からウロコ状態である。圏は射による関係性のネットワークであって,それがモノによる集合論的な見方との違いの本質だと思っていた。その射がモノだったわけで,モノとコトの見え方がこうして入れ替わることになる。なんだかすごいわ。その次の行列の圏の例でも同様だった。射は行列という実体だった。

 圏C     行列の圏     しりとりの圏
 対象 Obj(C)  自然数      ひらがな1文字
 射 Mor(C)     行列       ひらがな文字列
 恒等射 id   単位行列     長さ1の文字列
 結合 f;g      合成行列の掛け算 しりとり結合
 対象の集合  自然数の集合 N  ひらがな1文字の集合 H
 射の集合   行列の集合 Mat  ひらがな文字列の集合 HStr

というわけで,次の圏を定義するには次の要素が必要だった。
(1) 対象(と呼ばれるモノ)の集合
(2) 射(と呼ばれるモノ)の集合
(3) 射に,域(または始域と呼ばれる)対象を対応させる関数(一般的にはdomと書く)
(4) 射に,余域(または終域と呼ばれる)対象を対応させる関数(一般的にはcodと書く)
(5) 対象に恒等射(と呼ばれる)射を対応させる関数(一般的にはidと書く)
(6) cod(f) = dom(g) のときにだけ定義される結合(と呼ばれる)二項演算(一般的にはf;gと書く)・・・普通の合成関数のような図式順でない表記g○fなどもあるので注意する

※始域,終域は始対象,終対象とは違うので注意しよう
※(1) (2) では集合と書き切っているが,集合(公理的集合論で定義されるもの)でなくてもよいらしいが,そもそも集合論の公理,ZF/ZFCとかがまったく腑に落ちていない...orz
※グラフ理論とは違って,2つの対象を結ぶ射はいくつ(?)あっても構わない


2020年7月10日金曜日

圏論入門(2)

さあ次は森田真生の「哲学者のための圏論入門」にとりかかろうとしたが,これだと普通の圏論入門の数学書を読むのと同レベルのハードルがあるではないか。チーン。「圏の世界では、対象は「中身が何か」(a ∈ A)ではな く,「他の対象たちとどのように関係しているか」(B → A)ということによって 特徴づけられます」はよかったのだけれど,その次にある「普遍写像性(Universal Mapping Property) による対象の定義」のところで壁にぶつかってしまった。

つまづきの要因のひとつがわかった。8pの,「命題 3.1 写像 f : A → B が Sets の射としてモニック(resp. エピック)であること と,写像として単射(resp. 全射)であることは同値」で,いきなり,Sets が無定義で示されているのだ。ここがつまづきの端緒だったかも。「写像の単射性や全射性は,実は集合の中に一切立 ち入ることなく,他の写像との関係性だけによって external に定式化することが 可能なのです」ということで楽しみにしていたのに・・・。

森田真生の Sets は集合の圏の Set と同じなのだろうか?集合論自身がハードルなので,ハードルの二乗になってしまった。圏の定義(ここまではいちおういいことにした)の後に,小圏(small category)とか局所小圏(local small category)の注釈があって,なんのことかと気持ち悪かったけど,その心配が的中した。

P. S. やはり,「圏 C の対象全体の集まりを Ob(C) と書いたり,C0 と書いたりします。また圏 C の射全体の集まりは Ar(C) と書いたり,C1 と書いたりします。また,圏 C の対 象 A, B に対して,A から B への射全体の集まりを HomC(A, B) と書きます。ここ で、一般に C0 や C1 や HomC(A, B) は集合になるとは限らないことに注意してく ださい」がわかっていなかった。数学で出てくる対象が,集まりだけど集合でない,とはどういうことなのだろうか。


2020年7月9日木曜日

圈論入門(1)

現代思想7月号の特集「圈論の世界」を読むための準備として,谷村省吾さんの「物理学者のための圈論入門(2017)」を斜め飛ばし読みした。気になったフレーズだけを抜き出してみる。

1.はじめに
(これは講演録なのね。)

2.三種の矢
「圏論 の道具を一言で言い表すと,「圏論は 3 種の矢からなる」と言えると思います」
(なるほど,[対象+射」=圈,圈:対象・射→関手→圈:対象・射,関手→自然変換→関手,というのが基本的道具立てなのか。対象は集合とは限らない,射は写像とは限らない)

3.普遍性
「ある圏の一部分あるいは全体の,すべての各対象に対して唯一のやり方で働き掛ける対象や射があれば,それは普遍性を持つと言われるのです」
(もうひとつピンとこない)

4.圈論の考え方
「圏論の対極には集合論があります・・・圏論では,元や集合の存在に先立って,射の存在を認めるのです」「対象と射の意味づけ・解釈が, 他者との関係性・文脈・コミュニケーション・ネットワークを通して行われるというあたりが,複雑な世界を記述する豊かな表現力が圏論に備わっている」
(そうなのか)

5.圈論の御利益
「量子トポスあるいはトポス量子論という理論が提案され ています・・・群の表現論も圏の概念を使うと大幅に整理できます」
(そうなのか)

6.圏の定義
「圏(category) とは,対象 (object) と射(arrow, morphism) の集まりで,以下の条件を満たすものです」
 (1) 射には始域と終域とよばれる対象がある。
 (2) 始域と終域が一致する2つの射の合成射が一意的に定まる。
 (3) 三連の合成射に対して結合律が成り立つ。
 (4) 各対象ごとに恒等射が存在する。
(これに加えて,図式,パス,可換図式,などが説明される。自然数を対象とした,大小関係や剰余関係の例がわかりやすい。有向グラフと圏の違いをはっきりとさせておくのが吉)

7.関手
「ある圏と別の圏との連動に注目したい場合や,抽象的な対象からな る圏を具体的な対象からなる圏に写し取りたい場合は,関手という道具を用います」
(共変関手と反変関手があることが説明される。ベキ集合の話は上の空で流す)

8.自然変換
「関手が対象に対象を (a ⇝ F a),射に射を (f ⇝ F f ) 対応させ るのに対して,自然変換は対象に射を (a → ̇Ta )対応させます」
(そうなのか)

9.普遍射
「圏の内部構造をうまく浮かび上がらせる道具で ある普遍射という概念を説明して,この講演を終わりたいと思います」
(十分理解できなかったのだけれど,会社の組織と会社に属さない個人が,相互作用してジョブを実行するという例えが妙に納得できた。すばらしい)

2020年7月8日水曜日

スコセッシ

マーティン・スコセッシ監督といえば,さきの第92回アカデミー賞授賞式で,ポン・ジュノパラサイトでオスカーをとったときに,最も影響を受けた監督の1人として名前をあげていたシーンが印象深い。

昔(2012年)の記事で,「スコセッシ監督が,映画監督志望の若者に推薦する傑作39本」というのにぶつかった犬は,記憶のために記録することにした。

「メトロポリス」(1927,フリッツ・ラング)
「ドクトル・マブゼ」(1922,フリッツ・ラング)
「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922,F・W・ムルナウ)
「ナポレオン」(1927,アベル・ガンス)
「大いなる幻影」(1937,ジャン・ルノワール)
「ゲームの規則」(1939,ジャン・ルノワール)
「天井棧敷の人々」(1945,マルセル・カルネ)
「無防備都市」(1945,ロベルト・ロッセリーニ)
「戦火のかなた」(1946,ロベルト・ロッセリーニ)
「揺れる大地」(1948,ルキノ・ビスコンティ)
「自転車泥棒」(1948,ビットリオ・デ・シーカ)
「ウンベルトD」(1951,ビットリオ・デ・シーカ)
「美女と野獣」(1946,ジャン・コクトー)
「東京物語」(1953,小津安二郎)
「生きる」(1952,黒澤明)
「七人の侍」(1954,黒澤明)
「雨月物語」(1953,溝口健二)
「山椒大夫」(1954,溝口健二)
「天国と地獄」(1963,黒澤明)
「絞死刑」(1968,大島渚)
「いつもの見知らぬ男たち」 (1958,マリオ・モニチェリ)
「若者のすべて」(1960,ルキノ・ビスコンティ)
「大人は判ってくれない」(1959,フランソワ・トリュフォー)
「ピアニストを撃て」(1960,フランソワ・トリュフォー)
「勝手にしやがれ」(1960,ジャン=リュック・ゴダール)
「はなればなれに」(1964,ジャン=リュック・ゴダール)
「ウィークエンド」(1967,ジャン=リュック・ゴダール)
「追い越し野郎」(1962,ディノ・リージ)
「情事」(1960,ミケランジェロ・アントニオーニ)
「欲望」(1966,ミケランジェロ・アントニオーニ)
「革命前夜」(1964,ベルナルド・ベルトルッチ)
「肉屋」(1969,クロード・シャブロル)
「四季を売る男」(1971,ライナー・ベルナー・ファスビンダー)
「不安は魂を食いつくす」(1974,ライナー・ベルナー・ファスビンダー)
「マリア・ブラウンの結婚」(1979,ライナー・ベルナー・ファスビンダー)
「さすらい」(1976,ビム・ベンダース)
「アメリカの友人」(1977,ビム・ベンダース)
「カスパー・ハウザーの謎」(1974,ベルナー・ヘルツォーク)
「アギーレ・神の怒り」(1972,ベルナー・ヘルツォーク)

半分くらいは名前を知っているけれど,みたことのあるのは邦画だけかもしれない。ウィキペディアには,2013年にあげた好きな映画12本ものっている。こちらも1/3しかみていない。

「2001年宇宙の旅」(スタンリー・キューブリック,1968年)
「8 1/2」(フェディリコ・フェリーニ,1963年)
「灰とダイヤモンド」(アンジェイ・ワイダ,1958年)
「市民ケーン」(オーソン・ウェルズ,1941年)
「山猫」(ルキノ・ヴィスコンティ,1963年)
「戦火のかなた」(ロベルト・ロッセリーニ,1946年)
「赤い靴」(マイケル・パウエル,エメリック・プレスバーガー,1948年)
「河」(ジャン・ルノワール,1951年)
「シシリーの黒い霧」(フランチェスコ・ロージ,1962年)
「捜索者」(ジョン・フォード,1956年)
「雨月物語」(溝口健二,1953年)
「めまい」(アルフレッド・ヒッチコック,1958年)

2020年7月7日火曜日

領空の定義

しばらく前に,東北地方の上空を未確認飛行物体が通過していった。未確認ではあるが,その形は捉えられていて,白い気球に太陽電池やプロペラが付随したものらしい。高度10〜50kmの成層圏を通過していたが,国内からの報告がないことから,日本の西側にあるいずれかの外国からジェット気流に乗って東に進んできたものと推測される。で,これが領空侵犯であると断定的に書かれた記事があったので,領空とはどこまでのことを指すのかと調べたところ,一筋縄では行かなかった。

平成28年には逢坂誠二さんが第192国会の80番目の質問主意書で「一 領空とは、国家が領有している領土もしくは領海上の空域と認識しているが、政府の認識はどのようなものか。見解を示されたい。二 日本の領空とは、国家主権が及ぶ領域と政府は認識しているのか。見解を示されたい。」と尋ねているが(この質問もあいまいなのだけれど),安倍総理によるその回答は,「一般に,領空とは領土,領水の上空であり,我が国の主権が及ぶと認識している」なので,結局わけがわからない。まあ,はっきり定義を述べないことは政治的には正しいのかもしれない。しかし,質問主意書答弁書のpdfファイルが擬似縦書きになっているのは許せない。素直にテキスト化できないのだ。こんなことだから,ITで百年遅れをとる。

そこへ行くと名和小太郎先生の説明はていねいで理路整然としていて救われる「領空か 宇宙空間か(情報管理第50巻(2007)5号)」。ただし,結局,領空の定義に関する結論ははっきり定まっていない。名和先生は,1996年から2001年まで,関西大学総合情報学部に在席していらっしゃった。そのとき,同じ学部の水越敏行先生をリーダーとする高等学校の教科情報の教科書を初めて作るということで,会議でお隣に同席させていただいたことがある。名和先生も出身が東大物理なので,おっしゃることや書かれたものは飲み込みやすかった。その縁で著書を1冊恵贈していただいた。


写真:仙台市天文台が撮影した白い物体(引用)

2020年7月6日月曜日

tikz-cd

Xy-picが世の中の標準であってこれでよいのかと思っていたら,tikz-cdがあった。TikZはよく使っているので,こちらのほうが自分にとっては便利かもしれない。早速 {tikzcd}Commutative diagrams with TikZ のサンプルコードを試してみると,ほとんど同じように使えた。

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\usepackage[all]{xy}

\usepackage{tikz,tikz-cd}

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\usepackage{multicol}

\usepackage[version=3]{mhchem}

\usepackage{tcolorbox}

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\renewcommand{\labelenumi}{[\ \arabic{enumi}\ ]\ \ }


\setlength{\textwidth}{15cm}

\setlength{\oddsidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\evensidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\topmargin}{-2cm}

\setlength{\textheight}{24cm}

 


\begin{document}


\begin{center}

\textbf{tikz-cdの使い方}\ (2020/07/05) \\

\end{center}



\begin{tikzcd}

  A \arrow[rd] \arrow[r, "\phi"] & B \\

  & C

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  A \arrow[r, "\phi"] \arrow[d, red]

  & B \arrow[d, "\psi" red] \\ C \arrow[r, red, "\eta" blue]

  & D 

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  A \arrow[r, "\phi" near start, "\psi"', "\eta" near end] & B

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  T

\arrow[drr, bend left, "x"]

\arrow[ddr, bend right, "y"]

\arrow[dr, dotted, "{(x,y)}" description] & & \\

& X \times_Z Y \arrow[r, "p"] \arrow[d, "q"] & X \arrow[d, "f"] \\

& Y \arrow[r, "g"] &Z

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}[column sep=tiny]

  & \pi_1(U_1) \ar[dr] \ar[drr, "j_1", bend left=20]

  &

  &[1.5em] \\

  \pi_1(U_1\cap U_2) \ar[ur, "i_1"] \ar[dr, "i_2"']

  &

  & \pi_1(U_1) \ast_{ \pi_1(U_1\cap U_2)} \pi_1(U_2) \ar[r, dashed, "\simeq"]

  & \pi_1(X) \\

  & \pi_1(U_2) \ar[ur]\ar[urr, "j_2"', bend right=20]

  &

  &

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}[row sep=scriptsize, column sep=scriptsize]

  & f^* E_V \arrow[dl] \arrow[rr] \arrow[dd] & & E_V \arrow[dl] \arrow[dd] \\

  f^* E \arrow[rr,     crossing over] \arrow[dd] & & E \\

  & U \arrow[dl] \arrow[rr] & & V \arrow[dl] \\

  M \arrow[rr] & & N \arrow[from=uu, crossing over]\\

\end{tikzcd}


\begin{tikzcd}

  A \arrow[r]

  & B \arrow[r]

  \arrow[d, phantom, ""{coordinate, name=Z}]

  & C \arrow[dll, "\delta",

  rounded corners,

  to path={ -- ([xshift=2ex]\tikztostart.east)

    |- (Z) [near end]\tikztonodes

     -| ([xshift=-2ex]\tikztotarget.west) -- (\tikztotarget)}] \\

    D \arrow[r]

     & E \arrow[r]

      & F

\end{tikzcd}


\end{document}


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図 tikz-cdのサンプル

2020年7月5日日曜日

Xy-pic

現代思想の7月号の「圈論の世界」を買おうと思った。先週の土曜日に3ヶ月ぶりに,大阪上本町(県外)に出る用事があって,近鉄百貨店上本町店11階のジュンク堂をのぞいたところ,バックナンバーはあるけれど残念ながら当該号はなかった。発売日直後だったのが敗因か。

いろいろ評判はあるのだけれど,丸山善宏さんの記事も読みたいかなと思っていた。アマゾンでさくっと注文すればよいのだが,ぐずぐずしているうちに,谷村省吾さんの「物理学者のための圈論入門」とか森田真生さんの「哲学者のための圈論入門」がファイル置き場から出てきた。とりあえずこれを予習してからと考えて読み始めたところ,谷村さんのおすすめの,TeXで圈論のダイヤグラムがかける Xy-pic にたどりついた。

早速,みつかったサンプル(XY-pic(主に xymatrix)の使い方)を代入してみたら,さくっと動きました。

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\usepackage{tikz}

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\usepackage{multicol}

\usepackage[version=3]{mhchem}

\usepackage{tcolorbox}

\tcbuselibrary{raster,skins}


\renewcommand{\labelenumi}{[\ \arabic{enumi}\ ]\ \ }


\setlength{\textwidth}{15cm}

\setlength{\oddsidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\evensidemargin}{-1.0cm}

\setlength{\topmargin}{-2cm}

\setlength{\textheight}{24cm}

 


\begin{document}


\begin{center}

\textbf{xy-picの使い方}\ (2020/07/05) \\

\end{center}


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r]^f & BCD \quad \quad

  A \ar[r]^-f & BCD \quad \quad

  A \ar[r]^(0.6)f_(0.65)g & BCD

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r]^f & B \ar[d]^f

             & A \ar[r]_{g_1} & B \ar[d]_{g_1} & A \ar[r]|h & B \ar[d]|h \\

  D \ar[u]^f & C \ar[l]^f

             & D \ar[u]_{g_1} & C \ar[l]_{g_1} & D \ar[u]|h & C \ar[l]|h

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r] \ar[d] \ar[rrd]

  & B \ar[rrd]|f \ar[d]|\hole \ar[rdd]|(.33)\hole & & \\

  C \ar[r] \ar[rrd] & D \ar[rrd]|(.33)\hole|\hole

  & A’ \ar[r] \ar[d] & B’ \ar[d] \\

  & & C’ \ar[r] & D’

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar[r]^-f

  & B \ar@<-0.5ex>[r]_-f

  & C \ar@<1ex>[r]^-f

  & D \ar@<0.5ex>[d]^-f \\

  E \ar@<-0.3ex>@{^{(}->}[r]^-f

  & F \ar@{_{(}->}@<0.3ex>[r]^-f

  & G \ar@<0.5ex>[r]^-f \ar@<-0.5ex>[r]_-g & H \ar@<0.5ex>[u]^-g

} \]


\[

 \xymatrix{

  A \ar@/^18pt/[r]^f \ar@/_/[r]_g

  \ar@/_3pt/[d] \ar@/_12pt/[d] \ar@/_24pt/[d] \ar@/_48pt/[d] 

  & B \ar@/^/[d] \ar@/^54pt/[rd] & C \ar[l] \ar[d] \\

  D \ar@/_10pt/@{.>}[rr]_{\exists h} & E \ar[r] \ar[l] & F

} \]


\[

 \xymatrix@ur{

  A \ar[r]^f \ar[d] & B \ar[d] \\

  C \ar[r] & D & }

\]


\begin{equation}

\vcenter{

  \xymatrix{

   A \ar[r] \ar[d] & B \ar[d] \\

   C \ar[r] & D \ar@{}[lu]|{\circlearrowright}

} }

\hspace{2cm} \vspace{-1cm}

\fbox{

  \xymatrix@=5pt{

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   &  & \bullet &  & \bullet

   }

}

\end{equation}


\end{document}

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図 Xy-picのサンプル

2020年7月4日土曜日

iPhone SE(4)

とりあえず,アプリは精選して再インストールした。この状態でMacBook Proにつなぐと,設定がそうなっていたからだが,勝手に音楽が同期された。写真はiCloudからの同期になっているので,ここには復活されない。iPhone 6sのバッテリケースは装着できたのだけれど,カメラホールがずれていたのでレンズを半分覆ってしまった。これでは芸術的なスモーク写真で満足するか,朝の散歩の写真撮影時にケースの着脱が毎回発生してしまうことになるので,iPhone 7用のバッテリケースを注文したらすぐ届いた。残念ながら iPhone SE用のバッテリケースは売っていない。保証はないのだけれど,とりあえず使ってみることにする。

追伸:気がつかないうちに,iPhone/iOSの写真の画像形式がJPEGからHEIF(High Efficiency Image File Format)に変わっていた。拡張子は HEIC。JPEGに変換するために,iMazing HEIC Converter を引っ張ってきた。メールで写真を送るときとかどうなるのかな?


写真 iPhone7用のバッテリケースを装着した iPhone SE(撮影 2020.7.4)

2020年7月3日金曜日

iPhone SE(3)

記録のために,このiPhone SEの現段階のスクリーンショットを保存しておく。これまでは4.5ページあったが,このたびのリストラで3ページになった。


図:iPhone SE の現時点でのスクリーンショット

2020年7月2日木曜日

iPhone SE(2)

ということで,今週は裁判員の予定がなくなった。そこで,早速ソフトバックショップへ向い, iPhone SE を入手しようとしたところまではよかったのだけれど・・・帰ってからいろいろぐだぐだ。

バックアプファイルが壊れていたのがいたい。写真データと音楽データはどうするのか・・・というかもう端末にためておく必然性はないのか。そりゃ256GBもいらないはずだ。ということで,128GBのWhiteにしました。これだけは店員さんを評価する。しかし,不要なアクセサリ群を山盛りで購入させられそうになり,Softbankの電気メータとネットワークにも無理無理加入させられそうになった。今までこんなことはなかったんだけど・・・。

販売代理店を通すと便利なことがある一方で,逆に面倒なことも増えてしまい,もうこの歳になると,新しい端末の再インストールや環境設定で遊ぶのはもうほとんど苦痛の域に達してきた。かといって,オンライン購入にはまだ踏み切れなかったのだ。


写真:表はブラック iPhone SE Whiteの裏面(撮影:2020.7.2)



2020年7月1日水曜日

裁判員等選任手続

今日から7月に入る。仲夏・夏至・半夏生(はんげしょうず)。

朝から奈良地方裁判所に裁判員等選任手続に向う。10:00開始の30分前にはもう行列ができていて番号札は15番,最終的には35名ほど集まっていた。担当職員から当日の手順や事件の概要などを聞いた上で,裁判員となることに不都合がないかどうかの質問票に回答して,旅費・日当の振込手続きをする。コロナウィルス関係で,書類の押印が廃止されサインでOKだった。やればできるんじゃないですか。休憩をはさんで,当該事件の裁判長や裁判官,検事,弁護士ら7名がでてこられてご挨拶の後,裁判長から候補者に全体質問がある。その後,数名に対する個別質問なども終わると抽選というだった。抽選プロセスはブラックボックスだったが,裁判員6名と補充裁判員2名が発表され,無事に4倍強の難関を落選した。今年度の名簿からは外されたので,もし次があるとしても来年度以降だ。なお,裁判員候補者になったことは公表しても差し支えないとあった。選任手続の当日書類は回収されたので,記憶を辿ってみた。


写真:奈良地方裁判所前(2020.7.1)