2020年7月18日土曜日

集合の濃度(1)

集合族からの続き

前回の続きのキーワードは,「集合族・一般の直積・選出公理・関係・同値関係・同値律・類別・直和・同値類・商集合」ということで,61pの第2章 集合の濃度にはいる。

対等関係:集合Aから集合Bの全単射が存在するとき,BとAは対等であるといい,A〜Bと書き,A〜A,A〜B⇒B〜A,A〜B,B〜C⇒A〜C,が成り立つ

濃度:対等関係を集合の同値関係とみなして,「集合全体のあつまり」を同値類に類別できる。この同値類を濃度(基数)といい,集合Aの属する類の濃度(同値類の名前)をcard Aであらわす。そこで,A〜B⇔card A= card B(card Aはあたかも数のようにみえるが,この等号はいったいなにかしら)

濃度の大小:AからBへの単射が存在するとき,これを集合のあいだの関係とみなして,「大小関係」と名付け,card A≦ card B と表記する。card A≦ card Bでありかつ,card A= card Bでないときに,card A< card Bと表記する。

有限集合の濃度:有限集合Aの元の個数をn(これは自然数)として,card A = n と表記する。空集合φにたいしては,card φ = 0 と表記する。濃度の大小関係と自然数の通常の大小関係は対応している。

可算集合の濃度:自然数の集合をとして,card = ℵ_0と表記する。と対等な集合を可算集合あるいは可付番集合という。任意の有限集合の元の個数nに対して,濃度の大小関係としてn<ℵ_0 となる。整数の集合を,有理数の集合をとすると,card =  card = ℵ_0 である。

連続の濃度:実数の集合に対して,card = ℵ と表記し,これを連続の濃度という。対角線論法により,ℵ>ℵ_0 である。ℵ_0より大きな濃度をもつ集合を非可算集合という。

ベキ集合の濃度:任意の集合Mに対して,そのベキ集合を𝔓(M)とすると,card 𝔓(M) >card Mである。


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