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2024年1月16日火曜日

令和6年能登半島地震(3)

令和6年能登半島地震(2)からの続き

能登半島地震発災2週間目。令和6年能登半島地震による被害状況等について(令和6年1月15日08:30現在),これは毎日更新されている。
1p 1 地震の概要(気象庁情報:1 月 15 日 8:30 現在)

2p 2 人的・住家被害等の状況(消防庁情報:1 月 15 日 8:30 現在)

3p 3 避難所の状況(内閣府情報:1 月 15 日 6:00 現在)

3p 4 その他の状況
3p (1) ライフラインの状況
10p (2) 原子力施設関係(原子力規制庁情報: 1月 15 日 07:30 現在)
12p (3) 道路(国土交通省情報:1 月 15 日 6:00 現在)
13p (4) 鉄道(国土交通省情報:1 月 15 日 8:00 現在)
13p (5) 航空(国土交通省情報:1 月 15 日 6:00 現在)
14p (6) 物流・自動車(国土交通省情報:1 月 15 日 5:30 現在)
15p (7) 海事(国土交通省情報:1 月 15 日 5:00 現在)
15p (8) 河川(国土交通省情報:1 月 15 日 6:00 現在)
16p (9) ダム(国土交通省情報:1 月 15 日 6:00 現在)
16p (10) 海岸(国土交通省情報: 1 月 15 日 7:00 現在)
17p (11) 砂防(国土交通省情報: 1 月 15 日 7:00 現在)
17p (12) 港湾(国土交通省情報:1 月 15 日 5:30 現在)
18p (13) 公園・都市(国土交通省情報: 1 月 15 日 6:30 現在)
18p (14) 住宅・建築物(国土交通省情報: 1 月 15 日 7:00 現在)
19p (15) 下水道関係(国土交通省情報: 1 月 15 日 7:00 現在)
19p (16) 観光(国土交通省情報: 1 月 15 日 5:30 現在)
20p (17) 医療関係(厚生労働省情報:1 月 15 日 05 時 00 分時点)
21p (18) 社会福祉施設等関係(厚生労働省情報:1 月 15 日 7:00 現在)
24p (19) 保健・衛生関係(厚生労働省情報:1 月 15 日 7:00 現在)
24p (20)薬局、薬剤師、輸血用血液製剤、毒物劇物関係(厚生労働省情報:1 月 15 日 7:00 現在)
25p (21) 工業用水関係(経済産業省情報:1 月 15 日 7:30 現在)
25p (22) 製造業等(経済産業省情報:1 月 15 日 7:30 現在)
25p (23) 中小企業(経済産業省情報:1 月 15 日 7:30 現在)
26p (24) 児童福祉施設等関係(こども家庭庁情報:1月 15 日 8:10 現在)
27p (25) 障害児施設関係(こども家庭庁情報:1月 15 日 8:10 現在)
27p (26) 農林水産関係(農林水産省情報:1月 15 日 7:30 現在)
31p (27) 文部科学省関係(文部科学省情報:1 月 14 日 12:00 現在)
32p (28) 郵政関係(総務省情報:1 月 15 日 08:00 現在)
33p (29) 法務関係(法務省情報:1 月 15 日 7:30 現在)
34p (30) 駐日外国公館への対応(外務省情報:1 月 15 日 08:00 現在)
34p (31) 海外からの具体的支援の申し出(外務省情報:1 月 15 日 08:00 現在)
34p (32) 在日外国人への対応(外務省情報:1 月 15 日 08:00 現在)
34p (33) 金融機関等(金融庁情報:1月 12 日 15 時時点)
35p (34) 廃棄物処理施設関係(環境省情報:1月 15 日 8:30 現在)
36p (35) 災害廃棄物等関係(環境省情報:1 月 15 日 8:30 現在)
36p (36) 国立公園関係(環境省情報:1 月 15 日 8:30 現在)
36p (37) 動物愛護管理関係(環境省情報:1月 15 日 8:30 現在)
37p (38) 野生施設関係(環境省情報:1月 15 日 8:30 時点)
37p (39) 官庁施設(国土交通省情報:1 月 15 日 8:30 時点)
37p (40) 緊急物資輸送(国土交通省情報:1 月 15 日 5:30 時点)
38p (41) 火葬場の被害状況(厚生労働省情報:1 月 15 日 7:00 現在)
39p (42) 人材開発関係(厚生労働省情報:1 月 15 日 07:00 現在)
39p (43) 災害ボランティア関係(厚生労働省情報:1 月 15 日 07:00 現在)

40p 5 政府の主な対応

41p 6 各省庁の主な対応
41p (1) 内閣府
41p (2) 気象庁
42p (3) 警察庁(4p)
46p (4) 消防庁(9p)
55p (5) 海上保安庁・・・地震無視されていた
58p (6) 防衛省(14p)
72p (7) 総務省(4p)
76p (8) 法務省
76p (9) 外務省・・・各国からのお見舞いリスト
76p (10) 財務省・・・地震無視されていた
80p (12) 厚生労働省(19p)
99p (13) 農林水産省(8p)
107p (14) 経済産業省
107p (15) 国土交通省
110p (16) 環境省(4p)
114p (17) 金融庁
115p (18) 国土地理院
115p (19) 国土技術政策総合研究所・土木研究所・建築研究所・港湾空港技術研究所
116p (20) 消費者庁
117p (21) 原子力規制庁・・・地震無視されていた
119p (22) こども家庭庁・・・地震無視されていた

122p 7 都道府県における災害対策本部の設置状況
ほとんどの省庁は,能登半島地震の特設ページで情報発信していた。上記リスト中の例外は,海上保安庁,財務省,原子力規制庁,こども家庭庁。財務省はともかくその他の3庁は,この震災においても重要なはずなのでなんとかならんの?

石川県,珠洲市,輪島市,七尾市などのホームページは震災対応の簡易版になっている。

[1]石川県珠洲市輪島市七尾市羽咋市能登町中能登町穴水町志賀町)[2]指定公共機関:日本郵便,日本銀行,日本赤十字社日本放送協会中日本高速道路西日本旅客鉄道日本貨物鉄道,西日本電信電話,KDDI日本通運北陸電力北陸電力送配電NTTドコモエヌ・ティ・ティコミュニケーションズソフトバンク楽天モバイル福山通運佐川急便ヤマト運輸イオン,ユニー,セブン-イレブン・ジャパンローソンファミリーマートセブン&アイ・ホールディングス


2024年1月15日月曜日

福祉避難所

能登半島地震(2)からの続き

避難所の名称をめぐって,若干の混乱が続いている。菅野完のYouTubeでは,正確な行政手順に欠けた石川県馳知事の問題を指摘していた。

そのあたりのことは防災新聞が詳しかったので,Bardに要約させて整えた。
一次避難所は、災害発生直後に開設される避難所であり、警戒レベル3・高齢者等避難で開設される。学校の体育館や公民館等が一次避難所で、高齢者や障がい者の方も避難する。
二次避難所は、一次避難所での生活が困難な高齢者や障がい者のために開設される避難所であり、福祉施設等が指定されていた(福祉避難所ともよばれる)。
従来は、一次避難所から二次避難所へ移動する必要があったが、改正災害対策基本法により、一次避難所に避難することなく、直接二次避難所へ避難できるようになった。
ということである。石川県の地域防災計画(地震災害編)にも次のようにある。
二次避難支援体制の整備
高齢者や障害者等は避難所内の一般避難スペースでは健康の維持・確保が困難な要素が多い ことから、市町は、地区ごとの福祉避難所の指定など受入・支援体制の整備を図る。
また、避難者の生活改善や相談対応、福祉避難所への誘導など、福祉サービス面での支援を 行う県の災害派遣福祉チーム(DWAT)の受け入れや関係団体との連携により、要配慮者の 避難所内の一 般避難スペースからから福祉避難所への避難、または、社会福祉施設への緊急 入所、もしくは、医療機関への緊急入院を円滑に行う体制の確保に努める。
しかるに,今回の能登半島地震においては,二次避難や二次避難所という用語が,一般の避難者に対しても広く適応されており(馳知事だけでなく岸田首相やマスコミを含めて),それが混乱を助長しているのではないかというのが菅野完の指摘だった。まあ,1.5次避難所とか言い出したところでややこしくなっている。

輪島市は,実は,福祉避難所の最先端をいっていた。以下は2017年の8月17日の記事だ。

「福祉避難所」は、能登半島地震発生時において輪島市で、我が国で初めて設置・運営されました。
その必要性から、輪島市では、高齢者福祉施設を中心として市内外の多くの事業所と「福祉避難所設置・運営協定」を締結したほか、「福祉避難所設置・運営マニュアル」を作成し、その普及と災害時における円滑な設置を目指した「防災訓練」を実施しています。

[3]石川県地域防災計画(令和5年修正)
[5]防災新聞(二次避難所とは?一次避難所との違いは?今後は福祉避難所に統一される)

2024年1月9日火曜日

令和6年能登半島地震(2)

令和6年能登半島地震(1)からの続き

テレビでのニュースや,SNSでの記事などを見ていてもなかなか全体像がつかめない。出来るだけ憶測にまみれていない情報を入手したい。

政府が提供している最低限のものが,内閣府の防災情報のページにあった。「令和6年能登半島地震による被害状況等について」である。地震発生翌日の1月2日から毎日出されていて,1月8日の20時段階の最新版は,「令和6年能登半島地震による被害状況等について(令和6年1月7日11:30現在)」であり,1月8日はお休みらしい。せっかく作るのだから目次もあるといいのに。これはわがままな希望なので,自分で作業してみた。完全性は保証していないので,あくまでも参考程度に。
1p 1 地震の概要(気象庁情報:1 月 7 日 11:30 現在)

2p 2 人的・住家被害等の状況(消防庁情報:1 月 7 日 11:30 現在)

3p 3 避難所の状況(内閣府情報:1月 7 日 6:00 現在)

3p 4 その他の状況
3p (1)ライフライン関係
3p ①水道(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 現在)
6p ②電力(経済産業省情報:1月7日 10:30 現在)
7p ③ガス関係(経済産業省情報:1月7日 10:30 現在)
7p ④高圧ガス・火薬類(経済産業省情報:1月7日 10:30 現在)
7p ⑤製油所・油槽所(経済産業省情報:1月7日 10:30 現在)
8p ⑥SS(経済産業省情報:1月 7 日 10:30 現在)
8p ⑦通信関係(総務省情報:1 月 7 日 11:00 現在)
9p ⑧防災行政無線(総務省情報:1 月 7 日 11:00 現在)
9p ⑨MCA 無線関係(総務省情報:1 月 7 日 11:00 現在)
9p ⑩放送関係(総務省情報:1 月 6 日 7:00 現在)
10p (2)原子力施設関係(原子力規制庁情報: 1月6日 6:30 現在)
10p ①北陸電力(株)志賀発電所
11p ②東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所
12p (3)道路(国土交通省情報:1 月7日 9:30 現在)
12p ①○高速道路 1 路線 3 区間で通行止め
13p ②○直轄国道 1 路線 1 区間で通行止め
13p ③補助国道 3 路線 29 区間で通行止め
13p ④都道府県道等 3 県 70 区間で通行止め
13p (*)交通(カテゴリ名が欠落)
13p ①鉄道(国土交通省情報:1 月 7 日 10:00 現在)
14p ②航空(国土交通省情報:1 月 7 日 9:30 現在)
15p ③物流・自動車(国土交通省情報:1 月7日 9:00 現在)
15p (4)海事(国土交通省情報:1 月7日 10:00 現在)
16p (5)河川(国土交通省情報:1 月7日 9:30 現在)
16p (6)ダム(国土交通省情報:1 月7日 10:00 現在)
16p (7)海岸(国土交通省情報: 1 月7日 10:00 現在)
16p (8)砂防(国土交通省情報: 1 月7日 10:30 現在)
17p (9)港湾(国土交通省情報:1 月7日 9:00 現在)
18p (10)公園・都市(国土交通省情報: 1 月7日 10:00 現在)
18p (11)住宅・建築物(国土交通省情報: 1 月7日 10:00 現在)
18p (12)下水道関係(国土交通省情報: 1 月 7 日 10:30 現在)
19p (13)観光(国土交通省情報: 1 月7日 9:00 現在)
19p (14)医療関係(厚生労働省情報:1 月 7 日 8:30 現在)
21p (15)社会福祉施設等関係(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 現在)
23p (16)保健・衛生関係(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 現在)
24p (17)薬局、薬剤師、輸血用血液製剤、毒物劇物関係(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 現 在)
25p (18)工業用水関係(経済産業省情報:1 月7日 10:30 現在)
25p (19)製造業等(経済産業省情報:1 月7日 10:30 現在)
25p (20)中小企業(経済産業省情報:1 月7日 10:30 現在)
25p (21)児童福祉施設等関係(こども家庭庁情報:1月7日 11:10 現在)
26p (22)障害児施設関係(こども家庭庁情報:1月7日 11:10 現在)
27p (23)農林水産関係(農林水産省情報:1月7日 11:30 現在)
27p ①農作物等の被害
27p ②ため池・ダム等の被害情報
29p ③農村生活環境施設の被害情報
29p ④林野関係の被害情報
30p ⑤卸売市場の被害情報
30p ⑥水産関係の被害情報
31p (24)文部科学省関係(文部科学省情報:1 月 6 日 12:00 現在)
32p (25)郵政関係(総務省情報:1 月 7 日 11:00 現在)
33p (26)法務関係(法務省情報:1 月 7 日 11:00 現在)
34p (27)駐日外国公館への対応(外務省情報:1 月 7 日 10:00 現在)
34p (28)海外からの具体的支援の申し出(外務省情報:1 月 7 日 10:00 現在)
34p (29)金融機関等(金融庁情報:1月5日 15:00 現在)
34p (30)廃棄物処理施設関係(環境省情報:1月 7 日 11:30 現在)
35p (31)災害廃棄物等関係(環境省情報:1月7日 11:30 現在)
36p (32)国立公園関係(環境省情報:1 月7日 11:30 現在)
36p (33)動物愛護管理関係(環境省情報:1月7日 11:30 現在)
37p (34)野生施設関係(環境省情報:1月7日 11:30 時点)
37p (35)官庁施設(国土交通省情報:1月7日 11:30 時点)
37p (36)緊急物資輸送(国土交通省情報:1 月7日 10:00 時点)
38p (37)火葬場の被害状況(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 時点)
38p (38)人材開発関係(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 時点)
39p (39)災害ボランティア関係(厚生労働省情報:1 月 7 日 11:30 時点)

39p 5 政府の主な対応
39p (1)官邸の対応
39p (2)総理指示
40p (3)災害対策本部の設置等
40p (4)災害救助法の適用
40p (5)被災者生活再建支援法の適用

40p 6 各省庁の主な対応
40p (1)内閣府
40p (2)気象庁
41p (3)警察庁(2p)
43p (4)消防庁(5p)
48p (5)海上保安庁(2p)
50p (6)防衛省(6p)
56p (7)総務省(5p)
61p (8)法務省
61p (9)外務省
61p (10)財務省
61p (11)文部科学省(3p)
64p (12)厚生労働省(8p)
76p (13)農林水産省(5p)
81p (14)経済産業省
82p (15)国土交通省(2p)
84p (16)環境省(3p)
87p (17)金融庁
87p (18)国土地理院
87p (19)国土技術政策総合研究所・土木研究所・建築研究所・港湾空港技術研究所
88p (20)原子力規制庁(2p)
90p (21)こども家庭庁(2p)

92p 7 都道府県における災害対策本部の設置状況
気がついたことを何点か。
・道路の次の交通関係のカテゴリ名が欠落していた。
・北陸電力志賀原子力発電所の変圧器オイル漏れで火災があったというのはデマだとネトウヨグループが主張していたが,実際には火災があって消火していた。
令和6年1月1日
 16:10 定期検査中(停止中)
 16:45 2号機主変圧器で火災発生、噴霧消火実施
 16:51 2号機主変圧器の火災について、現場確認により火災と判断。公設消防へ通報済
17:18 500KV 焦げ(公設消防に連絡済)、275KV に切替え済。
17:29 2号機主変圧器の火災について、自衛消防隊と運転員により火災なしを確認。 17:30 開閉所について、自衛消防隊が、こげ臭がないこと、火の手が上がっていないことを確認

 ・テレビニュースでは報道されていた米軍が自衛隊とともに活動するという件は全く触れられていない。あるのは「米国国際開発庁(USAID) から被災地で活動する NGO に対して 10 万ドル(約 1,400 万円)の資金提供を行う提案があり、受ける方向で調整中。米側は提供先の NGO とし て、ピースウインズ・ジャパンを対象とすることを想定。」の件だけだ。

・自衛隊の災害派遣要請は,石川県知事から愛知県守山駐屯地の第10師団長に対して1月1日に発出されている。陸上自衛隊第10師団は,中部方面隊直轄で東海北陸を担当地域にしている。金沢市の平和町(野田)の金沢駐屯地には陸上自衛隊の第14普通科連隊がある。

・中部方面隊の陸上自衛隊第4施設団は出動しているが,世に倦む日々が指摘していたようにほとんど目立った活動がみられない。福井(鯖江)の第372施設中隊ががれき除去している程度か。富山(砺波)の第382施設中隊は動いていないの?

・河北潟干拓地に11戸の酪農家が営農していて2000頭の牛がいる。石川県の生乳生産量の半分を占めている。乳牛一頭一日100Lが必要なので断水が命取りになって困っている,というような情報はTwitter(X)でしか得られず,内閣府の報告には上がっていない(明示されていない)。多分その手の話がたくさんある。


図:能登半島地震の震央分布図(気象庁から引用)

追伸(1/10/2024):
 原子力規制庁の資料では「火災がなかった」とされている。しかし「噴霧消火設備を手動起動したことを確認した。」との記述も。なんで?

2024年1月7日日曜日

令和6年能登半島地震(1)

元旦の午後4時過ぎ,能登で大きな地震が起こっているらしいと聞き込んでTVをつけた。

それからまもなく震度5強の前震(16:06)の直後の16:10に,最大震度7の令和6年能登半島地震(M7.6)が発生した。テレビや携帯からはけたたましい緊急地震速報が流れた。10Fの自宅でも,長く感じられる時間大きな揺れが幾度か押し寄せた。阪神・淡路大震災以来かもしれない。後に,奈良県でも震度3から震度4だったとわかる。

今回の地震のエネルギーは平成7年兵庫県南部地震(M7.3)より2倍以上大きい。地震はマグニチュードが0.1増えるとエネルギーが√2倍になる(マグニチュード1で2^5=32倍)からだ。

昨年度の石川県の人口は,111.5万人である。加賀(かほく市・河北郡以南)が94.5万人,能登(羽咋郡以北)が17万人という内訳になっている。震源の珠洲市が1.2万人,輪島市は2.3万人である。もしこの地震によって亡くなられた方が250人に達すると仮定するならば,能登地方の人口を母数とする比は0.15%となる。阪神淡路大震災における兵庫県の対象地域の人口400万人を母数とした死者数6400人は,0.16%なので,ほぼ同じオーダーの死亡率になる。

一方,東日本大震災(M9.0)の場合はどうだろうか。東日本大震災記録集(第3章災害の概要)によれば,岩手県・宮城県・福島県の死者・行方不明者数(100名以上の自治体で仙台市といわき市を除く)は1万9000人であり,地域人口88万人に対する比率は2.1%である。しかし,死亡原因の90%が津波に起因した溺死であり,これを除けば0.21%である。すなわち,阪神淡路大震災や,今回の能登半島地震の仮定値とおよそ同じオーダーになる。

なお,熊本地震(M7.3)では,被害の大きかった市町村の死者数240人に対応する地域人口が104万人なので,0.023%となっており,能登半島地震の数分の1のオーダーになっていた。これらの数字は,状況を単純化しすぎた評価であるかもしれない。同様の結果をTwitter(X)に投稿していた早川由紀夫さんはボロクソにディスられていた。


図:発生後の地震の積算回数(気象庁の第12報からの引用)

追伸:
[2]「令和6年能登半島地震」について(第 12 報)(気象庁地震火山部)

2023年12月11日月曜日

石川デジタルミュージアムネットワーク

金沢大学は,人工衛星(X線突発天体監視速報衛星)を打ち上げたというニュースを先日見たばかりだけれど,金沢大学資料館を中心とした石川デジタルミュージアムネットワークを構築した。

早速アクセスしてみると,金沢大学資料館,石川県立自然史資料館,石川県西田幾多郎記念哲学館,石川県埋蔵文化財センター,羽咋市歴史民俗資料館,野々市市ふるさと歴史館・,野々市デジタル資料館の6つの連携機関を結ぶものだった。どれも訪れたことはない。ちょっと物足りなかった。

金沢21世紀美術館とか石川県立美術館とか石川県立図書館をはじめとして諸々沢山あるので,このへんもつながると面白そうなのだけれど。しかしそれだったら文化遺産オンラインで事足りてしまうのかもしれない。


図:デジタルミュージアムネットワークの表紙から

2023年11月14日火曜日

宮腰

NHKの午後の列島ニュースでは,地方局からの話題が2局ずつペアで紹介されていく。

先日,青森局と金沢局のニュースがあって,後者は石川県立美術館国立工芸館の共催による「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」の入場者数がこのシリーズで過去最多だったといいうもの。

問題は,前者のほうだ。青森県中泊町の旧家で大正ステンドグラスが残る宮越家の美術品や書状などが展示されたという話題だ。同時に宮越家の離れと庭園の秋公開も行われている。宮越というのは金沢市金石(かないわ)の旧地名なので,そのルーツは金沢なのではないかと思って調べてみた。

自分が勘違いしていたのは,金石の旧称は宮越ではなく宮腰(みやのこし)だったこと。しかしルーツが石川県というのは正しかった。中泊町の宮越家の初代は江戸時代に加賀国江沼郡(石川県加賀市)の宮ノ越から移住して代々庄屋などをつとめていた。

なお,金沢の宮腰は,初代中村歌右衛門(1714-1791)の出身地でもある。


写真:宮越家の大正ステンドグラス(青森県観光情報サイトから引用)

2023年9月17日日曜日

樹氷の世界

霧の彫刻からの続き

自然を見る眼が親愛の情を失えば,相手も決してその本性を明かさないものである。

これは中谷宇吉郎(1900-1962)の随筆集「樹氷の世界(甲鳥書店,1943)」に掲載されていて,NHKの日曜美術館天にささげる霧 霧の彫刻家・中谷芙二子」のテーマとして紹介されたフレーズだった。

最初は,この出典がわからず,Googleで検索しても全く見つからない。一方,青空文庫には中谷宇吉郎の随筆などが240編ほど収録されている。これを順番に調べるのは大変だ。wgetで自動ダウンロードしようとしたら,ファイル構造が単純でないため挫折した。

そこで,ChatGPTのAdvanced Data Analysis(旧 Code Interpreter)の助けを借りることにした。ところがこの子は,ファイルは受け付けるが,ウェブにはアクセスできない。尋ねてみると,中谷宇吉郎のそのデータは持っているというので,20編ずつ探してもらった。3ブロック目でヒットして,その答えは「自然の法則」というタイトルだという。しかしこれは実在しない。

そこで,GoogleのBardのほうに問い合わせた。こちらは手早く自信満々で「はい、わかります。随筆集「雪の結晶」の中の該当する随筆のタイトルは「雪の結晶と私」です」との回答があった。が,これも実在しない。どいつもこいつも役に立たない。

神田敏晶さんが,$20/月もかかる ChatGPT-Plusの解約をすすめていたので,早速これに従うことにする。


その後,人力でようやくさきほどの情報「樹氷の世界」までたどりついた。この本の著作権は切れていて,国立国会図書館のデジタルアーカイブに存在していることが分かった。この随筆集には,17編の記事があって,順番に読んでみたが見つからない。なんのことはない,403pにある後書きの部分にあるのだった。

P. S. 終戦の2年半前に出版されたもので,著者の様々な葛藤があらわれている随筆集だった。





[1]中谷宇吉郎 近代日本人の肖像(国立国会図書館)
[2]中谷宇吉郎教授の逝去を悼む(北海道大学理学部物理学教室)
[3]中谷宇吉郎先生のご業績とお人柄(若濱五郎 1927-2021)
[4]北大における雪氷学(北大百年史,黒岩大介)
[5]低温科学研究所(北大百年史,部局史)
[6]岩波映画製作所(1949年の中谷プロダクションがその前身)
[8]中谷宇吉郎記念財団(代表理事 中谷芙二子)
[9]氷雪物理学(対馬勝年)




2023年9月16日土曜日

霧の彫刻

NHKの日曜美術館で,中谷芙二子(1933-)の霧の彫刻が取り上げられていた。

90歳の中谷芙二子は,雪の結晶,人工雪の研究で有名な中谷宇吉郎(1900-1962)の二女として札幌に生まれた。当時北海道大学教授になったばかりの中谷宇吉郎は,石川県加賀市片山津町の出身で,小松中学,第四高等学校から東京大学理学部物理学科に進み,寺田寅彦(1878-1935)に師事した。三姉妹の母の静子(1910-1986)も金沢出身だった。長女の咲子(1932-)が地質学者,番組の最後にも登場した三女の三代子がピアニスト(1944-)でともにアメリカ在住だ。甥の中谷健太郎(1934-)が由布院温泉の亀の井別荘を経営している。


芙二子は,高校卒業後に父の仕事の関係で渡米し,ノースウェスタン大学美術科を1957年に卒業している。1966年には,Experiments in Arts and Technology (E. A. T. ) のメンバーとなった。E. A. T. の活動の最高峰として,大阪万博1970のペプシ館がある。ここで芙二子は霧の彫刻によってパビリオンを覆うことに成功した。これは,16ミクロンのノズルの前に針をおいて,70気圧で噴射される水を砕き,20〜30ミクロンの霧粒として噴射するものであった。

1970年7月に訪れた大阪万博では,最初の夜に赤く照らされて工事中のデザインだった横尾忠則のせんい館の夜の外観は見たが,エキスポランド側にあった霧に包まれたペプシ館には行かなかった。


中谷芙二子の考えを要約すると次のようなものであった。
霧の彫刻は,純水で作られた大量の霧を発生させて,環境と人間のインタラクションを楽しむ芸術だ。霧の中に入ることで,人は視覚だけでなく,全感覚を通して環境を知覚することになる。それは,不可視である大気が呼吸する様子を人が知覚することを助ける。またこれにより人の行動自身も影響されることになる。自然を美の対象と考えてはいけない。それは,人それぞれが自分の方法で発見する自然との関係の中に生まれてくるものだ。
番組は,日本各地での取り組み,とくに田中泯とコラボレートした舞踊と霧のパフォーマンスを中心に話が展開した。加賀市にある中谷宇吉郎雪の科学館にも常設の霧の彫刻「グリーンランド氷河の原」があり,グリーンランド(中谷宇吉郎が調査でよく通っていた)から氷河の堆積石を60トン(環境大臣と交渉してゲットした)を日本に運んで厚さ15cmに敷き詰めた空間に霧を流していた。


写真:中谷宇吉郎雪の科学館にある霧の彫刻(グリーンランド氷河の原)


[1]霧の抵抗 中谷芙二子(水戸芸術館)
[3]アーティスト・中谷芙二子のふたつの顔飯田豊評「霧の抵抗 中谷芙二子」(美術手帖)

2022年2月8日火曜日

手取遊園

 スタイルからの続き

手取遊園は,北陸鉄道金名線の乗客増を目的に建設した遊園地であり,1955(昭和30)年9月に開業し,営業不振から1965年に北陸交通に移管され,1971年3月に廃止された。降雪のため営業期間は4月から11月であり,『楽しい科学のりもの』と称した大型遊具が人気を集めた。「金沢などで類似遊戯施設が開業したことなどにより経営不振に陥った」とある。大和の屋上の乗り物コーナーのことかな。

小学校低学年のころに,手取遊園に行ったような気がする。北陸鉄道の石川線野町駅から電車に乗って,加賀一の宮駅で金名線に乗り換えて,手取温泉駅で降りるというコースが考えられる。帰りの電車の中で西金沢駅あたりで,友達が気分が悪くなって吐いてしまったものが靴にかかったような気もするが,夢かもしれない。ただ,西金沢駅のそばにある加賀製紙の工場からくる臭いが吐瀉物の臭いだという誤認になって,長く記憶されることになる。

これが本当に手取遊園の帰りのことだったのはどうかははっきりしない。手取遊園には親類縁者の子供たちと一緒にいったこともあったようなボンヤリした記憶もある。ジェットコースターではない乗り物に乗ったが,それが楽しいのりものだったのだろうか。


写真:手取遊園の見取り図(砂丘の夢から引用)

2022年1月29日土曜日

スタイル

『スタイル』は1936(昭和11)年6月に,宇野千代(1897-1996)によって編集発行された月刊雑誌である。その1937(昭和12)年の記事がtwitterで紹介されていた

「おしゃれな」というタイトルのコラムで,金澤,神戸,横浜,名古屋の4都市が紹介されている。美川町出身の詩人村井武生(1904-1946)によるその金澤の記事は次のようなものだった。

 森の都 "金澤" も主要街はすつかり十三間道路に舗装され,北陸一の近代都市としての名に反かないが,一歩裏通りへ入ると昔ながらの屋敷町が曲折し,百萬石のお城下町の落ち着きを見せてゐる。百貨店はやがて約一萬坪に増築の宮市大丸と丸越の二つ,そこから呑吐される若い女性はもち洋装が身について来た。

 銀座と浅草とを一緒にしたやうな市の中央香林坊は金澤の誇る歓楽街,どこへ出しても羞かしくない完備した喫茶店 "芝生" や白椿,又,酒場にはターバン,珍味庵など。二つの劇場と七つの常設館で近代人としてのスタイルを調へ,大学や専門校らはインテリを急造する。

 郊外の粟ケ崎,金石等の海水浴場は丑の日などには六七萬の裸群が踊り,宝塚,松竹に次ぐ粟ケ崎少女歌劇団のスターは,当地方では映画女優以上の人気を持つ。遠出には随所に温泉があり近く飛行場も完成,秋ともなれば兼六園の幽邃賞すべく,競馬の興奮も一興,又夢向山公園へのドライブも快適であらう。

芝生といえば,柿の木畠にあった軽食・喫茶の店で,高校のクラブの友達と卒業後にコンパをしたところだが, 十数年前には閉店したようだ。

自分が子供のころ,粟崎遊園はとっくになくなっていたが,手取遊園や卯辰山のヘルスセンターはまだあった。幼稚園から小学校低学年までの頃,親戚とあるいは学校の遠足で手取遊園へ遊びに行った。


写真:粟崎遊園の絵地図(はんこ工房から引用)

2022年1月15日土曜日

めった汁

テレビアニメの「舞子さんちのまかないさん」で,郷土料理の紹介リストに,石川のめった汁という言葉が出てきた。めった汁は全国に通用する普通名詞ではないのか。小学校の給食では定番のメニューだったが,そういえば,この50年ほとんど聞いたことがなかった。

めった汁ってどんなものと聞かれて返事に困った。普通に自宅の晩ご飯にでてくる豚汁と同じもので,野菜やいもが沢山入ったみそ汁だ。早速確認すると,農林水産省の「うちの郷土料理」というサイトには石川県の郷土料理として採用されており,次のような定義があった。「めった汁とは,さつまいもや大根、人参といった根菜類を使った具だくさんの豚汁のこと。従来の豚汁と異なるのは,じゃがいもではなくさつまいもを使う点にある」。

この農水省サイトは親切なので,著作権表示をすれば画像コンテンツを比較的自由に利用できる。下記写真の画像提供元は青木クッキングスクールだが,うーん,微妙に具が大きすぎて違う気がする。むしろ,いつもの夕食に出てくる豚汁の方が,追想/幻想の「めった汁」に近い。


写真:めった汁(出典:農林水産省Webサイト

P. S.  うちの郷土料理のページはよくできている。石川県,福井県,奈良県,京都府,宮城県など27府県分はあるが,富山県,大阪府,兵庫県,静岡県,東京都など20都道府県分は未作成で,令和3年度末にできることになっているけれど,間に合うのかしら。

2020年1月10日金曜日

カニカマ

NHKの「所さん!大変ですよ」でカニカマ特集をやっていた。カニカマ製造機がうつるというので,カニカマを1972年に始めて開発した石川県七尾市のスギヨかなと思っていたら,山口県宇部市のカニ風味蒲鉾製造機で世界70%のシェアを持つヤナギヤが映った。ヤナギヤは,フィッシュスティック型のカニカマを最初に作った広島県広島市の大崎水産からカニカマの機械製造の許可をもらって,カニカマ製造機を開発したようだ。

いまではカニカマ=スリミ(surimi)の最大の消費国はフランス(ついでスペイン)で,最大の生産国はリトアニアだ

スギヨといえば,小学校5年生のときの修学旅行で,海水浴場で有名な柴垣の海岸から羽咋市の気多大社能登金剛(巌門)をまわって(このへんの記憶は曖昧),七尾にあるスギヨの工場を見学した。おみやげに出来立てのビタミンちくわをもらった。昼食は小丸山城趾公園で,おばあちゃんが作ってくれたタケノコご飯といっしょにちくわを食べた。これが生涯で一番おいしかった竹輪である。当時は実家の新築工事中だったので,実家から500mのところにある寺町のおばあちゃんのうちに疎開していたのだった。おばあちゃんはちくわがおみやげにならなくて残念そうだった。


写真:スギヨのビタミンちくわのページから引用