近所にある水上太陽光発電所の資本関係が変更されるということで,近隣住民向けの説明会の案内が届いた。暇なので,ちょっとどんなものか偵察に出かけてみた。
開始5分前に近所の住民会館に到着すると受付は一番乗り。20席ほどの一番前に座るように促された。説明側のテーブルには4名ほどならんでいる。開始時間になって参加者が5名ようやく集まったが,どうやら体裁を整えるために出席するよう市から依頼された近隣自治会役員といった風情である。
印刷されたPowerPoint資料(27p)に基づいて説明が始まった。マイクもプロジェクターもなし。事業計画概要,発電所概要,事業の影響と予防措置,変更事項(株主変更)がさらさらと読み上げられて15分で片づいてしまう。予定では1時間の説明会となっていたけど。最前列は自分だけだったので,穏やかな笑顔の座長からそっと質問を促された。「本題とは関係ないのですが,この規模の発電設備でどのくらい収入がありますか」と尋ねた。どうやら企業秘密だとのことでしばらくモゴモゴしていたけれど,結局3000万程度だという返事をいただいた。
さて,問題の水上太陽光発電所は,出力973kW,賃貸契約土地面積2万9千㎡,パネル3700枚,フロート10600式,産業廃棄物総計150t程度の規模である。そう言えば,現地の宣伝パネルに250世帯の1年分の電力をまかなえるとあったので,一世帯の年間電気代を12万円とすれば3000万円という推定ができる。まあそんなものだろう。株主総会ではないので財務諸表は出てこない。採算が取れているのものなのかどうかはよくわからない。
水上太陽光発電.comのため池でどれぐらい発電できるの?というページ等によれば,次のようなことがわかった。
・日本にあるため池の数は20万ヶ所,4481㎢である(1ヶ所平均2.2万㎡)。
・水上太陽光発電に使えるのは上記の10%,448㎢
・パネル出力は1㎡あたり0.08kWなので,1ヶ所1760kW,全国で38GW(計算では36GW?)。
・実際の太陽光発電所の出力合計は,70GW(Perplexity調べ)。ほんとかな。
・稼働可能な原子力発電所の出力合計は,全国33ヶ所33-36GW(ChatGPT調べ)。ほんとかな。
片道30分の散歩コース圏内には,ため池が20ほどあって,このうち太陽光発電所があるのが2ヶ所だ。この他に田んぼや空き地などに小規模な太陽光発電所が10ヶ所ほどあり,2つの水上太陽光発電所と同じくらいのパネル数になりそうである。したがって太陽光発電所の出力合計70GWの半分の36GWが水上太陽光発電所だというのは,妥当な推計のようにと思われる。
写真:ため池太陽光発電所の例(大和郡山市625kW,ため池ソーラ社から引用)