2025年7月22日火曜日

第27回参議院議員通常選挙(2)

第27回参議院議員通常選挙(1)からの続き

3年前(2022年)の参議院選挙で,参政党は選挙区45名,比例区5名の計50名の候補者を出して,神谷宗幣の1議席を獲得した。その当時は,幸福実現党,ごぼうの党,日本第一党,新党くにもり,維新政党・新風,ファーストの会など10名-12名の候補者を立てた有象無象の諸派と同じグループの極右カルト政党だった。彼らには大量候補者を立てる資金力があったことだけが他党とは異なっていた(いまみるとごぼうの党の政策のほうがよほどましだった)。

今回の参政党は比例区に10名候補者を出して比例得票数で第3党になってしまった。神谷と併せ参議院議員が15名。選択的夫婦別姓はもう無理だとの声が聞こえてくる。テレビには熱狂な支持者の群れと若年層の肯定的なコメントが溢れていた。まあ,政治的なブームというのはいつもこんなものかも知れない。
比例代表
1.自由民主党  1281万票 21.6%
2.国民民主党    762万票 12.9%
3.参政党      743万票 12.5%
4.立憲民主党    740万票 12.5%
5.公明党      521万票   8.8%
6.日本維新の会   438万票   7.4%
7.れいわ新選組   388万票   6.6%
8.日本保守党    298万票   5.0%
9.日本共産党    286万票   4.8%
10.チームみらい   152万票   2.6%
11.社会民主党    122万票   2.1%
12.NHK党       68万票   1.2%

選挙区
北海道:[自・立・自]_参:田中義人53(12.8%)
青 森:[立]_自・参:加藤勉65(16.7%)
岩 手:[立]_自・参:及川泰輔46(18.5%)
宮 城:[立]_自・参:ローレンス綾子55(17.9%)
秋 田:[無]_自・参:佐藤美和子65(13.1%)
山 形:[無]_自・参:佐藤友昭52(12.5%)
福 島:[自]_立・参:大山里幸子51(21.5%)
茨 城:[自]_参・立:桜井祥子41(24.8%)
栃 木:[自]_立・参:大森紀明54(22.1%)
群 馬:[自]_参・立:青木ひとみ44(31.5%)
埼 玉:[自・国・立・参]_公:大津力53(13.6%)
千 葉:[国・立・自]_参:中谷めぐ43(14.3%)
東 京:[自・参・国・公・国・共・立]_維:さや43(9.6%)
神奈川:[立・国・自・参]_公:初鹿野裕樹48(12.7%)
新 潟:[立]_自・参:平井恵里子46(19.0%)
長 野:[立]_自・参:竹下博善42(18.4%)
山 梨:[国]_自・参:永田己貴55(17.1%)
富 山:[国]_自・参:田保智世59(12.5%)
石 川:[自]_国・参:牧野緑40(12.5%)
福 井:[自]_国・参:千田崇裕39(12.5%)
岐 阜:[自]_立・参:瀬尾英志40(23.4%)
静 岡:[国]_自・参:松下友樹41(17.2%)
愛 知:[国・立・参・自]_公:杉本純子47(14.9%)
三 重:[立]_自・参:難波聖子45(24.2%)
滋 賀:[自]_国・維・参:中田あい46(17.8%)✓
京 都:[維・自]_共・参:谷口青人46(12.0%)
大 阪:[維・維・参・公]_自:宮出千慧40(12.1%)
兵 庫:[無・公・自]_維・参:藤原誠也37(10.3%)
奈 良:[自]_国・維・参:黒川洋司53(13.5%)✓
和歌山:[無]_自・参:林元政子51(19.8%)
鳥取島根:[自]_国・参:倉井克幸42(15.4%)
岡 山:[自]_立・参:広森志穂34(24.0%)
広 島:[自・立]_参:小石美千代56(21.3%)
山 口:[自]_参・国:山崎珠江47(22.5%)
徳島高知:[無]_自・参:金城幹泰43(20.4%)
香 川:[国]_自・参:小林直美51(14.5%)
愛 媛:[無]_自・参:原田慎太郎35(20.4%)
福 岡:[自・参・公]_国・立:中田優子35(16.6%)
佐 賀:[自]_立・参:下吹越優也32(18.5%)
長 崎:[自]_国・参:黒石隆太33(16.9%)
熊 本:[自]_立・参:山口誠太郎36(24.6%)
大 分:[立]_自・参:野中しんすけ38(20.1%)
宮 崎:[立]_自・参:滋井邦晃43(20.0%)
鹿児島:[無]_自・参:牧野俊一39(23.8%)
沖 縄:[無]_自・参:和田知久65(19.5%)
驚くことに参政党は選挙区で6名も当選している。選挙区の当選者+1-2のリストの内訳は,自(47),参(45),立(24),国(18),公(7),維(7),その他だ。当選者+1-2の範囲から参政党がはみ出た例外は滋賀県と奈良県だけ。図にあるような若年層の動向をみれば,これがそう簡単な一時的ブームといえるのかどうか。


図:かなりショックな年代別の比例投票先(NHKから引用)

2025年7月21日月曜日

第27回参議院議員通常選挙(1)

最近は期日前投票に行くことが多かったけれど,よく考えると特に用事がなければ地元の投票所でいいわけだ。ということで,7月20日朝7時頃を目指して自転車で小学校に向かう。

以前は,もう少し近くの自治会館が会場だった。それがよくわからない理由でいつの間にか校区の小学校に変更された。そのため投票所の面積が体育館くらいの広さから,小学校の玄関脇にある普通教室の半分くらいの面積の小部屋になってしまった。何だか狭いことこの上ないけれど,人口6万人に31投票所があるので,平均1800人の有権者,つまり毎分平均2.5人を捌けばいいので,こんなものかもしれない。

さて,朝6時55分に小学校の玄関につくと,すでにお爺さんが一人待っているので,自分は2番目のお爺さんだ,そうこうしているうちに後に3人の老人が続いた。ここで,時間になって玄関が開場された。一番目の人は投票箱の確認業務があるので(自分もむかし自治会館の投票所でやったことがある),ちょっと待ってくださいと,中が見渡せる投票部屋の入口で一時停止していた。

係の人は入口前整理1名,選挙区担当2名,比例区担当2名,投票立ち会い人2名くらいだった。投票済み証明書はどこにも,気配もなかった。帰りに入口の注意事項が目に入った。許可のないスマートフォンの使用はダメですというようなことが書いてある。まあそうだろう。

今回の選挙で気分が勝れないのは,参政党と国民民主党がずいぶん伸びそうなこと。なおかつ日本保守党やチームみらいまでおこぼれの議席を獲得しそうなこと。自民党および高齢化を続ける公明党と共産党は沈んでいく。若者の投票率は高そうだ。比例では若者の2割が国民,2割が参政を支持している。これが民主主義だというならばそうなのだろう。外山恒一は正しかった。


図:ChatGPT 4o が考えているちょっと微妙な投票所のイメージ

2025年7月20日日曜日

パデ近似(2)

パデ近似(1)からの続き

そんなわけで,$\displaystyle f(x) = \sum_{k=1}^\infty c_k x^{(k-1)/2}$として,同じようなことをすれば,$\sqrt{x}$を含んだ関数近似$f(x) = a(x)/b(x)$ ができるのではないかと考えた。

$f(x) = c_0 + c_1 \sqrt{x} + c_2 x + c_3 x\sqrt{x} + c_4 x^2+ c_5 x^2 \sqrt{x} + c_6 x^3 + \cdots$
$a(x) =  a_0 + a_1 \sqrt{x} + a_2 x + a_3 x\sqrt{x} + a_4 x^2+ a_5 x^2 \sqrt{x} + a_6 x^3 + \cdots$
$b(x) =  1 + b_1 \sqrt{x} + b_2 x + b_3 x\sqrt{x} + b_4 x^2+ b_5 x^2 \sqrt{x} + b_6 x^3 + \cdots$

$a(x) = b(x) f(x) $ の両辺の係数を比較すると,
$x^0 \quad$: $a_0 = c_0$
$\sqrt{x}\ \ $: $a_1 = c_1 + c_0 b_1$
$x^1 \quad$: $a_2 = c_2 + c_1 b_1 +  c_0 b_2$ 
$x^1 \sqrt{x}\ $: $a_3 = c_3 + c_2 b_1 +  c_1 b_2 + c_0 b_3$
$x^2 \quad$: $a_4 = c_4 + c_3 b_1 +  c_2 b_2 + c_1 b_3 + c_0 b_4$
$x^2 \sqrt{x}\ $: $a_5 = c_5 + c_4 b_1 +  c_3 b_2 + c_2 b_3 +c_1 b_4 + c_0 b_5 $
$x^3 \quad$: $a_6 = c_6 + c_5 b_1 +  c_4 b_2 + c_3 b_3 +c_2 b_4 + c_1 b_5 + c_0 b_6$


ここで,$f(x)=\log(1+x) = x -x^2/2 + x^3/3$として($c_0=c_1=c_3=c_5=0$),
$a(x), b(x)$を$x\sqrt{x}$まで取ってみると,うまくかない。逆行列が作れず解なしになってしまう。しかたがないので,上の式を$c_8 x^4$まで拡張してようやく,$b_1=0, b_2=1, b_3=0, b_4=6$と,$a_0=0, a_1=0, a_2=1, a_3=0, a_4=1/2$が得られた。

なんのことはない,$\displaystyle f(x) = \dfrac{x+x^2/2}{1+x+x^2/6}$ で$\sqrt{x}$が含まれないものだった。チーン。

(注)これはChatGPTにも注意されたところだけれど,もとの問題 $\log(x)$ ではない。級数展開係数が簡単な $\log(1+x)$ で確認しようとしたものだ。$c_6 x^3$まででうまくいかなかったのは,($c_k$にゼロが多くて)係数を決めるための条件が足りないからといわれた。

2025年7月19日土曜日

パデ近似(1)

中嶋慧さんが,SNSで logの近似式についてリツイートしていた。log x = 6 (x-1)/(1+x+4√x) というものだ。見たことなかった。


図:Mathematicaで Log[x]とf[x_] := 6 (x - 1)/(x + 1 + 4 Sqrt[x]) を計算

その説明でパデ近似と関係があるようなニュアンスを見かけた。パデ近似はよく耳にしているけれどちゃんと勉強したことはない(あるいはきれいに忘れてしまったか)。


ある関数 $f(x) = c_0 + c_1 x + c_2 x^2 + \cdots  + c_{m+n}x^{m+n}+ \cdots , c_k=\dfrac{f^{(k)}(0)}{k!}$ を 有理多項式$P_{m,n}(x) = \dfrac{a_0+a_1 x + a_2 x^2 + \cdots + a_m x^m}{1 + b_1 x + b_2 x^2 + \cdots + b_n x^n}$で近似するのがパデ近似だ。
$P_{m,n}(x)^{(k)}(0) = f^{(k)}(0), \quad (k=1,\cdots, m+n)$が成り立つように $P_{m,n}$ を定める。つまり,$f(x)$と$P_{m,n}(x) $が,$x=0$におけるテイラー展開の$m+n$次まで一致するということだ。係数全体を定数倍してもパデ近似は不変なので,$b_0=1$とする。

つまり,$c_k, \ \ (k=0,\cdots , m+n)$が与えられているときに,$a_i, \ (i=0, \cdots m)$  $b_j, \ (j=1, \cdots n) $ を求めるという問題だ。そこで,

$\dfrac{a_0+a_1 x + a_2 x^2 + \cdots + a_m x^m}{1 + b_1 x + b_2 x^2 + \cdots + b_n x^n} - (c_0 + c_1 x + c_2 x^2 + \cdots  + c_{m+n}x^{m+n} ) = $
($x$の$m+n+1$次以上の多項式X) 

$a_0+a_1 x + a_2 x^2 + \cdots + a_m x^m =$
$ (1 + b_1 x + b_2 x^2 + \cdots + b_n x^n )( c_0 + c_1 x + c_2 x^2 + \cdots  + c_{m+n}x^{m+n}) -$
 ($x$の$m+n+1$次以上の多項式Y)

ここで,両辺について$x$の$m+n$次までの係数比較から,
$\displaystyle  a_k = \sum_{i=0}^k c_i b_{k-i} \  (k = 0 , \cdots,  m+n) $ ,ただし,$  a_j =0 \ (j>m), \  b_j = 0 \ (j > n) $

$a_j=0$となる式が $m+n-m=n$本あって,未知数の$b_j$が$n$個あるので,この連立方程式を解けば,$n$個の$b_j$ がすべて求まる。これを使って,$a_1 \cdots a_m$ が定まる。



2025年7月18日金曜日

Japan DashBoard

7月10日,内閣府とデジタル庁が「Japan Dashboard(経済・財政・人口と暮らしに関するダッシュボード)とデータカタログ」を公開した。
普通だと,ダッシュボードのトップページへのリンクがあって,そこにアクセスして話が進んでいくようなものだけれど,デジタル庁の該当ページは何だか面倒なことになっていた。
1.指標の分類
2.Japan Dashboard
 ・指標のデータをみる
 ・1つの指標を都道府県ごとにみる
 ・2つの指標の関係性をみる
 ・4つの指標の推移を並べてみる
3.データカタログ
 (1) 1つの指標のデータをコピーして利用する
 (2) 複数の指標を一括ダウンロードする
4.関連資料
 (1) Japan Dashboardの見方と操作方法
 (2)「見える化」ポータルサイトのリニューアル方針
5.留意事項
この目次がいきなり登場するということは,ここがダッシュボードなのか?ここは単なるお知らせのページではなかったのか?わからない。あわててリンク先の内閣府のページに行くと内閣府側のまったく同じものに誘導された。わかりにくすぎる。とにかく,
691の指標を7つの大分類と62の中分類に分けて整理しています。
人口:人口、婚姻・出生、高齢者割合等
経済:県内総生産、就業・労働、所得・課税等
教育:学校数・教員数、学校のICT環境等
社会保障:医療体制、医療費、検診受診率等
暮らし:安全、居住等
社会基盤:社会基盤
地方財政:基金、歳出・歳入等
について,都道府県別のデータ,2つの指標の相関と年次推移,4つの指標の比較などが上記の事例から選んで試せることだけがわかった。遊んでいるうちに思わぬ発見をするかもしれない。それにしても面倒だ。AI チャットボットに対話的に依頼するシステムにしてほしい。



図:Japan Dashboard で扱われるデータ項目一覧

2025年7月17日木曜日

オープンファクトリーマップ

1953年,日本でテレビ放送が始まった年に生まれたものだから,テレビが自分の情報源として身体に組み込まれてしまっている。困ったものだ。見るのはNHKとNHK Eテレと放送大学とBSの韓国ドラマが中心だ。報道番組ではBS-TBSの報道1930がかろうじて見ごたえがある。

NHKの夕刻のローカル番組ならナビで,奈良県のオープンファクトリーマップがとりあげられていた。オープンキャンパスの工場版?ちょっとちがうか。
オープンファクトリーとは、簡単に言うと、工場を一般の人々に開放し、モノづくりの過程を見学したり、体験できるイベントのことです。従来は、個々の企業が自社の工場見学を実施することが一般的でしたが、近年では、地域全体の活性化を目指して、複数の企業が共同でイベントを開催する「地域一体型オープンファクトリー」が盛んになっています。
これをマップアプリ上に展開したものがこれ。これがどんなシステム上で作られているかというと,プラチナマップというデジタルマッププラットフォームだった。事例紹介をみると,観光案内(金沢旅物語もあった)やMaaS仙台MaaSとか)などが中心であり,奈良県のようなオープンファクトリーはちょっとめずらしいのかもしれない。近畿圏全域のオープンファクトリーマップのネットワークにして,初等中等教育に活用できるとおもしろそうだ。


図:奈良県オープンファクトリーマップのトップページ

[1] 企業博物館(Wikipedia)

2025年7月16日水曜日

体温パリティ

身体の右側と左側で体温が違うって知っていましたか。

保育所でときどき発熱してママに連絡が行く風葉ちゃんだけれど,左38.0℃で右38.9℃だといわれたらしい。えっ体温は左右非対称なのか。熱力学はパリティ非保存ってことか。

ママの妹の看護師によれば,普通にあるあるの話らしい。自分は左腋窩でしか測らないので,左右非対称とか考えたこともなかった。口,肛門,耳内など場所によって違うということまではわかっていたけれど。

AIに聞いてみたら,もっともらしい説が返ってきた。身体の左側で測ったほうが高い場合が多いというデータがあるという。なぜならば,心臓の側の血流量が多いので左の体温が高いとかいうわけだ。ところが風葉ちゃんのいとこの紡木くんも,左37.6℃,右38.3℃で右側が高い。やはり当てにならないAIだ。



図:体温パリティのイメージ(ChatGPT 4oによる)

2025年7月15日火曜日

選択的夫婦別姓制度(2)

サザエさんからの続き

先日のNHKのニュースウォッチ9で,参院選がらみの選択的夫婦別姓制度が取上げられていた。前半は大阪・関西万博2025での外国人観光客へのインタビューで,各国夫婦の名前が違うとか,そもそも苗字がないとかいろいろだ。そういえば,昔ミャンマーからの留学生が研究室にいたが,彼女も苗字はないといっていた。夫婦別姓の中国人の賢い子供が,日本の同姓強要システムについてどう思うか問われ,それぞれの国の伝統や文化があるのだから,それに従えばよいと答えていた。

後半は,妻の意思を尊重して名前を変えるのが大変だった経営者の夫の話と,子供時代の自分の境遇から家族の名前の一体化がとても大事だという信念を持った女性の話で,男女それぞれから意見を聞きましたという構成になっていた。後者の論理は,子どもにとっては強制的だという藁人形論法と,私の知り合いで旧姓を使用してがんばって活躍できている人が沢山いますという友達います論法だった。そもそもNHKが世論調査項目を変えたことで,旧姓使用範囲拡大派の勢いを増してしまった。

芦田宏直の教育論はうなずけるところが多いのだけれど,その根拠となる家族論になるとどうなのだろうか。Facebookで次のように語っている。
「選択的夫婦別姓問題について。女性に不利という場合の不利は、制度をいじらなくても政策的にどうにでもなるので、大した問題ではないが、「〈家庭(家族)〉も個人の集まり」という意味での選択的夫婦別姓主張には、私は反対。
〈家庭(家族)〉まで近代化してどうするというのだ。〈家庭(家族)〉というのは、もともと反社会的なものだ。〈家庭(家族)〉は、社会的な評価や〈契約〉によってまとまっている集団ではないのだから。」
まあ,制度がそのままでは政策的にどうにでもならないからこうなっているわけだけれど,自分も政治的なバイアスが強すぎて(それ自身は間違っていないのだが),家族とか名前の問題を本質的なレベルで十分に考えていなかったかもしれないと少しだけ反省した。

そこで,ChatGPT 4oのReseach に次のように聞いてみた。
Q(koshix):
自分にとって,日本における氏(うじ),姓(かばね),本姓,姓(せい),名字,苗字などの定義や用法が混乱しています。そこで,この人の名前という重要な問題について歴史的な経緯と定義を時代を追って整理した上で,現代の法律的な表現と位置づけについて正しく定義して,できるだけわかりやすく理解できるように教えてください。なお,江戸時代以前で苗字がなかった人々に対する名前の命名方法なども含めて,すべての階層の人民についての議論をお願いします。できれば,社会経済学的な背景や,哲学的な裏付け,家族とは何かという本質論も踏まえていただければありがたいです。
Q(koshix):
1. 歴史的変遷と経済社会学的な意味と哲学的考察を中心にお願いします。 2. 歴史的変遷については古代から明治までの経緯を丁寧に追ってください。 3. 報告書スタイルでお願いします。

その結果得られたのが,日本人の氏名制度の歴史的編成だった。なかなかためになった。

もう一つはこれ。
Q(koshix):
世界の各民族/各国で人の名前が姓+名で構成されているのはなぜですか。姓の構成原理やあるいはミドルネームの意味は何ですか。哲学的・社会学的・経済学的な観点でその本質が何なのかを理論的・原則的に分析してください。




2025年7月14日月曜日

jReadability

量子コンピュータからの続き

放送大学の数理・データサイエンス・AI講座をみていたら,自然言語処理の話の中で,jReadability というウェブアプリが紹介されていた。ICT・AI・言語教育の科研グループが開発しているもののようだ。

日本語学習者向けのもので,日本語文章難易度判定システム(jReadability,難易度6段階判定),日本語学習者作文評価システム(jWriter,到達レベル5段階判定),日本語教育語彙集(JEV,18000語),機能後用例文データベース(はごろも)の4つのシステムから成り立っていて自由に使える。

早速,自分のブログテキストを日本語文章難易度判定システムに入れてみた。400字から1000字のテキストを受け付けるようになっている。「可視化機能を使用する」にチェックをいれると,ワードクラウド,語彙ネットワーク,意味階層図を出力してくれる。標準だと,テキスト情報,テキスト詳細,語彙リストが出てくる。

さて,「量子コンピュータ(13文,962字,229異形態素)」のリーダビリティは2.75であり,中級後半(ややむずかしい)となった。いいのか悪いのか。ひらがなが半分,和語が2/3で漢語が1/3,普通名詞が1/3で助詞助動詞が1/3。



図:ワードクラウドの結果

2025年7月13日日曜日

量子コンピュータ

量子超越性からの続き

量子コンピュータは日経新聞で時々話題の薪に火をくべられているが,話半分耳日曜で受け流している。そんな簡単に実用化レベルにはならないだろうと思っているからだ。

ところがここに来て,かなり重要な論文が2編公開されて,ちょっとだけバズっている。一つは,阪大基礎工の藤井啓祐さんのグループ,もう一つは京大基研の森前智行さんのグループによるものだ。

(1) Efficient Magic State Distillation by Zero-Level Distillation(T. Itogawa, Y. Takada, Y. Hirano, and K. Fujii)
量子コンピュータの最大のネックは準備した量子ビットが,環境との相互作用で量子回路による制御からはずれた状態に遷移して計算上のノイズになってしまうことだ。このため,1つの安定した論理量子ビットを構成するためにその数百倍を超える物理量子ビットが必要になってしまう場合もある。これが誤り耐性を持つ量子計算の問題である。

このためには普通「マジック状態」と呼ばれる特別な量子ビットを用意する必要があるが,そのための新しい方法を開発し,必要な計算機資源を従来より2桁減らすことができることを示した。これは量子コンピュータ実現への大きなステップだと考えられる。

(2) Cryptographic Characterization of Quantum Advantage(T. Morimae1, Y. Shirakawa, and T. Yamakawa)
量子コンピュータは,「古典コンピュータではすごく時間がかかるけどが量子コンピュータならすぐできる」ようなタスクを解ける=量子超越性を持つとされる。その例として量子コンピュータでは通常の計算機では手が出ない複雑な暗号が簡単に解けてしまうこと=暗号の安全性があげられた。しかしながら,これらの関係は必ずしも正確に定義されていたわけではなかった。

この論文では,量子計算の優位性という物理学と計算機科学にまたがる壮大なテーマに対し,一方向パズルというものを媒介として,ある種の暗号の安全性とある種の量子優越性の存在が必要十分条件で結ばれることを厳密に証明することに初めて成功した歴史的な業績と見なせる。



図:中性原子方式の量子コンピュータのイメージらしい(ChatGPT 4oから)


2025年7月12日土曜日

トランプからの手紙(3)

トランプからの手紙(2)からの続き

相互関税率の通知に係わる7月9日付のトランプからの手紙の第2弾が,Truth Socialで公開されていた。時間的な余裕はあったけれど,NHKの朝7時のニュースではまだ取上げられていなかった。誤表記や誤発音などの単純編集ミスは多いのに仕事が遅いNHK。

  15 フィリピン 20%(17%)
  16 ブルネイ 25%(24%)
  17 モルドバ 25%(31%)
  18 アルジェリア 30%(30%)
  19 イラク 30%(39%)
  20 リビア 30%(31%)
  21 スリランカ 30%(44%)
  22 ブラジル 50%(10%)

相変らず出鱈目のような気がする。ブラジルは,現在訴追中のボルソナーロ元大統領をトランプが支持しているため,アメリカの対ブラジル貿易は黒字なのにもかかわらず,内政干渉のために高額関税をかけることになった。もうなんでもありである。

トランプからの手紙は国名と関税率以外はすべて同じ文章なのだが,ブラジル宛のものは理由が別なので異なる文がついていた。
私は前大統領のジャイル・ボルソナロ氏と知り合い、取引をしたことがあり、彼を非常に尊敬していました。他の多くの国の指導者たちも同様でした。ブラジルが、在任中世界中で高く評価されていたボルソナロ前大統領を、アメリカ合衆国を含む各国から尊敬されていた人物として扱った方法は、国際的な恥辱です。この裁判は行われるべきではありません。これは即刻終了すべき魔女狩りです!

ブラジルが自由な選挙に対する陰湿な攻撃を繰り返し、アメリカ人の基本的な言論の自由の権利を侵害していること(最近、ブラジル最高裁がアメリカ ソーシャルメディアプラットフォームに対し、数百万ドルの罰金やブラジル市場からの追放を脅迫する秘密かつ違法な検閲命令を数百件発行したことが示しています)、2025年8月1日から、ブラジルから米国に輸入されるすべてのブラジル製品に対し、セクター別関税とは別に50%の関税を課します。この50%の関税を回避するために転送される商品は、その高い関税の対象となります。

DeepL.com(無料版)で翻訳しました。 

図:これがブラジルです(ChatGPT 4o による)

Gemini 2.5 Flash DeepResearch調べによれば,2023年度において,
 米国 輸出(2.3%) → 445億ドル → ブラジル 輸入(16% 第2位,中国 22%)
 米国 輸入(1.2%) ← 390億ドル ← ブラジル 輸出(11% 第2位,中国 31%)
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 米国の貿易黒字  55億ドル(≒8000億円)

参考まで(ChatGPT 4o によればですけど,チョと怪しいけど,2023〜2024)
 米国 輸出(2.6%) → 797億ドル → 日本 輸入(20% 第1位,中国 x%)
 米国 輸入(4.8%) ←  1482億ドル ← 日本 輸出(10% 第2位,中国 y%)
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 米国の貿易赤字  685億ドル(≒9兆6000億円)


P. S. 7月10日付けでカナダ宛の手紙も公開された。税率上げる理由はフェンタニル。さらに,7月11日付けでメキシコとEUも。あとは中国(30%)①がどう決着するか。

  23 カナダ  35%(25%)⑦
  24 メキシコ 30%(25%)②
  25 EU   30%(20%)⓪

2025年7月11日金曜日

トランプからの手紙(2)

トランプからの手紙(1)からの続き

SNSで政治するというのも困ったものだけれど,Truth Social におけるトランプの手紙を調べてみた。14カ国(16通,首相に加えて国王など向けが2カ国ある)をポストした時間順に配列すると以下のとおり(カッコ内は4月当初の関税率)。この中で貿易赤字規模が大きいのは,日本と韓国である。それと中国を取り巻くタイ,ミャンマー,カンボジアか。意味あるのかなあ?

  1 日本 25%(24%)
  2 韓国 25%(25%)
  3 マレーシア 25%(24%)
  4 カザフスタン 25%(27%)
  5 南アフリカ 30%(30%)
  6 ラオス 40%(48%)
  7 ミャンマー 40%(44%)
  8 チュニジア 25%(28%)
  9 インドネシア 32%(32%)
  10 バングラデシュ 35%(37%)
  11 セルビア 35%(37%)
  12 カンボジア 36%(49%)
  13 タイ 36%(36%)
  14 ボスニア・ヘルツェゴビナ 30%(35%)

カンボジアは合意したベトナム 20%(46%)ほどではないが,いくぶん前進したのかもしれない。ラオスも若干。あとの微妙な揺れは意味があるのかどうかもよくわからない。

以下に示す4月段階の相互関税率の上位のリストと比較する。番号,国名,当初の関税率,(7/7の手紙の関税率),①,の形式で,丸数字は貿易赤字の順位である。

メキシコ②とカナダ⑦は以下のリストとは別枠になっている。ドイツ④,アイルランド⑤,イタリア⑫,スイス⑬,フランス⑯,オーストリア⑱,スウェーデン⑲,ハンガリー⑳などのヨーロッパ諸国はEUとの関係もあってか手紙には登場しない。

  1 Lesotho   50 %・・・南アフリカ中の最貧国なのにかわいそうなことに。
  2 Cambodia 49 %(36%)⑰
  3 Laos   48 %(40%) 
  4 Madagascar 47 %
  5 Vietnam   46 %(合意済みの20%)③
  6 Myanmar (Burma) 44 %(40%) 
  7 Sri Lanka 44 %
  8 Falkland Islands 41 %
  9 Syria   41 %
  10 Mauritius 40 %
  11 Iraq     39 %
  12 Guyana   38 %
  13 Bangladesh 37 %(35%) 
  14 Botswana 37 %
  15 Liechtenstein 37 %
  16 Serbia   37 %(37%) 
  17 Thailand   36 %(36%)⑪
  18 Bosnia and Herzegovina  35 %(35%) 
  19 China   34 %(現時点で30%…継続中)①
  20 North Macedonia 33 %
  21 Angola   32 %
  22 Fiji     32 %
  23 Indonesia 32 %(32%)⑮
  24 Taiwan   32 %(どうなっているのかな?)⑥
  25 Libya   31 %
  26 Moldova   31 %
  27 Switzerland 31 %
  28 Algeria   30 %
  29 Nauru   30 %
  30 South Africa 30 %(30%) 
  31 Pakistan   29 %
  32 Tunisia   28 %(25%) 
  33 Kazakhstan 27 %(25%) 
  34 India   26 %(報復関税分はどうなった?)⑩
  35 South Korea 25 %(25%)⑨
  36 Brunei   24 %
  37 Japan   24 %(25%)⑧
  38 Malaysia   24 %(25%)⑭



図:2024年アメリカ国別貿易赤字金額([1]より引用)



2025年7月10日木曜日

トランプからの手紙(1)

相互関税(7)からの続き

トランプが,各国に送った手紙をTruth Social にアップロードしている。トップが日本だったので,DeepSeekにOCRしてもらい,DeepLに翻訳してもらった。DeepSeekは中国製にもかかわらず,OCR後に手紙文の問題点を指摘してきた。

Note: The original text contains a typo ("Sincerely" is misspelled as "Sincerely."). If accuracy is required, it should be corrected to "Sincerely,".

普通はカンマで終る Sincerely,(敬具)が Sincerely. (敬具。)になっている。ChatGPT 4oに聞いてみると,こんなコメントがあった。
1.誤用の可能性
ほとんどの場合、これは単純なタイポ(誤記)か、メールクライアントの自動補正ミスです。

2.あえてピリオドを使う場合のニュアンス(珍しいケース)
まれに、"Sincerely." を スタイルとして意図的に使う人もいますが、これは主に以下のような場面に限定されます:

・文学的・創作的な書き方:キャラクターの特徴や文体の工夫として。
・詩的または演劇的な文脈:より重々しく、感情的に響かせたいとき。
あえて距離感や冷たさを演出:カンマではなくピリオドを置くことで、形式よりも切断や終止の印象を与える。 

イメージを拡大してみるとピリオドではなくてカンマだったので,この部分はDeepSeekの思い過ごし(OCRエラー)のようだ。

本文は以下のとおり。大文字による強調部分は太字にした。なお,本文は関税率と国名以外各国共通なので,もったいぶったNHKの解説はあまり意味がない。
ホワイトハウス  
ワシントン  

2025年7月7日  

閣下  
石破茂  
日本国首相  
東京  

親愛なる首相殿:  

この書簡を差し上げることは、私にとって大きな栄誉です。これは、私たちの貿易関係の強さと決意を示し、アメリカ合衆国が、貴国との間で大きな貿易赤字を抱えながらも、日本との協力を継続することを合意した事実を反映しています。しかし、私たちは貴国と共に前進することを決定しましたが、それはより均衡のとれた、公正な貿易を通じてのみです。したがって、私たちは、世界一の市場であるアメリカ合衆国の非凡な経済に参加するよう、あなたを招待します。私たちは、日本との貿易関係について長年議論を重ねてきましたが、日本の関税非関税政策、および貿易障壁によって生じた長期にわたる、非常に持続的な貿易赤字から脱却する必要があると結論付けました。残念ながら、私たちの関係は相互主義から程遠いものでした。2025年8月1日から、日本から米国に輸入されるすべての日本製品に対し、セクター別関税とは別に、(たった)25%の関税を課すことになります。高い関税を回避するために転送される製品は、その高い関税が適用されます。25%という数値は、貴国との貿易赤字の格差を解消するために必要な水準をはるかに下回るものであることをご理解ください。ご存知の通り、日本または貴国内の企業が米国で製品を製造または生産する場合、関税は課されません。実際、私たちは承認を迅速かつ専門的に、通常の手続きで取得できるよう最大限努力します——つまり、数週間で完了するでしょう。 

何らかの理由で貴国が関税を引き上げる場合、その引き上げ幅は、我が国が課す25%に上乗せされます。これらの関税は、日本が長年続けてきた関税非関税政策貿易障壁が、米国に対する持続不可能な貿易赤字を引き起こしていることを是正するため、必要不可欠な措置です。この赤字は、私たちの経済だけでなく、(ホンマに、)国家安全保障にとって重大な脅威です!  

私たちは、今後何年にもわたって貴国の貿易パートナーとして協力することを楽しみにしています。もし  貴国がこれまで閉鎖されていた貿易市場を米国に開放し、  関税非関税政策、および貿易障壁を撤廃する場合、私たちは、おそらく、  
この書簡の内容を見直すことを検討するかもしれません。これらの関税は、貴国との関係に応じて、  上昇または下降する可能性があります。アメリカ合衆国に失望することはありません。  

この件へのご配慮に感謝申し上げます! 

最善の願いを込めて、  

誠実に。

DeepL.com(無料版)で翻訳しました。

図:Sincerely, だったトランプの手紙(Jul 08, 2025 at  1:18 AM)の末尾

トランプのきまぐれによって経済合理性は翻弄されて,不確実性は減らないままに延々と続きそうだ。

P. S. 14カ国のメールを公開したのに続いて,Truth Social で付加されたトランプのメッセージ(Jul 08, 2025 at 11:45 PM)。

昨日、各国に送付された書簡に加え、本日、明日、および今後短期間にわたり送付される書簡においても、関税は2025年8月1日から課税開始となりますこの日付に変更はありませんし、今後変更されることもありません。つまり、2025年8月1日からすべての支払いが期限となり、支払いが義務付けられます。延長は一切認められません。この件へのご協力に感謝申し上げます!

2025年7月9日水曜日

10大公約

ボートマッチからの続き

テレビから聞こえてくる各党の公約や討論は聞いていてもほとんど生産性に欠けるので,避けるようになってしまった。この程度ならば,AIに考えてもらった方がマシなのではないかと思ってしまう。人類滅亡の道への第一歩だ。まあ各党や省庁で実は案外使っているのかもしれない。基本コンセプトと入力データと制約条件さえしっかりしていればある程度の結果は出せるような気がする。それをカスケードで詳細化すればいいわけじゃない。

Q(koshix):
あなたは日本に新しく誕生した政党の党首です。その政策の基本は,世界を視野に入れた合理的でかつ多様性=人権に配慮したものであり,日本固有の文化を大切にしながらも人口減少に対抗するために世界に窓を開き,教育や科学やテクノロジーを重視して経済の持続的な発展と世界への貢献をめざすものです。

この基本方針の下に,日本の人々の経済格差の解消をめざして,安全で安心な社会を持続的に構築するための10の具体的な選挙公約とこれを実現するための戦略を考えてください。その際に,現在の日本社会の諸課題を十分に分析しそれを踏まえたものを提案してください。

A(ChatGPT o3):
コンテキストと前提条件
人口動態の危機:2024年の出生数は68万6,061人と、統計開始以来初めて70万人を割り込み、合計特殊出生率は1.15まで低下しました。
経済格差の固定化:相対的貧困率は16%と OECD 平均を上回り、特に働く貧困層と高齢者に集中しています。
不安定就労の拡大:雇用者の37.1%が非正規で、女性では53.2%に達します。
デジタル競争力の遅れ:IMD 世界デジタル競争力ランキングで日本は31位にとどまります。
エネルギー転換の遅滞:2023年度の非化石電源比率は19.3%にすぎません。

これらを踏まえ、党の理念――「多様性と人権への尊重を基盤に、日本文化を守りながら世界に開かれた科学技術立国を再興し、持続的成長と格差縮小を両立させる」――の下で、次の10大公約を掲げます。

(以下タイトルのみ列記,内容,ロードマップ,まとめなどすべて略)
1.子ども・ケア給付 Future Guarantee
2.最低賃金1,500円&非正規ゼロ転換プログラム
3.MySkill 5.0 ― パーソナル学習口座
4.Gateway 2035 ― 移民・グローバル人材政策
5.分散型スマートリージョン計画
6.グリーン×原子力ブレンド 50%電源革命
7.空き家リファイナンス&家賃バウチャー
8.公共・予防ヘルス 2.0
9.公正な税・財政リセット
10.参加型テック・デモクラシー

いきなり子ども全員に毎月30万円とか提案してきた。47兆円/年かかるけどおまえは参政党か。最低賃金1500円は社会民主党か。5年ごとの10万円学習バウチャーは日本維新の会か。エネルギー政策は自民党,「マイナカードを国民投票・地方住民投票に活用し、AI が中立的に論点整理する「市民討議 AI アゴラ」を常設」,ははーんチーム未来の回し者だな。

ちょっと思ったものではなかったのでやり直してもらうことにする。なお前段には推論型のChatGPT o3 を用い,後段はその結果をふまえつつ普通のChatGP 4o にスイッチしていることに注意する。

Q(koshix):
たいへん結構な政策だとは思いますが,日本の危機的な財政赤字のことが考慮されておらず,予算的な裏付けがありません。また,女性の社会的な地位が世界的にみて非常に劣悪な状態にあって,選択的な夫婦別姓ですら実現していないという現実を見る必要があります。合計特殊出生率の劇的な改善は無理であって,育児環境の整備による出生率減衰緩和とともに,外国人労働者とAIロボット労働で補完することを真剣に考えなければならないと思います。これらの点を踏まえて,再度具体的な十政策を検討してください。

A(ChatGPT 4o)
ご指摘の通り、現実の日本社会は次の3つの「構造的制約」に直面しています。これらを直視せずに「理想的な福祉国家モデル」を描いても持続可能性を欠くため、現実の構造に即し、実効性と財源裏付けのある持続可能な政策パッケージを再構築いたします。


構造的制約の確認と再定義

制約 現状分析 政策上の含意
財政赤字の深刻化 国債残高1,200兆円(対GDP比260%超)
プライマリーバランス赤字継続 「新規歳出=新規税源 or 支出改革」の原則を徹底
女性の社会的地位の低迷 男女平等指数(WEF)で日本は146か国中118位
賃金格差、政策決定層での不在 「ケア責任の共有」「家族法改革」「女性主導政策」の明示的導入が必要
出生率1.2前後での人口縮小不可避 合計特殊出生率のV字回復は困難 「育児支援=持続的減衰緩和」+「移民・AI活用」=現実的戦略が必須


改訂版:持続可能な包摂社会を実現する10の政策

1.男女平等社会基本法と「選択的夫婦別姓」即時導入
内容:夫婦別姓を民法改正により2026年度から認める。企業のジェンダー格差報告義務を課す。
戦略:G7基準の女性役員比率(30%以上)を公的調達条件に導入。ジェンダー不平等はGDP損失要因と位置づけ。
2.「子育て=社会的インフラ」再定義:育児共助支援制度の確立
内容:認可外保育にも保育士資格者を配置し、全保育所への補助を需要連動型に転換。パパ育休取得率50%を義務化。
財源:児童手当の所得制限撤廃分と入れ替え(再配分強化)。厚労省・文科省予算の重複統合で実施。
3.最低生活保障:負の所得税(NIT)導入
内容:年収500万円未満の労働者に年額最大20万円の現金支給。逆進的な消費税の一部を還元。
財源:金融所得課税強化(総合課税+税率引上げ)で年1兆円規模を捻出。
4.AI・ロボット活用による高齢者ケア再編
内容:介護職の補助作業の60%をAI/ロボットで代替可能とし、介護報酬に連動。
戦略:ロボット減税と認証制度(CareTech適合基準)で民間投資促進。
財源:医療費自然増の年▲1.5兆円目標で部分充当。
5.外国人労働者の戦略的受け入れ枠の拡大と人権保障
内容:技能実習制度を廃止し、EU型の「就労→永住」パスへ。最低賃金保証、言語教育を義務化。
戦略:移民庁を創設し、日本語教育・居住支援を統合的に管理。地方自治体に「共生ファンド」交付。
6.公的年金の再構築:上乗せ型ベーシック年金制度へ
内容:全員に月額6万円の基礎年金支給+積立部分を明確化(スウェーデンモデル)。
戦略:現行の三号被保険者制度を廃止し、全員加入制へ。年金特別会計の運用見直しで財源安定化。
7.国の歳出構造改革:歳出5%の削減目標(10年スパン)
内容:予算査定に「ゼロベース予算原則」を導入。不要不急の公共事業、非効率補助金を年1兆円ずつ削減。
財源:防衛・公共事業・補助金の再査定+デジタル行政化による歳出圧縮。
8.テクノロジー産業の再興:「公共AI基盤」と半導体国家戦略
内容:日本語AI LLMのパブリック基盤を整備し、教育・行政・医療へ実装。TSMC・Rapidus等の半導体拠点を戦略育成。
戦略:特許優遇税制、起業減税、AI人材1万人育成基金。大学との共同拠点設立で国費の使途を透明化。
9.都市再設計と空き家活用:コンパクトシティ+移民居住支援
内容:中核市に空き家を活用した多世代共居住宅を整備し、移民・子育て世帯に優先供給。
戦略:空き家特措法改正で強制買取制度を導入し、国公認「社会的住宅法人(非営利)」を設立。
10.財政健全化ロードマップの法制化:プライマリーバランス黒字化
内容:2033年度までにPB黒字化を明示的に法制化。財政支出拡大には常に「財源の明示」を義務付け。
戦略:歳出ルールの設定(歳出伸び率は成長率以下)、政府債務とGDPの比率連動モデルの採用。


まとめ:この政策群が目指すもの

短期(2025–2030):社会保障と税の持続可能性を確保しつつ、「女性・外国人・AI」活用による生産性上昇
中期(2030–2040):人口1億人を維持する持続的社会モデルを確立し、格差と社会不安の抑制
長期(2050)成熟国家としての包摂型成長モデル(Inclusive Growth State)を国際標準へ
ご希望があれば、これを選挙ポスター形式(視覚的要約)や新聞用論説文形式でも構成可能です。ご指示ください。



図:この政策が実現したときの日本社会のイメージ(ChatGPT 4oによる)