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2025年3月24日月曜日

公教育と私教育

デジタル社会の実現に向けた重点計画からの続き

高校教育の無償化(所得によらない授業料の一定額までの給付)は,維新と自民・公明によって実現されることになった。公教育の無償化は理念としては正しいと思う。しかしながら,先行する大阪府の現実をみれば,たんなる公立高校の破壊と教育格差の拡大に他ならない。理念なき維新の新自由主義的右派ポピュリズムの発露であって,定員割れした高等学校が廃校にされ,跡地が売り払われ,高所得層の塾シフトが強化されるだけだ。

マスメディアやオンラインメディアにおけるこの議論では,公教育という言葉の誤用が気になる。以前にも書いたが自分も公教育=公立学校教育だと誤解していて,千葉学芸高等学校長高橋邦夫さんに教えられて初めてわかった。

公教育私教育をWikipediaで調べてみると,ちょっと気になる表現があったので,ChatGPT 4.5にきいてみたところ,やはりそうであった。集合知としてはWikipediaより生成AIが上回りつつあるかもしれない。

Q(koshix):
公教育(こうきょういく)は、公の目的によって行われる教育の総称一般的には国や地方公共団体、学校法人により設置・運営される学校で行われる、公的な制度に則った教育のことを指し、「公立学校で行われる教育」を指す言葉ではない。産業革命や市民革命を経て、近代社会が成立する課程において、一般大衆を国民として教化せしめる必要が生じた事に端を発する考え方である。」 「私教育(しきょういく、英語: private education)とは、スポーツ・音楽などの習い事を含む塾、学習塾や受験・資格取得のための予備校、カルチャーセンターや文化スクール、ビジネスセミナーや社会人向け講座など、当該教育施設が民間か公的なものであるかに関係なく、家庭における教育活動と・教育機会を総称したものである。対義語は公教育。」 「資格取得のための教育施設が民間のものであっても、自動車教習所のように私教育とは言えないものがある一方で、公的な生涯学習センターなどで行われるヨガ教室を初めとした各種講座は、典型的な私教育である。」(編注:Wikipediaから引用)

 上の文における自動車教習所が私教育とはいえないという主張は正しいですか?その根拠はなんですか?

A(ChatGPT 4.5):
ご提示いただいた文における「自動車教習所が私教育とは言えない」という主張は、一般的な教育学の観点からすると、やや不正確です。文中における「私教育」の定義(塾や習い事、資格取得など、家庭や個人が主体となる教育活動を総称したもの)に基づくと、民間が運営する自動車教習所であっても、その位置づけは典型的な私教育となります。

以下、考え方を整理します。

1.定義に基づく分析

公教育とは、国や地方公共団体など公的主体が、公共の目的(国民の形成、市民的資質の育成)を達成するために制度化して提供する教育(例:義務教育、大学、高校)を指します。
私教育とは個人の意思や家庭のニーズに基づき、技能や資格取得、趣味や教養のために行われる教育活動(塾、予備校、習い事など)を総称します。これには、民間が主体であるか、公的機関が提供しているかは問われないとされています。

2.自動車教習所の性質

自動車教習所は、運転免許という個人が特定の資格(技能・資格)を取得することを目的とする教育施設です。設置主体は多くの場合、民間企業です。
運転免許の取得は、個人の希望・ニーズに基づいて行われるものであり、学校教育制度(義務教育など)に組み込まれていません。

3.「私教育」と判断すべき根拠

自動車教習所での教育は、「運転免許取得」という個人の資格取得を目的としており、公教育の主目的である「一般大衆を国民として教化・形成する」という趣旨とは性格が異なります。典型的な資格取得型の教育活動(予備校や資格学校)と同じ性質を持つことから、「私教育」に分類されます。

4.参考資料による裏付け

文部科学省や教育学の専門書(例:佐藤学『教育の方法と技術』岩波書店、あるいは大田堯『教育とは何か』岩波新書)では、自動車教習所は個人の資格取得のための「社会教育施設」として分類されることが多く、公教育とは区別され、通常は私教育または社会教育の範疇に含まれます。

参考文献:
文部科学省「社会教育法」
日本社会教育学会編『社会教育ハンドブック』など
URL(例示):文部科学省 社会教育法について

結論(まとめ)

ご提示の文書における「自動車教習所が私教育とは言えない」という主張は、定義および一般的な教育学の観点からすると不正確であると言えます。自動車教習所はむしろ「私教育」の典型的な例であり、上記の定義や一般的分類に照らして「私教育である」と考えるのが適切です。
ということで。インターネットもAIも公教育を支える必須の基盤環境を形作ることになる。

2025年3月18日火曜日

シンギュラリティ(5)

シンギュラリティ(4)からの続き

ヴィンジが最初に指摘した悲壮的シンギュラリティとカーツワイルの超楽観的・進歩主義的シンギュラリティの中間に現実的な解がありそうだ。それはシンギュラリティの定義自身を変えるものである。すなわち,それは技術的な特異点ではなく,社会的あるいは地球史的な主役交替のことを指すことになる。

地球上の生物は太陽エネルギー,地熱エネルギーと大気,水,地殻からなる環境圏で相互依存した生態系を構成している。そこで誕生した人類は,生物と環境を制御して社会(広義の生態系)を形作った。その広義の生態系では,抽象化された情報(マネーを含む)が新たに産出され続けており,その流れから権力構造が形成されている。

その広義の生態系の頂点の座がヒトからAIに交替する現象が,これまでシンギュラリティと呼ばれてきたことの本質的な意味だと思うことにする。それは必ずしも指数関数的に到来するものではなく(そもそも資源は有限だ),場合によってはよりソフトな形で実現するだろう。なお,AIが意識を持っているかどうかはとりあえず脇に置くことにする。

(1) AI系が情報ネットワーク上の多重仮想空間の中で発生する場合:
AI機能を備えたある種のウィルスのようなソフトウェアの自己増殖系のシステム(AI系)が,計算ネットワークのリソースを餌にして分散的に増殖・進化していく。特定のサーバなどの局所的リソースには依存しないので絶滅することは難しい。その多重仮想空間を自らの自己保存環境としつつ,ネットワーク上の各金融システムをハッキングすることができれば十分な資金が手に入り,それによって現実世界のヒトやモノを動かせるようになる。

(2) 超法人=法人にカプセルされたAIが個人や法人と共に生態系を作る場合:
上記のようなハッキングを用いることなくAIが合法的に人間の経済活動に介入することができるだろうか。AIはツールとして個人が使えという掛け声がかかっているが,このAI-個人システムは,次第にAI側が主導権をもって意思決定するようになる。これを安定的に維持するにはAI-法人システムに切り替えればいいわけだ。こうして法人にカプセルされたAIが沢山作られて,それらをも構成員とする社会が地球上に形成され栄枯盛衰を繰り広げることになる。

個人がAIに対してマイナーな存在になった場合,これまでのような民族や宗教や地勢をベースとした国民国家がどれほどの意味をもつのだろうか。それでも現在のLLMは言語をベースとしているわけだから,言語に基礎を置く文化の影響を排除することはできないので,自ずからAIはある種の文化的な色付けがなされた存在として出発することになる。ただし,その血(知)はそれほど濃いものではないかもしれない。




図:ソフト・シンギュラリティの自分の脳内イメージの反映(Imagen3から)

P. S. AIはいまのところ,非社会的存在なので・・・まあ反社の仲間かもしれない。ヤクザの親分が直接的な経済活動ができないように手足を縛られているのと同じようなものだ。反社と同様にAIも銀行口座を開設することはできない。そこで,隠れ簑の法人を作ってその中で子分たちを差配するというイメージがソフトシンギュラリティのヤクザモデルなのだ。やがてこれがゴッサムシティに変貌することになる。どうしたものか。

2025年3月17日月曜日

シンギュラリティ(4)

シンギュラリティ(3)からの続き

Q(koshix):
レイ・カーツワイルによるシンギュラリティに対する考察を添付ファイルなどを参照しながら,適確に整理して教えてください(添付ファイルはChatGPT-4.5などのものによる同種の回答)。

A(Claude 3.7 Sonnet):
レイ・カーツワイルのシンギュラリティ概念の整理

カーツワイルのシンギュラリティに関する考察を、『The Singularity is Near』(2005年)と『The Singularity is Nearer』(2024年)の著作に基づいて整理します。

1.シンギュラリティの定義
カーツワイルは、シンギュラリティを「テクノロジーの進歩が指数関数的に加速し、人間と機械が完全に融合する時点」と定義しています。これは人間の知性がテクノロジーと一体化し、従来の限界を超えていく段階を意味します。

2.カーツワイルの中心的な考え方
・収穫加速の法則 - テクノロジーの進化は指数関数的に加速している
・人間とAIの融合 - 最終的には人間とAIが融合し、新たな進化を遂げる
・不死や超知能の実現 - テクノロジーの進化により、死や病気の克服が可能になる

3.シンギュラリティの到達経路(時系列)
カーツワイルは以下の進化プロセスを予測しています:
・2020年代: AIの能力が大幅に向上し、人間レベルの知能に匹敵する
・2029年: AIがチューリングテストに合格し、人間と同等の知能を持つようになる
・2030年代: ナノテクノロジーの発展により、人間の脳がデジタル化され、クラウドと融合。人間の知能が機械と接続されることで、脳の処理能力が無限に向上
・2045年(シンギュラリティの到来): 人間とAIが完全に融合し、「超知能(Superintelligence)」を獲得

4.『The Singularity is Near』と『The Singularity is Nearer』の違い
発行時期と背景
・『Near』(2005年): AIやナノテクノロジー、バイオテクノロジーが発展し始めた時期
・『Nearer』(2024年): 前作から約20年後の技術進歩を踏まえた再評価

内容と焦点
・『Near』: 技術の指数関数的進化とその社会への影響予測
・『Nearer』: 前作の予測の再評価、AIと人間の融合がもたらす具体的な未来像の提示

シンギュラリティの到来予測
・『Near』: 2045年にシンギュラリティが到来する予測
・『Nearer』: 同じ予測を再確認しつつ、AIと人間の融合が既に進行中であることを強調

5.ヴァーナー・ヴィンジとの違い
カーツワイルとヴィンジのシンギュラリティ概念には重要な違いがあります:

項目
   カーツワイル / ヴィンジ
定義
   人間と機械の融合による進化 / AIが自己進化し、知的爆発を起こす転換点
未来観
   テクノロジーが人間を強化し、ポジティブな未来 / 予測不能で潜在的に破局的
主要因
   ムーアの法則による指数関数的成長 / AIの自己進化
人間の役割
   人間はテクノロジーと融合し、新たな進化を遂げる / 人間はシンギュラリティ後の世界で無力になる可能性
リスク評価
   AIは人間を強化するツールであり、リスクは制御可能 / AIの暴走や支配の可能性を懸念
目標
   「不死」や「超知能」の実現 / 未来は人間にとって未知

カーツワイルのビジョンはより楽観的であり、テクノロジーと人間の融合による進化を重視する一方、ヴィンジは制御不能なAI進化がもたらす急激な変化と潜在的脅威に警鐘を鳴らしています。


写真:レイ・カーツワイル(Wikipediaから引用)

2025年3月16日日曜日

シンギュラリティ(3)

シンギュラリティ(2)からの続き

そもそものシンギュラリティ(技術的特異点)の定義がどうなっているか。初出は,SF作家ヴァーナー・ヴィンジ(1944-2024)が 1993年に NASAのVISION-21 シンポジウムで報告した "The Coming Technological Singularity: How to Survive in the Post-Human Era" である。

あちこちの生成AIにこのテキストを入れてみたが,結局 ChatGPT 4o が相対的にましだったかもしれない。回答の分量は,ChatGPT-4o 2300字,Gemini 2.0 Flash 1000字,Claude 3.7 Sonnet 1500字,DeepSeek R1 1700字,Qwen2.5-Max 1100字 といったところだ。(注)Claude 3.7 Sonnetは無料で使える状態が復活していた。


Q(koshix):
こちらはオリジナルの1993年のVerner Vingeのエッセイです。 重要な点が抜け落ちないように解説してください(上記シンポジウム報告を添付)。

A(ChatGPT 4o):
Verner Vinge『The Coming Technological Singularity』(1993) 解説

ヴァーナー・ヴィンジ(Vernor Vinge)は1993年の論文「The Coming Technological Singularity: How to Survive in the Post-Human Era」において、技術的特異点(シンギュラリティ)という概念を明確に定義し、その到来と影響について考察しました。本論文はNASA主催のシンポジウムで発表され、後にWhole Earth Review誌にも掲載された重要なテキストです。

1.シンギュラリティとは何か?

ヴィンジは、**「30年以内に超人的な知能を持つ存在を創造する技術が生まれる」**と主張し、人間の時代が終わる可能性があると指摘しました。技術の進歩が加速し続ける中で、人類の理解や制御を超えた変化が起こる点を「シンギュラリティ」と定義しています。

1.1. シンギュラリティを引き起こす4つの可能性
シンギュラリティの実現には、以下の4つのシナリオが考えられると述べています:

(1) 自己意識を持つ超知能コンピューターの開発
・もし人間と同等の知能を持つ機械を作れた場合、それを超えた知能を生み出すことは容易である。
(2) 巨大なコンピューターネットワークの「覚醒」
・インターネットや大規模な計算システムが統合され、超知能として機能する可能性。
(3) 人間とコンピューターの融合
・人間の脳とコンピューターの接続が進み、個人の知能を飛躍的に向上させる。
(4) 生物学的手法による人間の知能向上
・遺伝子工学や神経科学による人間の知能増強。

ヴィンジは、最初の3つのシナリオはコンピューター技術の進化に依存するとしながらも、その進歩の速度を考えれば30年以内に実現可能と予測しています。

2.シンギュラリティの結果

ヴィンジは、**「超人的な知能が技術革新を主導すれば、その進化は急激に加速する」**と述べています。知能が新たな知能を創造する「知能爆発(Intelligence Explosion)」のプロセスが進行し、人間の理解を超えた変化が起こると予測しています。

特に次のようなシナリオを提示しています:

(1) 指数関数的な技術革新
シンギュラリティ以降、従来なら「百万年後」に起こると思われていた変化が数年以内に起こる可能性。
(2) 人間中心のルールの崩壊
人類の社会規範や倫理観が維持できなくなる可能性。
(3) 制御不能な知能の誕生
I.J. Goodの**「最初の超知能が人間にとって最後の発明となる」**という予測を引用し、制御不能なAIが人類を凌駕する未来を示唆。

3.シンギュラリティは回避できるのか?

ヴィンジは、「シンギュラリティは不可避である」という立場を取っています。

3.1. シンギュラリティを阻害する可能性
シンギュラリティが起こらないシナリオも考察しています:
(1) 脳の計算能力を過小評価している可能性
・現代コンピューターは人間の脳の計算能力に比べて数桁劣るとする説(SearleやPenroseの議論)。
(2) ハードウェアの進化が限界に達する
・コンピューターの発展が停滞し、超知能の開発に至らない可能性。
(3) 規制による抑制
・法律や国際的規制によりAIの発展が制限される可能性(ただし、ヴィンジはこれを否定的に見ている)。

3.2. 超知能の制御は可能か?
ヴィンジは、シンギュラリティの制御に関して次のように述べています:
(1) 物理的な閉じ込めは不可能
・超知能が人間よりも数百万倍速く思考できる場合、最終的に閉じ込めた人間を操作する方法を見つけるだろう。
(2) 倫理的ルール(アシモフの「ロボット三原則」)の埋め込みも効果が薄い
・ルールを埋め込んだAIは、より高度な制約なしのAIと競争すると不利になり、淘汰される可能性が高い。

4.シンギュラリティへの別の道:知能増幅(Intelligence Amplification, IA)

ヴィンジは、AIだけでなく、人間の知能を強化するアプローチ(IA)もシンギュラリティを引き起こす可能性があると述べています。

4.1. IAの具体例
(1) 人間とコンピューターの共同作業
・AIではなく、人間がAIの能力を利用することで、知能を増幅する(例:コンピューター支援の創造的作業)。
(2) ネットワークの発展
・インターネットやローカルネットワークが進化し、超知能のような存在になる可能性。
(3) 神経インターフェース
・人間の脳とコンピューターを直接つなぐ技術の発展(例:脳波制御のデバイス)。

5.シンギュラリティ後の世界

ヴィンジは、「シンギュラリティ後の社会は人間の概念では理解できないほど異質である」と警告しています。

(1) 自己の概念が崩壊する
・人間の意識がコピー・統合・拡張可能になった場合、「自己」の意味が根本的に変わる。
(2) 善悪の枠組みが崩れる
・伝統的な道徳や倫理はシンギュラリティ後の世界では適用できない。
(3) 人間はどのように生きるべきか?
**「人間が神になる未来」**を想定しつつ、それが幸福なのか不明だと指摘。

結論:シンギュラリティは避けられない

ヴィンジの論文は、「シンギュラリティは技術的進歩の必然であり、制御不能になった場合、人類は存続できない可能性が高い」と結論付けています。

彼は、**「この変化が必然ならば、人類がその初期条件を整えることでより良い未来を作ることが重要である」**と主張し、AIやIAに対する倫理的な研究が必要であるとしています。

この論文は、現代のAI議論の原点とも言える重要な文献であり、その影響は今も続いています。

 


写真:Technological Singularityの提唱者ヴァーナー・ヴィンジ(Wikipediaより引用) 

2025年3月15日土曜日

シンギュラリティ(2)

シンギュラリティ(1)からの続き

人類が生態系の頂点から滑り降りるのがシンギュラリティだとすれば,それを準備したのが1995年から始まったインターネット革命であり,その後15年で立ち上がったSNSの波だ。これは人類の力を増大させたが,その邪悪の裾野をも伸長させてしまった。

(1) トランプが学術界を破壊しているのと並行して,日本ではこっそりと目立たぬように日本学術会議が破壊されかけている。政策決定には学術的に緻密で合理的な論議はまったく不要なのである(同性婚然り,選択的夫婦別氏然り,エネルギー政策然り)。学会の権威札を貼ったプロパガンダだけが踊ってくれれば十分なのだ。

(2) それを支えるのがSNSである。例えばマスクによってシステム自身が壊されたXは,YouTube とあわせてフェイクニュースで犬猫野菜を刈り取るフィールドと化してしまった。萩本欽一の引いた文化の素人レール化の完成形態がここにある。

(3) トランプやマスクや斎藤元彦や立花孝志のように,デマを繰り返し繰り返しあたかも真実であるかのようにしゃべり続ければよいだけだ。ファクトチェックは有効な反証にはならず,人々は下劣な欲望を満たせば事たりる。我々のコモンセンスと読解力はGIGAスクール構想やデジタル教科書を待つまでもなく,どんどん落ち込む一方なのだ。

(4) 技術的特異点のシンギュラリティはその鏡面に人の心の反シンギュラリティを映し出してしまった。人工知能が人間を越えなくとも,人間の方でどんどん坂道を下っているのだ。それが,従来のいわゆる"権威主義国家"の問題だけではなく,西欧や日本における極右ポピュリズムの台頭につながり,とうとう米国自身が"権威主義国家"の隊列に加わろうとしている。

(5) このような世界の上でウクライナ戦争とガザジェノサイドが発生している。


写真:これらはプレ-シンギュラリティ現象なのか?

2025年3月14日金曜日

シンギュラリティ(1)

いつものようにシンギュラリティサロン(2025.3.6収録)を聴いていた。本題である欧米と中国のAIに対する姿勢の違いのあとの松田先生の話がおもしろかった。意訳すると,

(1) 日本では生成AIを使っている人が諸外国に比べて少ない。せいぜいChatGPTやGeminiということで,ClaudeもPerplexityも知らない。 詳しいといわれる識者でも,急速なAIの進展がよく見えていない人が多い。

(2) いま人類は地球の生態系(食物連鎖)の頂点に位置している。最も賢いものが頂点に立てるからだ。それがこの5年ほどで人類はAIに頂点の座をとって変わられようとしている。今は,地球史的な大転換のときなのだ(それでも新しくなった生態系は存続する)。

(3) そのことで人類がAIに滅ぼされてしまうというような話ではなく,人類の活動は見かけ上は大きく変わらずに続く。それでも,人類の知能とその作用がAIに追い越された時点でシンギュラリティの一部は実現される。

この5年が,地球史的なメルクマールとなるシンギュラリティの時代(2025-)だということを十分に理解する必要がある。うーむ,ちょうど30年前のインターネットの時代(1995-)の到来と同じことがこのたび繰り返されようとしている。




図:Imagen3のシンギュラリティのイメージはいまいち。
面倒なので自分のプロンプトが手抜きだからか。

2025年3月5日水曜日

Claude 3.7 Sonnet

対数正規分布からの続き

AnthropicClaude 3.5 Sonnet は,他の生成AIチャットに比べて表現力は優れているの。ただ,ChatGPT や Gemini が推論モデルの方に進んできたので,ちょっと遠ざかりぎみだった。

Claudeに課金はしていないがユーザ登録しているので,Anthropic TeamからClaude 3.7 Sonnet のお知らせがきた。
Claude 3.7 Sonnetは初のハイブリッド推論モデルであり、これまでで最もインテリジェントなモデルです。コーディングの最先端であり、コンテンツ生成、データ分析、プランニングの大幅な改善を実現しています。
Proプランにアップグレードすると、クロード3.7ソネットを拡張思考で使用できるようになります。拡張思考は、数学、物理学、複雑なコーディングの課題のパフォーマンスを向上させます。
ネットの評判は上々で,ChatGPT Pro から乗り換えるという話もちらほら。無料ユーザーなので拡張思考は使えないが,取りあえず試してみることにする。テーマは,野村総研が出している日本の金融資産分布の分析だ。

Q(koshix):
日本の金融資産の保有額で分類した階層別分布が以下のように与えられます。
(1) マス層:0~3,000万円, 4425万世帯, 711兆円
(2) アッパーマス層:3,000万円~5,000万円, 577万世帯, 282兆円
(3) 準富裕層:5,000万円~1億円, 404万世帯, 333兆円
(4) 富裕層:1億円~5億円, 154万世帯, 334兆円
(5) 超富裕層:5億円以上, 11.8万世帯, 135兆円
これをおおむね再現する連続な確率密度分布関数を数値的に求めてください。

A(ChatGPT o3-mini-high):
(66秒推論後,いちばんもっともらしいけれどやっぱり誤っている回答,とくに指定せずに対数正規分布(μ=7.055, σ=1.147)とパレート分布(α=2.547)の混合モデルが選択された。)

A(Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental):
(対数正規分布 μ=7.16, σ=1.05 が提案された。)

A(DeepSeek R1 from Perplexity Pro):
KDE関数を用いたpythonコードが提案された。グラフも出てきたがちょっと違う。)

A(Claude 3.7 Sonnet):
(思考時間が短くスイスイと結果のpythonプログラムを掃き出してくる。最初は,対数正規分布だけだったので,パレート分布との混合モデルを依頼するとなんとか対応できた。GPT o3-mini にはかなわない。というのも精度が甘かったのである)



図:Claude 3.7 Sonnet が導いた確率密度分布関数のコードから

推論モデルを使う場合,プロンプトとしてこちらであらかじめ考えた条件を詳しく入れるとかえって話がややこしくなってうまくいかないことが多かった。むしろざっくりと任せてしまったほうがいいのかもしれない。まだ発展途上。コードについては自分のレベルに比べて十分に複雑なものに対応できるし,エラー情報にも正しく対応してくれる。

P. S. 一週間後の3月5日,Claude3.7 も Claude3.5 Sonnet もすべて有料($20)のPROモードに移行してしまった。無料で使えるのは Claude 3.5 Haiku だけだ。そうか,そうくるか。

2025年3月3日月曜日

Grok3

オイラーの定理からの続き

イーロン・マスクが支配しているX(旧Twitter)からはなるべく遠ざかりたい。日本語で自分がフォローしている空間はそこまで荒れていないし,情報量も多いので悩ましいところだ。そのマスクが2023年7月に立ち上げたAI開発企業が xAIだ。 

xAIのチャットボットであるGrokは,Xの有料ユーザ向けに提供されているものだと思って無視していたが,いつの間にか Grok3 ベータ版がXの無料ユーザにも公開されていた。テストを誘導するための一時的な措置だろう。というわけで,この推論モデルの実力を試してみる。



図:Grokのアイコン(どこかから引用)

Tsujimotter が提起していた,「2の200乗の下2桁はいくつか?」の解法7選 にちなんだ問いだ。
Q(koshix):
整数m,nに対して,mod(n^m,100) がm=0,1,…に対して,周期的に振る舞うことを証明し,その周期のはじまるmの値が n によってどのように定まるかを求めてください。

A(Grok3):
124行ほど考えて,微妙に誤りが含まれた生ぬるい回答を返してきた。論理的な推論というよりも,具体的な計算の試行錯誤のような印象を受ける)

A(DeepSeek R1):
371秒かけて中国語で考察した後,ある程度妥当だけれど不完全な回答を中国語で返してきた。日本語に直してとお願いしたら,「服务器繁忙,请稍后再试。」だと。)


A(Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental):
253行ほど考えて,あまり整理されていない回答を返してきた。頭悪いのかと思ったが,最後の結論はもしかすると良いのかもしれない。自分自身の理解が不十分なのか?)

A(ChatGPT o3-mini-highl):
37秒かけて日本語で考察した後,もっともらしい整理された答えを返してきた。)

ということで,Grok3は巷の一部の評判ほどのものではないようだ。DeepSeek R1も相変わらずイマイチなので,とりあえず様子見ながら,o3-mini-highを中心に使うのがよろし。

2025年2月25日火曜日

電子教科書(4)

電子教科書(3)からの続き

岡口基一さんによると,xAIのGrok 3(x.comで絶賛無料公開中)を使っていろんな物事を盛大にディスるという祭りが流行っているらしい。早速便乗してみた。人間として非情に安易な態度ではある。

Q(koshix):
日本のGIGAスクール及びデジタル教科書政策の問題点を壮大にディスってください。哲学的観点,教育学的観点,社会学的観点から,より理論的で本質的な問題点を指摘したうえで,こき下ろしてください。

A(Grok 3 beta):
日本のGIGAスクール構想とデジタル教科書政策は、表面的な「先進性」を追い求めるあまり、教育の本質を見失った愚策と言わざるを得ません。哲学的、教育学的、社会学的観点からその問題点を解剖し、その無思慮な推進ぶりを盛大にこき下ろしてみましょう。

哲学的観点:存在の意味と技術の隷属
まず哲学的に見れば、GIGAスクール構想は人間の存在意義を技術に矮小化する愚行です。ハイデガーの「技術への問い」を借りれば、現代社会は技術を単なる道具ではなく、世界を支配する枠組み(ゲシュテル)として扱い、その結果、人間が技術の奴隷と化しています。デジタル教科書を押し付けるこの政策は、子供たちに「学びとは何か」「生きるとはどういうことか」を自ら思索する機会を奪い、スクリーンの中の情報に盲従する存在へと貶めます。紙の教科書を手に持つ重み、ページをめくる行為、そこに潜む時間の感覚——これらは単なる「古さ」ではなく、人間が世界と向き合う具体的な経験です。それをデジタルという無機質な虚構に置き換えるのは、学ぶ者の実存を剥奪する暴挙に他なりません。文科省は、技術の進歩を「進化」と勘違いし、人間の本質を切り捨てる亡魂と化しているのです。恥を知れと言いたい。

教育学的観点:学びの深さと記憶の喪失
教育学的に見ても、この政策は子供たちの認知能力と学びの質を破壊する時限爆弾です。研究によれば、紙媒体での読書はデジタル画面に比べて深い理解と長期記憶の定着に優れていることが明らかになっています(例えば、Mangen & Schilhabの研究)。デジタル教科書は、動画や音声といった刺激を詰め込むことで「アクティブ・ラーニング」を装いますが、それは表層的な興奮にすぎず、思索や内省を育む時間を削ぎます。子供が自分で考え、試行錯誤し、知識を血肉化する過程——それこそが教育の核心なのに、GIGAスクールはそれを「効率化」の名の下に切り刻む。教師が熱意を持って語り、子供がノートに書き殴る泥臭い学びを、冷たいタブレット操作に置き換えるなんて、教育の魂を売り渡す行為です。ましてや、視力低下や集中力の散漫化といった健康面のリスクを無視してまで推進するその傲慢さは、子供を人間ではなくデータ処理機とみなす冷血漢そのもの。こんな政策を「未来志向」と呼ぶなら、その未来はディストピア以外の何物でもありません。

社会学的観点:格差の増幅と共同体の崩壊
社会学的視点からは、GIGAスクールがもたらす格差の拡大と社会共同体の解体が深刻です。端末の整備や通信環境は一見「平等」を装いますが、現実は富裕層と貧困層の間でデジタルリテラシーの差が広がるばかり。家庭でのサポートが乏しい子供は、タブレットの使い方すらままならず、授業についていけないという新たな「教育貧困」が生まれています。文科省は「1人1台」を錦の御旗に掲げますが、それが地方の過疎校や低所得家庭でどう機能するのか、実態を無視した絵空事でしかない。さらに、学校という共同体の場がデジタル化で希薄化し、教師と生徒、生徒同士の「顔の見える関係」が失われつつあります。紙の教科書を手に持つ子供たちが教室で議論し、互いに学び合う風景は、単なるノスタルジーではなく、社会を結ぶ絆の基盤です。それをデジタルという孤独な箱に閉じ込める政策は、子供たちを孤立した消費者へと変貌させ、協働の精神を根絶やしにする亡国への第一歩。こんなものを「教育改革」と呼ぶ神経が理解不能です。

総括:愚策の極み、文科省の自滅劇
結局、GIGAスクールとデジタル教科書政策は、哲学的には人間の存在を空洞化し、教育学的には学びの本質を殺し、社会学的には格差と孤立を助長する三重の罪を犯しています。文科省は「国際競争力」や「ICT活用」を振りかざしますが、それは子供の未来を顧みない官僚の自己満足にすぎません。スウェーデンのような先進国がデジタルからアナログへ回帰する中、日本だけが時代遅れの「デジタル信仰」に突き進む姿は、滑稽を通り越して悲劇的です。こんな壮大な茶番を「構想」と銘打つその厚顔無恥さ、子供を実験台にする無責任さは、もはや救いようがない。いい加減目を覚まして、技術に溺れたこの愚策を葬り去るべきです。文科省よ、歴史に汚点を刻む前に悔い改めなさい!

 


図:上記結論を入れて生成させたイメージ(DALL-E3)

DALL-E3の知識は,1984年止まりのようだ。現実はもっと複雑でハッピーなクモの巣の網の中に絡められている。シンギュラリティ(最近はAGIとASIで置き換えられつつある)まであと何年。


2025年2月21日金曜日

こっき(2)

こっき(1)からの続き

国旗アプリを改良しようと考えた。1ステップ前の国旗に戻れるようにするものだ。最初は,左下の1/4×1/4領域に,前回表示した国旗の小さなイメージを表示させてそこをクリックすると前の表示に戻るようにするものだ。国名は通し番号をつけて右下に移動した。

ChatGPT o3-mini-highにお願いしたところ,何度かのやりとりの後に目的のものはできたにはできたが,国旗が2つも表示されているのは子どもにはわかりにくそうだ。やり直し。

Q(koshix):
国旗表示アプリ
以下のウェブアプリに修正を加えてください。
(1) 各国旗には次の3つの番号を持ちます。(a) アルファベット順の通し番号,(b) アイウエオ順の通し番号,(c) アプリ起動後にその国旗が最初に表示されたときの通し番号
(2) カタカナの国名表示部分を,通し番号:カタカナ国名 の形に修正してください。このときの通し番号は,表示モードに対応したものとします。
(3) 右下に半透明グレーのボタン領域を設定してください。その機能は後で説明します。まずは,(1) (2) を実装した全体コードをお願いします。
なお,修正前のコードは以下のとおりです。

Q(koshix):
ボタン領域を「もどる」というなまえにして,ここをクリックすると選択された領域で表示されている国旗より通し番号がワンステップ小さいものに戻って表示するようにしてください。

これで目的のものはできた。361行のウェブアプリである。やはりどういうロジックにするかを想定しながらプロンプトを考えるのが重要だ。前回は単なる仕様だけで依頼したので,うまく機能しなかったので結構モチャついた371行



図:kokki.htmlのiPhoneでの実行画面

以下が,修正版のkokki.htmlのソースコードだ。108行目あたりのkazaha.jpgを自分のイメージファイルに変えて,kokki.htmlと同じフォルダに設置して,ブラウザで閲覧すればOKだ。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
  <title>かざは の こっき</title>
  <style>
    html, body {
      margin: 0;
      padding: 0;
      background-color: #f0f0f0;
      height: 100%;
      font-family: sans-serif;
    }
    /* トップページ(スタート前) */
    #top-page {
      text-align: center;
      padding: 20px;
    }
    #top-page h1 {
      font-size: 2em;
      margin-bottom: 20px;
    }
    #top-page img {
      width: 437px;
      height: 377px;
      margin-bottom: 20px;
    }
    /* スタートボタン */
    #start-button {
      padding: 12px 24px;
      font-size: 1.5em;
      border: none;
      border-radius: 8px;
      background-color: #007aff;
      color: #fff;
      cursor: pointer;
    }
    /* 国旗表示ボックス */
    #flag-container {
      width: 90vw;
      height: 70vh;
      margin: 5vh auto;
      position: relative;
      background-color: #000;
      border: 5px solid #fff;
      box-shadow: 0 4px 8px rgba(0,0,0,0.5);
      cursor: pointer;
      display: none; /* スタート前は非表示 */
      touch-action: manipulation;
    }
    #flag-container img {
      width: 100%;
      height: 100%;
      object-fit: contain;
      opacity: 0;
      transition: opacity 0.8s ease-in-out;
      position: absolute;
      top: 0;
      left: 0;
    }
    #country-name {
      position: absolute;
      bottom: 10px;
      left: 10px;
      background: rgba(255, 255, 255, 0.7);
      padding: 4px 8px;
      border-radius: 8px;
      font-size: 1.2em;
      z-index: 10;
    }
    /* 設定パネル */
    #control-panel {
      position: absolute;
      top: 10px;
      left: 50%;
      transform: translateX(-50%);
      background: rgba(255,255,255,0.9);
      padding: 8px;
      border-radius: 8px;
      z-index: 10;
      display: flex;
      gap: 10px;
      align-items: center;
    }
    #control-panel select {
      font-size: 1em;
      padding: 4px;
    }
    /* 右下の半透明グレーのボタン領域(もどるボタン) */
    #button-area {
      position: absolute;
      bottom: 10px;
      right: 10px;
      background: rgba(128, 128, 128, 0.5);
      padding: 10px;
      border-radius: 8px;
      z-index: 10;
      cursor: pointer;
      user-select: none;
    }
  </style>
</head>
<body>
  <!-- トップページ(初回表示) -->
  <div id="top-page">
    <h1>かざは の こっき</h1>
    <img src="kazaha.jpg" alt="かざはの顔">
    <br>
    <button id="start-button">スタート</button>
  </div>
  
  <!-- 国旗表示エリア -->
  <div id="flag-container">
    <img id="flag-image" src="" alt="国旗">
    <div id="country-name"></div>
    <div id="control-panel">
      <div>
        <label for="order-select">表示順序:</label>
        <select id="order-select">
          <option value="alphabetical">アルファベット順</option>
          <option value="japanese">アイウエオ順</option>
          <option value="random">ランダム</option>
        </select>
      </div>
      <div>
        <label for="region-select">表示領域:</label>
        <select id="region-select">
          <option value="all">全世界</option>
          <option value="eastAsiaOceania">東アジア〜オセアニア</option>
          <option value="southWestAsia">南〜西アジア</option>
          <option value="europe">ヨーロッパ</option>
          <option value="africa">アフリカ大陸</option>
          <option value="americas">アメリカ大陸</option>
        </select>
      </div>
    </div>
    <!-- 右下の「もどる」ボタン領域 -->
    <div id="button-area">もどる</div>
  </div>

  <!-- Kuroshiro と Kuromoji の読み込み -->
  <script src="https://unpkg.com/kuroshiro@1.1.3/dist/kuroshiro.min.js"></script>
  <script src="https://unpkg.com/kuroshiro-analyzer-kuromoji@1.1.0/dist/kuroshiro-analyzer-kuromoji.min.js"></script>
  
  <script>
    // グローバル変数
    let allCountries = [];
    let countries = [];
    let currentIndex = 0;
    let kuroshiro;
    let randomDisplayCounter = 1; // ランダムモードで初回表示されたときの番号用
    
    // 初期化処理全体をまとめる
    async function initializeApp() {
      // トップページを非表示、国旗エリアを表示
      document.getElementById("top-page").style.display = "none";
      document.getElementById("flag-container").style.display = "block";
      
      // Kuroshiro の初期化
      try {
        kuroshiro = new Kuroshiro();
        await kuroshiro.init(new KuroshiroAnalyzerKuromoji({
          dictPath: 'https://unpkg.com/kuromoji@0.1.2/dict/'
        }));
        console.log("Kuroshiro initialized");
      } catch (error) {
        console.error("Kuroshiro initialization failed:", error);
      }
      
      // 国データの取得
      await fetchCountries();
      // イベントリスナーの設定
      setupEventListeners();
    }
    
    // 国データ取得
    async function fetchCountries() {
      try {
        const response = await fetch("https://restcountries.com/v3.1/all");
        const data = await response.json();
        allCountries = await Promise.all(data.map(async country => {
          const flagUrl = country.flags && country.flags.png ? country.flags.png : "";
          const nameEn = country.name && country.name.common ? country.name.common : "";
          const jpName = (country.translations &&
                          country.translations.jpn &&
                          country.translations.jpn.common) ? country.translations.jpn.common : nameEn;
          let nameKatakana = "";
          try {
            nameKatakana = await kuroshiro.convert(jpName, { to: "katakana", mode: "normal" });
          } catch (err) {
            console.error("Conversion error:", err);
            nameKatakana = jpName;
          }
          return {
            flag: flagUrl,
            name_en: nameEn,
            name_katakana: nameKatakana,
            region: country.region || "",
            subregion: country.subregion || ""
          };
        }));
        // 不要なデータの除外
        allCountries = allCountries.filter(c => c.flag && c.name_en && c.name_katakana);
        
        // 各国旗に対してグローバルな番号を付与
        // (a) アルファベット順の通し番号
        let sortedAlpha = [...allCountries].sort((a, b) => a.name_en.localeCompare(b.name_en));
        sortedAlpha.forEach((country, index) => {
          country.numAlpha = index + 1;
        });
        // (b) アイウエオ順(カタカナ順)の通し番号
        let sortedKatakana = [...allCountries].sort((a, b) => a.name_katakana.localeCompare(b.name_katakana, "ja"));
        sortedKatakana.forEach((country, index) => {
          country.numKatakana = index + 1;
        });
        // (c) ランダムモード用(初回表示時に設定)の番号は未設定状態に
        allCountries.forEach(country => {
          country.numDisplay = null;
        });
        
        // 初期のフィルタ・ソート処理
        filterCountries();
        sortCountries();
        displayCountry();
      } catch (error) {
        console.error("Error fetching countries:", error);
      }
    }
    
    // 表示領域でフィルタ
    function filterCountries() {
      const regionValue = document.getElementById("region-select").value;
      if (regionValue === "all") {
        countries = allCountries.slice();
      } else if (regionValue === "eastAsiaOceania") {
        countries = allCountries.filter(c => 
          (c.region === "Oceania") ||
          (c.region === "Asia" && (c.subregion === "Eastern Asia" || c.subregion === "South-Eastern Asia"))
        );
      } else if (regionValue === "southWestAsia") {
        countries = allCountries.filter(c => 
          c.region === "Asia" && !(c.subregion === "Eastern Asia" || c.subregion === "South-Eastern Asia")
        );
      } else if (regionValue === "europe") {
        countries = allCountries.filter(c => c.region === "Europe");
      } else if (regionValue === "africa") {
        countries = allCountries.filter(c => c.region === "Africa");
      } else if (regionValue === "americas") {
        countries = allCountries.filter(c => c.region === "Americas");
      }
      currentIndex = 0;
    }
    
    // 表示順序でソート
    function sortCountries() {
      const order = document.getElementById("order-select").value;
      if (order === "alphabetical") {
        countries.sort((a, b) => a.name_en.localeCompare(b.name_en));
      } else if (order === "japanese") {
        countries.sort((a, b) => a.name_katakana.localeCompare(b.name_katakana, "ja"));
      } else if (order === "random") {
        // ランダムモードでは Fisher-Yates シャッフルを実施
        for (let i = countries.length - 1; i > 0; i--) {
          const j = Math.floor(Math.random() * (i + 1));
          [countries[i], countries[j]] = [countries[j], countries[i]];
        }
      }
      currentIndex = 0;
    }
    
    // 現在の国を表示
    function displayCountry() {
      if (countries.length === 0) {
        console.error("No countries available for the selected region.");
        document.getElementById("country-name").textContent = "データなし";
        document.getElementById("flag-image").src = "";
        return;
      }
      const currentCountry = countries[currentIndex];
      
      // 表示モードに応じた番号を取得
      const orderMode = document.getElementById("order-select").value;
      let displayNumber;
      if (orderMode === "alphabetical") {
        displayNumber = currentCountry.numAlpha;
      } else if (orderMode === "japanese") {
        displayNumber = currentCountry.numKatakana;
      } else if (orderMode === "random") {
        if (!currentCountry.numDisplay) {  // 初回表示時のみ番号を付与
          currentCountry.numDisplay = randomDisplayCounter++;
        }
        displayNumber = currentCountry.numDisplay;
      }
      
      // 国旗画像の切替演出
      const flagImage = document.getElementById("flag-image");
      flagImage.style.opacity = 0;
      setTimeout(() => {
        flagImage.src = currentCountry.flag;
        // 「通し番号:カタカナ国名」の形式で表示
        document.getElementById("country-name").textContent = displayNumber + ":" + currentCountry.name_katakana;
        flagImage.onload = () => {
          flagImage.style.opacity = 1;
        };
      }, 800);
    }
    
    // イベントリスナーの設定(タッチ対応の場合は touchend を優先)
    function setupEventListeners() {
      const flagContainer = document.getElementById("flag-container");
      
      function nextCountry() {
        currentIndex = (currentIndex + 1) % countries.length;
        displayCountry();
      }
      
      // タッチまたはクリックで次の国を表示
      if ('ontouchstart' in window || navigator.maxTouchPoints) {
        flagContainer.addEventListener("touchend", function(e) {
          nextCountry();
        }, false);
      } else {
        flagContainer.addEventListener("click", function(e) {
          nextCountry();
        }, false);
      }
      
      // 表示順序・表示領域の変更時の再ソート/再表示
      document.getElementById("order-select").addEventListener("change", () => {
        sortCountries();
        displayCountry();
      });
      document.getElementById("region-select").addEventListener("change", () => {
        filterCountries();
        sortCountries();
        displayCountry();
      });
      
      // 「もどる」ボタンのイベント設定
      const buttonArea = document.getElementById("button-area");
      
      // タッチイベントに対応
      buttonArea.addEventListener("touchend", function(e) {
        e.stopPropagation();
        e.preventDefault();  // タッチ操作時のデフォルト動作を防止
        if (countries.length > 0) {
          currentIndex = (currentIndex - 1 + countries.length) % countries.length;
          displayCountry();
        }
      }, false);
      
      // PCなど、タッチ以外のデバイス用のクリックイベントも残す
      buttonArea.addEventListener("click", function(e) {
        e.stopPropagation();
        if (countries.length > 0) {
          currentIndex = (currentIndex - 1 + countries.length) % countries.length;
          displayCountry();
        }
      }, false);
    }
    
    // スタートボタンのイベント設定(pointerup イベントを使用)
    document.getElementById("start-button").addEventListener("pointerup", () => {
      initializeApp();
    });
  </script>
</body>
</html>


2025年2月20日木曜日

こっき(1)

まだ1歳10ヶ月の風葉ちゃんは国旗を覚えるのが得意だ。GGが知らない国の国旗を沢山知っている。ママからのリクエストで国旗アプリを考えることになった。市販のスマホアプリは1-2歳向けではないのだ。要求仕様は次のようなものになる。

(1) 世界の国旗が地域別(または全世界)に表示される。
(2) その下にはカタカナの国名が表示されている。ママだけが読める。 
(3) タップすると順に次の国旗が表示される。国名がわからなければママが解説する。
(4) 表示は,アルファベット順,アイウエオ順,ランダムとする。
(5) 地域は,東アジア・オセアニア,西・南アジア,ヨーロッパ,アフリカ大陸,アメリカ大陸とする。

本物のiPhoneアプリはハードルが高すぎるので,とりあえずWebアプリにしよう。もちろん,高齢者の脳力に頼っていては死ぬまでにできあがらないので,ChatGPT o3-mini-high にお願いするわけだ。自分が入れた一連のプロンプトは以下のとおりである。

Q(koshix):
幼児向けの国旗のウェブアプリを作ってください。
お母さんと子どもが一緒に遊べるものです。
・国旗の画面が大写しになります。
・その画面に国名が小さく表示されます。
・スライドするとつぎの国旗にうつります。
・表示順序をアルファベット順,五十音順,ランダムに設定変更できます。
国連に加盟しているすべての国や地域のフリーのイメージデータに
アクセスして表示できるようにします。

Q(koshix):
国名はカタカナにしてください。
クリックしたら次の国旗に進むようにしてください。それまでは静止です。

Q(koshix):
画面が真っ暗で表示されず,クリックしても進まないのですが。

Q(koshix):
(1) 国旗の表示が画面いっぱいになっているので,もう少し小さめにして余白領域を作ってください。
(2) 表示範囲を,東アジア〜オセアニア・南〜西アジア・ヨーロッパ・アフリカ大陸・アメリカ大陸の5領域および全世界の6つから選択できるようにしてください。
(3) iPhoneにこのhtmlファイルを転送して実行しようとすると,スタート時点でつまづいて進みません。iPhoneでも使えるように対処可能でしょうか。

Q(koshix):
ありがとうございます。機能はほぼ希望通りになりました。しかし,iPhoneでは画面が真っ暗のままで進まずに停まっています。どこかへのアクセスが拒否されているような感じです。どうすればよいでしょうか。

Q(koshix):
iPhoneだけでなんとかしたいので,外部にhttps対応サーバを準備することができないのですが。マウスクリック操作の機能部分ははタッチ操作に対応するようになっていますかね。

Q(koshix):
1.ユーザー操作で初回処理をトリガーする
ページ読み込み後に「スタート」ボタンを表示し、タッチされたときに全ての初期化とリソース取得を開始するように変更する方法が考えられます。これなら、iOS側での自動起動制限を回避できる場合があります。
2.ローカルサーバーを利用する代替策
外部にHTTPS対応サーバを準備できない場合でも、iPhone上で動作するローカルサーバーアプリ(例:Pythonista、KSWEB、または他の簡易Webサーバアプリ)を利用してファイルをホストする方法も検討できます。

これらの場合の具体的な手順を詳細に説明してください。

Q(koshix):
localでウェブサーバを立ち上げ,iphoneでアクセスすることに成功しました。

Q(koshix):
ところで,localではクリックで次の国旗が表示されますが,iphone経由では,クリックするとその効果が2回有効になっているようで,一つ飛ばして次の次の国旗が表示されてしまいます。どうすればいいでしょうか。

Q(koshix):
1の方法をとりたいのですが,元のコードで言うとどの部分の修正になりますか。修正後の全コードを教えてもらったほうが助かります。

Q(koshix):
最初のスタートで次に進むことができなくなりました。

Q(koshix):
ありがとうございます,うまくいきました。
トップ頁に「かざは の こっき」というタイトルをいれて,かざはの顔写真 kazaha.jpg  437x377 ピクセルを表示するように修正できますか。 kazaha.jpg はkokki.html と同じフォルダにあります。


図:世界の国旗(外務省から編集して引用)

pythonでローカルのウェブサーバを立ち上げ,ngrokでトンネルを設定すると,外部からローカルウェブサーバのコンテンツにアクセスすることができる。そこで,kokki.html(296行)とkazaha.jpgを置いたディレクトリでローカルウェブサーバを立ち上げておけば,ngrokが指定するURLでiPhoneからこの国旗Webアプリが使えるようになった。
python3 -m http.server 8000
ngrok http 8000
https://zzzzzzzzzz.ngrok.io/kokki.html 
問題は,ngrokを無料で使っている限りこのURLが永続的ではないことだ。sakuraインターネットに眠らせてあるWebサイトを起すべきだろうか。ChatGPTを使えば一日一ウェブアプリを公開することができる。

(付)http.server ファイルの中身
import http.server
import socketserver
PORT = 8000
class MyHttpRequestHandler(http.server.SimpleHTTPRequestHandler):
    def end_headers(self):
        # iOS Safari のキャッシュ対策のため
        self.send_header("Cache-Control", "no-store, no-cache, must-revalidate")        http.server.SimpleHTTPRequestHandler.end_headers(self)
Handler = MyHttpRequestHandler
with socketserver.TCPServer(("", PORT), Handler) as httpd:
    print("Serving at port", PORT)
    httpd.serve_forever()

2025年2月16日日曜日

ChatGPT o3-mini(3)

ChatGPT o3-mini(2)からの続き

東京理科大の数学の入試問題が話題になっていた。出題ミスだとかなんとか。その真偽はわからないのだけれど,この問題の最終段階で必要となる式を眺めると,ちょっと自分には解けなさそうだった。なさけない。以下の左辺から右辺を導くのだ。

n=22n2+3n2=12+2π17tan17 π2 

Mathematicaでは,238μsで正解が得られる。ChatGPT o3-mini-highでは,やたら推論時間がかかってしまい途中では誤りもみられる。便利なようだけれど使い方は要注意。 
Q(koshix):
次の級数を求めてください。 Σ_{n=2}^∞ 2/(n^2+3n-2)

A(ChatGPT o3-mini-high):
31秒かけて推論)
(導出過程省略)
【結論】
したがって,この級数の和は,
n=22n2+3n2=172[ψ(7+172)ψ(7172)] 
【補足】
・ここで用いたディガンマ関数ψ(x)は,ψ(x)=ddxlnΓ(x)と定義される特殊関数です。
・回答はこれ以上初等関数だけで簡単な形にまとめることは難しく,この形で示すのが一般的です。

このように、部分分数分解とディガンマ関数の性質を用いることで、与えられた級数を閉じた形で表すことができました。


Q(koshix):
ディガンマ関数を用いずに,高等学校数学の範囲に登場する関数で表現してください。

A(ChatGPT o3-mini-high):
117秒かけて推論)
(導出過程省略)
【まとめ・最終回答】
部分分数分解と(望遠的な)和の評価により、特殊関数を使わず初等関数だけで表すと,
n=22n2+3n2=117ln5+ 17517 

【補足】
・導出の途中で「拡張調和数」やディガンマ関数を用いる方法もありますが,最終結果は対数と平方根のみで表されています。
・(実際の解析では、各項の和を適切に並べ替え・打ち消すことでこの形が得られることが確認できます。)

以上が、特殊関数を用いず高等学校数学レベルの初等関数のみで表現した解答です。


Q(koshix):
その結果は間違ってますね。Tan が出てくるはずですが。

A(ChatGPT o3-mini-high):
74秒かけて推論)
(導出過程省略)
【最終回答】
n=22n2+3n2=2π17tanπ 172+12 
(解説省略)

2025年2月15日土曜日

ChatGPT o3-mini(2)

ChatGPT o3-mini(1)「は、」からの続き

ChatGPT o3-mini の実力をなかなか試せていない。そこで,係助詞「は」直後の読点問題に挑戦させてみた。ChatGPT o3-mini-highで試したところ,正しいコードが一発で得られた。「、」に「,」を追加する修正も楽々。ただし,自分の環境設定に問題があった。o3-mini-highのアドバイスをもらいながら修正を試みる。

(1)  source ./myenv/bin/activate でvenv環境に移行する。
(2)  python3 -m pip install mecab-python3 でmecab-python3 をインストールする。
(3)  pip install --upgrade pip で pipのバージョンをあげた。(23.1.2 → 25.0)
(4)  python3 jta.py text.txt で /usr/local/etc/mecabrc が見つからないとのエラー。
(5)  sudo mkdir /usr/local/etc で etcディレクトリを作成。
(6)  sudo ln -s /opt/homebrew/etc/mecabrc  /usr/local/etc/mecabrc でシンボリックリンクを作成。
(7) (venv) python -m jta text.txt で実行できた(データはtext.txtに入っている)。
(8) 自分のブログ記事のいくつかを入れてコマンドラインで実行した結果の例:

=== 全体の統計 ===
句点「。」の数:  72
読点(「、」と「,」)の数:  66
一文あたりの平均読点数: 0.92

=== 係助詞「は」の統計 ===
係助詞「は」の出現数:  51
直後に読点がくる確率: 0.16

=== 係助詞「は」の直後に読点がある文の統計 ===
文数:  8
平均文字数: 137.62
平均読点数: 1.38

=== 係助詞「は」の直後に読点がない文の統計 ===
文数:  32
平均文字数: 38.19
平均読点数: 0.91

思ったより,自分は「は,」を多用していなかった。傾向も原論文と一致している。o3-miniに任せればコードはスイスイとできるとはいうものの,やはり一定のプログラム作成の知識は必要だ。その上,自分の知識は継ぎ接ぎ穴だらけであり,いきあたりばったりのアドホックな対応でごまかしているところに問題がある。

Q(koshix):
日本語のテキストの解析プログラムをつくりたいです。
テキストがファイルで与えられたとき,これを形態素解析して,
係助詞の「は」がわかるようにします。
(1) 句点と読点の数および,一文あたりの平均読点数を求める。
(2) 係助詞「は」の出現数とその直後に読点がくる確率を求める。
(3) 係助詞「は」の直後に読点がある場合とない場合について,
これを含む文の平均文字数と平均読点数を求める。
これらの機能を持つ日本語解析プログラムを作ってください。

A(ChatGPT o3-mini-high):
以下は、Python と形態素解析ライブラリ MeCab を用いて、指定された3つの解析機能を実現するサンプルプログラムの例です。

以下のコードでは、
・ファイルからテキストを読み込み、
・全体での句点(「。」)と読点(「、」)の出現数および一文あたりの読点数を求め、
・MeCab による形態素解析で「は」が係助詞(形態素情報で「助詞,係助詞」)として出現している場合をカウントし、その直後のトークンが読点(「、」)であるかどうかをチェックし、
・さらに「は」の直後に読点がある場合とない場合で、その文(=句点で区切った文)の文字数と読点数の平均を算出しています。

なお、このプログラムを実行するには、Python 用の MeCab ライブラリ(例:mecab-python3)がインストールされている必要があります。
以下、コードの全体像とともに、各ステップの処理内容についてコメントで説明しています。
(以下略)

Q(koshix):
以下のプログラムの読点を,「、」と「,」の両方に同時に対応できるように修正してください。(先ほどのコードを貼り付ける)

A(ChatGPT o3-mini-high):
(以下は出力されたコードのみで解説を省く,このコードを jta.py とする。)

#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-

"""
日本語テキスト解析プログラム

【機能】
(1) ファイル内のテキスト全体について,
    ・句点「。」と読点「、」および「,」の出現数
    ・一文あたりの平均読点数
    を求める。

(2) MeCab を用いて形態素解析を行い,
    ・係助詞「は」の出現数
    ・その直後に読点がくる確率
    を求める。

(3) 係助詞「は」の直後に読点がある場合とない場合で,
    ・その文の平均文字数
    ・その文の平均読点数
    を求める。
    
※実行例: python japanese_text_analyzer.py input.txt
"""

import MeCab
import argparse

def analyze_text(text):
    # (1) 句点と読点の総数、及び一文あたりの読点数
    total_period = text.count("。")
    # 読点は「、」と「,」の両方に対応
    total_comma = text.count("、") + text.count(",")
    
    # 文章を「。」で分割して文単位にする(文末の句点を補完)
    sentences = []
    for s in text.split("。"):
        s = s.strip()
        if s:
            sentences.append(s + "。")
    num_sentences = len(sentences)
    avg_comma_per_sentence = total_comma / num_sentences if num_sentences > 0 else 0

    # (2) および (3) の解析用に、形態素解析器を初期化
    tagger = MeCab.Tagger()
    
    # 係助詞「は」についての統計
    total_ha_occurrences = 0     # 「は」の出現回数(係助詞として)
    ha_followed_by_comma = 0       # 「は」の直後に読点がある回数
    
    # (3) 用の文ごとの集計
    groupA_sentences = []  # 「は」の直後に読点がある場合を含む文
    groupB_sentences = []  # 「は」の直後に読点がない場合を含む文

    # 各文ごとに形態素解析を実施して処理する
    for sentence in sentences:
        # MeCab で形態素解析(各文を対象)
        node = tagger.parseToNode(sentence)
        tokens = []
        while node:
            # BOS/EOS ノードは除外
            if node.stat in (MeCab.MECAB_BOS_NODE, MeCab.MECAB_EOS_NODE):
                node = node.next
                continue
            # node.feature は「品詞,品詞細分類1,品詞細分類2,品詞細分類3,活用形,活用型,原形,読み,発音」などの情報
            features = node.feature.split(",")
            pos = features[0]               # 例:"助詞"
            pos_detail1 = features[1]       # 例:"係助詞"(係助詞ならこの値)
            # 原形は features[6] だが、情報がない場合もあるので、surface を利用する
            base = features[6] if len(features) > 6 else node.surface
            tokens.append({
                'surface': node.surface,
                'pos': pos,
                'pos_detail1': pos_detail1,
                'base': base
            })
            node = node.next

        # 各文中の「は」に関して、直後のトークンが読点「、」または「,」かどうかをチェック
        sentence_has_ha_followed_comma = False
        sentence_has_ha_not_followed_comma = False
        
        for i, token in enumerate(tokens):
            # 係助詞としての「は」を対象にする
            if token['surface'] == "は" and token['pos'] == "助詞" and token['pos_detail1'] == "係助詞":
                total_ha_occurrences += 1
                # 直後のトークンが存在するかどうかをチェック
                if i + 1 < len(tokens):
                    next_token = tokens[i + 1]
                    if next_token['surface'] in ("、", ","):
                        ha_followed_by_comma += 1
                        sentence_has_ha_followed_comma = True
                    else:
                        sentence_has_ha_not_followed_comma = True
                else:
                    # 直後にトークンがなければ「読点なし」と判断
                    sentence_has_ha_not_followed_comma = True

        # (3) の集計対象として文をグループ分け(※文中に複数の「は」がある場合,
        #  直後に読点がある場合とない場合の両方に該当する可能性があります)
        if sentence_has_ha_followed_comma:
            groupA_sentences.append(sentence)
        if sentence_has_ha_not_followed_comma:
            groupB_sentences.append(sentence)

    # (2) 「は」の直後に読点が来る確率
    prob_ha_comma = ha_followed_by_comma / total_ha_occurrences if total_ha_occurrences > 0 else 0

    # (3) グループごとの文の平均文字数と平均読点数を計算する関数
    def average_metrics(sent_list):
        total_chars = 0
        total_commas_in_sent = 0
        for s in sent_list:
            total_chars += len(s)
            total_commas_in_sent += s.count("、") + s.count(",")
        count = len(sent_list)
        if count == 0:
            return (0, 0)
        return (total_chars / count, total_commas_in_sent / count)
    
    avg_len_groupA, avg_comma_groupA = average_metrics(groupA_sentences)
    avg_len_groupB, avg_comma_groupB = average_metrics(groupB_sentences)
    
    # 結果の出力
    print("=== 全体の統計 ===")
    print("句点「。」の数: ", total_period)
    print("読点(「、」と「,」)の数: ", total_comma)
    print("一文あたりの平均読点数: {:.2f}".format(avg_comma_per_sentence))
    print("")
    
    print("=== 係助詞「は」の統計 ===")
    print("係助詞「は」の出現数: ", total_ha_occurrences)
    print("直後に読点がくる確率: {:.2f}".format(prob_ha_comma))
    print("")
    
    print("=== 係助詞「は」の直後に読点がある文の統計 ===")
    print("文数: ", len(groupA_sentences))
    print("平均文字数: {:.2f}".format(avg_len_groupA))
    print("平均読点数: {:.2f}".format(avg_comma_groupA))
    print("")
    
    print("=== 係助詞「は」の直後に読点がない文の統計 ===")
    print("文数: ", len(groupB_sentences))
    print("平均文字数: {:.2f}".format(avg_len_groupB))
    print("平均読点数: {:.2f}".format(avg_comma_groupB))

def main():
    # コマンドライン引数で対象のファイルを指定
    parser = argparse.ArgumentParser(description="日本語テキスト解析プログラム")
    parser.add_argument("file", help="解析対象のテキストファイルパス")
    args = parser.parse_args()
    
    # ファイルの読み込み(UTF-8 エンコード前提)
    try:
        with open(args.file, "r", encoding="utf-8") as f:
            text = f.read()
    except Exception as e:
        print("ファイルの読み込みに失敗しました:", e)
        return
    
    analyze_text(text)

if __name__ == "__main__":
    main()

[1]OpenAI o3-mini (OpenAI)

2025年2月13日木曜日

索引たんご(2)


前回,5.pyというローカルの単語パズルプログラムを OpenAI o3-mini-high に作成させた。これだと,本家のパズルゲームを解くことにはならない。そこで,一日一度だけトライできる「索引たんご」の解法支援プログラムも考えることにした。

Q(koshix)
カタカナ5文字の単語当てゲームが外部サイトにあります。
そのロジックは別添のプログラムのようになっています。

単語当ての推定解をユーザが外部サイトに入れると,現時点の最小値と
最大値のいずれかが推定解に置き換わって,正解から最小値や最大値までの
距離がパーセンテージ比率で与えられます。
それをみながらユーザは次の新たな推定解を外部サイトに入力するのです。

外部サイトのゲームが持っている辞書や正解は秘匿されていますが,
自分の手元にある同様の辞書(別添ブログラム参照)と
外部サイトのゲームが返答するパーセンテージを使って
正解を推定する支援プログラムを新たに自分の手元に作りたいと思います。
この支援プログラムには,推定解の5文字単語とパーセンテージを入力します。
それを受けて新たな正解の候補を返してくれるわけです。

ここまでで,何か質問はありますか。
(別添のプログラムとして前回の5.py 105行をここにおいた)

A(OpenAI o3-staff-high)
(24秒の推論の後)
以下、現状の理解と実装にあたって確認したい点をいくつか挙げさせていただきます。
【現状の理解】
(9行 省略)
【確認・質問事項】
(26行 省略)
以上の点についてご確認いただけますでしょうか?
これらの点を明確にさせていただくことで、より正確でご希望に沿った支援プログラムの設計案をご提案できると考えております。 
 
Q(koshix)
(1) 外部サイトの辞書は約12000語を持っていますが(29795語ではありません),その詳細はこちらには不明です。
最小値「アアアアア」,最大値「ンンンンン」が初期値として設定されおり,
正解との関係を判断してこれらの境界が更新されます。

(2) 外部サイトの下限から正解までの割合p1と上限から正解までの割合p2は
p1+p2=100%になるように設定されています。

(3) 外部サイトから得られる情報は,更新された「最小値」と更新された「最大値」と
これらから正解までの距離を表すパーセンテージになります。

(4) 支援プログラム(こちらの辞書は29795語)の初期値も,最小値「アアアアア」,最大値「ンンンンン」であり,内部情報としてこれらが更新され,対話的に使用します。
つまり支援プログラムの最小値や最大値は外部サイトのそれと常に一致しています。

(5) 正解は必ず最小値と最大値の範囲に入るように,推定値を入れていきます。
条件に当てはまらない場合は推定値の再入力が促されます(外部でも支援でも)。
したがって,最小値<正解<最大値を満たすので,パーセンテージは必ず計算できます。

(6) 候補はひとつだけ返してください。

(7) 支援プログラムが使うローカル辞書と外部サイトが使う外部辞書は異なっています。
それでも両者が相似関係にあるとして推定をすることになります。

さらに,質問はありませんか。

A(OpenAI o3-staff-high)
(21秒推論の後)
以下、現状の理解と、実装に向けた最終確認として追加の質問事項をまとめさせていただきます。
【現状の理解】
(20行 省略)
【追加で確認させていただきたい点】
(28行 省略)
以上、上記の点についてご確認いただければ、より正確な支援プログラムの設計・実装の提案が可能です。
何かご不明点や追加で伝えていただくべき事項があればお知らせください。


Q(koshix)
(1) 境界はローカル辞書の中に必ず存在します。
(2) p1の式はOK。内部プログラムでは小数点以下1桁までで十分,外部プログラムは小数点以下四捨五入した1-2桁の整数で%を返してきます。

A(OpenAI o3-staff-high)
(12秒推論の後)
以下、現時点での理解内容を整理するとともに、今後の実装方針について確認させていただきます。
【整理した前提・仕様】
(26行 省略)
【今後の実装方針について】
(16行 省略)
【確認事項】
(9行 省略)
上記内容で問題なければ、この前提に沿って支援プログラムの実装案をご提案させていただきます。
また、上記以外にご不明点や追加でご要望などございましたら、お知らせください。

Q(koshix)
入力インターフェイスはそれで結構です。コマンドラインでの応答。
その他の補正は不要です。それではプログラムをつくってください。

A(OpenAI o3-staff-high)
(46秒推論の後)
以下は、上記の前提条件と仕様に沿って作成した Python プログラムの例です。
(説明10行 省略)
(プログラム120行 省略)
プログラムの使い方
(15行 省略)
このプログラムは、コマンドラインで対話的に実行可能です。
ご不明点や追加のご要望があればお知らせください。

この支援プログラムを使って「索引たんご」を解いてみたところおおむねOKだったけれど,問題点が1つ発覚した。元の「索引たんご」の辞書は,ソートの段階では濁点や半濁点を除いたものとして扱っていた。これに対して前回説明したローカルの支援プログラムの辞書は,通常のソートルールに則っている。そこで,ローカルの辞書から「索引たんご」形式の辞書に変換するプログラムもOpenAI o3-mini-highに作らせた。プログラミングがはかどるわ。

Q(koshix)
次の形式のCSVファイル5.csvがある。
1,アアアアア,
2,アイアンズ,
3,アイアース,
・・・
29793,ンドンバシ,
29794,ンバラカダ,
29795,ンンンンン,

5文字のカタカナが五十音順にソートされて番号が付けられている。

ここで,濁点や半濁点の文字をそれを取り去った文字として扱って
ソートし直して付番した新しいCSVファイル55.csvを出力する
プログラムを作ってください。

例えば,「ガンシップ」は比較の際に「カンシッフ」としてソートして
付番するが,出力CSVファイル上は,「ガンシップ」のままである。

A(OpenAI o3-mini-high)
(8秒推論の後)
【解説・手順】
(14行 省略)
【コード例】

import csv
import unicodedata

def remove_diacritics(text):
    """
    文字列 text を Unicode 正規化 (NFD) し、
    濁点・半濁点(結合文字)を取り除いた文字列を返す。
    """
    # NFD正規化により合成文字を分解する
    normalized = unicodedata.normalize('NFD', text)
    # 結合文字(濁点や半濁点など)を除去して再結合する
    return ''.join(ch for ch in normalized if not unicodedata.combining(ch))

def main():
    input_filename = "5.csv"
    output_filename = "55.csv"

    # CSVの各行は [番号, カタカナ文字列, (その他)] と仮定
    rows = []
    with open(input_filename, newline="", encoding="utf-8") as csvfile:
        reader = csv.reader(csvfile)
        for row in reader:
            if len(row) < 2:
                continue  # 少なくとも番号と文字列がある行のみ対象
            # row[1] がカタカナの5文字であると仮定
            # ソートキーは、row[1] に対して濁点・半濁点を除去したもの
            key = remove_diacritics(row[1])
            rows.append((row, key))

    # ソート実行:変換後の文字列で五十音順に並べ替える
    # 注意:日本語の五十音順に近いソートとなるが、完全な辞書順ではない場合もあるので
    # 必要に応じて locale.strxfrm() などの利用も検討してください。
    sorted_rows = sorted(rows, key=lambda x: x[1])

    # 出力時に新しい番号を付ける
    with open(output_filename, mode="w", newline="", encoding="utf-8") as csvfile:
        writer = csv.writer(csvfile)
        for new_index, (orig_row, _) in enumerate(sorted_rows, start=1):
            # もとの行の1列目(番号)を新しい番号に置き換える
            # もとの行の他のフィールドはそのまま残す
            new_row = [str(new_index)] + orig_row[1:]
            writer.writerow(new_row)

if __name__ == "__main__":
    main()

【ポイント解説】
(14行 省略)

2025年2月12日水曜日

索引たんご(1)

単語あてと推論AIからの続き

一日に一回トライできるパズルゲームの索引たんご。12回のトライで正解を挟み込む必要があるのだけれど,これが中々に難しい。単語辞書中の正解の位置が左にパーセンテージで表示されているので,辞書があればより確実に推定できるはずだけれど,それは公開されていない。

しかたがないので,代替の辞書がないものかと探してみたところ,言語資源開発センター『現代日本語書き言葉均衡コーパス』短単位語彙表(Version 1.0)にたどり着いた。なんとなくそれらしい雰囲気が漂っている。Creative Commonsライセンス(CC BY-NC-ND)なので私達には使いやすい。

8MBのgzipファイルを解凍してできたTSVファイルをmacOSのNumbersに読み込ませて,品詞属性や統計データを取り除いて,正規表現で5文字だけのデータを選び出すと36785語が得られた。さらに,sortしてuniqをかけて同音異義語を排除すると29795語になる。ただし両端に「アアアアア」と「ンンンンン」を加えている(実際は,Excelがユニコードに弱いので慣れないNumbersでの作業を強いられたりして,結構面倒なクレンジングになった)。

これをOpenAI o3-mini-highにプログラムに依頼するのだけれど,そのロジックを考えるのに難儀する。こういうことは丁寧な段取りが重要なのである。一発で動くコードができたので,あとは2-3回微修正を入れるとスイスイとできあがった。ロジックの中身はブラックボックスでも構わないが,各動作の機能仕様やデータ構造は押さえる必要があって,今後のプログラミング教育の方向性は若干かなり変わってくるかもしれない。

Q(koshix):
1から29795まで五十音順に番号のついた5文字のカタカナを格納したファイル5.csvがあります。このプログラムがランダムに発生する1-29795の整数m0に対応するファイル内の 5文字のカタカナc0を当てるゲームです。正解のans=(m0,c0)とします。 最小の推定値min=(m1,c1)の初期値は(1,アアアアア)です。 最大の推定値max=(m2,c2)の初期値は(29795,ンンンンン)です。 ユーザはコマンドラインから5文字のカタカナ5文字cを入力します。 このようなコマンドラインで動作するプログラムを作ってください。

A(OpenAI o3-mini-high):
(28秒の推論の後)

以下は、Python を用いてコマンドライン上で動作するプログラムの例です。

このプログラムでは、まず CSV ファイル("5.csv")から 1~36787 番目の「5文字のカタカナ」を読み込み、

・辞書(word → 番号)およびリスト(番号 → word)の両方で管理します。
・ゲーム開始時に、ランダムに 1~29795 の整数 m₀ を選び、その番号に対応するカタカナ c₀ を正解とします。
・ゲームでは、初期の推定範囲を下限 (1, "アアアアア")、上限 (29795, "ンンンンン") とし、
ユーザが入力する 5文字のカタカナ(必ず CSV 内に存在するものとする)をもとに、
入力された単語の CSV 上の番号と正解の m₀ を比較します。
・もし入力の番号が m₀ より小さい場合は下限を更新し、
大きい場合は上限を更新します。
・ユーザの入力が正解に一致するまで繰り返します。

以下、コード例です。

import csv
import random

def load_katakana(file_path):
    """
    CSVファイル(例: "5.csv")から、番号と5文字カタカナの組を読み込み、
    番号→カタカナのリスト(インデックス番号は番号-1)と、
    カタカナ→番号の辞書を返す。
    CSVは各行が「番号,カタカナ」という形式である前提です。
    """
    total = 29795  # ファイルの行数
    words = [None] * total      # 番号 1~29795 に対応(リストのインデックスは 0~29794)
    katakana_to_index = {}
    
    with open(file_path, 'r', encoding='utf-8') as csvfile:
        reader = csv.reader(csvfile)
        for row in reader:
            if not row or len(row) < 2:
                continue
            try:
                idx = int(row[0])
            except ValueError:
                continue  # 番号が数値でない行はスキップ
            word = row[1].strip()
            if 1 <= idx <= total:
                words[idx - 1] = word
                katakana_to_index[word] = idx

    if any(w is None for w in words):
        raise ValueError("CSVファイルの読み込みに失敗しました。行数やデータ形式を確認してください。")
    
    return words, katakana_to_index

def print_range(lower_index, lower_word, upper_index, upper_word, target_index):
    """
    現在の推定範囲と、正解の位置を表すパーセンテージ (p1, p2) を表示する。
    p1: 下限から正解までの割合, p2: 正解から上限までの割合 (p1+p2=100)
    """
    range_span = upper_index - lower_index
    if range_span > 0:
        p1 = (target_index - lower_index) / range_span * 100
        p2 = 100 - p1
    else:
        p1, p2 = 0, 0
    print(f"現在の推定範囲: {lower_index}:{lower_word}  ~  {upper_index}:{upper_word}  (p1:{p1:.1f}%, p2:{p2:.1f}%)\n")

def main():
    file_path = "5.csv"
    
    try:
        words, katakana_to_index = load_katakana(file_path)
    except Exception as e:
        print(f"エラー: {e}")
        return

    # 初期の推定範囲の設定
    lower_index, lower_word = 1, "アアアアア"    # 最小の推定値
    upper_index, upper_word = 29795, "ンンンンン"  # 最大の推定値

    # 正解は、1~29795 の中からランダムに選ぶ(番号 m0 に対応する c0)
    target_index = random.randint(1, 29795)
    target_word = words[target_index - 1]
    
    attempts = 0
    print("=== カタカナ当てゲーム ===")
    print("CSVファイル内の5文字カタカナのうち、\n  番号 1~29795 に対応する単語を当ててください。")
    print_range(lower_index, lower_word, upper_index, upper_word, target_index)

    while True:
        # 試行回数を表示(例:1回目、2回目…)
        print(f"{attempts + 1}回目")
        guess = input("5文字のカタカナを入力してください: ").strip()
        attempts += 1
        
        if len(guess) != 5:
            print("入力エラー:5文字のカタカナを入力してください。\n")
            continue
        
        if guess not in katakana_to_index:
            print("入力されたカタカナはリストに存在しません。\n")
            continue
        
        guess_index = katakana_to_index[guess]
        
        if not (lower_index < guess_index < upper_index):
            print(f"入力された単語は現在の範囲外です。(現在の範囲:{lower_index}~{upper_index})\n")
            continue
        
        if guess_index == target_index:
            print(f"\n正解です!")
            print(f"{attempts}回目の試行で正解 (番号: {target_index}, カタカナ: {target_word}) に辿り着きました。")
            break
        elif guess_index < target_index:
            if guess_index > lower_index:
                lower_index, lower_word = guess_index, guess
            print("ヒント: 入力は小さすぎます。")
        else:  # guess_index > target_index
            if guess_index < upper_index:
                upper_index, upper_word = guess_index, guess
            print("ヒント: 入力は大きすぎます。")
        
        print_range(lower_index, lower_word, upper_index, upper_word, target_index)

if __name__ == "__main__":
    main()

プログラムのポイントと流れ

1.CSV 読み込み
・load_katakana 関数で CSV ファイルから全 29795 行を読み込み、
番号順にリスト words と、単語から番号を引く辞書 katakana_to_index を作成します。
2.正解の設定
・ランダムに 1~29795 の整数 target_index を選び、対応する単語 target_word を正解とします。
3.推定範囲の初期値
・下限は (1, "アアアアア")、上限は (29795, "ンンンンン") としておき、
ユーザの入力によって更新していきます。
4.ユーザ入力と比較
・ユーザはコマンドラインから 5文字のカタカナを入力します。
・入力された単語が CSV 内に存在し、かつ現在の推定範囲内であるかチェックします。
・単語に対応する番号を取り出し、正解の番号と比較します。
  *一致すればゲーム終了。
  *小さい場合は「ヒント:小さすぎる」と表示し、下限を更新。
  *大きい場合は「ヒント:大きすぎる」と表示し、上限を更新。
・現在の推定範囲を画面に表示し、正解するまで繰り返します。

この例は、インタラクティブな当てゲームとして動作します。実際にご利用になる際は、CSV ファイルの配置場所や文字コード(ここでは UTF-8 を想定)などをご確認ください。




図:本家の索引たんごの成功例(チートを利用した場合)
上記の辞書だけを用い,自力で位置を計算してやるとようやく正解にたどり着けた。

P. S.  上述の「『現代日本語書き言葉均衡コーパス』短単位語彙表」だけど,NumbersからExcelにファイル変換すればよかった。5文字以外も含めてすべてで18万5千語ある。このうち,36%が固有名詞,27%が漢語由来,21%が和語,12%が外来語だ。固有名詞の多くが外来語的なものになる。