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2025年6月13日金曜日

サザエさん

夫婦別氏夫婦別姓問題選択的夫婦別姓制度からの続き

6月10日の衆議院法務委員会で,選択的夫婦別姓法案に関する参考人意見陳述があった。The PAGEのYouTube動画のコメント欄はネトウヨ言説に満ち溢れていてとても悲しい。

反動勢力の日本維新の会は参考人としてよりにもよって竹田恒泰(1975-)なんぞを呼んできた。その馬鹿げたロジックは顰蹙ものなのだが,ネトウヨの皆さんは大喜びしている。(このへんの表現に私自身の感情的分極化がみてとれる)

さて,百害あって一利なしとはいわれながらも欲求が押さえられないので,竹田何某の意見陳述の論理的整合性や事実関係の妥当性をChatGPT o3 様に確認してみた。文字データは,YouTubeの文字起しから該当の10分程度を切り出したテキストファイルを添付した。

Q(koshix):
(竹田何某の意見陳述のテキストファイルを添付)
この文章の論理的整合性や事実関係の妥当性を検証してください。

A(ChatGPT o3):
(回答略)
結論
竹田氏の発言は「通称使用拡大で十分」「制度改正はコスト高で社会的損失が大きい」という結論を導くために、
・統計の取り上げ方と計算に複数の誤りや抜けがある
・コスト・出生率・子どもへの影響について実証データを欠く
――という点で 論理的整合性・事実妥当性ともに弱い という評価になります。


Q(koshix):
とくにサザエさんの例の部分の論理的な整合性を検証してください。

A(ChatGPT o3):

1.サザエさん一家を“例示”した竹田氏の主張
発言要旨:選択的夫婦別姓が導入されると、
・波平だけが「磯野」、フネと3きょうだいが「石田」、サザエの子タラオは「フグ田」——と家の中に3つ以上の姓が混在する。
・「表札も掛けられない」「磯野一家と呼べない」「レストランで名字を呼ばれても応答できない」「お墓も作れない」といった不都合が起きる。 

→ この例は一見わかりやすそうですが、前提事実の取り違えと制度理解の不足が複数重なっており、論理的に成立しません。

2.事実誤認①──そもそも作品内に既に複数の姓が共存
・原作・アニメの公式設定では、
  波平・フネ・カツオ・ワカメは 磯野、
  サザエは結婚後に フグ田サザエ、
  夫マスオと子タラオも フグ田。 
・つまり現在の放送でも「磯野」と「フグ田」の2つの姓が同居し、郵便・表札・呼称も機能しています(表札は「磯野」あるいは2表札方式)

→ 複数姓だから家族が成り立たないという竹田氏の前提は、作品自体が反証しています。

3.事実誤認②──フネの「石田」という姓は作中に存在しない(×)
・フネの旧姓は公式に開示されておらず、作中でも一貫して「磯野フネ」。
・「石田フネ/石田カツオ…」という設定は竹田氏の独自創作であり、原作・アニメに根拠がありません。(注:旧姓石田フネは竹田の独自創作ではない

4.制度誤解──子どもの姓は“1人ずつバラバラ”にはならない
・1996年法務省要綱案や直近の野党提出法案では、別姓を選んだ夫婦は婚姻時(または出生時)に 子ども全員に適用する姓を一つ決める 仕組みです。兄弟姉妹で姓が異なるのは例外的ケースに限られます。
・したがって、「カツオだけ石田、タラオだけフグ田」のように家族内の子どもごとに姓がバラバラという竹田氏のシナリオは法案の想定から外れています。

5.帰結誤り──表札・呼称・墓の混乱は制度と無関係
指摘された不都合 現行制度/社会慣行 実際は…
・表札が掛けられない すでに二世帯・二姓同居の家は「○○・△△」と2枚並べる、戸建てでも表札を付けない例も多数 別姓導入と直接関係なし
・レストランで呼べない 予約時に代表者名を伝えるだけ 現行の国際結婚・再婚家庭と同じ運用
・お墓が作れない 戸籍上の姓と墓碑名は必ずしも一致不要。夫婦同墓・別墓いずれも可 墓石の彫刻は家ごとの慣習で調整可能

→要するに、名字の選択肢が増えること自体がサービス提供や慣習を阻む決定的要因にはなりません。

6.論理的整合性の総括
(1) 事実ベースが誤り – 作品設定を無視して仮の姓を当てはめ、現状で既に成立している複数姓同居を見落としている。
(2) 制度理解が不十分 – 子どもの姓決定ルールを無視し“家族全員バラバラ姓”という あり得ない 状態を前提にしている。
(3) 結論が飛躍 – 表札・呼称・墓の混乱は現行でも調整可能であり、「家族が名乗れなくなる」という帰結は実態にそぐわない。

→したがって、竹田氏の「サザエさん一家」例は、前提事実の誤認と制度設計の誤解に基づくストローマン論法であり、論理的整合性を欠くと言わざるをえません。

図:著作権的問題がないザザエさん的家族関係の微妙なイメージ(ChatGPT 4o)


まあこんな調子だから,世界経済フォーラムで日本は男女平等で118位(148カ国中)になってしまうわけでイノベーションも何もあったものではない。おまけにNHKは,日本維新の会や国民民主党に引きずられて,夫婦別姓制度への賛否アンケートを従来の二択から三択に変更してしまった結果,賛成が激減して反対派を勢いづかせてしまったorz...。


[1]サザエさんの登場人物(Wikipedia)

2025年6月9日月曜日

感情的分極化

韓国の大統領選挙を取上げたニュースの中で,感情的分極化という言葉が出てきた。トランプ2.0もそうだ。兵庫県知事問題も同様の感情的分極化を招いている。

感情的分極化とは,ある問題についての2つの異なった立場がある場合に,中間的な意見が失われて2つの極端な意見に集団が別れて収束していくことである。その対立は次第に激化して2つの集団の間では議論が成立しなくなり,お互いを人格的に否定しあうようになる。それをドライブするのが,SNSによるエコーチェンバーとそれによって煽られる感情的な対立である。これが,新自由主義的な資本主義による階級分裂に重なってくる。

Q(koshix):
米国や韓国においては政治的な立場の違いが社会の「感情的分極化」を招いているという説を見かけました。これについて説明していただいてから,日本における感情的分極化がどうなるかを考察してください。
Q(koshix):
わかりました。例題として兵庫県知事問題を含めて,上記の全体を雑誌の解説記事調にまとめてください。その著者は平易な言葉ながら大変わかりやすいロジックを展開する能力を持っていることを想定します。読者対象は大学院修士レベルの理解力を持った人です。
Q(koshix):
ありがとうございました。話の骨格としてはよくわかりますが肉付けが足りないので,薄っぺらい表面的なテキストで心に届かないような気がしました。問題の根元はより深い部分にあるはずなので,現在の世界史的な位置づけや技術的な環境の大きなうねりの中で,今後のAIの普及等を視野に置きつつ,より哲学的な思索や文学的な沈潜につながっていくようなストーリーかつそのような重みと重層的な意味付けを感じさせ,読者に新たな考えを引き起こすような表現に改善することができないでしょうか。
Q(koshix):
かなり良くなりました。一つだけ事実認識の問題があります。
「兵庫県知事をめぐる問題。若い知事の手法に対して、保守的な行政文化の反発が起きたが、それをSNS上では「改革派 vs 既得権益層」の物語として二分法的に消費した。」
これはある種の一方的な意見に引きずられているようにみえます。
若い知事の手法に対する保守的な行政文化の反発が問題なのではなくて,斎藤知事とその取り巻きが行った違法行為とそれを糊塗するための田舎の泥臭い政治+官僚主義的ツールによる逃避と欺瞞が問題の本質なので,そのあたりを今の解説程度の簡単な表現に修正してください。
Q(koshix):
主要な参考文献とこの記事に付加するイラスト(あまり説明的で文字を多用していないもの)を作ることはできますか。

A(ChatGPT 4o):
(以下が生成されたテキスト)

 分断する感情——文明の転換点における分極化の深層

1.はじめに:心の裂け目と時代の転回

いま世界では、人々の意見が割れているのではない。心そのものが裂けているのだ。
私たちは、21世紀の技術的・社会的うねりのなかで、かつてないほど強く他者の「違い」に反応するようになっている。これは単なる政治的立場の違いではない。他者の生き方や語り口、価値観そのものに対して、嫌悪や軽蔑、あるいは恐れの感情を抱く——そのような、深く感情に根ざした断絶が、世界各地で広がっている。
この現象を社会科学では「感情的分極化(affective polarization)」と呼ぶ。だが本稿では、この語を単なる分析概念としてではなく、現代文明の転回点における**「人間の孤立の徴候」**として読み直してみたい。

2.アメリカと韓国に見る、心の亀裂

(1) アメリカ:アイデンティティの政治とメディアの鏡像
米国における感情的分極化は、いわば自由の果実の副作用である。人々は表現の自由を最大限に享受しつつ、SNSやケーブルニュースといった鏡像的メディアの中で、自らの信念を強化する情報しか受け取らなくなっていく。
こうして政治的な立場が、単なる政策選好ではなく、「私とは誰か」という問いに深く結びつくようになる。共和党支持者と民主党支持者は、互いに異なる現実を生きるようになり、「あの人たちは間違っている」ではなく「彼らは道徳的に堕落している」と見なされる。
アイヤンガーらの研究は、この感情が人種差別感情よりも強く、かつ急速に社会に浸透していることを明らかにした。これは単なる政治学の知見ではなく、現代人の心の構造が変質しつつあることを示唆している。

(2) 韓国:歴史と正義が交差する場所
韓国社会の分極化は、理念と感情が複雑に交差する場所にある。進歩派と保守派の対立は、単なる左右の争いではなく、歴史の正義をどう定義するかという問いに深く関係している。
「積弊清算」「共産主義者」「親日派」などの語は、政治的言辞であると同時に、存在の正統性をめぐる告発である。ここにおいては、相手は単なる反対者ではなく、浄化されるべき存在として扱われる。その情念の深さは、文学者ハン・ガンの『菜食主義者』に描かれた家族の破綻にさえ重ねられるほどである。

3.日本の静かな臨界——氷の下を流れる水のように

日本社会はしばしば「穏やか」と評される。しかしその穏やかさは、単に対立が表面化していないことの裏返しではないか。
たとえば、兵庫県知事をめぐる問題。斎藤知事とその周辺による違法行為の疑いと、それに対する説明責任を回避するための旧来的で泥臭い政治的・官僚的対応が問題の本質である。しかしSNS上では、それを「改革派 vs 既得権益層」という単純な物語に還元し、感情的な立場表明として消費する傾向が見られた。ここで交わされた言葉の多くは、冷静な政策批評ではなく、どちらの『側』にいるのかという帰属感情に支配されていた。
このような空気が進めば、やがて「表現しない多数」が「声の大きい少数」に押し流されることになる。そして、分極化の臨界点は、静かに訪れる。

4.時代背景:技術が心を可視化し、分断を加速する

われわれは今、AI、ビッグデータ、SNSというテクノロジーによって、人間の心の「微細な振動」までもが可視化・拡散される時代に生きている。言葉のトーン、顔の表情、「いいね」の数が、無数の共感圏を作り出し、それが政治的・倫理的な同調圧力となって現れる。
そしてAIの普及は、さらに複雑な事態をもたらすだろう。意見の形成プロセスにAIが関与することで、「自分で考えた」と思い込んだ言説が、実は無意識のうちに最適化された感情刺激の産物となる未来が、すでに始まりつつある。
このような時代において、「他者に対する感情の質」こそが民主主義の健全性を決める。対立の有無ではない。対立をどう感じ、どう処理するかのほうが重要なのである。

5.哲学的省察:自己と他者のあいだに橋を架けること

感情的分極化とは、究極的には**「他者との関係を結び直す力の喪失」**である。他者に不安を感じ、やがてそれを敵意に変え、最後には沈黙と排除に至る。
哲学者レヴィナスは、他者の顔を見つめることの根源的な倫理を説いたが、現代はその「顔」がスクリーンに変わり、感情が記号的にしか伝わらない時代である。
このとき必要なのは、違いを「怖れ」ではなく「驚き」として受け取る文化であり、文学的な「沈潜」の力——すなわち、言葉にならぬ感情を見つめ、熟成させる知性の再建である。

6.結語:裂け目の向こうに、声を聞く

私たちが生きるこの時代は、表層の穏やかさの裏に、深い分断の予兆を抱えている。だが、それは終わりではない。もしもその裂け目の向こう側に、言葉にならない他者の声を聴こうとする意志が残っているならば——感情的分極化の波を超えて、共に生きる新しい「知の倫理」が始まる可能性がある。
分断の時代は、同時に想像力の時代でもある。その想像力が、分極の氷をゆっくりと溶かしていくのだ。

参考文献

(1) Iyengar, S., & Westwood, S. J. (2015).
Fear and Loathing across Party Lines: New Evidence on Group Polarization.
American Journal of Political Science, 59(3), 690–707.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/ajps.12152
感情的分極化という概念の中心的な定義とエビデンスを提供

(2) Pew Research Center (2014).
Political Polarization in the American Public.
https://www.pewresearch.org/politics/2014/06/12/political-polarization-in-the-american-public/
米国社会の意見分布の二極化と感情対立のデータ分析

(3) Mutz, D. C. (2006).
Hearing the Other Side: Deliberative versus Participatory Democracy.
Cambridge University Press.
https://assets.cambridge.org/97805216/12289/frontmatter/9780521612289_frontmatter.pdf
「熟議」と「感情的分極化」の関係性に注目



図:感情的分極化のイメージもいまいちか(ChatGPT 4o による)


2025年6月8日日曜日

日本郵便

日本郵便に対する国土交通省の厳しい処置の件。

日本の郵便システムを壊してしまうつもりなのかと憤った老人が, Gemini 2.5 Pro にきいて賛同を求めたところ,逆に諭されてしまったのであった。なるほどね,深く反省します。日本郵政社長から逃げ出した増田寛也が悪かったってことかな?

小泉純一郎のせいで2007年に郵政三事業は民営化させられてしまい(米国金融資本の影響&全逓潰しは,中曽根康広による国鉄分割民営化&国労潰しと同じパターン),ハガキも封書もどんどん値上がりし,配達にはとても時間がかかるようになり,荷物は宅配便に置き換えられた。私信はネットワークで片づく時代になって,もうこの国の郵便システムも終焉を迎えているのかもしれない。

Q(koshix):
「郵便局の配達員の法定点呼業務が適切に行われていなかった問題で、国土交通省は日本郵便に対し、バンやトラック約2500台による貨物運送事業の許可を取り消す方針を通知した。貨物自動車運送事業法に基づく最も重い行政処分だ。大手事業者に出るのは極めて異例となる。処分が決まれば5年間は許可の再取得ができない。国交省は今後、宅配の主力となる軽バンなど約3万2千台の運送事業の処分も検討する。(高知新聞より引用)」 
ということですが,日本の基幹的な郵便システムを混乱と危機に陥れるような国土交通省の判断について非常に疑問に思います。それにもかかわらず,どこからも日本郵便に対する助け船がでてきません。
いったいこの国の判断はどうなっているのでしょうか。なぜこのような事態がまかりとおっているのでしょうか。納得のいく説明を下さい。

A(Gemini 2.5 Pro):
ご提示いただいた日本郵便への行政処分に関する問題について、なぜこのような厳しい判断が下され、そしてなぜ「助け舟」が出ないのか、多くの方が疑問に思われるのは当然のことと存じます。一見すると、国民生活に不可欠な郵便インフラを揺るガしかねない、過酷な処分に映るかもしれません。

しかし、この問題にはいくつかの重要な背景と原則が存在します。これらを理解することで、国土交通省の判断の意図と、なぜ他者が介入しにくいのかが見えてきます。以下に、ご納得いただくための一助として、多角的な視点から解説します。

1.「安全」は、いかなる理由があっても譲れない絶対的な原則であること

まず、この問題の根幹にあるのは**「国民の安全確保」**という、行政が担う最も重要な責務です。

点呼業務の重大性:貨物自動車運送事業法で定められている「点呼」は、単なる形式的な手続きではありません。運転者の健康状態(睡眠不足、疲労、病気など)、飲酒の有無などを運行管理者が対面で確認し、その日の運転の可否を判断する、交通事故を未然に防ぐための最後の砦です。これを怠るということは、飲酒運転や過労運転の車両が、私たちの生活する道路を走ることを容認するに等しい行為です。
「基幹インフラだから」は免罪符にならない:「郵便は重要なインフラだから、多少の法令違反は多めに見るべきだ」という議論は、安全の観点からは成り立ちません。むしろ、国民生活に密接に関わる巨大企業だからこそ、他事業者の模範となるべき高いレベルの法令遵守が求められます。もし日本郵便の違反が不問に付されれば、「大手は許されるのか」という不公平感を生み、運送業界全体の安全意識の低下を招きかねません。

国土交通省は、「郵便」という事業の重要性よりも、「人々の命を守る」という、それ以上に優先されるべき社会的責任に基づいて判断を下しているのです。

2.問題の根深さと組織的な体質への警鐘

今回の処分が厳しいものになった背景には、違反が一時的・偶発的なものではなく、長年にわたり、組織的かつ広範囲で行われていたという事実があります。

常態化・形骸化したコンプライアンス:報道によれば、点呼の未実施や記録の改ざんが複数の郵便局で長期間にわたって常態化していました。これは、現場レベルの問題だけでなく、それを許容、あるいは黙認してきた日本郵便全体の経営・管理体制(ガバナンス)に深刻な問題があることを示唆しています。
「見せしめ」としての厳しい処分:国土交通省の狙いは、単に違反車両を走れなくすることだけではありません。日本郵便という巨大組織に対し、「このままの企業体質では存続を許さない」という極めて強いメッセージを送り、経営陣の責任を明確にし、根本的な組織改革を促すことにあります。これは、他の運送事業者に対する「明日は我が身だ」という強力な警告(見せしめ)にもなっています。

3.なぜ「助け舟」が出ないのか?

ご指摘の通り、この状況で日本郵便を公然と擁護する声が上がりにくいのは事実です。その理由は以下の通りです。

行政(他の省庁):国土交通省は、法律(貨物自動車運送事業法)に基づいて厳正に手続きを進めています。この法治国家の原則に基づいた判断に対し、例えば総務省(日本郵便の所管省庁)や内閣が「待った」をかけることは、行政の独立性を揺るがす越権行為と見なされかねません。特に「安全」という大義名分がある以上、政治的な介入は極めて困難です。
他の運送事業者(ヤマト、佐川など): 競合他社は、日々厳しいコスト競争の中で、同じ法律を守って事業を運営しています。彼らが日本郵便を擁護することはあり得ません。むしろ、自社の法令遵守体制を改めて引き締め、襟を正す機会と捉えているでしょう。
世論:国民は郵便が届くことを望んでいますが、同時に、安全な交通社会も望んでいます。飲酒運転や過労運転による悲惨な事故が後を絶たない中、「安全ルールを守れない巨大企業」に対して同情的な世論は形成されにくいのが現状です。

4.結論:これは「郵便システム」の危機ではなく、「日本郵便という組織」の危機

この一連の動きを整理すると、国土交通省の判断は「郵便システムを混乱させる」ことが目的ではなく、**「法律を無視して安全を軽視する日本郵便の経営体質を根本から正す」**ことを目的とした、いわば「劇薬」です。

確かに、一部の荷物の輸送に遅れや混乱が生じる可能性はあります。日本郵便は、許可を取り消された車両の業務を他の運送会社に委託するなどの対策を迫られ、大きなコスト負担を強いられるでしょう。

しかし、これは日本郵便が自ら招いた事態です。この処分を真摯に受け止め、国民の信頼を回復できるような抜本的な改革を成し遂げられるかどうかが問われています。国民生活への影響を最小限に食い止めつつ、安全を最優先する企業へと生まれ変わる責任は、全面的に日本郵便自身にあるのです。

したがって、この事態がまかりとおっているのは、日本の法治と行政が機能不全に陥っているからではなく、むしろ**「安全」という絶対に譲れない一線について、法と原則に基づいて厳格に機能している証左**と捉えることができます。

 


写真:5年間走れなくなるゆうパックのトラック(朝日新聞から引用)

2025年6月6日金曜日

合計特殊出生率(3)

合計特殊出生率(2)からの続き

2024年に生まれた「日本人の子ども?」の数が1899年に統計をとり始めてから初めて70万人を下回って68.6万人となったとNHKが報じていた。合計特殊出生率も1.20から0.05減って1.15になった。NHKでは婚姻数の減少に問題を帰着させようとしていた。
「国立社会保障・人口問題研究所がおととし公表した将来予測では、日本人の出生数が68万人台になるのは2039年と推計していて、想定より15年ほど早く少子化が進行しています。」

前回に続いて奥村先生のRコードでグラフを描かせよう。としたら,エラーが出てしまった。showtextを読ませてもうまくいかない。そこで,元のコードやエラーメッセージを入れ,ChatGPT o3に尋ねるとちゃんと教えてくれた。
(1) CRAN ミラーを指定して showtext を入れる bash<br>R -q -e "install.packages('showtext', repos='https://cran.yu.ac.kr', dependencies = TRUE)"
※ インタラクティブ R から install.packages("showtext") でも可
(2) 同じライブラリに入ったか確認 bash<br>R -q -e "print(.libPaths())"
ここに /opt/homebrew/lib/R/4.5/site-library が含まれていれば OK。
(3) Rscript でもロードできるかテスト bash<br>Rscript -e "library(showtext); cat('loaded\n')"
エラーが出なければ成功。

前回のRのスクリプトを実行して(Rscript tfr.r),合計特殊出生率のグラフを出力した。なお,使用した データbirth.txtは以下のとおり。

年    出生数      合計特殊出生率

1953 1868040           2.70

1954 1769580           2.48

1955 1730692           2.37

1956 1665278           2.22

1957 1566713           2.04

1958 1653469           2.11

1959 1626088           2.04

1960 1606041           2.00

1961 1589372           1.96

1962 1618616           1.98

1963 1659521           2.01

1964 1716761           2.05

1965 1823697           2.14

1966 1360974           1.58

1967 1935647           2.23

1968 1871839           2.13

1969 1889815           2.13

1970 1934239           2.13

1971 2000973           2.16

1972 2038682           2.14

1973 2091983           2.14

1974 2029989           2.05

1975 1901440           1.91

1976 1832617           1.85

1977 1755100           1.80

1978 1708643           1.79

1979 1642580           1.77

1980 1576889           1.75

1981 1529455           1.74

1982 1515392           1.77

1983 1508687           1.80

1984 1489780           1.81

1985 1431577           1.76

1986 1382946           1.72

1987 1346658           1.69

1988 1314006           1.66

1989 1246802           1.57

1990 1221585           1.54

1991 1223245           1.53

1992 1208989           1.50

1993 1188282           1.46

1994 1238328           1.50

1995 1187064           1.42

1996 1206555           1.43

1997 1191665           1.39

1998 1203147           1.38

1999 1177669           1.34

2000 1190547           1.36

2001 1170662           1.33

2002 1153855           1.32

2003 1123610           1.29

2004 1110721           1.29

2005 1062530           1.26

2006 1092674           1.32

2007 1089818           1.34

2008 1091156           1.37

2009 1070036           1.37

2010 1071305           1.39

2011 1050807           1.39

2012 1037232           1.41

2013 1029817           1.43

2014 1003609           1.42

2015 1005721           1.45

2016  977242           1.44

2017  946146           1.43

2018  918400           1.42

2019  865239           1.36

2020  840835           1.33

2021  811622           1.30

2022  770759           1.26

2023  727277           1.20

2024  686061           1.15



図:合計特殊出生率(1953-2024)

P. S. 自分が生まれた1953年の出生数は186.8万人(男95.7万人,女91.1万人),合計特殊出生率は2.69

[1]人口動態調査(厚生労働省)
[2]人口動態調査 出生(e-Stat)年次別にみた出生数・出生率(人口千対)・出生性比及び合計特殊出生率


2025年5月17日土曜日

世代分類

若者の「YouTube離れ」が進行中というニュースがあると家人に教えてもらった。みればZ世代は,TikTokとBeRealを使っているというような話だ。金魚脳が増えるわけだ。

先日のNHK MUSIC スペシャルに,J-POP 世界への挑戦というのがあった。YOASOBI,新しい学校のリーダーズ,Adoの世界での活躍は頼もしかったけれど,彼らの音楽は自分にはもうひとつピンと来ない。もろに世代ギャップなのだろう。かろうじてコンセプトで引っかかったのが,メンバーの年齢が高いけどがんばっている打首獄門同好会

そこで,生成AIに世代分類を整理してもらうことにした。これまでは,ChatGPT,Gemini,Claude,Perplexity,DeepSeek,Qwen,NotebookLM,などを状況に応じて使い分けてきた。Copilotは,昔ちょっとだけ試したもののイマイチの印象でその後は近づいていない。XのGrokも敬遠していたのだけれど,使ってみるとなかなかよい。ということは,トランプ=イーロン・マスク連合軍は,この強力な武器を手中に収めているわけだ。

Q(koshix):
日本の若者〜大人の世代論について,いろいろな見方があると思いますが,もっとも平均的で妥当な説をとりあげて,その特徴を解説してください。
A(Grok):
(回答略)
Q(koshix):
団塊の世代とかしらけ世代とか,しりませんけど,1960年以前はどうなっていますの?同じ調子でまとめてください。
A(Grok):
(回答略)
Q(koshix):
氷河期世代とかはどうなっていますか。Y世代とかX世代は日本にはないのですか。
A(Grok):
(回答略)

Q(koshix):
ありがとうございます。もう一度全体を整理して,世代分類の考え方と,各世代の特徴をのべてください。

A(Grok):
ご質問ありがとうございます!日本の世代論について、1960年以前の世代(戦前・戦中世代、団塊の世代、しらけ世代)から現代のZ世代までを一貫した枠組みで整理し、世代分類の考え方と各世代の特徴を簡潔にまとめます。前の回答を統合し、特に「氷河期世代」や「X世代・Y世代」の日本での扱いも明確に含めます。分類は、社会学者・山田昌弘氏らの「新世代論」を基盤にしつつ、日本特有の経済状況、教育制度、テクノロジー進化、価値観の変化を反映した、広く受け入れられる標準的な枠組みを採用します。

1.世代分類の考え方
日本の世代論は、以下の要素に基づいて世代を区分します:

(1) 経済状況:戦後復興、高度経済成長、バブル経済とその崩壊、就職氷河期、リーマンショックなど、経済環境が価値観やキャリア形成に大きな影響を与える。
(2) 教育制度:ゆとり教育や受験競争の変化が、世代ごとの思考や行動様式を形成。
(3) テクノロジー進化:テレビ、インターネット、スマートフォン、SNSの普及が、情報アクセスやコミュニケーションのスタイルを定義。
(4) 社会・文化的出来事:学生運動、消費文化の台頭、グローバル化、社会課題(環境問題、ジェンダー平等など)が世代の意識を形作る。
(5) 人口動態:団塊の世代のようなベビーブームや、少子化による人口構造の変化が社会的影響力を左右。

この分類は、学術研究(社会学、経済学)やマーケティング(電通、博報堂など)で参照され、企業の人材管理や政策立案にも活用されます。ただし、個人差や地域差(都市部 vs 地方)、ジェンダーによる経験の違いが存在し、世代論はあくまで傾向を示すものとして扱われます。

2.日本の世代分類と各世代の特徴
以下に、1920年代生まれから2010年代生まれまでの主要な世代を、2025年時点の年齢とともに整理します。

(1) 戦前・戦中世代(1920年代~1930年代中盤生まれ、2025年時点で80代後半~100歳前後)(注:表現としては焼け跡世代がよいらしい)

特徴:
・第二次世界大戦を経験し、戦前の厳しい社会や戦中の動乱を生き抜いた。
・戦後復興期に働き手として日本経済の基盤を支え、勤勉で忍耐強い価値観。
・伝統的な家族観や集団主義を重視し、個人より社会・国家への奉仕を優先。
・テクノロジーや消費文化には疎く、質素な生活を好む。
・高度経済成長の恩恵を受ける前に退職したため、経済的余裕が少ない場合も。
背景:
・戦争と復興の時代に育ち、物質的・精神的制約の中で形成された価値観。

(2) 団塊の世代(1947年~1949年生まれ、2025年時点で76~78歳)

特徴:
・戦後ベビーブームの中心(約800万人)で、人口規模が大きい。
・高度経済成長期(1950~60年代)に若者期を過ごし、経済的繁栄を享受。
・学生運動(安保闘争など)に参加した人も多く、社会変革への情熱や集団行動が特徴。
・終身雇用や年功序列の恩恵を受け、大企業中心のキャリアを築いた。
・消費文化の先駆けとして、車や家電(三種の神器)に親しんだ。
・リタイア世代だが、人口の多さから社会保障や政治に影響力大。
背景:
・経済成長と社会変革のエネルギーが交錯した時代に形成。

(3) しらけ世代(1950年代前半~1950年代後半生まれ、2025年時点で60代後半~70代前半)

特徴:
・団塊の世代の学生運動を「冷めた目」で見て育ち、政治やイデオロギーに無関心。
・高度経済成長の後半に社会に出て、安定した経済環境でキャリアを築いた。
・個人主義が芽生え、仕事よりプライベートや趣味を重視。
・テレビやポップカルチャー(歌謡曲、漫画)に親しみ、消費文化を享受。
・インターネット普及前に成人し、デジタル技術への適応は限定的。
背景:
・経済的安定と文化の多様化が進んだ時期に若者期を過ごす。

(4) バブル世代(1960年代後半~1970年代前半生まれ、2025年時点で50代前半~60歳前後)

特徴:
・バブル経済の絶頂期(1980年代後半~1990年代初頭)に社会に出た。
・経済的豊かさの中で、消費文化やブランド志向が強い。
・終身雇用や年功序列が当たり前で、安定したキャリアを築いた人が多い。
・バブル崩壊後の「失われた30年」で価値観が保守化する傾向も。
・仕事中心のライフスタイルで、会社への忠誠心が強い場合がある。
・インターネット普及初期に触れたが、デジタルネイティブではない。
背景:
・バブル経済の繁栄とその後の転換期を経験。
注:海外の「X世代」(1960年代中盤~1970年代後半生まれ)に一部対応するが、日本では「バブル世代」の呼称が一般的。

(5) 氷河期世代(1970年代前半~1980年代前半生まれ、2025年時点で40代中盤~50代前半)

特徴:
・バブル崩壊後の「就職氷河期」(1990年代~2000年代初頭)に社会に出た。
・正規雇用の機会が減少し、非正規雇用(派遣、契約社員)やフリーターが増加。
・終身雇用の崩壊を経験し、安定志向と経済的不安が混在。
・インターネット普及初期の「デジタル移行期世代」で、テクノロジー適応力あり。
・個人主義やワークライフバランスを重視し、転職や副業など柔軟な働き方を模索。
・社会保障や年金への不信感が強く、政治への関心は低めだが、格差是正を求める声も。
背景:
・経済停滞と雇用の不安定さが特徴。「ロスジェネ(失われた世代)」とも呼ばれ、社会問題化。
注:海外の「X世代」の後半や「Y世代」の前半に一部対応するが、日本では「氷河期世代」の呼称が強い。

(6) ゆとり世代(1987年~1996年生まれ、2025年時点で30代前半~40歳前後)

特徴:
・「ゆとり教育」(2002年導入)の影響で、競争より個性や自由を重視。
・リーマンショック(2008年)後の就職難を経験し、安定志向と自己実現志向が混在。
・デジタルネイティブの初期世代で、SNSやスマートフォンに慣れ親しむ。
・多様な働き方(フリーランス、副業、起業)を受け入れ、柔軟な価値観。
・結婚や出産を遅らせる傾向があり、ライフスタイルの多様化が進む。
背景:
・教育改革とデジタル化が進行した時代に育つ。
注:海外の「Y世代」(ミレニアル世代、1980年代前半~1990年代中盤生まれ)にほぼ対応するが、日本では「ゆとり世代」の呼称が一般的。

(7) Z世代(1997年~2010年代前半生まれ、2025年時点で10代後半~20代後半)

特徴:
・完全なデジタルネイティブで、SNSや動画プラットフォーム(YouTube、TikTok)を日常的に活用。
・グローバル化や多様性に慣れ、環境問題やジェンダー平等など社会課題への意識が高い。
・経済的不安定な時代に育ち、物質的成功より「自分らしさ」や「幸福」を重視。
・副業、起業、インフルエンサーなど新しいキャリアパスを積極的に模索。
・伝統的なキャリアや結婚観に縛られず、柔軟なライフスタイルを志向。
背景:
・デジタル技術の全盛期と社会の多様化が進んだ時代に育つ。 
以下の部分はα世代という言葉を聞きつけて後日ChatGPT 4oで追加したもの) 
 (8) α世代(2010年代前半~2020年代中盤生まれ、2025年時点で0歳~10代前半)

特徴:
・生まれたときからAIと共にある真の「AIネイティブ」世代。音声アシスタント、生成AI、チャットボットとの対話を自然に使いこなす。
・タッチ操作よりも音声操作・ジェスチャー操作が主流になる中で育ち、直感的なユーザーインターフェースに高い適応力を示す。
・**フィジカルとデジタルの融合(フィジタル)**が当然の環境。AR/VRの活用、メタバース空間での学習や遊びが当たり前。
・教育においては、**個別最適化された学習(AIチューター、eポートフォリオなど)**が浸透し、暗記よりも創造性・探究心が重視される。
・環境問題、SDGs、倫理的消費などに関する意識を、学校教育や家庭を通じて早期から内面化。
・親世代(ミレニアル・Z世代)の影響を強く受け、「多様性」「自己肯定感」「マインドフルネス」が教育方針や家庭環境に深く組み込まれている。
背景:
・スマートフォンの次世代端末(ウェアラブル、スマート家電、生成AI搭載デバイス)が家庭に普及した**「ポスト・スマホ社会」のなかで成長。
・パンデミックや気候変動、国際情勢の不安定さを背景に、サステナビリティと共生を重視する教育が進む。
・学びや遊びの場が物理空間からデジタル・仮想空間へと拡張**され、「場所」にとらわれない体験が常態化。
・情報源がテレビや書籍ではなく、対話型AIや動画チャンネル、バーチャルインフルエンサーとなる傾向。

3.X世代・Y世代の日本での扱い
X世代(海外:1960年代中盤~1970年代後半生まれ)
・日本では「バブル世代」や「氷河期世代の前半」に部分的に対応。明確な「X世代」という呼称は学術やマーケティング(外資系企業など)で限定的に使われ、一般会話では「バブル世代」などが優先。
理由:日本のバブル経済や就職氷河期が世代の特徴を強く定義するため。

Y世代(海外:1980年代前半~1990年代中盤生まれ)
・日本では「ゆとり世代」や「氷河期世代の後半」にほぼ対応。「Y世代」や「ミレニアル世代」はグローバルな文脈で使われるが、日常的には「ゆとり世代」が主流。
理由:ゆとり教育やリーマンショックが日本独自の世代意識を形成。

4.注意点
世代の重なり:特に氷河期世代とゆとり世代の境界(1980年代前半生まれ)は曖昧で、両方の特徴を持つ人も。
個人差・地域差:都市部と地方、ジェンダー、経済状況による経験の違いが大きい。世代論は傾向を示すものにすぎない。
呼称の優先:日本では「団塊」「氷河期」「ゆとり」などの呼称が、メディアや社会問題を通じて定着。X・Y世代は国際的な文脈で補助的に使われる。
社会問題との連動:氷河期世代の非正規雇用問題や団塊世代の社会保障問題など、世代ごとの課題が政策や議論に影響。

5.まとめ
この分類は、戦後復興から現代までの日本の歴史的・社会的転換点(経済、教育、テクノロジー、文化)を反映し、標準的で妥当な枠組みとして広く参照されます。各世代は、特定の時代背景に根ざした価値観や行動様式を持ちつつ、個人差や変化する社会環境に応じて多様化しています。
 
もし特定の世代の詳細(例:氷河期世代の社会問題、Z世代のSNS文化)や、海外の世代論とのさらなる比較、特定の時代背景の深掘りが必要な場合は、ぜひ教えてください!また、表形式での整理や特定の視点(例:経済、テクノロジー)に絞った解説も可能です。



図:世代論のイメージ(ChatGPT 4o による)

2025年5月7日水曜日

犬笛

生成AIの行方からの続き

以下の犬笛に関するQAの最後に,ChatGPT 4o が3つのリンクを参考資料としてあげてきた。

生成AIへの視点で触れたフジイユウジさんが調べていたようにほとんどのマスメディアは,生成AIからのボットクロールをrobots.txt で排除している。そのごく僅かな例外の一つが,朝日新聞の OAI-chatbot への対応である。このため,ChatGPTが返してくる最近のニュースは朝日新聞のものに限られている。今回は世界日報デジタルが加わっていた。最悪だ!

インターネット空間では,産経新聞だけが無料でアクセスできる時代が長くあって,これによって右寄りの意見が溢れていたことを彷彿とさせる。あるいは,日本版Wikipediaの時事社会ネタの腐敗状況に相似する。このままだと,旧統一協会や日本会議などようなの悪らつなメッセージだけが,生成AIの回答に混入することになりかねない。確かに,既存マスコミの知的財産権を保護するという立場では,robots.txt で排除したくなるのだろうが,それによって,汚染されたとんでもない言説空間が広範に形成されることをどう考えているのだろうか。

Q(koshix):
最近日本で話題になっている犬笛の件です。
具体的な犬笛の例を次のような形でいくつか例示してください。
(1) この犬笛を吹いている主体
(2) この犬笛の対象となる客体
(3) この犬笛の具体の言語表現
(4) この犬笛が狙っている効果
(5) この犬笛で実現された結末

A(ChatGPT 4o):
「犬笛(dog whistle)」とは、表向きは一般的で中立的に見えるが、特定の集団にだけ特別な意味をもって伝わる政治的・社会的な隠喩や暗号のことです。日本においても、政治・メディア・SNSなどを通じて、こうした表現が使われる例は増えています。以下、2020年代の日本の社会・政治文脈を踏まえた具体例を複数形式で提示します。

例1:外国人労働者・移民問題に関する犬笛
(1) 吹いている主体
 与党系政治家・保守系言論人・ネット論壇
(2) 対象となる客体
 排外的・ナショナリズム的傾向のある一部国民層
(3) 具体の言語表現
 「地域の治安が悪化した」「日本人の仕事が奪われる恐れ」「伝統的な日本文化が脅かされる」
(4) 狙っている効果
 外国人・移民政策に対する警戒・反発を喚起しつつ、表向きは差別ではなく「安全保障」「雇用対策」として正当化
(5) 実現された結末
 技能実習制度などの改革が遅延/外国人排斥的なネット言説の拡散/地方議会での「外国人住民の権利制限」的な議論の活性化

例2:LGBTQ+に関する言説での犬笛
(1) 吹いている主体
 一部宗教系団体/保守系地方議員
(2) 対象となる客体
 保守的家庭像に固執する層/中高年層
(3) 具体の言語表現
 「伝統的な家族観を大切にしたい」「多様性の押しつけは疑問」「子どもたちへの悪影響が懸念される」
(4) 狙っている効果
 LGBT理解促進法への反対や、性的少数者に対する潜在的嫌悪感の正当化
(5) 実現された結末
 法案の骨抜き化(理念法止まり)/自治体のパートナーシップ制度に対する攻撃的意見の台頭

例3:教育分野における「左翼的価値観」批判の犬笛
(1) 吹いている主体
 保守系シンクタンク/一部報道番組/右派系国会議員
(2) 対象となる客体
 「教育の中立性」を掲げるが、実は「特定思想排除」を志向する層
(3) 具体の言語表現
 「教育現場への政治的中立性の確保」「偏った歴史観に疑問」「愛国心を育てる教育が必要」
(4) 狙っている効果
 戦後民主主義的価値観の見直し/国家主導の教育内容強化/特定教員や教科書への圧力
(5) 実現された結末
 教科書検定における「記述削除」/教育勅語復活を評価する言説の浮上/学校現場での自主規制

例4:ジェンダー平等政策に対する「常識」の装った批判
(1) 吹いている主体
 一部企業幹部/中堅男性政治家/SNSインフルエンサー
(2) 対象となる客体
 家庭内分業の固定観念を持つ中高年男性層
(3) 具体の言語表現
 「女性には女性の役割がある」「育休取得が逆に職場に迷惑をかけることも」「男女平等より能力主義であるべき」
(4) 狙っている効果
 表向きは合理的な意見に見せかけて、制度的ジェンダー平等推進の足を引っ張る
(5) 実現された結末
 企業での女性管理職登用の停滞/ジェンダー平等政策への冷笑的空気の拡大
これらの犬笛表現は、しばしば「常識」や「中立」を装っている点が巧妙です。リテラシーの高い受け手でも、深く注意しないと見落とすことがあり、言説の危険性が薄められて拡散されやすくなっています。

ご希望であれば、これらの犬笛を「歴史的にどのように形成されてきたか」「海外との比較」や「レトリック技法」といった視点でさらに掘り下げることも可能です。いかがいたしましょうか?


Q(koshix):
ありがとうございます。さらに兵庫県知事にまつわる具体例を教えてください。

A(ChatGPT 4o):

兵庫県の斎藤元彦知事を巡る「犬笛」的言説の具体例を、以下の5つの観点から整理いたします。

1.この犬笛を吹いている主体
・斎藤元彦知事自身:​記者会見や発言を通じて、特定の言葉を用いて支持者にメッセージを送っていると指摘されています。​
△一部の報道機関や記者:​臆測を含む質問や報道が、特定の反応を引き出す「犬笛」として機能していると批判されています。​

2.この犬笛の対象となる客体
・知事の支持者層:​知事を擁護する立場の人々に対して、特定の言葉や表現が共感や行動を促すメッセージとして受け取られています。​
△知事に批判的な層:​報道や発言が、知事に対する批判や攻撃を誘発する意図を持っていると解釈されることがあります。​

3.この犬笛の具体の言語表現
・「うそ八百含めて文書を作って流す行為は、公務員として失格」:​内部告発文書に対する知事の発言で、告発者を非難する意図が含まれているとされています。​
・「誹謗中傷性の高い文書」:​告発文書を否定的に表現することで、支持者に対して告発者への批判を促す効果があると指摘されています。​

4.この犬笛が狙っている効果
・支持者の結束強化:​知事に対する批判や告発を「不当な攻撃」と位置づけることで、支持者の結束を図る意図があると考えられます。​
・批判者の信用失墜:​告発者や批判者を「誹謗中傷者」として描くことで、その信用を損なわせる効果を狙っているとされています。
5.この犬笛で実現された結末
・知事の再選:​2024年11月の兵庫県知事選で、斎藤知事は再選を果たしました。​
・告発者の死去:​内部告発を行った元県民局長が死亡し、その後、告発文書の作成者として特定されました。​
・パワハラ認定と研修実施:​第三者調査委員会が知事によるパワハラを認定し、知事と幹部職員を対象とした研修が実施されることとなりました。​

このように、​斎藤知事を巡る一連の言動や報道には、「犬笛」として機能する要素が含まれており、支持者や批判者に対する影響を与えていると指摘されています。​
さらに詳しい情報や関連する報道については、以下のリンクをご参照ください。​

ד犬笛”を吹く記者 臆測質問が誹謗誘発する(世界日報デジタル)→これはダメ!

この問題に関するさらなる分析や、他の事例との比較についてご興味がありましたら、お知らせください。​



図:犬笛のイメージ(ChatGPT 4o による)

2025年1月17日金曜日

ゴッサム・シティ


毎日,エコーチェンバー装置に飛び込んだ宇宙線が生成するフィルターバブルのミクロコスモスの中で呼吸していると,自分の頭は完全に洗脳され,闇の陰謀論の海で満たされた世界だけが感じられる。六に勉強していないナイーブな若者や,八モン勉強しすぎて脳髄が鰹節化した老人によく見られる現象だ。

というわけで,ゴッサム・シティがらみのニュースばかり選択視聴する今日この頃だ。兵庫県庁だとか,お台場フジテレビだとか,夢洲リングの近傍だとかごっつゴッサム・シティ化しているらしい。(注:ダルトン・インベストメンツフジ・メディアホールディングスの株を7%の265億円しかもっていないのではないか?ダルトン関連会社ライジングサン・マネジメントのMBO提案とも関係か。


1月15日,姫路で大阪・関西万博最後の実務打ち合わせがあったようだ。海外の担当者が,入場券の発券システムが非常に複雑で自分も購入できなかったと,前売り券が売れていないことへの不安を口にしていた。

大阪維新の居城を建設中の夢洲にはなるべく近寄りたくないのだが,浮世のしがらみでチケットが回ってくるかもしれない。とりあえず心の準備も兼ねてチケット購入のシミュレーションをしてみた。もちろん買うわけではありません。

結論:めちゃむずい。普通の老人ではチケット購入までたどり着くことがなかなかに困難だと思われる。いや,自分のIT能力が衰えただけかもしれない。具体的には以下の関門を通過する必要があった。
(1) トップページ
https://www.expo2025.or.jp
 ↓
(2) チケットインフォメーション
https://www.expo2025.or.jp/tickets-index/
 ↓
(3) 入場チケットの購入はコチラから!!
https://ticket.expo2025.or.jp
・チケットの購入はこちらから
https://auth.accounts.expo2025.or.jp/
 ↓
(4) ログイン
・外部のアカウントでログイン(まあ多数派高齢者はLINEに流れるかな)
 ↓
(5) LINE
・LINE ログイン
 外部のアカウントと万博IDの連携が未設定です。
 万博IDメニューで外部のアカウントと連携設定を行ってください。
 万博IDを未登録の方は新規登録してください。
 ↓
(6) 新規登録はこちら
利用規約同意(最後までスクロールする必要あり)
✓ 万博ID利用規約に同意します
✓ 個人情報保護方針に同意します
✓ 私は16歳以上です
同意して進む
 ↓
(7) 新規登録
・メールアドレスの送信
・LINE ログイン
 ↓
(8) 万博ID管理システム
許可が必要な項目
許可済みの項目
 ↓
(9) プロフィール入力
万博ID
半角英字(小文字)、数字、記号(- . _ @)のいずれかを使用し、8文字以上20文字以内でご自身で設定してください。
パスワード
半角英字(大文字)、半角英字(小文字)、数字と記号のうち3種類以上を使用し、10文字以上20文字以内で設定してください。
言語設定
選択してください
1文字以上、30文字以内で入力してください。
ミドルネーム
ミドルネームをお持ちの方は、30文字以内で入力してください。
1文字以上、30文字以内で入力してください。
セイ(全角カナ)
全角カナを使用し、1文字以上30文字以内で入力してください。
メイ(全角カナ)
全角カナを使用し、1文字以上30文字以内で入力してください。
メールアドレス
(LINEからの紐付け項目)
電話番号(国番号)
選択してください。
電話番号
ハイフンは不要です。数字のみで入力してください。
生年月日
生年月日は一度登録すると変更ができません。
計算された満年齢が表示された
性別
選択してください(その他・回答しない 有)
居住国・地域
選択してください
都道府県
居住国・地域が日本の場合は、選択してください。

プロフィール登録完了
 ↓
(10) ログイン画面 (4) と同じ
 ↓
(11) 本人確認方法の設定(二段階認証ってことか)
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/themes/expo2025orjp_2022/assets/pdf/tickets-index/id_registration_manual.pdf
生体認証・パスコード認証等
日常的にお使いのスマホ等に設定されている画面ロック解除機能(生体認証やPINなど)を利用する方法
※ログインできるスマホ等を限定できるため、セキュリティレベルが高い方法です。
ワンタイムパスワード認証(アプリ)
ワンタイムパスワード認証用アプリをダウンロードし、ログインの都度当該アプリで生成されるパスワードを入力する方法
※2つ以上のスマホやPCでログインする方向けです。
ワンタイムパスワード認証(メール)
ログインの都度、登録したメールアドレスにパスワードが送信され、それを入力する方法

中途半端なものが好きな性分なので,②の方法を選んでみた。iPhoneにGoogle Authenticatorアプリをインストールして,一時パスワードを発行させる方法なのだが,30秒以内に6桁の数字を入れても何度もやり直しになってしまってその先に進めない。ここで挫折しそうになる。しかたがないので,③に切り替えたところ,メールに届いた6桁の数字は無事に認証を通過することができた。もしかしたら①だともっと簡単だったのかもしれない。

いずれにせよ,このシステムの煩雑さはただ事ではない。お役所的なセキュリティ保護の気分に満ちあふれていて,とてもじゃないけどユーザ本位には作られていない。たぶん,こんなクソなシステム構築にべらぼうなお金をつぎ込んで下請けトリクルダウンの中間搾取をしまくったのだろう。DX界隈はこんなのばっかりで辟易する。それでいて,ドメイン名を使い捨てゴミのように放置するから事故が多発するのだ。



図:ゴッサム・シティ夢洲の場合(DALL-E3による)

2025年1月16日木曜日

フィッシング

先日,フィッシングに引っかかってしまった。これだから老人は危ない。

家人のiPhoneにクレジット会社からの二段階認証登録のお知らせが来たのがきっかけだ。これどうしたらいいというので,YouTube に気を取られていた自分は,ちら見しただけで「それは登録したほうがいいやろ」と生返事で答えた。

その後,端末を自分の手元に借りて,スイスイとカード情報の登録を進めて行くと,このカードは登録できませんとなってストップした。なんだかよくわからないけど,登録できなかったのだからまあいいかなと中断してそのまま端末を返した。

「どうも,心配だ,おかしい,心配だ」といわれ続けたので,ようやくネットで同種事例を確認してみた。これまでは,ちょっと怪しいメールの場合は文面や送信元のアドレスで検索して確認していたが,今回はこれを初動の段階で怠ってしまったのが敗因だ。

ピンポーン,当該メール送信元の実際のアドレス内容を確認すると正しいクレジット会社のアドレスではなかったので,フィッシング確定である。はい,ごめんなさい。とっても迂闊で惚けていた私の責任です。さっそくクレジット会社に電話連絡して,停止・再発行してもらった。

怪しい電話やメールやウェブサイトなど,老人を取り巻く罠があちこちに仕掛けられている。罠でなくてもそもそも通常の営業活動でもゆるやかなくぼみ(落とし穴の一歩手前)は沢山あって,それを避けながら生活するのは年々難しくなりつつある。これでもう少し認知機能が衰えてきたらどうなるかわかったものではない。

そんなわけで,テレビや新聞やマンションの掲示板はしっかり見て,危険事例の把握と予防に努めようと気を引き締める今日この頃である。


図:ちくま新書の書影から引用(この本読んだほうがいいかしら)


2024年12月12日木曜日

なぜ選挙?

1000人の人格再現からの続き

AIによる人格再現の可能性は,様々な派生的妄想を育む偉大な孵卵器である。

その一つとして選挙の問題が思い浮かんだ。間接民主主義における権力行使の委託について,現在の情報テクノロジーを使うと様々な新しい機構に関するシミュレーションが可能になるのだけれど,これは話が大きすぎるので,もう少し勉強してから考えることにする。生成AIは制限が厳しいため,選挙制度に関するデリケートな質問は拒否される場合が多い。

その過程で,「選挙」それ自身を客観的にとらえてみようとあれこれ考えてみた。議員の選挙というのは,国会や地方議会の構成員を被選挙権者の集団から選出するものである。この選挙を例えば抽選に置き換えることができるかというのが,最初の疑問であった。その先には人格再生AIへの代替があるのだけれど,それは今はおくことにする。

一般化すると,人間の作る集団・組織・社会へ,その構成員を加えるときに,どのような機構があり得るかという問題だ。集団の長(定員一人)も1つの組織だとして扱えばよい。
家族に子どもができるのはおおむね自然現象であり,出生届によって社会的に承認されるが,そのためには選挙も抽選も必要ない。生殖細胞レベルでは選抜しているかもしれないが。あるいは,希望するだけで無条件で参加できる趣味の同好会もあるだろう。

教育を受けるため職業に就くために学校や会社に所属するには,一定の選抜過程を経る必要がある。倍率が低ければ実質無条件の場合もあるかもしれない。学会に参加するためには,会費の納入と会員の推薦が必要だろう。このように,社会の中の様々な組織への所属過程には多様な機序が働くことになる。選挙はその一つとして機能するわけだ。

司法における裁判員は抽選で選ばれ,行政に関わる公務員は試験で選ばれ,立法に携わる議員は選挙で選ばれる。それは何故か。現在(デジタルネットワーク+AI)の時代にもその条件はそのまま継続されるのか。これが今の自分の問題意識の根底にある。

このような議論は,へたをすると落合陽一や成田悠輔や立花孝志の二の舞いで地獄の穴に落ちるかもしれないし,自分の心の中にもそのような悪魔が住んでいるかもしれないが,それはそれとして考えてみようという欲望を抑えることはできない。

図:選挙なのかそれ以外なのか?

集団や組織を表現する緑の円内への参加指向がある場合と無い場合について,それぞれ,自然発生,指向(希望)があれば単なる確認だけで承認される場合,抽選や順番などの単純な機械的ルールがある場合,希望者多数であるいは希望者への要求水準が原因で,条件・試験・選挙で選抜する必要がある場合,に整理してみた。まだ不十分かもしれない。

2024年11月26日火曜日

ネガティブ・ケイパビリティ

フェイクの時代からの続き

ネガティブ・ケイパビリティという言葉を拾ったのは,社会学者の佐藤卓己(1960-)の書き物からだった。いや,その前にどこぞのブログで見かけたものを検索したら佐藤卓己にたどり着いたのかもしれない。岩波新書の「あいまいさに耐える ネガティブリテラシーのすすめ」をTo Read リストに加えておく。

ネガティブ・ケイパビリティとは,不確実なもの,未解決なもの,答えのでない状況を受け入れる能力だ。最近つくられた社会学・心理学的な用語ではない。19世紀初頭に英国の詩人のジョン・キーツ(1895-1821)がはじめて使った言葉であり,第二次世界大戦後に精神分析医のウィルフレッド・ビオン(1897-1979)が精神分析の文脈で使うようになった。そのため,精神科医で作家の帚木蓬生(1947-)が「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力(朝日選書)」を書いている。これもTo Read リスト入り。


そもそも,この言葉が気にとまった背景は兵庫県知事選挙にある。チーム斎藤説(NHK)か,SNS原因説(田中辰雄)か,関西TVメディア説(菅野完)か,これに折田楓問題がからまってもうグダグダなのである。立花孝志の斎藤支援デマ攻撃の問題性もどこかに霞んでしまうくらいだ。このデマ攻撃を無効化する古田大輔の議論にはほとんど賛成できない。


Q(koshix):
ネガティブ・ケイパビリティと最近のフェイクの時代の関係について考察したいので,対話的な問答につきあっていただけますか?なるべく簡潔に,しかし場合によっては深く答えてください。
A(ChatGPT-4o):
(回答略)

Q(koshix):
ネガティブ・ケイパビリティという概念は有用だと思いますけれども,議論の公平性や客観性というタームが判断保留を沢山生み出してしまって,結局議論を封殺してしまう場合のように,「ネガティブ・ケイパビリティ」を持ち出すこと自身が,フェイクへの対抗的な議論を抑圧することにつながらないでしょうか。(ネガティブ・ケイパビリティ的意見がまずい典型的な例:水野義之さん:兵庫県の県知事選の解釈について11/27...orz)
A(ChatGPT-4o):
(回答略)

Q(koshix):
では,どうすればよいのでしょうか。目的はフェイク議論を多くの人が信じてしまうことをどう防ぐかです。具体例としては,「兵庫県知事選挙における,斎藤元彦は既得権益者達の罠によってはめられた悲劇のヒーローであり,本当はまじめな良い改革者なのだ」というものです。これが,N国党の立花孝志や,斎藤の選挙参謀の明石倫理法人会の朝比奈の作戦によって広く拡散され,関西のテレビマスコミでその下地をつくられていた有権者に軽々と浸透していき,斎藤の当選につながりました。
A(ChatGPT-4o):
(回答略)

Q(koshix):
その回答において,ネガティブ・ケイパビリティはどのような役割を果たし得るのですか? 
A(ChatGPT-4o):
1.ネガティブ・ケイパビリティの役割
(1) 情報の検証と解釈のプロセスでの活用
ネガティブ・ケイパビリティは、曖昧で不確実な状況に耐える能力です。これにより、次のような貢献が期待されます:
感情的反応の抑制:感情的なフェイク議論に触れたとき、即座に信じたり否定したりせず、一歩引いて状況を冷静に見つめることができる。
急ぎすぎない判断:複雑な背景や利害関係が絡む議論(例えば、斎藤元彦氏が本当に「改革者」かどうか)について、急いで結論を出さないことで、誤情報に基づく行動を防ぐ。
(2) 対話の促進
曖昧な部分を受け入れることで、敵対的な議論を回避し、建設的な対話の余地を残します。
・例えば、「斎藤氏の改革性」について賛否が分かれる場合、対立する意見を即座に否定せず、「その意見の根拠は何か?」と問いかける態度を持つことができます。
(3) 長期的な視点の保持
短期的な結果や感情的な満足に流されることなく、長期的な視点で議論を考える余裕を生みます。
・例: 「既得権益者の罠」という説が感情的に訴えるものであっても、その根拠や実際の影響を冷静に検討し続ける。

2.限界とリスク
ネガティブ・ケイパビリティの欠点や限界にも注意する必要があります。
(1) 行動の遅延
判断を保留しすぎると、フェイク議論の拡散を許してしまう可能性があります。
・対策:判断保留のタイミングを「完全な確信」ではなく、「合理的に行動可能な段階」と設定する。
(2) フェイク拡散者の戦略に利用される
フェイクを広める側が「真実はまだ不明だ」といった曖昧な姿勢を利用して、議論を引き延ばし、混乱を助長することがあります。
・対策:不確実性を受け入れると同時に、明確なエビデンスに基づく部分を迅速に共有する。

3.実際の応用例
(1) 有権者への啓発
・ネガティブ・ケイパビリティを促す教育:フェイクニュースを見た際に「これは本当なのか?」と即座に疑問を持つ習慣を育てる。
・判断を急がない文化の普及:SNSやメディアでの情報に対して、「結論を急がないことは強みである」という価値観を広める。
(2) 対話の場での利用
・斎藤氏を支持する人々との対話において、「完全な否定」ではなく、「あなたの主張の根拠を一緒に検討しよう」という姿勢で接する。
(3) 情報発信の戦略
・例えば、ファクトチェックにおいても、「すべてが分かったわけではないが、これまでに明らかになっている事実はこうだ」と曖昧な部分を認めつつ、具体的な事実を提示する。

4.結論
ネガティブ・ケイパビリティは、感情的反応や過度な確信を避けることで、フェイク議論の影響を軽減する助けになります。ただし、それが議論や行動を不当に遅らせたり、フェイク拡散者に利用されたりしないよう、以下のような「バランス的な運用」が求められます:
(1) 不確実性を受け入れる一方で、行動可能な事実に基づいて動く。
(2) 相手を否定するのではなく、対話を通じて曖昧さを解消する努力をする。
(3) 判断保留を過度に引き延ばさない。
フェイクニュース時代の課題において、ネガティブ・ケイパビリティは他のスキルや手段と補完的に活用されるべきです。



図:DALL-E3によればこれがネガティブ・ケイパビリティのイメージらしい
[4]SNSと選挙鳥海不二夫・中村佳美,MBS)

2024年9月16日月曜日

サイエンスカフェ

コンカフェからの続き
Q(koshix):
サイエンスカフェもコンカフェの一種と考えられますか?

A(Claude 3.5 Sonnet):
サイエンスカフェとコンカフェは、確かに似たような点もありますが、一般的には別のカテゴリーと考えられています。

サイエンスカフェは:
1. 科学者や研究者が一般の人々と科学について対話する場
2. 科学知識の普及や科学リテラシーの向上を目的としている
3. カフェやバーなどのリラックスした環境で行われることが多い

一方、コンカフェ(コンセプトカフェ)は:
1. 特定のテーマやコンセプトに基づいて設計された飲食店
2. エンターテイメントや独特の雰囲気を提供することが主な目的
3. メイド喫茶やアニメカフェなど、様々なテーマがある

サイエンスカフェは教育的な側面が強く、コンカフェは娯楽的な要素が中心です。ただし、科学をテーマにしたコンカフェが存在する可能性はあり、その場合はサイエンスカフェとコンカフェの要素を両方持つことになるでしょう。

より詳しい比較や具体例について知りたい場合は、お知らせください。 

 

Q(koshix):
サイエンスカフェとは何か教えてください。

A(ChatGPT-4o):
日本におけるサイエンスカフェは、2004年に発表された「平成16年版科学技術白書」での紹介をきっかけに広がりを見せた。京都のNPO法人が初めて開催したのが始まりで、2005年からは全国で急速に普及することとなる。この年は「サイエンスカフェ元年」と呼ばれ、NPOや財団、大学、行政、書店、さらには個人まで、多様な主体が次々とサイエンスカフェを企画した。文部科学省や地方自治体の支援もあり、官民が協力して科学を市民に届ける動きが一気に加速した。

日本のサイエンスカフェは、主催者や形式の多様さが大きな特徴である。NPO法人や大学、企業、自治体、さらには書店や任意団体まで、さまざまな立場から主催されている。また、科学者と市民が双方向のコミュニケーションを図る場として、多様な工夫が凝らされている。たとえば、携帯電話を使った投票システムや、テーブルごとに分かれて行う議論形式など、創造的なアプローチが数多く試みられている。

サイエンスカフェの背景には、欧米とは異なる日本特有の文化的要因がある。ヨーロッパではカフェが長らく公共の討論の場として機能してきたが、日本ではカフェ文化自体が比較的新しい。したがって、サイエンスカフェを日本に定着させるためには、独自の工夫が必要だった。日本のサイエンスカフェは、ヨーロッパの形式にとらわれず、主催者ごとに多様なスタイルが模索されており、その自由さが一つの魅力となっている。
ということで,サイエンスパブとかサイエンスバーは,コンカフェに近いものかもしれない。


図:サイエンスバー FRACTALの店内(FRACTALから引用)

[1]サイエンスカフェ(中村征樹)
[2]サイエンスカフェ(日本学術会議)