2025年12月24日水曜日

選択的夫婦別氏制度(4)


前回,ChatGPTは日本の選択的夫婦別姓制度への反対論の中の「感情論や伝統論」ではない「合理的反対論」とおぼしきものを提示してきた。さらに「“実装可能な最適解”の設計図まで具体化できます。」とのことなのでさっそくお願いする。

Q(koshix):
実装可能な最適解の設計図を下さい。

A(ChatGPT-5.1):
ここで言う「最適解」は、
・人権(氏名・アイデンティティの自由)を最大限尊重しつつ
・行政コストと現場の混乱を最小化し
・子どもや弱者へのしわ寄せを抑える
という意味での「現実的にベストに近い案」というイメージで書きます。

0.全体コンセプト
三つの役割を分離する、というのが軸です。
(1) ID(個人識別キー)
・主役:マイナンバー
・補助:生年月日等
(2) 系譜・親族関係の台帳
・主役:戸籍
・氏はここでは「ラベル」に格下げ
(3) 社会生活上の表示名(氏名)
・主役:複数の「氏」候補(旧姓・婚姻姓など)+名
・用途ごとに「どの表示名を使うか」を選択可能
要するに、
> 「氏をIDのキーから外して、“表示属性”にしていく」
という方向にじわじわ移行する設計図です。

1.法制度改正パッケージ(最小限で効く組み合わせ)
(1) 民法(夫婦の氏に関する規定)の改正
現行:「夫婦は婚姻の際に同じ氏を定める」
→ 改正案:
a. 夫婦は
・どちらかの氏
・各自が婚姻前の氏
を選択できる(いわゆる「選択的別姓」)。
b. 子の氏については
・出生時に父母がどちらか一方の氏を原則として選択(兄弟姉妹で統一が原則)
・特別な事情がある場合のみ、家庭裁判所の許可で兄弟間異なる氏も可
ここで「子どもの氏の原則統一」を入れておくと、学校・医療・行政がだいぶ楽になります。

(2) 戸籍法(戸籍の構造)の改正
a 戸籍の基本単位を
・「一戸籍=一氏」から
・「一戸籍=一親族ユニット(家族ID)」に変更
b 新たに**「戸籍家族ID」**を導入
・例:F-2025-000123 のような固定ID
・同じ家族IDの戸籍構成員は、氏が違っても「同一戸籍家族」と判定できる。
c 戸籍上の各人に
・「現在の氏」
・「婚姻前の氏」
・「過去に用いた氏(履歴)」
のフィールドを持たせる(履歴管理)。
→ これで、「氏が違っても家族である」ことを戸籍上きちんと表現できます。

(3) 住民基本台帳法・マイナンバー関係の整合
a 住民票の「氏」は
・「現在使用している主たる氏(標準表示名)」を表示
・ただし裏側のデータベースには複数の氏フィールドを保持
b マイナンバーは
・氏に関係なく**不変の個人ID**
・すべての行政システムは「まずマイナンバーで紐づけ、氏は表示の問題」にする方向へ。

2.システム設計の“中身”のイメージ
(1) 行政コアDBのスキーマ(ざっくり)
1レコード(1人)につき、主要フィールドはこんな感じにします:
・person_id(=マイナンバー)
・family_id(=戸籍家族ID)
・given_name(名)
・legal_surname_primary(主たる氏)
・legal_surname_secondary(副氏:旧姓など)
・surname_history[](過去の氏の配列)
・display_name_profiles[]
例:
・プロファイル1:公的文書用(legal_surname_primary + given_name)
・プロファイル2:旧姓職業用(legal_surname_secondary + given_name)
各サブシステム(税・年金・保険・教育など)は:
・内部では person_id で一意に管理
・画面・帳票出力のときだけ「どの display_name_profile を標準にするか」をポリシーで決める
という構造にしておくと、氏が変わってもIDは揺れないので事故が減ります。

3.段階的導入シナリオ(10〜15年スパン)
(1) フェーズ1(〜3年):法改正+新規婚姻からの先行導入
a 民法・戸籍法・住基法の改正成立。
b 新規に婚姻するカップルから
・選択的別姓を利用可能に
・旧姓の職業利用を全面的に「法定通称」として明文化。
c 行政の基幹システム(戸籍・住基)のスキーマだけ先に拡張し、
・実際のUIはまだ「従来通り」でもよい(裏側からじわじわ多氏対応に)。
・この段階では既存夫婦は原則そのまま。
「新規から始めて、世代交代とともに徐々に別姓世帯が増える」設計にすると、移行ショックが小さいです。

(2) フェーズ2(〜8年):行政システム全体の刷新
a 国税・年金・健康保険・学校・警察・裁判所の各システムで
・person_id(マイナンバー)を主キーにするリファクタリングを実施。
・氏をキーにしている古いロジックを順次撤去。
b 災害対応・避難所名簿・医療現場の本人確認について
・「マイナンバー+顔写真+家族ID」を組み合わせた運用ガイドラインを整備。
c 学校について
・名簿上は「氏名+家族IDマーク」
・兄弟姉妹は原則同じ氏、例外は学校の配慮義務を明文化。
ここで 行政内部はほぼ“個人ID国家”に近い状態になります。

(3) フェーズ3(〜15年):民間システムの移行完了
a 銀行・証券・保険・クレジットカードなどに対し
・氏変更+別姓対応のガイドラインと移行期限を提示。
・中小企業向けにクラウド人事・給与ソフトの標準パッケージを無償〜低額提供。
b パスポート・運転免許証などの公的IDカードで
・「主たる氏」+「旧姓(括弧書き)」併記を標準に。
c 15年程度かけて、「氏変更に伴う実務トラブル」が徐々に減っていく状態を目指す。

4.子ども・弱者への配慮設計
・子どもの氏は原則「兄弟姉妹で統一」。
・例外(虐待・DV・離婚など)の場合には
 家裁・児相の判断で、子ども側の安全を最優先に変更可。
学校・医療現場では
・氏名だけで家族関係を判断せず
・「家族ID・保護者情報」ベースで管理する運用に切り替え。
これにより、
・「親子別姓=いじめ」という単純構図ではなく
・「どんな氏でも、学校・医療・福祉がちゃんと対応できる体制」
を制度と運用で保証します。

5.コストと混乱を抑える工夫
(1) ビッグバン方式はやらない。
・「YYYY年X月から一斉に全システム切り替え」は地獄なので避ける。
(2) すでに老朽化している基幹システムの更新タイミングに合わせて
・「どうせ作り直すなら、多氏対応スキーマで」という方針で順次更新。
(3) 民間向けには
・中小企業向けの標準クラウドソフトを国主導で整備し、
・そこに載りさえすれば別姓対応できるようにしておく。
要は、
> 「別姓対応のためだけに何兆円もドカンと新規投資する」のではなく、
> 「どうせ必要な更新のついでに“個人ID前提+多氏対応”に寄せていく」
という発想にすると、費用対効果が良くなります。

6.この設計案のポイント(メリット・デメリット)
(1) メリット
・氏をIDキーから外すので、
・以後の氏変更トラブルが激減
・別姓導入後も運用事故を最小限にできる
・子どもの氏は原則統一+例外は家裁判断で、
 現場の混乱と子どもへのしわ寄せを防ぎやすい
・導入は新規婚姻から始めるので、
 「一夜で社会が変わる」ショックがない
(2) 正直に言う部分
・マイナンバー前提社会をかなり推し進めることになる(プライバシー懸念はセットで議論が必要)
・完了まで10〜15年スパンの長期プロジェクトになる
・「戸籍の意味」を、これまでの感覚からかなり組み替えることになる(政治的には重い)

7.まとめ
この設計図は、ざっくり言えば:
> 1. 氏を「家族のキー」から「個人の表示属性」に降格させる
> 2. 本当のキーはマイナンバー+家族IDにする
> 3. 新規婚姻から静かに始め、15年くらいかけて日本社会を“個人ID前提”にシフトさせる
という筋道です。

(以下略)
なるほどね。しかし,どうみても10〜15年は長すぎだと思う。行政機関も国会議員もこのくらいのリサーチはしているはずだろうけれど・・・。

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