2025年11月16日日曜日

ブルーカラーの時代

副教科の時代からの続き

エアコン暖房の季節が来たと思ったらブレーカーが落ちて動かない。マニュアルに従ってエラーコードを調べるとU4で,自分では対応できないものだ。ジョーシンの長期補償窓口(人間を選択)に電話して状況を説明する。その後の訪問予約電話は自動音声応答だった。

サービスエンジニアの若いお兄さんは,すぐに屋外機の基盤がおかしいことを突き止めた。電動ドライバーで硬いネジをてきぱきと緩めて,パソコンのマザーボードの配線のような基盤との結線を丁寧に外す。基盤の表面はショートで焦げていた。30分ほどで全作業は完了してテスト運転も成功した。

これまでもエアコンクリーニング,水漏れ修理,200V交換,ドラム式洗濯機のパッキン交換,給湯器の修理など何度も訪問修理の技と力の人に助けられた。これらを高級乗用車並価格のAIヒューマノイドに代替するのはそう簡単ではないような気がする。

家庭内軽作業や介護支援のAIヒューマノイドにしても普通乗用車並価格で普及するには時間がかかるだろう。その一方で,ホワイトカラー(デスクワーク)のAIエージェントへの置き換えは着実に進んでいく。GAFAMの人員削減は進み,NTTは5年後に業務の半分が生成AIに代替されるとした。こうして副教科の時代が支えるブルーカラーの時代が到来している。

一方,ヒューマノイドが普及すれば,そのブルーカラーの時代にもすぐに終わりが来るという説もあるが,そうは問屋が下ろさないのではないか。我々の複雑で多様な世界を支える労働は非常に面倒な泥臭い現場の汚れ仕事の絡み合いである。安全で準定型的作業が保証される場を除くと,クリーンな環境で製造された精密機械式生命がスイスイこなせるようなしろものではないような気がしてならない。

現実の生命や事物が複雑に絡み合っている世界とそれを取り巻く物質的環境は,ホワイトカラー的な抽象世界の住人たちの手にはなかなか負えない。



写真:修理中のダイキンエアコン室外機

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