この季節の朝の散歩で目につくのが,ため池の鴨と鷺。きょうはセブンイレブンの向かいの池の上をシラサギが群舞していた。そんなとき,連理の枝と比翼の・・・えっとなんだっけなあとなる。帰って早速調べてみると,比翼の鳥だった。
在天願作比翼鳥 天に在りては願はくは比翼ひよくの鳥と作なり在地願為連理枝 地に在りては願はくは連理れんりの枝と為ならんと天長地久有時尽 天は長く地は久しきも時有りて尽くとも此恨綿綿無絶期 此の恨み綿めん々として絶ゆるの期とき無からん
長恨歌のテーマである楊貴妃(719-756)はクレオパトラとセットで記憶されていたが,世界三大美女のもう一人が小野小町だという説を見てビックリした。しかしこれはあくまでも日本ローカルの話で,実はギリシャ神話のヘレネー。
(1) 連理の枝と比翼の鳥という言葉が,人形浄瑠璃のなかに出てくるかどうかをChatGPTに尋ねたところハルシネーション・フェイクだらけだった。そもそも桂川連理柵がないし,曽根崎心中の詞章にはこのキーワードが含まれると強く主張し,奇数文字にならない変な外題をいくつか挙げて,誤りを指摘しても直らない。日本語LLMの登場が強く望まれる。
(2) 長恨歌をGemini 3 = nano Banana Pro に投入したところ6節に分割したプロンプトを作ってくれたところで無料のリソースが切れ,画像生成に至らなかった。ChatGPTにこのプロンプトを投げると,規約違反で排除された。DeepSeekもだめ。再びGemini の高速モードに戻ると,以下の6枚の画像ができた。
図:Geminiの高速モードで生成した長恨歌のストーリー
(3) 森八の長生殿といえば日本三大和菓子のひとつだが,長恨歌にある「七月七日長生殿,夜半無人私語時」から来ていた。玄宗皇帝と楊貴妃が温泉のある華青宮の長生殿で語らいあったとか。昔から千歳はよく食べていたけれど,長生殿はちょっと敷居が高い。
(4) 長恨歌にも「梨園弟子白髪新,椒房阿監青娥老」とでてくる梨園。梨園(りえん)は歌舞伎社会のことを指すが,唐の玄宗が梨を植えた庭園で音楽や演劇を自ら教えた故事に由来していた。
P. S. 森八は創業四百年(1625-2025)らしい。自分が生まれたとき,隣のベッドに森八の子どもがいたと母親から聞いていたが,たぶんそれが現代表取締役社長の中宮嘉裕さんではなかろうか。
[1]老舗和菓子店のルネッサンス -金沢市 株式会社 森八のケース-(加藤明,2011)

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