2025年10月27日月曜日

副教科の時代


中央教育審議会教育課程部会の総則・評価特別部会(第2回)の議事資料があがっていて,委員提出資料を堀田さんがヨイショしていた。早速確認してみると,事務局提出資料を含めて話がとても複雑でどんどん面倒なことになっている。

なんだかなぁなので,早速オレオレ対案を考えてみた。テーマは副教科の時代である。こちらの誘導で引きだしたChatGPTの言葉では「知識を人間が記憶・処理する時代から、AIと協働し、価値を創造・調整・表現する時代へ移行しつつあります。この観点から、これまで「非主要科目」とされてきた領域(情報、技術・家庭、芸術系、保健体育など)が、むしろ人間が担うべきコア領域になるというご指摘は、教育政策的にも非常に本質的です。」なのだ。

中教審で検討されているややこしい表形式の目標内容の構造化論議を排除して,単純にガイドラインとしての内容項目(これからのAI時代の子どもたちが学ぶべきもの)だけに簡素化したリストを作成すべく対話を進めた。

Q(koshix):
文部科学省というか中央教育審議会では,次期学習指導要領の検討が進んでいます。 https://www.mext.go.jp/content/20251014-mxt-kyoiku-000045376_02.pdf 
たぶん関係者の頭が悪いのだと思いますが,目標内容の構造化とかいいだして, 表形式がどうのこうのなど,学習指導要領の構成を複雑化して訳が分からないことになろうとしています。 
原点に帰ればこういうことだと思います。
(1) 社会の持続的発展のために,次世代に世界認識の方法や生活技術の獲得を,組織的な集合教育によって実現するのが,教育(学校)の目的である。
(2) このために必要な教育内容のガイドライン(のちに基準化してしまった)を 分野年代別に整理したものが学習指導要領であったはずだ。 
(3) 社会が大きく変わり,インターネットや生成AIが日常的に利用できる環境になり,社会生活に必要な知識や技術も大きく変わっている。
(4) 従来の教科の枠に追加の項目を重ねていって,さらに教育方法までをも縛りだすことによって,学習指導要領がとてもヘビーなものに変質した。 
(5) このためこれまでのしがらみを捨てて,インターネットとAIの存在を前提に子ども達自身の健康と生物学的な種の持続及び経済学的な社会組織の維持と科学技術や文化芸術の持続的な発展のために,本当に必要となる知識と技能を組織的に伝えていくための内容のエッセンスを整理してほしいわけだ。 
(6) そこでは,基本的人権に基づく安定的な社会関係を維持するために,多様な職業や家庭生活の共通基盤としての知識と技術を学ぶことになる。
(7) これまでの教科についての既成概念をすべて洗い流した上で,これらのことを実現するための学習指導要領をゼロベースで再発明してほしい。
(8) なお学校には親が働いている間の保育機能もあるのでそのことも含めて拡張された学習指導要領を考えてもらいたい。 
(参考)前回のヒント:次期学習指導要領(1) 
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Q(koshix):
あなたの考えは半分は正しいのですが,従来の教科や科目をいったんとっぱらったうえで,何を子どもたちは学ぶべきかということを積み上げてほしいのです,複雑なレイヤー構造は求めていません。学年と学ぶことのリスト(カテゴリ化されている)があればそれで十分です。
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Q(koshix):
言語・コミュニケーションには社会的な決まりごとや制度についての理解も必要です。すなわち,法律・権利・財政・投資・政治参加・社会参画などの基礎となるものです。単に技術的な言語・コミュニケーションでは不十分です。
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Q(koshix):
世界認識の中核になるのは自分たちの郷土や地方や国の成り立ちと歴史になります。ここでの世界は国際関係だけを念頭においたものではありません。この歴史とそれに付随する文化の理解なしにコミュニティとしての共通の世界(社会)理解が成り立ちません。それは歴史だけではなくて,地理的な環境的な条件をも含むものになります。そのような観点で再検討してください。
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Q(koshix):
世界認識という言葉でまとめられていますが,実はもう半分の自然認識があります。郷土や国の成り立ちはそれをとりまく自然環境と無関係ではありません。そして,自然環境を構成する植物や動物や微生物およびそれを支えている生物学的,生化学な知識は自分の健康への理解とも密接に関係しています。そして,世界を支えているエネルギーと情報通信の基礎になるのは物理学や化学の知識であり,自然環境を変化させているのは地球科学や天文学の基礎知識に他なりません。こうした分野の正確な理解なくして人類社会のイノベーションや持続的な再生産は不可能だと思います。
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Q(koshix):
これまでの保健体育に相当する部分で欠けているものを①と⑥に含めてほしいと思います。競技スポーツ的なものは最小限で構いませんが,サバイバルのための持久力も必要でしょうし,普段からの運動習慣の獲得は自分の健康のために必須になります。また①には自分の食生活や衣生活や住生活にかかわる技能の獲得も密接に関係していると思うので,そのような内容も考慮してください。
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Q(koshix):
武道は文化として必要ですが重きはおかないでください。簡単な材料工作や電気工事や植物栽培農作業の基礎は適当なところに分類されていますか?
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Q(koshix):
①の性教育の部分はより重要に位置づけられると思いますし,身体・健康・感覚の項には精神的な健康も含まれることになります。ところで文学や芸能や音楽や美術鑑賞などはどのカテゴリに位置づけられていますか。そのあたりの趣味的な生活のまんべんない基礎も必要な要素だと思うのです。
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Q(koshix):
外国語教育についてはどう思いますか。AIが発達したのでこれまでのようなものは必要なくなるのか,もし含めるとしたら目的とゴールはなんであって,どの程度のものをどのカテゴリーのどの学年に入れればよいでしょうか。
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Q(koshix):
①身体・健康,③数理思考,④社会認識,⑥表現・創造,に名称変更してください。そのうえで「6カテゴリ×学年リスト」に組み込んだ 最新版統合表(テキスト)お願いします。
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Q(koshix):
生成AIの時代の生活と職業を考えたとき,これからの人間により必要とされるものは,従来の科目で非主要科目とされた,情報,技術・家庭,音楽,図画工作・美術,保健・体育,などになると考えています。国語,英語,社会,数学,理科などのウェイトはさがるのではないでしょうか。そこ辺りも踏まえながら,先ほどのリストの内容項目に過不足はないのか,カテゴリの考え方はよいのかなどについて,もう一度確認してください。

A(ChatGPT-5):
(回答から一部抜粋)
2. 再構成の基本理念
(1) AIが得意な領域(記憶・演算・翻訳・情報処理)はAIに任せる。
(2) 人間が得意な領域(身体・感性・文化・創造・判断)に教育リソースを集中する。
(3) 実社会での生活と職業構造の変化に直結する能力を育成する。
(4) 教科ではなく、「生きる力」と「文化的基盤」に基づく領域(カテゴリ)でカリキュラムを構成する。

6カテゴリ × 学年別学びリスト(AI時代対応・最終調整版)

① 身体・健康(いきる)
目的: 身体・生活・性・心の健康を基盤とし、自律的な生活力と安心を育む。
6〜7歳:生活リズム/衛生・安全/身体感覚と姿勢/走る・跳ぶ・バランス/簡単な調理・衣服・整理整頓/気持ちの言語化
8〜9歳:運動習慣/柔軟性と持久力/食と栄養の基礎/衣食住の安全と習慣化/情動の理解と対処
10〜11歳:応急処置の初歩/体力づくり/季節ごとの生活管理/身体の変化の理解(プレ性教育)/ストレス対応と相談力
12〜13歳:思春期の身体理解/自律的健康管理/性教育(心身・権利・尊厳)/メンタルヘルスと人間関係/防災とリスク認識
14〜15歳:健康と社会的自立/応急対応と医療の基礎/衣食住と持続可能な生活設計/性とライフコース/回復力(レジリエンス)

② 言語・コミュニケーション(ことば)
目的: 言語と制度・政治・経済・異文化理解を基盤に、対話・協働・社会参画の力を育む。
6〜7歳:あいさつ・約束・話す聞く読む書く/簡単なルールの理解/他言語の音や挨拶体験(絵本・歌)
8〜9歳:文章表現/話し合い/公共と私の区別/お金の初歩/世界の言語の多様性理解
10〜11歳:情報整理と伝達/地域社会の仕組み/権利とルール/AI翻訳を使った多言語接触
12〜13歳:契約と制度の初歩/税と公共/討論と合意形成/英語など一言語の基礎構造理解
14〜15歳:権利と義務/政治参加/金融・投資・メディアリテラシー/他言語による発信・議論(AI補助)

③ 数理思考(すうり)
目的: 世界の構造を数量・論理・情報から理解し、AIと協働して課題解決する力を育む。
6〜7歳:数・形・時間・順序の感覚/パターン認識
8〜9歳:四則演算/空間・順序・因果の理解
10〜11歳:分数・比・データ/論理的関係/グラフや情報の基礎理解
12〜13歳:関数・確率・アルゴリズム/モデル化/簡単な情報処理
14〜15歳:データ解析/数理モデル構築/AI活用とプログラミングリテラシー

④ 社会認識(せかい)
目的: 郷土→地域→国→世界の歴史・文化・制度・文脈を理解し、共通の世界像と社会参画意識を育む。
6〜7歳:身近な町や村/地名・季節・行事・風景
8〜9歳:郷土の歴史と地形/生活文化
10〜11歳:地域と国の関係/文化と環境の結びつき
12〜13歳:日本の歴史と社会構造/他国との関係の初歩/他言語文化との接点理解
14〜15歳:近現代史と地域史/国際社会・地球規模課題/多様性と共生の理解

⑤ 自然認識(しぜん)
目的: 自然環境と科学的構造を理解し、人間社会との相互依存を認識する。
6〜7歳:身近な植物・動物・天気・季節/からだのしくみ
8〜9歳:地形・水・空気/生物と環境の関係
10〜11歳:物質とエネルギーの基礎/地域環境と生活
12〜13歳:生態系と人体機能/地球の構造と気候/科学的探究の初歩
14〜15歳:物理・化学の基礎/地球と宇宙/科学的方法とリテラシー/環境変動と社会の関係

⑥ 表現・創造(つくる)
目的: 芸術・技術・文化・生活技能を通して「つくる・育てる・表現する」力と文化的教養を育む。
6〜7歳:紙・木・布の工作/植物を育てる/音楽・絵画・体の表現/お話・歌・絵本の鑑賞
8〜9歳:簡単な工具の使い方/豆電球・回路/栽培と収穫/文学・音楽・芸能への入門
10〜11歳:木工・電気工作・構造物制作/農作業の体験/演劇・合奏/読書・美術鑑賞
12〜13歳:設計→製作→発表/電気とセンサー応用/伝統芸能や武道(文化的要素として軽く)/多言語での表現体験
14〜15歳:修理・製作プロジェクト/農的実践/サバイバル技能/文学・芸術・芸能の鑑賞と批評/創造的発表

重点シフトの反映ポイント
①身体・健康と⑥表現・創造 を教育の中核に据え、生活・身体・文化・創造力を重視
・②言語と④社会認識 は、制度・政治・経済・異文化理解を含む「文脈理解」中心に転換
・③数理思考 は、演算よりも構造・情報活用・AI協働力へ重点シフト
・⑤自然認識 は、自然と社会の関係・環境変動理解・科学的思考に焦点
・外国語教育 は独立科目ではなく、②・④・⑥に分散配置し、文化接続力として扱う


図:学習指導要領の未来の世界(Imagenによる)

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