メタバース(2)からの続き
metaverseというキーワードを全文に含む論文は,arXivには13本しかない。その中で,最も重要なのは,All One Needs to Know about Metaverse: A Complete Survey on Technological Singularity, Virtual Ecosystem, and Research Agenda(2021 Nov)である。そこで,そのアブストラクトの訳(DeepL supported)を紹介する。
[要旨] 1990年代にインターネットが普及して以来,サイバースペースは進化を続けている。私たちは,ソーシャルネットワーク,ビデオ会議,仮想3D世界(例:VRChat),拡張現実アプリケーション(例:ポケモンGO),非代替性トークン・ゲーム(例:アップランド)など,コンピュータを介したさまざまな仮想環境を作り出してきた。
このような仮想環境は,非永続的で相互に接続されていないとはいえ,さまざまな程度のデジタルトランスフォーメーション(DX)を私たちにもたらしてきた。「メタバース」という言葉は,私たちの物理的生活のあらゆる側面における DX をさらに促進するために創り出された。メタバースの中核には,巨大で統一された永続的な共有領域としての没入型インターネットというビジョンがある。メタバースは,拡張現実(XR),5G,人工知能(AI)などの新しい技術に牽引され,未来的なものに見えるかもしれないが,サイバースペースのデジタル「ビッグバン」はそう遠くはない。
この総括論文は,最新のメタバース開発を最先端技術とメタバースエコシステムの次元で検証し,デジタル「ビッグバン」の可能性を示す包括的なフレームワークを提供する初めての試みである。まず,現在のインターネットからメタバースへの移行を推進する技術として,1) 拡張現実,2) ユーザーインターフェイス (Human-Computer Interaction),3) 人工知能,4) ブロックチェーン,5) コンピュータビジョン,6) IoTとロボティクス,7) エッジとクラウドコンピューティング,8) 未来のモバイルネットワークという8つの実現技術を厳密に検討する。
アプリケーションの面では,メタバースエコシステムは,人間のユーザーが自立的,持続的,かつ共有された領域内で生活し,遊ぶことを可能にする。そこで,1) アバター,2) コンテンツ作成,3) 仮想経済,4) 社会的受容性,5) セキュリティとプライバシー,6) 信頼と説明責任という6つのユーザー中心的な要因について議論する。最後に,メタバースの発展のための具体的な研究課題を提案する。
[索引語]メタバース,没入型インターネット,拡張/仮想現実,アバター,人工知能,デジタルツイン,ネットワーキングとエッジコンピューティング,仮想経済,プライバシーと社会的受容性。
もう少し短かくて技術よりでないのは,A Survey on Metaverse: the State-of-the-art, Technologies, Applications, and Challengesである。