2025年9月24日水曜日

三十三間堂

NHKのブラタモリで京都の三十三間堂(蓮華王院本堂,1164/1266-)が特集されていた。平安時代末期の創建だが,火災にあって鎌倉時代に再建されたのが現在の建物(全長118m)だ。あの忌まわしい大屋根リングができるまでは日本一の長さの木造建造物だったが,今は第2位。全体の1/10の200m分を保存するというので今後数十年は第2位のままになる。100年も経てば1位に復活するだろう。

そのなかで,京都市内では応仁の乱(1467-1477)で町全体が燃えてしまい,それ以前から今まで残っているのは三十三間堂を含めて4つしかないという話に驚いた。そんなものなのか。早速ChatGPTやGeminiやClaudeやPerplexityやgrkや皆に聞いてみたが,どうも正確な情報がわからない。結局,醍醐寺 五重塔(951),大報恩寺(千本釈迦堂)本堂(1227),蓮華王院(三十三間堂)本堂(1266〈再建〉),法観寺(八坂の塔)五重塔(1440)というところに落ち着いた。

それでは全国での古い建造物はどうなっているのかということで,各生成AIにきいてみるのだけれど,どれも一長一短でフェイク情報が混じってしまう。出力を数回にわたり多段で蒸留した結果,ChatGPT-5とGemini 2.5 Pro の結果が収束した(正しいかどうかは別だ)。

Q(koshix):
以下のリストが正しいかどうか判定してください。また,このリストに無いもので条件を満たすものがあれば指摘してください。なお,リストには通し番号をつけて,年号が推定できるものはなるべく入れてください。

元の質問: 日本の歴史的建造物でできてから800年以上の歴史を持つものを古い順に並べたリストをつくってください。なお,創建時が条件を満たしていても消失したものは含めません。再建時が条件を満たしていればOKとします。大きな寺院の一部の塔頭などで一定の規模があればそれらも含めます。

A(ChatGPT-5 Thinking):
前提と進め方:ご提示の条件(①現存、②創建でなく“現存建物の成立”が1225年以前=今年2025年時点で800年以上、③再建でも可、④塔頭も一定規模なら可)に沿って、各項目の年代・現存性を一次情報・公的機関・寺社公式等で突き合わせました。結果は①リストは概ね妥当、②抜けている重要物件がいくつか、③一部で補足・厳密化(年次表現の明確化)が必要――の3点です。下に「修正済み通し番号リスト(古い順)」を示し、追補分は★で明示します。各行に1文メモを付しています。出典は要所で併記しました。

修正済みリスト(古い順,★は省略)
1.法隆寺 西院伽藍(金堂・五重塔・中門・回廊)|7世紀末〜8世紀初頭
世界最古級の木造建築群として現存(ユネスコ登録群の中核)。
2.法起寺 三重塔(奈良)|706年
現存最古の三重塔の一つ(飛鳥〜奈良移行期の作)。 
3.唐招提寺 経蔵・宝蔵(奈良)|8世紀前半
現存する校倉造の代表的遺構。 
4.薬師寺 東塔(奈良)|730年
奈良時代唯一現存の三重塔で「凍れる音楽」と称される。
5.法隆寺 東院 夢殿(奈良)|8世紀中頃
聖徳太子供養の八角円堂(奈良期建立)。 
6.東大寺 法華堂(三月堂)(奈良)|8世紀中頃
東大寺で現存最古の堂。 
7.栄山寺 八角堂(奈良)|760–764年頃
奈良時代屈指の八角堂(国宝)。 
8.東大寺 正倉院 宝庫(奈良)|8世紀後半
天平の校倉造高床式宝庫(聖武天皇ゆかりの宝物蔵)。
9.唐招提寺 金堂(奈良)|8世紀後半
天平建築の代表堂宇。 
10.唐招提寺 講堂(奈良)|8世紀後半(平城宮朝集殿の移築)
宮殿建築遺構が寺院講堂として現存。 
11.新薬師寺 本堂(奈良)|8世紀後半
奈良期現存の本堂で十二神将を囲繞安置。
12.當麻寺 東塔(奈良)|奈良時代中期(8世紀)
古代の東西双塔が揃って現存する唯一の例の一方塔。
13.當麻寺 西塔(奈良)|平安初期(9世紀初頭)
双塔のもう一方(平安初頭建立)。
14.室生寺 五重塔(奈良)|9世紀初頭(8世紀末説あり)
屋外五重塔で最小規模・古式の名塔。
15.室生寺 金堂(奈良)|9世紀前半(※中世修理あり)
山岳伽藍に残る古様の堂宇。
16.醍醐寺 五重塔(京都)|951年
京都府最古の木造建築。
17.平等院 鳳凰堂(京都)|1053年
浄土庭園の中心堂(十円硬貨の意匠)。
18.宇治上神社 本殿(京都)|1060年頃
現存最古の神社本殿。
19.石山寺 本堂(滋賀)|1096年(再建)
紫式部ゆかり、平安末再建本堂が現存。
20.浄瑠璃寺 本堂(京都)|1107年
九体阿弥陀を安置する横長本堂。 
21.鶴林寺 太子堂(兵庫)|1112年
兵庫県最古級の現存木造建築。 
22.中尊寺 金色堂(岩手)|1124年
奥州藤原氏の阿弥陀堂(皆金色)。
23.石上神宮 拝殿(奈良)|1135年(移築)
現存最古の拝殿建築。
24.白水阿弥陀堂(福島)|1160年
平安末の阿弥陀堂と浄土庭園。
25.一乗寺 三重塔(兵庫)|1171年
平安末の代表的三重塔(国宝)。
26.富貴寺 大堂(大分)|12世紀後半
九州最古級の現存木造仏堂。
27.浄土寺 浄土堂(兵庫・小野)|1192年
阿弥陀三尊(快慶)を安置する檜皮葺大堂。
28.高野山 不動堂(和歌山)|1197年
高野山で最古の現存堂宇。
29.東大寺 南大門(奈良)|1199年(再建)
大仏殿正門、金剛力士像で著名。
30.興福寺 北円堂(奈良)|1210年(再建)
鎌倉初期再建の八角円堂(国宝)で現存。 

A(Gemini Pro 2.5):
再度チェックいたしました。この修正版リストは、ご提示の条件に沿って非常に綿密に調査されており、ほぼ完璧な内容と言えます。素晴らしいリストです!




図:三十三間堂通し矢図(伝円山応挙筆,文化遺産オンラインから引用)

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