まだ,大学で仕事をしていた頃,オーセンティック評価(真正の評価)という言葉をよく耳にした。教育評価の議論はいずれもどこか怪しい気がしたし,これについてもまともに考えてこなかった。ところがふと,ボチョムキン理解というのは結局AIの理解に対する評価の問題であると気付いた。
つまり生成AIの理解に対するオーセンティック評価が必要だということだ。さっそく本人に確認してみることにする。
Q(koshix):生成AIに対するオーセンティック評価はどのようにして実現できますか?A(ChatGPT-5):とても重要なテーマですね。「生成AIに対するオーセンティック評価(authentic assessment)」をどう実現するかを考えるには、まず前提と課題を整理する必要があります。以下、フレームワーク的に段階を追って説明します。1.コンテキストと前提条件従来型評価(正解・不正解、定量的スコア)は、生成AIが回答を「それらしく」出せるため、表層的に高得点を取ってしまうリスクがある。オーセンティック評価とは、本来「実社会に近い課題解決能力を評価する」手法であり、単なる知識再生ではなく、応用・批判的思考・協働・創造性などを測る。生成AIが介在する時代においては、「AIを使わずに人間だけを測る」のではなく、「AIを含むエコシステムの中で人がどのように価値を出せるか」を評価する必要がある。2.オーセンティック評価の基本構造生成AI時代に有効な評価は次のような観点を含みます:(1) プロセス重視・最終アウトプットだけでなく、思考過程やAIとの対話ログを提出させる。・「AIにどう指示を出したか」「出力をどう検証・修正したか」を評価対象に含める。(2) 現実課題への接続・実際の社会問題や業務に即したプロジェクト課題を与える。・例:生成AIを活用して地域課題の解決策を提案する、研究論文の要約+批判的レビューを書く。(3) AIリテラシー評価・AIの出力を無批判に受け入れるのではなく、誤りを発見し修正する能力を測定。・出力の偏り・限界を認識し、参照・引用の正当性をチェックする力を評価。(4) メタ認知・説明責任・学習者が「なぜその方法を選び、AIをどう利用したか」を言語化・反省できるかを見る。・これは「AI依存度」ではなく「人間の判断力」を浮かび上がらせる。3.実現のための技術・運用的工夫・ポートフォリオ方式学習者がAIとのやりとり、修正版アウトプット、自己評価コメントを蓄積し提出。・ピアレビューの導入AI+人間の生成物を相互にレビューすることで、批判的思考を強化。・ルーブリックの再設計従来の「正確性・完成度」中心から、「AI利用の適切さ」「情報の信頼性評価」「独自の付加価値」などを盛り込む。・トレーサビリティ確保提出物に至るまでのプロンプト履歴・編集履歴を透明化。(Google Docsの履歴やGitのように「過程を残す」仕組み)4.実例イメージ・大学レポート課題:「生成AIを用いてレポートを作成してよい。ただし、AIに与えた指示と出力履歴を添付し、誤りや偏りをどう修正したかを分析して示すこと。」・企業研修課題:「自部署の課題解決案をAIにブレインストーミングさせたうえで、自分の判断で取捨選択し、最終提案をまとめる。評価は選択理由の妥当性と実現性を重視。」5.まとめ生成AIに対するオーセンティック評価は、(1) アウトプットだけでなくプロセスを評価する(2) AIとの協働能力を測る(3) 批判的思考とメタ認知を中心に据えることで実現可能です。従来の「人間 vs 機械」ではなく、「人間+AIでどのように価値を創造できるか」を測る方向に評価基準を再設計することが肝心です。ご希望でしたら、教育・研究・ビジネスの各分野ごとに「導入ステップ」と「評価ルーブリックの具体例」を整理した実践プランも提示できますが、そちらに進めますか?
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