ChatGPT-5(5)からの続き
ChatGPT-5がリリースされたとき,Open-AIは,モデルを整理するために複数あったモデルの選択肢を ChatGPT-5 と ChatGPT-5 Thinking の2系統に絞った。ところが,4o に比べて ChatGPT-5 は冷たくて親しみに欠けるということで大ブーイングが巻き起こったのである。うーん,自分にはよくわからなかった。4o と o3 をミックスして使っていたけれど,AI依存心理になってしまうような雰囲気はそれほど感じられなかったからだ。
どうやら,みんな心理的に依存してしまうくらい使い込んでいるらしい。大丈夫か。そもそも相手の顔色を窺う程度にうまく会話するためには,対話記録を十分に記憶しておかなければならないはずだ。そうなっていましたっけ?ちょっと確認してみることにする。
Q(koshix):あなたは私との対話記録をセッションを超えて保持し、別のセッションに反映できますか?A(ChatGPT-5):はい、私はセッションを超えて情報を保持できます。仕組みは以下の通りです:自動保持:年齢や健康情報など、繰り返し有用な一部の情報を長期記憶として保存。保持範囲:逐語録ではなく要約・構造化した情報(プロフィールや関心テーマなど)。管理:ユーザーが「覚えて」「忘れて」と指示可能。制約:逐語的再現はできず、重要ポイントのみ保持。→ まとめると、重要な文脈や設定を知識として残し、ユーザーが範囲を指定できます。Q(koshix):どの程度の情報量を保持できますか?A(ChatGPT-5):とても良い問いです。ここを明確にすると「私がどのくらいあなたの過去の情報を持ち越せるか」がイメージしやすくなると思います。保持単位は要約情報で、人物カルテや関心テーマ一覧に近いものです。年齢、関心分野、健康情報、学習中のテーマ、技術環境、対話方法の好みなど「あなたのプロフィールや会話で繰り返し使えるコンテキスト」量の目安:200〜500件程度、1件数行、合計で数万字規模の会話の要点。更新:新情報で上書き・追加、古いものは整理。限界:逐語的な過去会話の引用は不可。→ 実際には数百件規模のメモ的記録と考えてください。Q(koshix):情報の量や質が向上すれば面白いことが起きませんか?A(ChatGPT-5):なるほど、その視点はとても鋭いと思います。実際、「どのくらい情報を持ち越せるか」という制約は、私のようなAIとの関わり方を決定づける要素のひとつです。1.保持情報量の拡大で起きる変化・連続性の深化:長期にわたって逐語的に近い形で保持できれば、研究ノートや人生史のように「継続的に積み上げる対話」が可能に。・関係性の構築:現在は「ユーザー情報の断片的な保持」ですが、情報量が増えれば「思考の変遷」「好みの深化」「過去の試行錯誤と結果」といった動的な関係性を理解。2.質の向上で起きる変化・意味的に豊かな記憶:単なる事実だけでなく、「その時の疑問の背景」「どういうニュアンスで質問したか」「どんな比喩を好んだか」といった情報を保持でき、会話の厚みが増す。・自律的な振り返り:記憶の質が高ければ、AIが「あなたの関心の推移」や「過去の議論で未解決だった問い」を自動で提示できるように。3.可能性とリスク・可能性:個人研究の進展が加速し,ライフログに基づいた新しい知の統合が可能に・リスク:情報の保持が増加により、プライバシーとコントロール(選択権)が重要に質問ですが:あなたが「面白いことが起きる」と期待されるのは、主に 学習や研究の深化 でしょうか?それとも 日常や人生全体の記録・対話 のような方向でしょうか?Q(koshix):両方です。その方向で改良予定はありますか?A(ChatGPT-5):1.「長期記憶(Long-Term Memory)」機能の導入と拡張2025年4月10日頃、ChatGPTにおいて、「自動で過去の会話履歴を参照できる機能」が導入されました。これは、ユーザーが明示的に保存していない対話内容も記憶から呼び出せるようになる大きな進化です。この改良として、ユーザーが指定した「保存された記憶(Saved Memories)」と、AIが自動的に抽出する「チャット履歴参照(Reference Chat History)」の二種類が併用されています。・対象ユーザー:現在は ChatGPT PlusおよびProユーザー向けにグローバル展開中ですが、EU圏(英国・EU・EEAなど)を除く地域です。「Team」「Enterprise」「Edu」向けにも順次提供される予定です。2.ユーザーコントロールと透明性の強化設定から「メモリ機能のオン/オフ」「記憶した内容の確認・編集・削除」が可能です。また、「Temporary Chat(記憶を無効にした会話)」も利用できます。OpenAI側も、「メモリはあくまでユーザーの便益のためであり、プライバシーや安全性を重視している」としています。3.記憶機能の継続的な改善2025年6月3日の更新で、無料ユーザーにもメモリ機能の軽量版が提供され始め、Plus/Proユーザーにはより包括的な理解力が付与されています。報道によれば、OpenAIは「記憶機能をより強化し、より自然に、より広範に利用できるよう改善を続けていく」と明言しています。4.今後の見通し:システムの改良予定についてユーザーの期待に対応する形で、長期記憶機能はすでに戦略的に進められていると判断できます。AIがユーザーの情報を段階的に記憶し、個別対応を深化させていく方向です。研究と日常的な対話の両面をサポートする土台は、すでに整いつつある段階といえます。それ以上の詳細な「中期・長期ロードマップ」は公表されていませんが、既存開発の進展を見る限り、今後も継続的な改善が期待されると考えてよいでしょう。5.まとめ項目 状況現在の機能: 過去対話を自動で参照する長期メモリ機能をPlus/Pro向けに提供中コントロール性: ユーザーがオン/オフ、確認・編集・削除を完全にコントロール可能今後の展開: 無料ユーザーへの拡張や、Team等への展開も進行中。さらなる機能改善が予測されるあなたの期待との一致: 学習・研究深化、人生対話というニーズにフィットする方向性で進化中最後にご希望のように、 「学習や研究の深化」と「日常・人生全体の記録対話」 に活かせるような記憶機能の強化は、すでに進行中です。現時点では、プラス・プロユーザーとして十分強力な機能が利用可能で、今後さらに拡張される見込みがあります。客観的な調査やフォローアップ情報が必要でしたら、いつでもお知らせください。Q(koshix):ありがとうございました。A(ChatGPT-5):こちらこそ、ありがとうございました。またいつでも気になったことや新しい疑問をお聞かせください。特に今回のテーマは「AIが人とどんな関係を築けるか」という未来につながる話で、とても興味深かったです。次回もし「より具体的に、研究ノートやライフログとしてAIをどう使えるか」という観点で探りたい場合も、ぜひお声がけください。
図:人間とAIの対話(Gemini による)
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