登大遊さんのこの一年ほどの講演リストがある。未来をあきらめない(1)で紹介した「テクノロジーマップ、技術カタログの在り方について」を除くと,そのほとんどのテーマは共通だった。そのテーマというのは,次の問い,日本にはOS・クラウド・通信・セキュリティ等のプラットフォーム技術や産業を自ら生み出せる ICT 人材がいない。どうすれば育成できるのか?というものだ。
結論は,登さん自身の特筆すべき技術的能力とそれに基づく体験からくる洞察によるものだ。それは,自律的なコンピュータ・ネットワークの実験環境を自力で勝手に構築しようと
することを黙認し,その環境の上で彼らが自由に技術開発できるようにすれば,自然に人材が育ち,技術が生まれる,とまとめられる。
講演では,(1) 自律的なコンピュータ・プログラミング環境の重要性,(2) 自律的なネットワーク環境の重要性,について彼が切り開いてきた道をたっぷりの写真とともに紹介している。そのスローガンは,超正統派「おもしろ・いんちき開発手法」が重要,というものだ。
人の作ったクラウドやセキュリティソリューションやインターネットシステムを使うICT技術者ではなく,それらを新しく創り出そうと開発する人材の育成が必要だと呼びかけている。実際に彼は,筑波大学の客員教授として,医学課程の学生として,ソフトイーサ株式会社の代表取締役として,IPAのサイバー技術研究室長として,NTT東日本の特殊局員として,けしからんものに対して日夜戦い続けている。
図:登大遊さんのフリーイラスト
[1]けしからんネットワーク入門(JANOG)
[2]けしからんSoftEther VPNを作ったら怒られた(Logme Tech)
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