2023年1月18日水曜日

ボイス キャンセリング マイク

ノイズキャンセリングイヤフォンというものがある。

環境音の中で音楽や会話を聞くとき,そのノイズを減らす機能を持つイヤフォンだ。このイヤフォンに内蔵されたマイクがひろう環境音が逆位相に変換され,干渉によってノイズを消す仕組みだ。

在宅ワークやオンライン授業で,イヤフォンをはめ続けるのもつらい。最近では,骨伝導イヤフォンオープンイヤースピーカーなど,耳に負担をかけない製品も使われている。その進化系として,オープンイヤースピーカーの音漏れを防ぐために逆位相の音を外向けに放出する仕組みをNTTの子会社nwmが開発しクラウドファンディングを募っている


時代は,GUI(Graphical User Interface)からVUI(Voice User Interface)に変わり始めているようなそうでもないような微妙なところで揺れている。XRヘッドセットを使って作業するのが当たり前になれば,キーボードもスマートフォンのタッチパネルも邪魔になる。そこで必要なユーザインターフェースは,音声や手話・身振りになるはずだ。

AlexaやSiriなどが登場したときは,声で機器を操作して音楽や動画を視聴する時代が到来したかと思ったものだ。ところが,一人暮らしでない家ではそうは問屋が卸さなかった。お互いに干渉せずにスマホやPCを使うにはいまでも,静かな指にたよらざるを得ない。

そこで思いついたのが,ボイス キャンセリング マイクだ。情報入力のためにマイクに届けたい声と逆位相の音をマイクの外側に発生して,他人からは自分の声がほとんど聞こえなくなる仕組みだ。誰か同じことを考えていないかと調べてみたら・・・ありました。Voice Canceller というコンセプトが2015年に提案されていた。残念。


XRヘッドセットを持っていない自分の場合,音声入力のニーズは入力の高速化からきている。最近は,macOSの音声入力の精度も上がっているので,かなりの速度で文字に変換することができるのだ。その観点からすれば,音声入力でなくともキーボードやフリック入力より速ければなんでもよいのだけれど。

ボイスキャンセリングマイクの実現が技術的に難しい場合は,筋電入力マイクかと思ったが,顔や首まわりにセンサーを装着するのは余計面倒だ。XRヘッドセットがデフォルトでないならば脳波でも同様にややこしそうだ。


図:nwmのオープンイヤー ノイズキャンセリング技術

[3]音の技術(ムーンショット・エフェクト − NTT 研究所の技術レガシー)

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