2023年1月25日水曜日

施政方針演説(2)

施政方針演説(1)からの続き

毎年1月の通常国会冒頭に行われる内閣総理大臣の施政方針演説は,時の政権が官僚技術の粋を集めて作成しているものだから,それなりに分析する価値があるような気がしてきた。そこで,首相官邸のホームページで過去の施政方針演説を一覧しようと考えた。だめだった。データは不完全でありかつゴミに埋もれていて過去の施政方針演説が簡単には見つからない。国民の検索活動を妨げようとしているに違いない。

どうして,政府のデジタル活用力はこんなに低いのだろう。あるいは,情報公開の姿勢がまったく見当たらない。担当が変われば以前のURLは簡単に変えられてしまい探し出すのが困難になる。あるいは,存在していた情報はデザイン変更に伴っていとも簡単に廃棄される。国立公文書館のデジタルアーカイブの精神は全く根付いていない。デジタル庁が始めるべきなのは,設計に失敗しているマイナンバーなどではなく全省庁における情報公開とアーカイブの徹底に違いない。

探してみると,ウィキソース内閣総理大臣施政方針演説というのがあって,1965年の第48回国会における佐藤栄作から昨年の2022年の第208回国会の岸田文雄までがアーカイブされていた。その元になっていたのは,東京大学東洋文化研究所政策研究大学院大学によるデータベース「世界と日本」の中の帝国議会・国会内の総理大臣演説だ。ここには,第1回の帝国議会やそれ以前からの内閣総理大臣の演説がほぼ網羅されている。

これを利用して,テキストの形態素解析を行えば,どんなメッセージがそれぞれの施政方針演説に込められているかを分析することができるのではないか。これによって,検証したいのは教育政策との関係であり,失われた30年をもたらした原因がこれらの演説の中に潜んでいないかというアバウトな直感だ。

2月,3月は暇なのでちょっとどうするか考えてみる。

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