2025年5月14日水曜日

温度計の日

NHKの天気予報をきいていると,今日(5月14日)は温度計の日らしい。物理学者の誕生日に因んでというのだが,その物理学者は誰なの?

早速調べてみると,水銀温度計を発明したファーレンハイト(1686-1736)だった。なるほどね。華氏温度の人だ。摂氏温度を定義したセルシウス(1701-1744)とほぼ同時代か。

華氏温度は,その当時,塩と氷で人工的に作ることができる最低温度(-20℃)を0度,人間の体温を100度としたと覚えていたのだけれど,約数の多い96度にしていたらしい。これによって,当時のヨーロッパの気温がほぼ0度から100度に収まったということだ。今だと100度超えが続出する。

摂氏温度は,1742年にセルシウスが考案したが,当時は水の氷点が100度,沸点が0度で,今の逆だったらしい。これも気温がすべて正になるようにということで,昔の人はなんでそこにこだわったのだろうか。

そういえば,水銀体温計を使わなくなって久しい。使用後に水銀柱が下がらない工夫がしてあり,温度を下げるには温度計を振って元に戻す必要がある。そのため,ガラスが割れて水銀が散らばることもしばしばであった。

いまでは,水銀の環境規制が厳しくなって,もうすぐ蛍光灯の製造も中止されてしまうし,ゴミ出しの手続きもたいへんだ。大阪教育大の学生物理実験でガラスの毛管に水銀柱を入れる必要があり,ガラス管にゴム管をつけて水銀溜まりから口で吸いあげるという恐ろしい手技をしていたのが,ほんの40年前のことだ。もちろん学生にはさせられないので,助手=自分がやるのだった。それが何の実験だったのかは思い出せない。

P. S. 当時使っていた物理実験の教科書,吉田卯三郎(1887-1948)の六訂物理学実験でそれらしいものを探したところ,毛管の半径測定というのがあったけれど,やっぱり記憶が霞んでいる。



図:水銀体温計(常用小学生新聞から引用)

[1]水銀体温計(水銀通信 Vol. 177野村興産)

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