ナチス・ドイツの宣伝大臣で強制的同一化をすすめたゲッベルス(1897-1945)は,映画好きであり,映画女優との浮気を重ねて深入りしたことから,妻のマグダ・ゲッベルスに離婚を持ち出された。これが,ヒトラーの不興を買ってしまう(1938)。そこで,ユダヤ人を標的とした官製暴動としての水晶の夜を引き起こして復権をはかろうとする。それが,ホロコーストへの道を開いたということか。
この番組の終盤で,1943年に米陸軍通信隊が制作したプロパガンダ映画「DON'T BE A SCUKER(カモになるな)」(23分)が紹介されていた。1947年にパラマウント映画から無償公開された。
いきなりプロレスのシーンから始まったが,その心はフェイクだった。その後,インチキポーカーやマジック,美人局のシーンなどが続き,世の中には騙そうとする人が溢れているのでこれらのカモになるなというメッセージが示される。
アメリカ人の真面目そうな若者と,ナチスの迫害を避けて米国にきたハンガリー人の大学教授が登場する。街角では,扇動者が,集まった大衆に対して,労働者が苦労しているのは,1.黒人,2.外国人,3.カトリック教会,4.フリーメーソン,が仕事や富を奪っているからだとアジっている。
最初は,扇動者の話に賛同していた主人公の若者だが,自分がフリーメーソンであったために,迷いが生じてしまう。そこへ,大学教授が声をかけ,これは扇動者の手口であって,少数者の分断を図って政治的利益を得ることが目的であることを説く。彼は,全く同じことが,黒人→ユダヤ人と置き換えて,ナチス・ドイツが実行したことを詳細に説明する。
写真:DON'T BE A SUCKERのタイトル(Wikipediaからの引用)
これ,今もそのままであって,日本においても外国人排斥・差別で繰り返されている(立憲民主党クルド人問題,小池都知事朝鮮人虐殺へのメッセージ拒否問題,法務省入国管理における人権侵害問題などなど)。
さらに,SNS(例えばX)には差別的な言動によってアクセスを稼ぎ,金もうけできる仕組みが組み込まれているため,日本だけでなくヨーロッパ,アメリカなど世界中で,アンチグローバリズムから波紋を広げた右傾化の波が著しく増幅されている。
21世紀ってこんな時代になるはずだったのかなあ・・・orz。
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