2024年9月29日日曜日

燃料デブリ取り出し

福島第一原子力発電所の2号機における燃料デブリ取り出しの件である。

8月22日に,取り出し装置による燃料デブリの取り出しに着手した。ところが,格納容器に押し込む円筒形容器の接続順を間違えて中断した。
9月10日に,再開して11日には取り出し装置が格納容器内に到達した。ところが,17日に装置先端のカメラの異常が発生したため再び中断に至る。

直感的には,数Gyの放射線を浴びるところに,CCDカメラを持ち込んだら機能しないのは当たり前じゃないのかと思ったのだが,話はそう簡単ではなかった。4台のカメラが装置の先端の前後にあって,そのうちの前の2台が故障している。用いられているのは耐放射線カメラであり,3万Gyまでは耐えられるようだ。ならば,放射線でやられたのではない。どうやら,故障前に装置を休止していたときに溜まった電荷が,再電源投入時にサージしたものらしい。

いずれにせよ,そんなところに複雑な電子機器を持ち込むのがまずいわけだから,内視鏡ファイバースコープを使って,先端部は光学部品だけ,撮像部は手元に置けば良いものをと考えて,生成AIに尋ねて見たところ,そんなものはないといわれてしまった。なお取り出し装置の長さは22mなので,この程度のオーダーのものが必要だ。
△現時点で、20-30mの長さの内視鏡ファイバースコープ技術が実用化されているという具体的な情報は見つかりませんでした。しかし、原子力分野や産業用途向けに、放射線耐性の高い特殊なファイバースコープ技術の開発が進められています。(PerplexityPro)
産業用内視鏡(ボアスコープやファイバースコープ)では、配管の検査や狭い空間の監視のために10メートル以上の長さを持つものもあります。例えば、建物や飛行機、船の構造内での点検を行うために使われるファイバースコープは、特殊な環境に適した長いケーブルを持つものもあります。しかし、20〜30メートルの長さを持つファイバースコープは非常に特殊で、一般的な市場には出回っていない可能性が高いです。(ChatGPT-4o)

普通にgoogleで調べたところ30mの産業用内視鏡は存在していた。これだから生成AIはあてにならない。ただ, 先端がどうなっているのかは,ちょっとよくわからない。耐放射線もどうなのか。まあこのくらいのものならばすぐに開発できそうなものではある。

高々数グラムの燃料デブリ取り出しをそのまま外挿して880トンの燃料デブリが片づくとはとても思えない。しかし,石棺化するにしても燃料デブリの詳細を分析して理解することは必須なので,このプロセスは避けては通れないはずだ。東電が本気で取り組んでおらず,適当に外注しているのでこんなグダグダしたことになってしまうのだろうか。

図:テレスコ式取り出し装置のイメージ(燃料デブリポータルサイトから引用)

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