よく思い出して見ると,1970年の大阪万博も,高校生による初めての関西一人旅という点では面白かったけれど,万博の出展内容自身にはちょっとだけ残念な気分がただよっていた。期待していた小松左京による太陽の塔内の進化の樹は単なるハリボテだった。アメリカ館の月の石に感動したわけでもないし,ソ連館の長い行列と加速器の解説展示,フランス館は数学の歴史しか記憶にない。それ以外だと松下館のタイムカプセルとか日本館の巨大日本地図俯瞰模型くらいか。
三菱未来館など多くの企業館は映像展示のオンパレードだった。2025年の万博も映像とインタラクティブ端末の組み合わせだけで埋まりそうだ。ESSの後輩の藤場俊基君が,万博は人とのコミュニケーションを図るところに意義があるのだと,コンパニオンとの会話を楽しんできたことを自慢していたが,まあそんなものだ。EXPO2025もそれなりに見どころはあるかもしれないが,人混みの行列と熱暑に耐えた上で7500円を支払う価値があるかどうかは微妙。
そんなところに,火星の石というニュースが飛び込んできた。シンボル構造物の愛称募集(パクリングでいいよね)とかタイムリーな話題作りには事欠かない広報戦略だ。
地球に落下する隕石の多くが南極でみつかった南極隕石であるというのは周知の事実だ。大量発見の発端となったのは,日本の南極地域観測隊が1969年にやまと山脈付近で氷床の流れを観測していたときにみつけたものである。南極に落下して氷床中に留まった隕石が,氷床とともに移動して集積したものが氷床表面に現われて大量に採取されることになった。
その成分を分析すると,隕石がどの天体から由来しているかを判別できる。このへんのことを,OpenAI o1-mini に聞いてみると次のようなことだった。
Q(koshix):日本の南極観測隊が発見した隕石が火星の石として万博で展示されるそうです。この隕石が火星から飛来したことはどのようにして推論されているのでしょうか。A(OpenAI o1-mini / 数秒)日本の南極観測隊が発見した隕石が火星からのものであると推論される理由は、主に以下のような科学的分析に基づいています:1.組成分析・鉱物組成:火星隕石には特定の鉱物や化学成分が含まれており、これらが火星表面で採取されたデータや探査機による分析結果と一致します。例えば、火星特有の酸化鉄鉱物などが含まれていることがあります。2.ガス同位体比の測定・閉じ込められたガス:隕石内部には火星大気に由来すると考えられるガスが閉じ込められています。これらのガスの同位体比(例えば、アルゴンやネオンの同位体比)が、火星探査機(例えば、ベンチ探査機・・・注:これは何だ??)のデータと一致していることが確認されています。3.宇宙年代学・年代測定:隕石の形成年代や衝突年代が火星の地質活動と一致している場合があります。これにより、隕石が火星の地殻から放出された可能性が高まります。4.微細構造や微磁性の解析・微細構造:火星の環境特有の微細な鉱物構造や磁性特性が見られることがあります。これらの特徴は地球や他の天体からの隕石とは異なるため、火星起源の証拠となります。5.軌道解析(場合によっては)・軌道データ:発見された隕石の軌道データや飛来経路が火星からのものである可能性を示唆する場合もあります。ただし、南極で発見された隕石の場合、詳細な軌道解析が難しいこともあります。これらの多角的な分析結果を総合的に評価することで、発見された隕石が火星から飛来したと強く推論されています。特にガス同位体比の一致や鉱物組成の特異性は、火星起源の隕石を識別する上で重要な指標となっています。
ちょっとあやしい部分もあるけれど,なんとなくもっともらしい。信頼度は,テレビの科学解説者と同程度のレベル。
写真:国立極地研究所にある火星の石(南極隕石)
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