2019年7月29日月曜日

きしみ

日本経済新聞 7月29日朝刊で報じられた日経・テレビ東京による7/26-28世論調査の結果。安倍内閣支持率52%(18-39歳 58%,40-59歳 56%,60歳以上47%)。改憲国民投票賛成52%(18-39歳64%,40-59歳58%,60歳以上43%)。このまま推移すれば,憲法改正に至るのは時間の問題かもしれない。

大阪での維新の躍進は,反動的な動きだと思っていたが,大阪はこれまでも政治的には日本の先端を走っていた。中選挙区制時代の自民党の凋落や,公明党・共産党の拡大など,他の地域に先駆けていたように思う。今の動きは,大都市圏と地方の違いが顕著に現れているようだが,日本社会の閉塞感と変化への切望が,維新という形で吹き出している面もあるのだろう。

猛暑がはじまりそうな朝のベランダから,緑の水田を見下ろしていたら,蟬の鳴き声とともに,日本のきしみが響いてくるような気がした。このきしみをなんとかしたいという社会の気分が,後先を考えずに改憲という道へと走らせてしまいそうな予感がする。

複雑化・肥大化した社会システムの持つ慣性と既得権をそのままにして(受益主体は変わるかもしれないが),社会の変革を進めようとすることが,社会の高度情報化(ネットワーク→AI)と絡み合ってグロテスクな様相を呈している。20世紀のソ連などによる社会主義と計画経済は失敗に終わったが,21世紀のIT技術に根ざした資本主義の上に新しい計画経済が構築されようとしている。PDCAとエビデンスの悪夢が世界を覆っている。

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