2023年5月31日水曜日

googleアカウント

あせった。

googleアカウントで使っているシステムに,YouTubeとこのBloggerとBardという三種の神器がある。そのアカウントがログオフされたので,再度ログインしようとしたところ拒否された。メールアドレスもパスワードもまだ忘れてはいない。

図:脱出できない魔のエラー蟻地獄

ところが,上のエラーがでてきて何度試してもダメなものはダメ(アカウント名やパスワードが違うとはいわれていない)。パスワードの変更もできない。困ったときは,helpに頼るか検索すればよいのだけれど,Googleのサポートページはたらい回しされるだけで,役に立たなかった。

しばらく放置していたが,それでは問題は解決しない。そこで,ChatGPTに聞いてみたところ,いくつかヒントがでてきた。その中の二段階認証あたりに問題があるのかと思ってさらに調べていると,復元というキーワードが見つかった。そこで,復元のページからログインしてみると,従来のメールアドレスとパスワードで無事に入ることができた。

その後うまくいったような,そうでもないようなだったので,もう一度復元のページにログインしてからパスワードを変更して,その他のよけいなアプリ連携も消してみた。どれが功を奏したのか分からないが,なんとかYouTubeとBloggerに入ることができ,この記事を書いている。よかったよかった。

最悪の場合の対処を考えていた。(1) Blogger:別のblogサービスに移動するか新しいアカウントをつくってデータを移行する(1500本…),(2) bard:使わなくても大丈夫かもあるいは新しいアカウントで,(3) Gmail:これも使わなくてもいいかもしれない,(4) YouTube:視聴だけなので別アカウントに移行してもチャンネル登録だけなのでそれほど問題ない。

外部のサービスに頼り切りだとこんなときに困る。絶対に日本独自のLLMとクラウドと検索エンジンを作る必要がある。アメリカに貢ぐだけのへたな国防予算よりも圧倒的に優先度が高い(まあそれよりも生きるための食料とエネルギーの自給かもしれないが)。

2023年5月30日火曜日

対話型AIによる教育と評価(2)

対話型AIによる教育と評価(1)からの続き

実際にプロンプトを作ってChatGPT(GPT-4)で試してみると次のような結果が得られた。何度か繰り返してみて,そこそこの解答が得られたものだ。丁寧に指示しないといきなり問題が全て表示されたり,解答途中にコメントが入ったりする。また,評価基準はかなり甘くなっている。Bardではほとんど指示のとおりには機能しなかった。一方的にQとAの提示が始まって,余計な説明がされてしまうのだった。ChatGPTの応答についての経験値を増やす必要がある。

User
生成系AIが学校教育の評価について参与できるか
どうかのテストをしていますので協力してください。

私が問題数Nとテーマを与えますので,そのテーマについて
生徒が理解しているかどうかを判定するためのN個の質問項目を
考えて,まず第1問目だけを提示して下さい。
生徒はその質問に対する解答を入力します。
その後に,あなたからの質問と生徒の解答の繰り返しが続きます。
質問や解答の途中段階における説明やコメントは不要です。

N個の問題の解答をあなたが受け取った後に,これらを総合的に評価して
理解度を5段階で答えてください。5:優秀,4:良い,3:普通,
2:あまりわかっていない,1:まったくわかっていない。です。
その後,この評価に至った根拠を分かりやすく説明して,今後の学習に
必要となる指針を与えてください。

N=3でテーマは,「力学(物理学)におけ作用と反作用」についてです。

ChatGPT
それでは、評価のための質問を始めさせていただきます。

第1問目: ニュートンの第三法則(作用反作用の法則)とは何ですか?

User
物体の運動を作用といいます。反作用は反対に運動することです。

ChatGPT
第2問目: 物体Aが物体Bに力を作用させたとき、物体Bはどのような反応を示しますか?

User
物体Bは力を吸収します,これが反作用です。

ChatGPT
第3問目: 作用と反作用が同時に発生する具体的な日常生活での例を一つ挙げてください。

User
日常生活では起こりません。宇宙空間でのみ起こります。例えば小惑星の接近です。

ChatGPT
理解度評価:2:あまりわかっていない

ご解答ありがとうございました。今回のテーマ「力学(物理学)における作用と反作用」についての理解度を評価すると、"あまりわかっていない" という結果となりました。以下にその理由を説明します。

ニュートンの第三法則(作用反作用の法則)についての理解が不十分です。作用と反作用はそれぞれ物体の運動ではなく、一つの物体に力が働くと、その力と等しい大きさの逆方向の力(反作用)が働くという法則です。
物体Bが力を吸収するという表現は少し誤解を生む可能性があります。物体Aが物体Bに力を作用させた場合、物体Bは物体Aに等しい大きさで逆方向の力を作用させます。これが反作用の法則です。 
作用と反作用は日常生活で常に起こっています。例えば、地面を蹴って走るとき、我々は地面に力を加え(作用)、その反作用として地面は我々に逆方向の力を加え、それが前進する力となります。
以上の理由から、力学の基本的な法則である作用反作用の法則について、もう少し深く理解することが必要だと感じました。教科書を読み直すだけでなく、日常生活での例を思い浮かべながら理解を深めてみてください。それが理解の助けとなるでしょう。

User
次に移ります。N=1でテーマは,「力学(物理学)におけ力のつり合い」についてです。

ChatGPT
了解しました。それでは、評価のための質問を始めさせていただきます。

力のつり合い(力の平衡)について説明してください。

User
重さに等しいモノを天秤の両端に取り付けると天秤がつり合います。運動している天秤ではこのようなことはありえません。

ChatGPT
理解度評価:3:普通

ご解答ありがとうございました。今回のテーマ「力学(物理学)における力のつり合い」についての理解度を評価すると、"普通"という結果になりました。以下、その理由を説明いたします。

あなたの説明は、力のつり合いの概念を一部正しく捉えています。天秤の例は力のつり合いを示す一つの具体的な例であり、それぞれの物体の重さ(つまり力)が等しい場合、天秤は平衡状態になるという理解は正確です。

ただし、運動している物体についての理解については少し誤解があるようです。力のつり合い(力の平衡)は運動状態にある物体でも成り立つことがあります。例えば、一定の速度で直線運動をしている物体は、前後から働く力が等しければ力のつり合いの状態にあります。

力のつり合いの概念は、物体が静止している状態だけでなく、一定の速度で直線運動をしている状態でも成り立つという点を理解することが大切です。そのために、力のつり合いについてさらに学び直すことをお勧めします。この理解は物理学全体の理解にとって重要な基礎となります。

 

2023年5月29日月曜日

対話型AIによる教育と評価(1)

教育における評価の問題というのはそもそも一大テーマで難しいのだ。

FacebookでTakuya Kawaiさんが,生成AIを教育に使うといってもそもそも評価はどうするのかという問題提起をしていたので(そのとおりだ),さっそくChatGPTさんと相談してみた。

Q:User
生成系AIを学校教育で利用する場合,評価の問題を切り離して考えることはできません。「測定できないものは評価することができない」からです(*)。
これまでの学校教育でも,評価者個人の主観による影響が小さくなるような
工夫はされてきました(例えば,客観テストやルーブリックなど)。

生成系AIの場合は,
・いつ測るのか
・どこで測るのか
・だれが測るのか
・何を測るのか
・どのように測るのか
の問題が特にクローズアップされてきます。
これについての名案を求めます。

A:ChatGPT
生成系AIを学校教育に用いる際の評価についての問題は、非常に重要で複雑です。以下に、ご提示いただいた各問題点に対して提案を行います。

いつ測るのか
AIの活用は学習の過程を進行中に測る形で最も効果的です。AIは生徒の学習パターンを評価し、その結果を元に最適な教材や学習方法を提案できます。したがって、定期的な評価(例:週単位や各学習単元終了後など)が推奨されます。

どこで測るのか
AIの利用により場所の制限は大きく緩和されます。学校、自宅、または任意の場所でインターネットにアクセスできれば、AIの学習プログラムは生徒の進捗を評価できます。

だれが測るのか
生成系AI自体が生徒の学習を評価します。ただし、教師や教育関係者はAIが出力した結果を監視し、解釈し、最終的な評価をすることが重要です。

何を測るのか
AIは以下のような事項を測ることができます:

学習内容の理解度:例えば、生徒が学習した内容について問い合わせを行い、その回答を分析します。
学習の進捗度:教材をどの程度進めたか、理解度テストのスコアはどうかなどを分析します。
学習行動・習慣:どの程度の時間と頻度で学習に取り組んでいるか、どの時間帯に活動的であるかなどを分析します。
どのように測るのか

生成系AIは主に以下のような方法で評価を行います:

データ分析:AIは生徒の学習データを収集し、分析します。それにより、生徒の理解度や進捗度を評価します。
自動フィードバック:AIは生徒からの質問に回答したり、問題の解答を提供したりします。その結果を基に、生徒の理解度を評価します。
適応的学習:AIは生徒の学習パターンとニーズに応じて教材を調整します。それにより、生徒の学習効果を最大化し、進捗を測定します。

パーソナライズされたレポート: AIは収集したデータを用いて、各生徒の進捗レポートを作成します。これは教師や保護者に対するフィードバックの一部となります。 
その他の注意点
ただし、AIの評価システムを適切に実装し使用するためには、以下の点に注意が必要です。

データプライバシーとセキュリティ:生徒の学習データは敏感な情報を含む可能性があります。したがって、データの保護とプライバシーの確保が必要です。
公平性と偏見の排除:AIは、学習データから偏見を学んでしまう可能性があります。そのため、AIの評価が公平であることを確認し、必要に応じて調整を行うことが重要です。
教師の役割:AIが生徒の学習を評価するとはいえ、教師の役割は依然として重要です。教師はAIの出力を解釈し、生徒の学習状況を理解するために必要なコンテクストを提供します。
学習意欲の保持:AIが適切なフィードバックを提供し、学習の進捗を評価することで、生徒の学習意欲を保つことが可能です。
生成系AIの活用は学校教育に新たな可能性をもたらしますが、上記の問題に対する解決策を明確にすることで、より効果的な活用が可能になります。
相変わらずの優等生的な模範解答だった。問題は個人ごとの学習履歴記録システムをリンクする必要があることだ。トークンバッファが非常に大きくなれば可能なのかもしれないし,別途プラグインとのデータのやりとりが必要かもしれない。いずれにせよ,そのうちベネッセとか予備校とかあちこちで始まることになるだろう。

(*) 測定というとすぐに定量的あるいは半定量的なモノがイメージされるけれど,主観的な測定も測定の一種で,ただ確率分布が歪んでいるだけなのかもしれない。職人技によってそれが乗り越えられてきた部分もあるし,芽を潰してきたという負の側面もあるかもしれない。

(**) 人間の直観や洞察力が衰えてきたため,外部の道具に頼るとともに,安易な数値化を選択してしまうことになるというのは,なにも教育の現場だけではない。しかし,データを可視化することで圧倒的な生産性の向上や安全性の確保につながった場面も多々あるわけでむずかしいところ。

(***) で,これから人間に最後に残された砦だった,「言語を用いた総合的な判断の場」が奪われようとしているわけだ。まあ,そんなものとっくに消えていたのかもしれないけれど。

(****) NHKの映像の世紀でベトナム戦争におけるマクナマラの誤謬が取り上げられていた。データにできるものをコンピュータに取り入れて評価する,それが数値から言葉に広がったとしても,データにはできないものがまだ残っている。

2023年5月28日日曜日

留数計算

GPT-4とBardとPerplexityに実関数の広義積分を複素解析を使って解くようにお願いした。

問題は,$\displaystyle \int_0^\infty \dfrac{\sin x}{x} dx$  というものだ。で,三者全員がそれらしい導出過程を示しながら答えは$\pi$だと返してきた。どうもおかしいなと思って,Mathematicaで検算すると $\dfrac{\pi}{2}$だ。やはり,ちゃんと勉強せずに生成系AIを使うことはできない(何度か試すと正しい答えを返す場合もあった)。

ところが,最近(ここ数十年)留数計算なんかご無沙汰しているので,自分の方が計算の仕方が分からなくなってしまっている。AI以下である。インターネットで復習してから自分で結果を再構成してみた。まだよく理解できていないけれど概ね次のようなものだ。

図:2通りの積分路と極の位置(ChatGPTのtikzコードによる)

複素関数$f(z) = \dfrac{e^{iz}}{z}$の積分を考える。

経路 $C_1 :  \gamma_{-} + \Gamma' + \gamma_{+} + \Gamma$,
経路 $C_2 :  \gamma_{-} + \Gamma'' + \gamma_{+} + \Gamma$,
とする。

$f(z)$がコーシーリーマンの関係式を満たす正則関数であるならば,
$C_1$のように閉じた積分路の中に$f(z)$に極がない場合,$f(z)$の経路積分の値は,$I_1=\oint_{C_1} f(z) dz =0 $になる。
また$C_2$のように閉じた積分路の中に極がある場合は,$f(z)$の経路積分の値は,$I_2=\oint_{C_2} f(z) dz =2 \pi i \ \mathrm{Res} f(z)$になる。

$\oint_{C_1} f(z) dz = \int_{-R}^{-\varepsilon} \dfrac{e^{i x}}{x} dx + \int_{\Gamma'} \dfrac{e^{iz}}{z} dz +  \int_{\varepsilon}^{R} \dfrac{e^{i x}}{x} dx + \int_{\Gamma} \dfrac{e^{iz}}{z} dz =0$

第1項と第3項をまとめて,第2項と第4項は $z=r e^{i \theta}$と極座標表示して,
これから$\varepsilon \rightarrow 0, \ R \rightarrow \infty$の極限をとると,

$\displaystyle 2 i \int_0^{\infty} \dfrac{\sin x}{x} dx - \pi i + 0 = 0$

同様に積分路$C_2$については,$\mathrm{Res}(z=0) f(z) = 1$ なので
これから$\varepsilon \rightarrow 0, \ R \rightarrow \infty$の極限をとると,

$\displaystyle 2 i \int_0^{\infty} \dfrac{\sin x}{x} dx + \pi i + 0 = 2\pi i$

いずれにしても,$\displaystyle \int_0^{\infty} \dfrac{\sin x}{x} dx = \dfrac{\pi}{2}$

2023年5月27日土曜日

出生時の体重分布

赤ちゃんの出生時の体重分布がないのか調べてみた。500gきざみはすぐ見つかったのだが,もう少し精度がないかと探したところ,統計でみる日本 e-Stat にあった。人口動態調査 人口動態統計 確定数 保管統計表 出生 / 出生数,性・出生時の体重(100g階級)・出生時の身長別 というものだ。

これをExcelでグラフにするが,普通の正規分布と比較しやすくするため,縦軸の100g区間ごとの出生数を全体の出生数に対する割合(%)に直した。なお,これは2021年(最新)のデータであり,男子の(出生数,平均値,標準偏差)は(415,836人,3.047 kg,0.390 kg),女子のそれは(395,687人,2.962 kg,0.358 kg)となっている。


図1:女子(青)と男子(オレンジ)の出生数割合(横軸100gビン数)

正規分布の方は,Mathematicaの組み込み関数を使うのだけれど,100g刻みにしているデータと比較するため,μを10倍,σを10倍にしたものを使っている。
In[1]:= f[\[Mu]_, \[Sigma]_] := 
 Integrate[ Exp[-(x - \[Mu])^2/(2*\[Sigma]^2)]/
  Sqrt[2*Pi*\[Sigma]^2], {x, -Infinity, Infinity}]

In[2]:= f[29.62, 3.58]
Out[2]= 1. - 8.59978*10^-15 I

In[3]:= g[\[Mu]_, \[Sigma]_] := 
 Plot[Exp[-(x - \[Mu])^2/(2*\[Sigma]^2)]/Sqrt[2*Pi*\[Sigma]^2],
 {x, 0, 20 \[Sigma]}, PlotRange -> {0, .12}]

In[4]:= g1 = g[29.62, 3.58];
In[5]:= g2 = g[30.47, 3.90];
In[6]:= Show[g1, g2]
Out[6]= -Graphics-

In[7]:= Plot[
 {PDF[NormalDistribution[29.62, 3.58], x] // Evaluate, 
  PDF[NormalDistribution[30.47, 3.90], x] // Evaluate},
 {x, 0, 50}, Filling -> Axis, PlotRange -> {0, 0.13}]
Out[7]= -Graphics-
ほぼそれらしいような気もするが,微妙に正規分布からずれているのかもしれない。例えば,青の4 kg の位置では累積割合で 99.5% になる。この位置は正規分布では,2.86σ相当に対応する。それで積分すると99.8%になってしまうので,少しずれているようだ。


図2:平均値と標準偏差をそろえた正規分布

2023年5月26日金曜日

対話型AIと教育(5)

対話型AIと教育(4)からの続き
Q:User
大学の授業で出されるレポート課題(エッセイ)に対して,ChatGPTを使って答えを生成してそのまま提出する学生が頻出するのではないかとの懸念が示されている。このため,大学によっては,ChatGPTの使用を禁止したり,制限しようとする動きがみられる。これは,各大学で発出される「生成系AIの利用に関する注意事項」として成文化されつつある。ここでは,上記のようなレポート問題だけではなく,機密情報や個人情報の漏洩,著作権侵害の恐れなどが指摘されている。これによって,ChatGPTなどの生成系AIの利用を,程度の大小はあれ,抑制することで,大学でのトラブル発生を減らそうようというリスク管理の動きが顕著にうかがえる。
ところで,今後の社会は,現在の生成系AIやその発展形態となるAIシステムとは無関係ではありえない。そのため,できるだけ早期にその利用方法を習得して対応することが求められている。授業のレポート課題などでの使用制限を越えて,教員や学生が積極的にChatGPTなどの生成系AIシステムを活用することができるようにするには,どうすればよいか,具体的な例を箇条書きで示すことで,これらの疑問や懸念を払拭する方法を教えてください。

A:ChatGPT
生成型AIの恰好な利用に関して教員や学生を支援するための具体的な提案は以下のとおりです。

教育的な目的でのAI利用: 学生が生成型AIを使ってエッセイを書く代わりに、学生が自分の言葉で議論を組み立てる訓練の一環として、AIを使用する方法を教える。AIは情報源やアイデア生成ツールとして有用だが、最終的な書き上げと分析は学生自身が行うべきである。
プラグラミングスキルの教育: 学生自身がAIを制御、調整、プログラムする方法を教える。これは学生がテクノロジーを適切に利用する方法を理解し、潜在的なミスや誤解を避けるのに役立つ。
AIの限界と可能性についての教育: AIが何を得意とし、何が苦手であるかを学生に理解させる。これにより、AIが学術的なタスクにどのように利用できるか、またどのように利用すべきでないかについて理解を深める。
データプライバシーと情報セキュリティの教育: AIがどのようにデータを処理し、保管するかについての教育を強化する。これにより、学生は自分の情報をどのように安全に管理するか、またAIを使用する際にどのようなリスクが存在するかを理解する。
情報源の評価: AIが生成する情報の信頼性を評価するためのスキルを教える。これにより、AIが提供する情報が常に正確であるわけではないことを理解する。
AIの倫理的使用: AIが持つ可能性とリスクについての議論を促す。これにより、AIを道徳的、倫理的にどのように使用すべきかについての理解を深める。
AIの使用ガイドラインとポリシーの作成: 学校全体でAIの使用ガイドラインとポリシーを作成し、これをすべての学生と教職員に共有する。これにより、AIの適切な使用に関する共通の理解を形成し、問題の予防を図る。
学生と教員のためのAIリテラシーワークショップ: 定期的にAIに関する教育ワークショップを開催し、学生と教員がAIについての最新の知識を得ることを支援する。これにより、AIの正しい利用と倫理的な問題に対する理解が深まる。
対話とフィードバック: 教員と学生がAIの使用経験について定期的に意見交換を行い、互いに学び合う環境を作る。これにより、問題や新たな利用法が迅速に共有され、学習経験が改善される。
AI利用の透明性: AIを使用して生成された作業や研究についてはその事実を明示する。これにより、利用の公正さと透明性が保たれ、評価における不公平さが避けられる。

これらの提案を通じて、教員と学生がAIを適切に使用し、理解するスキルを育てることが可能となるでしょう。AIが学術環境での問題解決や創造性を刺激するツールとして有効に活用されるためには、その正しい利用法と倫理的な問題について理解を深めることが必要となります。

Q:User
対応のための全体的イメージや戦略は把握できました。とくに第1項目に関連して,これまで出していたようなエッセイ課題はどのように修正すれば,ChatGPTの結果をそのまま回答に使う(大学によってはこれを剽窃とまでよんでいます)ことを避けることはできるでしょうか。学生は全員ChatGPTにいつでも自由にアクセスできる環境があるものとします。

A:ChatGPT
ChatGPTなどの生成型AIが学生の手元にあり、それを活用する能力もある状況下で、エッセイ課題を設計する際には、以下のような要素を考慮すると良いでしょう。

個人的な視点や体験を求める: AIは一般的な知識に基づく答えを生成できますが、個人的な経験や視点に基づく答えを生成することはできません。したがって、学生に自分自身の意見や体験に基づく思考を要求するエッセイ課題は、AIがそのまま解答することを防ぐことができます。
クリティカルシンキングの展開: AIは情報を提示し、論理的な結論を導くことができますが、複雑な問題に対する深い洞察や独自の分析を提供することは困難です。そのため、特定の問題やトピックについての深い分析や評価を要求する課題は、AIの直接の回答を避ける助けになります。
アプリケーションとシミュレーション: 抽象的な概念や理論を具体的な状況や事例に適用するような課題は、AIが自動的に解答することを難しくします。これは、AIが現実の状況を完全に理解する能力に限界があるためです。
ディスカッションとコラボレーション: チームやグループでのディスカッションやコラボレーションを必要とする課題は、AIの単独での解答を防ぐことができます。また、ディスカッションの過程を報告するような課題は、学生自身の対人スキルやチームワークのスキルを評価する機会にもなります。
リフレクション: 自己反省や思考の反省を要求する課題は、AIが解答することを困難にします。これは、AIが自己意識や自己理解を持つことができないためです。 
上記のようなアプローチにより、生成型AIの単純な利用を超えて、学生自身の思考力や独自性を引き出す課題設計が可能となります。また、以下の点も考慮するとより有効でしょう。 
オープンエンドの問い: 一つの明確な正解が存在しない問題を提出することも、生成型AIの単純な利用を避ける有効な手段となります。このような問題は、学生が多角的に考え、自分自身の見解を形成することを促します。
プロジェクトベースの学習: 長期的なプロジェクトを課題とすることで、学生が深く学び、自分自身の解釈と分析を形成するプロセスを評価できます。これは、単一の問題に対する一時的な回答よりも、AIを単純に利用することを避ける助けとなります。
実験や観察に基づくレポート: 実験の設計、実行、観察、そしてその結果の解析と報告を求める課題は、AIが単独で完結することを難しくします。これは学生自身の科学的な思考や観察力を評価する良い方法です。
教材の外部情報の使用: 一部の情報を教材以外から引用するような課題も、生成型AIの単純な利用を防ぐ手段となります。その際、どの情報源をどう選択し、その信憑性をどう判断したかを報告することを求めると、情報リテラシーも評価できます。

これらの提案を通じて、教員は学生が自分自身の思考力と創造性を発揮し、生成型AIを超えた高度な学習を達成するのを助けることができます。

2023年5月25日木曜日

大学教育とChatGPT(6)

大学教育とChatGPT(5)からの続き

毎週一度,大学から発出されているChatGPT(生成系AI)への注意を集めてまとめている。5月25日現在で,全国の大学のほぼ15%が一般公開していることになる。

各大学が足並みをそろえて同じテーマについてメッセージを出すというのは,新型コロナ感染症以来のことで,シンギュラリティ・サロンの松田卓也さんがおっしゃるように,2020-2022年のコロナ騒動が,2023-2025年に生成AI騒動として再現されることになるのかもしれない。
5月15日
長浜バイオ大学における生成系 AI の使用に関する方針
長浜バイオ大学 学長 伊藤正惠
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5月19日
国立音楽大学における生成系AIへの教学上の対応について
国立音楽大学

5月19日
教育におけるChatGPT等の生成系AIの利用について
北海商科大学 教務センター長

5月19日
全学教育科目における生成系AIの利用に際しての留意事項
名古屋大学 教養教育院長 納谷信

5月19日
学修における生成系AI(ChatGPT等)活用に関する注意事項
武蔵野大学 学長 西本照真

5月21日
学修におけるChatGPT等の生成系AIの使用への対応について
鈴鹿大学情報教学管理委員会

5月22日
ChatGPT等の生成AIの利用について
成蹊大学長 森雄一

5月22日
生成AIへの愛知大学の対応について
愛知大学

5月22日
生成AIの利用について
北星学園大学 学長 大坊郁夫

5月23日
生成系AI(ChatGPTなど)の使用に関わる注意
京都産業大学 学長 黒坂光

5月23日
生成系AI(ChatGPT等)の利用について
和洋女子大学 学長 岸田宏司

5月23日
本学の教育活動における生成系AI(ChatGPT等)の利用方針
広島大学 理事・副学長(教育・平和担当) 鈴木由美子

5月23日
生成系AI(人工知能)の利用についての考え方
神戸女学院大学

5月24日
ChatGPT等生成系AIの利用について
宮城大学 副学長(教育担当) カリキュラムセンター長

5月24日
学生の生成系AIの使用に関する本学の考え方
国際基督教大学 教養学部長 生駒夏美・大学院部長 溝剛・学生部長 木部尚志

2023年5月24日水曜日

渦潮

友ヶ島からの続き

昨年は友ヶ島に渡ったファミリーツアー。今年の目的地の一つは鳴門の渦潮だった。

徳島県鳴門市と淡路島の間の鳴門海峡で発生する渦潮だ。よくある写真のイメージのような大きな渦がひとところで持続しているものかと思っていたら,さにあらず。どちらかといえばカルマン渦のような雰囲気だ。ただ,障害物にあたって左右に別れてできる渦とはちょっと違っていて(橋脚や浅瀬を原因とするものもあるかもしれないが),説明によれば海峡中央部の速い流れと周辺部の遅い流れの速度差が原因のように書いてある。渦の寿命は長くても10秒程度とのことだった。

土曜日は大鳴門橋(1976=1985->)に設置された渦の道(海上45m)という遊歩道+展望台から渦潮を観察した。これは新幹線を通す予定がなくなってしまったので,用途転換したのかと思っていたが,そもそも明石海峡大橋(1988=1998->)が道路単独橋として建設された段階で,新幹線の芽は摘まれていたのだった。そのため鉄道は瀬戸大橋(1978=1988->)を経由することになった。

そうか,阪神淡路大震災(1995.1.17)のときは明石海峡大橋は建設途上だったのか。神戸側と淡路島側の両主塔はできあがって,ストランドとよばれる鋼線も張り終えられていた。その3990mの橋の全長が地震による地盤の変位で1m伸び3991mになった。1mあたり,0.25mmのズレということになる。

橋ではなくて,渦の話だった。これがなかなか難しい。たぶん都会で流れ星を探すときのように忍耐強く綺麗な渦ができるのを待つ必要がある。船からだと近くて迫力もあるのだけれど,角度がちょっと足りない。船から空中ドローンと水中ドローンを飛ばしてその画像と併用したらどうかな。


写真:渦のつもり(2023.5.21撮影)

2023年5月23日火曜日

JuliaのPyCallとSymPy

Maxima-Jupyterからの続き

Mathematicaの代替となるフリーの数式処理言語として,Maximaが候補にはなったが,やはり何となく使いにくい。Jupyter上のmaximaで終端記号のコロンを忘れるだけで毎回大量のエラーメッセージが出るのにも閉口する。

とすれば,Juliaで数式処理ということになる。標準的な手法としては,Pythonの数式処理モジュールであるSymPyを使えばよいが,先日からPython 呼び出しのPyCallとSymPyがエラーになっている。実害がなかったので放置していたけれど,再度見直してみた。

これまでは,googleで問題解決を図っていたが,必要な情報にたどり着くまではいくつものサイトを渡り歩く必要があった。そこに登場したChatGPTはかなりよい仕事をしてくれるので助かる。問題は,PyCallにあったので,エラーコードを与えて尋ねてみた。
Q:User
Juliaで,PyCallとSymPy がうまく動きません。
例えば,
(中略)
Error building `PyCall`: 
どうしたらいいでしょう。

A:ChatGPT
問題は、おそらく libpython が見つからないために発生しているようです。以下の手順で問題を解決してみてください。

Julia REPLを終了して、再度起動してください。

次に、次のコマンドを実行して、PyCallを再構築し、環境変数を設定してください。
julia
Copy code
ENV["PYTHON"] = "/Users/koshi/.julia/conda/3/bin/python"
import Pkg
Pkg.build("PyCall")

もしまだ問題が解決しない場合、次の手順を試してください。
(中略)
もしまだ問題が解決しない場合、PYCALL_DEBUG_BUILD 環境変数を設定して、デバッグ情報を取得してみてください。
(中略)

これで、エラーが発生している理由に関する追加情報が得られるはずです。その情報を使用して、問題を特定し、解決策を見つけることができます。

SymPyの問題が解決しない場合、まずPyCallが正常に機能していることを確認してください。その後、SymPyの再構築を試みてください。

これらの手順のいずれかが、PyCallとSymPyの問題を解決するはずです。それでも問題が解決しない場合は、エラーメッセージとともに質問してください。

で最初のPYTHON環境変数を /opt/homebrew/bin/python3.11 に置き換えて(だったかな?) なんとかクリアすることができた。

2023年5月22日月曜日

Maxima-Jupyter

一月ほど前にyujitachさんが,MathematicaでHopfバンドルの図示をしていて,MathematicaからオープンソースのJupyter Notebook版にできないかと呼びかけていた。

オープンソースというかフリーの数式処理アプリというとMaximaになる。JupyterでMaximaが動くのかと調べてみると,弘前大学の葛西真寿さんによる,Maxima-Jupyterによる数式処理というサイトがあった。

早速,インストールを試みるが途中で挫折。いろいろ調べて,なんとか動くところまできたが,どうも動作がおかしい。原因は,maxima側ではなくて,jupyter側にあった。jupyter labが4回ほどの入力でおかしくなってしまう。GPT-4に尋ねてみると,ブラウザを変えてみたらとのアドバイス。SafariからChromeに変えるとどうにか動いた。なお,Jupyter notebookならSafariでもうまく動作するのである。

Maxima-Jupyterのインストールに関しては,さきほどのページにあるmacOS に Maxima-Jupyter をインストールするによった。maximaを実行した段階でzmq.hが見当たらないとのエラーになり,これを解消するために,Maximaで綴る数学の旅の2022-01-20の記事が役に立った。 
% brew install sbcl gpg zmq gnuplot
% brew edit maxima
% brew install maxima -s

[quicklispをインストール(sbcl起動時の自動読み込みまで設定)]
quicklisp.lispをダウンロード。
% curl -O https://beta.quicklisp.org/quicklisp.lisp
% curl -O https://beta.quicklisp.org/quicklisp.lisp.asc
% gpg --verify quicklisp.lisp.asc quicklisp.lisp

% sbcl
* (load "quicklisp.lisp")
* (quicklisp-quickstart:install)
* (ql:system-apropos "vecto")
* (ql:quickload "vecto")
* (ql:add-to-init-file)
* (quit)

[maxima-jupyterをインストール]
そのgithubレポジトリをクローンし展開したディレクトリに移動
% cd ~/Library
% git clone https://github.com/robert-dodier/maxima-jupyter.git

% cd maxima-jupyter
% export C_INCLUDE_PATH="/opt/homebrew/include/"
% maxima
(%i1) load("load-maxima-jupyter.lisp");
(%i2) jupyter_install();
(%i3) quit();

[jupyterを起動]
% jupyter lab

これで,Maxima-Jupyterは動いたが,Jupyter labのところで引っかかったわけだ。

2023年5月21日日曜日

ChatGPTのPlugin

3月の末にOpenAIからChatGPTにPluginが搭載されて,外部アプリケーションを組み合わせることができるとのアナウンスがあった。

数日前から 日本でも利用が開始されたようで,ユーザからの報告があがっていた。自分は順番待ちなのかと指をくわえていたが,ふと気がついてWebインタフェースの左下にある自分のSettings(環境設定)をのぞいて見ると,Beta featuresの中のWeb browsing と Plugins のスイッチが動かせるようになっていた。さっそく両方ともONにした。

Pluginsの方はさらに自分の必要なPluginを使えるように設定する必要があるので,早速Wolfram Alphaの機能を入れた。70-80ほどのPluginsがある。SNSでは3つまで使えるとあった。どれを普段使いにするかはもう少し様子をみてからだ。

さっそく,WolframAlphaを試してみる。

Q:User
x^3+y^3+1-3 x y を因数分解してください

A:ChatGPT(3.5)
指定された式は、一般的にキュービックアイデンティティとして知られる形式を持っています: a³ + b³ = (a + b)(a² - ab + b²)。
あなたの式で、x^3 + y^3 + 1 - 3xy の第三項と第四項が a³ + b³ の形式に合わせるように整理できます。つまり、a = x、b = y、および、c = 1として、 a³ - 3ab + b³ + c³ を因数分解します。
これにより、以下のような形式になります。(x - y)²(x + y) + 1
これは因数分解の一形式であり、より具体的に展開することは可能ではありません。なお、上記の式はx, yの値により、具体的な値を取ることが可能です。

A:ChatGPT(4.0+WolframPlugin)
式 
x^3+y^3+1−3 x yの因数分解は次のようになります:
(x+y+1)(x^2−x y−x+y^2−y+1)

また、この式の3Dプロットと等高線プロットは以下の通りです:
3Dプロット:
3D plot
等高線プロット:
Contour plot
うーん,GPT3.5は明らかにハルシネーションを起し,嘘八百を並び立てている。一方,GPT-4+WolframAlphaの方は,すぐにWolframAlphaに丸投げして,結果をそのまま戻しているだけだ。余計なお世話のプロットで目くらまししているが,ChatGPT特有の言葉による説明が失われている。どうもWolfram Alphaのユーザインタフェイス部分にはなじめないのだ。

WolframAlphaのプラグインに関しては継ぎ接ぎ感が否めない。もう少し落ち着いて分析する必要がある。あと,WebBrowsingのほうは,「広島のG7の今日のイベントを教えてください」「淡路島の明日の天気を教えてください」という例題で試した。GPT-4はやたら時間がかかるだけで,時間切れになるかもしくは不正確な答えを返してきた。これはBardのほうに分があった。


図:OpenAI ChatGPTの設定画面から引用

2023年5月20日土曜日

5類移行後のデータ

2023年5月8日,新型コロナウイルス感染症が感染症法の2類(新型インフルエンザ)から5類感染症に移行した。

それはよいとしても(よくないかもだけど),問題はデータの収集が不十分になったことだ。5000の指定医療機関のサンプリングでも,全国としてはそれなりのデータが得られるかもしれない。しかし,実際に対応する都道府県レベルではどうなのだろう。

さらに,新しいデータの説明や従来のデータとの接続関係が十分に説明されていないことが気持ち悪い。公表されているのは1週間毎の定点把握であり,都道府県別の一指定医療機関当たりの平均感染者数だけだ。マスコミは視聴者の質問に答えるデータを用意していない(考えていないので質問も出ない)。生成系AIにきいても,医療情報なので提供できないといわれる始末。

Q1:指定医療機関のリスト(都道府県別数リスト)はありますか。(みつからない)
Q2;平均感染者数というのは一週当たりでなく一日あたりですか。(たぶんそうらしい)
Q3:全国や都道府県別の一日当たり推定感染者数はわかりますか。(全国はわかる)

しかたがないので,自分で計算してみよう。指定医療機関5000の都道府県分布が,全国8200の病院数の都道府県分布に比例すると仮定する。これで各都道府県別の指定医療機関数が推定できる。これに公表されている都道府県別の感染者数をかけると,一日あたりの都道府県別の感染者数が推定できる。これを合計して全国の病院数で割ると,2.60人/日・指定医療機関となって,報道されている5/8-5/14の全国の指定医療機関当たり平均感染者数2.63人とほぼ一致する。

2.63人/日・指定医療機関は,感染者数でいえば,13,000人/日なので,5月8日の国内の1日当たり感染者数9310人と同じオーダーである。ということで,感染者数は緩やかに増大を続けているようだ。なお,昨年12月下旬の第8波ピークでは,30人/日・指定医療機関であり,これは,14.8万人/日に対応する。実際にはピーク時では16.9万人だった。

これを踏まえて,従来の感染者数の報告値は,指定医療機関の報告値の15%増だとすれば,現時点の新規感染者数は15,000人/日程度となる(そもそも従来の感染者数も不十分な統計だという説もあるが・・・)。


図:新規感染者数/日・指定医療機関ではないのか(NHKから引用)




2023年5月19日金曜日

生成 AI と報道

5月17日に日本新聞協会が,「生成 AI による報道コンテンツ利用をめぐる見解」を公表した。新聞協会とはいうものの,新聞社だけではなく放送局や通信社も構成社に含まれている。定款によれば,「新聞、通信および放送の倫理水準の向上に資する事業を行い、共通の利益を擁護することにより、健全な民主主義の発展に寄与することを目的とする」とのこと。

生成AIに関する見解は次の項目から成り立っている。
(1)生成 AI による報道コンテンツ利用をめぐる見解
(2)言論空間の混乱と社会の動揺
(3)個人情報保護上の懸念
(4)現行著作権法や法改正に至る過程の問題点
(5)報道機関の著作物等をめぐる課題
(6)不透明な運用実態、権利者への不十分な情報開示
結論は「権利者の権利の実効性を確保するためにも、 AI による報道コンテンツの無断・無秩序な利用が既成事実化される前に、政府等により 適切な対応が検討されることを強く望む」だった。

言論空間が混乱しているというか疲弊しているのは,十分は取材力や批判力を喪失し,安易にインターネット空間上の情報に依存しながら,肝腎の権力批判は避けながら思い込みでストーリーを組み立てている既存メディア"ジャーナリスト"の側に真の原因があるようにも思う。

著作権法の成立過程に,あまり正当でない言いがかりをつけているのはどうかと思うが,国産検索エンジンだけのためにこの項が設けられたわけではない。
著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用
第三十条の四 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
一 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合
三 前二号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあつては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
政府や行政や企業の発表を端末に入力しながら質問もせずにまとめて報じるのは生成AIにまかせて,その先の地に足のついた取材が必要だと誰かが言っていた。


2023年5月18日木曜日

大学教育とChatGPT(5)


連休明けも,各大学から生成系AIの利用に関する注意が公開されている。もうすぐ東京外国語大学のアナウンスから2ヶ月近くになるが,現時点で100大学/790大学≒13%に達する。もちろん,学内だけの公開で観測されていない大学も多いかもしれない。

そろそろこれはという目新しい表現はなくなってきた。坂根弦太氏のブログによれば,92大学になっている。gmorikiさんはデータをExcelでまとめているのはすごいが,55大学にとどまっていた。

なお,データ収集は,google検索で,"生成系AI | 生成AI | ChatGPT +site:ac.jp" の結果から目視で選別している。
5月9日
ChatGPT等の生成系AI利用に関して
北海道科学大学 学長 川上敬

5月10日
対話型AI サービスの利用について
山梨県立大学教育改革推進室室長・副学長 八代一浩

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5月11日
筑波大学における生成系AIの使用に関する基本方針
筑波大学

5月11日
生成系AIの使用について
総合研究大学院大学

5月11日
生成系AI(ChatGPT等)の使用について
宮崎産業経営大学 学長 大村昌弘

5月11日
生成AIツールと教育についての教員向けガイド
大阪公立大学高等教育研究センター

5月11日
ChatGPTをはじめとする生成AIの利用に関して
神戸大学 海洋政策科学部・海事科学部・海事科学研究科

5月12日
生成系AI(ChatGPT等)の取り扱いについて
横浜国立大学 副学長(教育担当)髙木まさき・副学長(研究・情報担当)四方順司

5月12日
チャットGPT等の生成系AI(人工知能) 利用に関する対応について
常葉大学 副学長 安藤雅之・磯貝香・小田寛人 教務部長 笛木茂雄

5月12日
ChatGPT等生成系AI利用上の注意事項について
城西国際大学 学長・教務部長

5月12日
ChatGPTなどの生成系AI利用について
平安女学院大学学長 谷口吉弘

5月12日
APU における生成系 AI の利活用について
立命館アジア太平洋大学 教学部長 MEIRMANOV Serik

5月12日
生成系人工知能をはじめとするAIの利活用について
立教大学

5月12日
教育研究上における Chat(チャット)GPT 等の利用に関する注意事項
九州産業大学 学長 北島己佐吉

5月15日
ChatGPT等生成AIの利用について
慶應義塾大学

5月15日
ChatGPT等(AIチャットボット)の取扱いについて
独協大学

5月16日
生成系AIの利用について
和光大学 学長 半谷俊彦

5月16日
ChatGPT などの生成系人工知能(AI)について
順天堂大学 学長 新井一

5月17日
生成系AI(ChatGPT等)利用に関する注意事項について
新潟大学 学務部教務課

5月17日
生成系AIに対する大東文化大学の対応について
大東文化大学

5月17日
生成系AIの利活用について
関東学院大学 学長 小山嚴也

5月17日
ChatGPTをはじめとする生成系AIの利用について
明治大学 学長 大六野耕作

5月18日
ChatGPT等の生成AIへの対応について
敬愛大学 学長 中山幸夫

5月18日
生成系 AI(Generative AI)の利用に関する注意事項について
大分県立看護科学大学 学長 村嶋幸代

5月18日
大学での生成系AIの活用について
文教大学 学長 中島滋

2023年5月17日水曜日

特別注視区域

法律が制定されるときには論争がおこるが,その後は淡々と既成事実の進行が進んでいく。

内閣府に重要土地等調査法のページがある。重要施設(防衛関係施設等)及び国境離島等の機能を阻害する土地等の利用を防止するのが目的であり,法制定当時はとんでもないことになりそうだという感が強かった。

この法の目的を達するために,内閣府に土地利用調査会が接地され,注視区域と特別注視区域の指定が行われることになっている。5月12日に第4回の土地利用調査会(第2回の指定)が開かれ,特別注視区域が40箇所,注視区域が121箇所指定されることになった。

防衛関係施設と離島が大半を占め,原子力発電所は川内原発だけ(玄界原発とは伊方原発とか島根原発他の日本海側の原発群はいいのか),空港は新潟空港だけ(自衛隊の隣接部分があるから)となっている。北海道は含まれておらず,日本海側から九州西部,鹿児島,沖縄などが中心になっていた。具体的な区域地図は非公開だ。石川県では,小松基地等だけでなく,金沢駐屯地(第14普通科連隊)も含まれていた。なぜだろう?全国の全ての駐屯地が指定されているわけではない。

2023年5月16日火曜日

最強のプロンプト

シンギュラリティ・サロンで松田卓也先生が最強のプロンプトという海外のAIブロガー(Matt Wolfe)のYouTubeを紹介していた。それは,「What are the absolute coolest, most mind-blowing, out of the box, ChatGPT prompts that will really show off the power of ChatGPT?  Give me 10.」というものだった。

その結果はなかなかすごいものだったので,自分もGPT-4で試してみた。日本語だとイマイチなのだが英語にすると少しマシになった。BardやPerplexityでも試してみたが,これらはかなり残念な結果になった。やはりBardはGPT-4に比べるとやや劣っているように思う。何度か試した結果,少し味付けしたもの(+ speculative and unimaginable theme not usually mentioned in the scientific literature or in the Internet)を翻訳してみた。

次元の意識: 私たちの意識は多次元に同時に存在するが、私たちの身体は3次元と時間しか認識できないとしたらどうだろう?このことは、現実と自己の認識にどのような影響を与えるのでしょうか。

情報宇宙: 物質やエネルギーではなく、情報が基本的な構成要素である宇宙を考えてみましょう。このことは、私たちの存在や意識に対する理解をどのように変えるのでしょうか?

反転物理学:  物理法則が正反対に働く宇宙を想像してください。このような状況下で、生命や文明はどのように発展するのでしょうか?

意識のある星: 星が意識的な存在で、宇宙のタイムスケールで生命を体験しているとします。そうすると、宇宙に対する私たちの認識はどのように変わり、そのような存在から何を学ぶことができるでしょうか?

量子感情: もし、感情がデータのように定量化され、転送されるようになったらどうだろう。それは対人関係や社会、メンタルヘルスにどのような影響を与えるのでしょうか。

有機体としての時間: 時間を、生きて進化する存在として考えてみましょう。過去、現在、未来に対する私たちの認識は、この文脈でどのように変化するのでしょうか?

ダークマター文明: 宇宙の目に見えない暗黒物質の中に存在する文明を想像してください。その文明はどのようなもので、私たちはどのようにその文明とコミュニケーションをとることができるのでしょうか。

人工惑星デザイン: もし、私たちがゼロから惑星を作り上げることができるとしたら。新しい世界をデザインするために、私たちはどのような倫理的、哲学的、実用的な課題に直面するだろうか?

記憶の風景: もし、記憶が物理的な風景に変わり、それをナビゲートしたり探索したりすることができるとしたらどうだろう。記憶や個人的な歴史に対する私たちの認識はどのように変化するのだろうか。

ニューロンとしての宇宙: 私たちの宇宙は、想像を絶する巨大な生物の脳の中にある、たった1つのニューロンであるという可能性を考えてみましょう。そうすると、私たちの存在や宇宙そのものに対する理解はどのように変わるでしょうか? 

これはSFコンテストが成立しなくなるのも 無理はない。

2023年5月15日月曜日

Bard再び

BardとStableLMからの続き

Googleの対話型AIのBardは,5月10日に開催されたGoogleの開発者イベントGoogle I/Oでリニューアルされた。日本語と韓国語に新たに対応し,180以上の国・地域で利用可能になり,https://bard.google.com で無料でアクセスできる。

これまでのgoogleにおける開発経緯をWikipediaの記事を参考に整理してみる(これをBard自身に尋ねてみたが,自分のことなのにかなり出鱈目な答えが混じっていて使えなかった)。

2020年1月28日 2.6BパラメタのチャットボットMeenaを発表
(2020年6月11日 OpenAI が GPT-3発表)
2021年5月18日 Google I/Oで,Transformerに基づく大規模言語モデルLaMDAを発表
(パラメタ数は,2B,8B,137Bからなる)
2022年5月11日 Google I/Oで,後継のLaMDA2を発表
2022年6月12日 GoogleエンジニアがLaMDA2は意識を持つと主張
(2022年11月30日 Open AIが ChatGPT(GPT-3.5)供用開始)
2023年2月 6日 LaMDAを組み込んだ対話型AIチャットボット Bardを発表
2023年2月 8日 Bardを公開(失敗・株価下落)ただちに閉鎖
2023年3月21日 Bardのアーリアクセス開始(USとUK)
(2023年3月14日 Open AIが ChatGPT(GPT-4)供用開始)
2023年4月10日 BardのLLMをLaMDAからPaLMに変更
2023年4月18日 Bardへの日本からのアクセス解禁(英語のみ)
2023年5月10日 Google I/OでBardのLLMをPaLM2へ切り替えた(発表・即日導入)

Googleの大規模言語モデル研究はトップを走っていたにも関わらず,2022年6月の
LaMDA2の意識問題で足を取られているすきに,OpenAIのChatGPTに先を越されてしまった。焦って2月8日にBardを公開したものの,期待が大きすぎたために些細な情報の不正確さが仇となって(宇宙望遠鏡の話)大きな失望を招いてしまった。バタバタとした結果,ようやく日本語や韓国語も使えるBardの公開に至ったわけだ。

BardをGPT-4と比較してみると,優れている点は (1) 無料であること,(2) 最新の情報をカバーしていること,(3) 応答時間が短く複数の回答があらかじめ用意されていること,がある。劣っている点は,(1) 推論がより不正確な場合がやや多い,(2) 説明が不十分な場合がやや多い,(3) 表現が劣る場合がやや多い。これだけならば,Bardの方がメリットが大きいように見えるが,実際の体験上はGPT-4に軍配をあげたくなる。

2023年5月14日日曜日

教員向けChatGPT講座

5月13日の午後13:00から17:00過ぎまで,東京大学の工学系研究科国際工学教育推進研究機構吉田塁さんが,オンラインイベント「教員向けChatGPT講座」を開催していた。昼寝をしながらEarPodsで聞いていたが,充実した資料があったので大変参考になった。

その目次はつぎのようなものだ。
 • ChatGPT について
• ChatGPT の活用に関連する注意点
• ChatGPT に関連する知識
• ChatGPT と教育
• 国内外における大学の対応
• ChatGPT が教育に与える影響
• 影響1: ChatGPT は評価を揺るがす
• 影響2: ChatGPT は学習者の学習プロセスを支援し得る
• 影響3: ChatGPT は教員の授業作りを支援し得る
• 影響4: その他
• おわりに

最後のChatGPTが教育に与える影響部分が目新しい。この項目をGPT-4で膨らませてみた。
Q:User
ChatGPT が教育に与える影響として,(注:これが吉田さんの最後のスライドのポイントをほぼそのまま入力したたところ)
• AI リテラシー教育のニーズが高まる?
• 高次な認知能力が高まる?
• メタ認知能力がより重要になる?
• マネージメント・ファシリテ—ション能力が高まる?
• 専門性の重要性が認知される?
• 操作する人間の専門性や思考能力が試されている?


A:ChatGPT
AIの進歩とともに教育のパラダイムも変わってきていることは間違いありません。具体的には、ChatGPTや他のAI技術が教育に与える可能性のある影響を以下に挙げます。
AI リテラシー教育のニーズが高まる:
 現代の社会ではAI技術が多くの領域に浸透しており、それに対する理解と適切な使用が必要とされています。教育では、AIリテラシー教育のニーズが増大し、学生たちはAIの基礎的な理解を得るとともに、それをどのように活用するかを学ぶ必要があります。
高次な認知能力が高まる:
 AIが情報検索や基本的なタスクを行うことが可能になったため、人間の役割はより高次の認知能力にシフトする可能性があります。これには、批判的思考、創造性、問題解決能力などが含まれます。
メタ認知能力がより重要になる:
 AIと共同作業するためには、自分の思考と学習プロセスを理解し、それを調整する能力、つまりメタ認知能力が必要となります。これは自己調節、自己反省、自己認識などを含みます。
マネージメント・ファシリテーション能力が高まる:
 AIツールを効果的に使用するためには、それらを適切に管理し、指導する能力が必要です。これは、AIを学習プロセスに統合し、他の人々との協働を促進するためのスキルも含みます。
専門性の重要性が認知される:
 AIは多くの一般的なタスクを自動化することができますが、特定の専門知識やスキルを持つ人間の役割は依然として重要です。そのため、教育は専門性の開発とそれを活用する能力を高めることを目指すかもしれません。
操作する人間の専門性や思考能力が試されている:
 AIの効果的な活用は、その操作者の技術的な知識だけでなく、倫理的な判断や高次の思考能力をも試すことになります。これはAIが社会の多くの面で活用され、倫理的な問題や困難な決定を伴う可能性があるためです。これには、AIのバイアスの理解、プライバシー問題、情報セキュリティなどが含まれます。したがって、教育は技術的なスキルを超えた範囲で学生を準備することを求められるかもしれません。

全体として、AIは教育の領域において革新的な変化をもたらし、新たなスキルと理解を求めるようになります。しかし、これは教育者や学生にとってチャンスでもあり、学習の効率を高め、より深い理解を達成し、新しい方法で問題を解決する機会を提供します。これらの変化は、教育の方法だけでなく、我々が学ぶべき内容にも影響を及ぼし、未来の学習者が21世紀の社会で成功するために必要なスキルを持つことを保証するためには、教育システム自体の進化が必要となるでしょう。

2023年5月13日土曜日

Bluesky(1)

本来だと2023年の8月18日に,自分がTwitterを利用開始してから15周年を迎えるはずだった。

ところが,イーロンマスクに買収されたTwitterはなんだかボロボロになりつつある。これまでの記録はTwilogに保存されてきたが,そのAPIもストップされて4月5日以降の新規ツイートは記録されなくなってしまった。Twitterからの逃避先として,マストドンノストラダムスが登場したが,今でもTwitterへの情報集積効果は大きい。

そんな中で,Twitterの共同創業者であったジャック・ドーシーが発案した分散型SNSがBlueSkyという新しいSNSだ。2023年1月からiOSやAndroidのアプリは配布されているが,ユーザ登録には招待コードが必要だった。Clubhouseもそうだったけれど,招待制というのはなんとも敷居が高くて面倒だ。

さて,数学ガールで有名な結城浩さんが,Mastodonで招待コード余ってますけれどどなたか要りませんかとアナウンスしていた。さっそく返事したのだけれど,結城さんがフォローしているユーザ限定だった。わかってはいたのだが,確認するのが面倒でとりあえず返信していた。丁寧なお断りが入ったのが先週のこと。さきほど,もう一つ招待コードが手に入ったけど要りませんかとのDMがあった。さっそくいただいて,Blueskyに無事参加することができた。


図:Twilogの統計情報から引用(もうすぐお別れ)


2023年5月12日金曜日

アテンション・エコノミー

アテンション・エコノミーというキーワードにぶつかったので,GPT-4に聞いてみた。

Q:User
アテンションエコノミーと呼ばれるものの構造を整理して理解させてください。

A:ChatGPT
アテンションエコノミー(Attention Economy)は、情報過多の現代社会において、人々の注目や関心(アテンション)が限られた資源であり、それを獲得するために競争が起こるという概念です。このアテンションエコノミーの構造を整理してみましょう。

注目の限定性
人々は限られた時間とエネルギーしか持っていません。そのため、一度に多くの情報に対処することは困難であり、人々の注意力は貴重な資源となります。

情報過多
インターネットやSNS、メディアなどによって、膨大な情報が日々発信されています。この結果、人々はどの情報に注目すべきか選択しなければならない状況に置かれています。

競争
企業、メディア、個人などは、限られた注目を獲得するために競争します。これには、広告、コンテンツの質や魅力、独自性などが重要な役割を果たします。

モノタイズ
アテンションエコノミーにおいて、注目を獲得することは、広告収入や売上などの収益につながります。そのため、企業や個人は注目を集めることで収益を上げようとします。

インセンティブと行動変容
アテンションエコノミーでは、注目を獲得するためのインセンティブが生まれます。これにより、企業や個人は、注目を集めやすいコンテンツや戦略を採用し、行動や価値観が変わることがあります。

このような構造を持つアテンションエコノミーは、人々の行動や価値観、ビジネスモデルなどに大きな影響を与えています。また、偽情報の拡散や、品質の低いコンテンツが増えるといった問題も生じています。


Q:User
アテンションエコノミーの発達が,民主主義をゆがめるものなのか,あるいはそれこそが究極の民主主義への道であるのか,どう思いますか。

A:ChatGPT
アテンションエコノミーが民主主義に与える影響には、ポジティブな面とネガティブな面が存在します。どちらの観点が支配的かは議論の余地がありますが、以下にそれぞれの側面を整理してみました。

ポジティブな面:
情報アクセスの平等化:インターネットの普及により、多くの人々が情報にアクセスできるようになりました。これにより、従来は情報にアクセスできなかった人々も意思決定に参加できるようになり、民主主義の理念に近づいています。
グラスルーツ運動の促進:SNSやインターネットを活用することで、個人や小規模な団体でも意見を発信し、集団行動を起こすことが容易になりました。これにより、市民が直接政治に関与し、民主主義を促進することが可能になります。

ネガティブな面:
偽情報の拡散:アテンションエコノミーの中で、注目を集めるために誇張や偽情報が広がりやすくなります。これにより、有権者が正確な情報に基づいた意思決定ができなくなり、民主主義の質が低下する可能性があります。
意見の分断と極端化:SNSなどのプラットフォームでは、利用者が自分の意見に同調する情報に出会いやすくなります。これにより、意見の分断や極端化が進み、対話や妥協が難しくなることで、民主主義の機能が低下する恐れがあります。

総合的に見ると、アテンションエコノミーは民主主義にポジティブな影響を与える一方で、ネガティブな側面も存在しています。これらの側面がどの程度民主主義に影響を与えるかは、社会や技術の進展によって変わるため、今後も状況を注視し続ける必要があります。