問題は,∫∞0sinxxdx というものだ。で,三者全員がそれらしい導出過程を示しながら答えはπだと返してきた。どうもおかしいなと思って,Mathematicaで検算すると π2だ。やはり,ちゃんと勉強せずに生成系AIを使うことはできない(何度か試すと正しい答えを返す場合もあった)。
ところが,最近(ここ数十年)留数計算なんかご無沙汰しているので,自分の方が計算の仕方が分からなくなってしまっている。AI以下である。インターネットで復習してから自分で結果を再構成してみた。まだよく理解できていないけれど概ね次のようなものだ。
図:2通りの積分路と極の位置(ChatGPTのtikzコードによる)
複素関数f(z)=eizzの積分を考える。
経路 C1:γ−+Γ′+γ++Γ,
経路 C2:γ−+Γ″+γ++Γ,
とする。
f(z)がコーシーリーマンの関係式を満たす正則関数であるならば,
C1のように閉じた積分路の中にf(z)に極がない場合,f(z)の経路積分の値は,I1=∮C1f(z)dz=0になる。
またC2のように閉じた積分路の中に極がある場合は,f(z)の経路積分の値は,I2=∮C2f(z)dz=2πi Resf(z)になる。
∮C1f(z)dz=∫−ε−Reixxdx+∫Γ′eizzdz+∫Rεeixxdx+∫Γeizzdz=0
第1項と第3項をまとめて,第2項と第4項は z=reiθと極座標表示して,
これからε→0, R→∞の極限をとると,
2i∫∞0sinxxdx−πi+0=0
同様に積分路C2については,Res(z=0)f(z)=1 なので
これからε→0, R→∞の極限をとると,
2i∫∞0sinxxdx+πi+0=2πi
いずれにしても,∫∞0sinxxdx=π2
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