2023年5月30日火曜日

対話型AIによる教育と評価(2)

対話型AIによる教育と評価(1)からの続き

実際にプロンプトを作ってChatGPT(GPT-4)で試してみると次のような結果が得られた。何度か繰り返してみて,そこそこの解答が得られたものだ。丁寧に指示しないといきなり問題が全て表示されたり,解答途中にコメントが入ったりする。また,評価基準はかなり甘くなっている。Bardではほとんど指示のとおりには機能しなかった。一方的にQとAの提示が始まって,余計な説明がされてしまうのだった。ChatGPTの応答についての経験値を増やす必要がある。

User
生成系AIが学校教育の評価について参与できるか
どうかのテストをしていますので協力してください。

私が問題数Nとテーマを与えますので,そのテーマについて
生徒が理解しているかどうかを判定するためのN個の質問項目を
考えて,まず第1問目だけを提示して下さい。
生徒はその質問に対する解答を入力します。
その後に,あなたからの質問と生徒の解答の繰り返しが続きます。
質問や解答の途中段階における説明やコメントは不要です。

N個の問題の解答をあなたが受け取った後に,これらを総合的に評価して
理解度を5段階で答えてください。5:優秀,4:良い,3:普通,
2:あまりわかっていない,1:まったくわかっていない。です。
その後,この評価に至った根拠を分かりやすく説明して,今後の学習に
必要となる指針を与えてください。

N=3でテーマは,「力学(物理学)におけ作用と反作用」についてです。

ChatGPT
それでは、評価のための質問を始めさせていただきます。

第1問目: ニュートンの第三法則(作用反作用の法則)とは何ですか?

User
物体の運動を作用といいます。反作用は反対に運動することです。

ChatGPT
第2問目: 物体Aが物体Bに力を作用させたとき、物体Bはどのような反応を示しますか?

User
物体Bは力を吸収します,これが反作用です。

ChatGPT
第3問目: 作用と反作用が同時に発生する具体的な日常生活での例を一つ挙げてください。

User
日常生活では起こりません。宇宙空間でのみ起こります。例えば小惑星の接近です。

ChatGPT
理解度評価:2:あまりわかっていない

ご解答ありがとうございました。今回のテーマ「力学(物理学)における作用と反作用」についての理解度を評価すると、"あまりわかっていない" という結果となりました。以下にその理由を説明します。

ニュートンの第三法則(作用反作用の法則)についての理解が不十分です。作用と反作用はそれぞれ物体の運動ではなく、一つの物体に力が働くと、その力と等しい大きさの逆方向の力(反作用)が働くという法則です。
物体Bが力を吸収するという表現は少し誤解を生む可能性があります。物体Aが物体Bに力を作用させた場合、物体Bは物体Aに等しい大きさで逆方向の力を作用させます。これが反作用の法則です。 
作用と反作用は日常生活で常に起こっています。例えば、地面を蹴って走るとき、我々は地面に力を加え(作用)、その反作用として地面は我々に逆方向の力を加え、それが前進する力となります。
以上の理由から、力学の基本的な法則である作用反作用の法則について、もう少し深く理解することが必要だと感じました。教科書を読み直すだけでなく、日常生活での例を思い浮かべながら理解を深めてみてください。それが理解の助けとなるでしょう。

User
次に移ります。N=1でテーマは,「力学(物理学)におけ力のつり合い」についてです。

ChatGPT
了解しました。それでは、評価のための質問を始めさせていただきます。

力のつり合い(力の平衡)について説明してください。

User
重さに等しいモノを天秤の両端に取り付けると天秤がつり合います。運動している天秤ではこのようなことはありえません。

ChatGPT
理解度評価:3:普通

ご解答ありがとうございました。今回のテーマ「力学(物理学)における力のつり合い」についての理解度を評価すると、"普通"という結果になりました。以下、その理由を説明いたします。

あなたの説明は、力のつり合いの概念を一部正しく捉えています。天秤の例は力のつり合いを示す一つの具体的な例であり、それぞれの物体の重さ(つまり力)が等しい場合、天秤は平衡状態になるという理解は正確です。

ただし、運動している物体についての理解については少し誤解があるようです。力のつり合い(力の平衡)は運動状態にある物体でも成り立つことがあります。例えば、一定の速度で直線運動をしている物体は、前後から働く力が等しければ力のつり合いの状態にあります。

力のつり合いの概念は、物体が静止している状態だけでなく、一定の速度で直線運動をしている状態でも成り立つという点を理解することが大切です。そのために、力のつり合いについてさらに学び直すことをお勧めします。この理解は物理学全体の理解にとって重要な基礎となります。

 

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