それはよいとしても(よくないかもだけど),問題はデータの収集が不十分になったことだ。5000の指定医療機関のサンプリングでも,全国としてはそれなりのデータが得られるかもしれない。しかし,実際に対応する都道府県レベルではどうなのだろう。
さらに,新しいデータの説明や従来のデータとの接続関係が十分に説明されていないことが気持ち悪い。公表されているのは1週間毎の定点把握であり,都道府県別の一指定医療機関当たりの平均感染者数だけだ。マスコミは視聴者の質問に答えるデータを用意していない(考えていないので質問も出ない)。生成系AIにきいても,医療情報なので提供できないといわれる始末。
Q1:指定医療機関のリスト(都道府県別数リスト)はありますか。(みつからない)
Q2;平均感染者数というのは一週当たりでなく一日あたりですか。(たぶんそうらしい)
Q3:全国や都道府県別の一日当たり推定感染者数はわかりますか。(全国はわかる)
しかたがないので,自分で計算してみよう。指定医療機関5000の都道府県分布が,全国8200の病院数の都道府県分布に比例すると仮定する。これで各都道府県別の指定医療機関数が推定できる。これに公表されている都道府県別の感染者数をかけると,一日あたりの都道府県別の感染者数が推定できる。これを合計して全国の病院数で割ると,2.60人/日・指定医療機関となって,報道されている5/8-5/14の全国の指定医療機関当たり平均感染者数2.63人とほぼ一致する。
2.63人/日・指定医療機関は,感染者数でいえば,13,000人/日なので,5月8日の国内の1日当たり感染者数9310人と同じオーダーである。ということで,感染者数は緩やかに増大を続けているようだ。なお,昨年12月下旬の第8波ピークでは,30人/日・指定医療機関であり,これは,14.8万人/日に対応する。実際にはピーク時では16.9万人だった。
これを踏まえて,従来の感染者数の報告値は,指定医療機関の報告値の15%増だとすれば,現時点の新規感染者数は15,000人/日程度となる(そもそも従来の感染者数も不十分な統計だという説もあるが・・・)。
図:新規感染者数/日・指定医療機関ではないのか(NHKから引用)
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