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2021年2月6日土曜日

インターネット白書アーカイブズ

 インターネット白書は,インプレスが1996年から発行している年鑑であり,2020年度版で25周年を迎える。

「インターネット白書」は1996年の創刊以来、日本のインターネットの成長や変化を毎年まとめてきたインターネットの書籍年鑑です。内容構成にあたっては、一般財団法人インターネット協会監修のもと専門家による寄稿と、市場動向調査により構成されてきました。現在は、一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)も加わり、3団体の協力のもと、「The Internet for Everything」というキャッチフレーズを掲げて、より広範なインターネットの可能性をレポートしています。

これまでのインターネット白書の記事のデジタルデータが,インターネット白書ARCHIVESとして公開されている。1996年のVol. 1の「インターネットと教育」という項目は,南山大学の後藤邦夫先生が執筆していた。引き続き1997年のVol. 2 から2002年のVol. 7までの間,私が執筆させていただいた。それ以後は,国際大学GLOCOMの豊福晋平さんなどが2009年頃まで担当していたと思う。

やがて,インターネット白書の中で,学校教育が話題としてとりあげられることもだんだん少なくなってきた。最近(2019年度)は,電通の人がEdTech,STEM,Society 5.0 がらみで儲け話がないかというような記事を書いていた。

2021年2月2日火曜日

セカイカメラ

頓智ドット株式会社井口尊仁さんが赤松正行さんとつくったセカイカメラのプレゼンテーションは衝撃的だった。自分がはじめてiPhoneを入手したのは2008年の8月11日である。その約1か月後のTechCrunch50における井口さんの英語でのプレゼンテーションは,何のきっかけでいつ頃見たのかはっきり覚えていないが,爆笑の連続だった。

1年後の2009年9月24日にiPhoneのAppStoreで,Sekai Cameraがダウンロードできるようになったときは,やったーと思ったが・・・実際に使ってみるとそこまででもなかった。それでも,世界が情報ゴミであふれるのではないかとそのころは真剣に心配していた。

結局,当時のARやSNSの状況から,残念なことにセカイカメラは1年半ほどで潰れてしまった。いつかまたなんらかの形で復活してもらいたいものだけれど。井口さんは,その後,ウェラブルデバイスのテレパシージャンパーを作ったけどこれもうまく行かなかった。そして,2014年にはDOKI DOKI Inc. をつくって声のソーシャルを目指すことになる。

clubhouseとdabelに続く

2021年1月31日日曜日

YouTube(6)

YouTube(5)からの続き

 例のスクレイパープログラムを動かしてみたところ,登録者数と再生回数の両対数グラフできれいに分離した2つの塊が見えた。おお,これはスゴイ発見をしたのかと思ったが,なんのことはない,単なるプログラムのバクだった。修正すると1つの塊に戻った。

ユーチュラから得られた登録済みランキングデータ(p=1からp=1500まで)のうち,登録者数非公開のものを除いた27,557個のデータについて,両対数グラフで散布図を書いてみた。

図1 YouTubeチャンネルの再生回数 vs 登録者数(2021.1)

図2 YouTubeチャンネルの再生回数/動画数 vs 登録者数/動画数(2021.1)

チャンネル再生回数を$y$,チャンネル登録者数を$x$とすると,次のような回帰式が得られる。
$\displaystyle \log_{10} y = 1.17 \log_{10} x +1.83 \ \rightarrow \ y = 67.6 x^{1.17}$

また,チャンネル再生回数/チェンネル動画数を$\bar{y}$,チャンネル登録者数/チャンネル動画数を$\bar{x}$とすると,次のような回帰式が得られる。
$\displaystyle \log_{10} \bar{y} = 1.00 \log_{10} \bar{x} +2.50 \ \rightarrow \  \bar{y} = 316 \bar{x}$


2021年1月30日土曜日

YouTube(5)

 YouTube(4)からの続き

ユーチュラのランキングからYouTuberの分析をするため,手動のデータスクレイパーをPerlで書いてみた。迷惑にならないように,1秒のsleepを入れながらHTMLファイルにアクセスしている。取得したデータを眺めてみた結果についてはもう少し考えてから報告する予定。

HTMLファイルから必要なデータだけ抜き出したCSVファイルを作るのだけれど,その後はExcelで解析する。面倒なのは,ExcelがUTF-8のCSVファイルを読んでくれないこと。ごちゃごちゃすれば回避できそうだが,それくらいなら事前にShift-JISに変換したほうが早い。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
#!/usr/local/bin/perl
# 1/30/2021 K. Koshigiri
# usage: yutura.pl 1 10
# extract data from p=1 to p=10
# original data = https://ytranking.net/ranking/?p=x

\$ytr = "https://ytranking.net/ranking/";

\$p1=$ARGV[0];
\$p2=$ARGV[1];
\$tmp="tmpy-\$p1-\$p2";
system("touch \$tmp");
\$out = "ytr-\$p1-\$p2.csv";

for(\$p=\$p1; \$p<=\$p2; \$p++) {
#  system("lynx -source \$ytr\?p=\$p | fsp -u >> \$tmp");
#  sleep 1;
print "\$p,\n";
}

open(OUT, ">\$out");
open(IN, "<\$tmp");
while(
) {

  if(/\t<p class="title">(.*)<\/p>\t<aside>/
) {

2021年1月28日木曜日

YouTube(4)

 YouTube(3)からの続き

NHK夕方の番組シブ5時で,教育系YouTuberの特集をやっていた。ヨビノリたくみさんと,葉一(はいち)さんが取り上げられ,葉一さんがオンラインインタビューに答えていた。たくみさんは,横国大の物理工学から東大工学研究科の沙川研(修士)だが,葉一さんは東京学芸大学の初等数学のひとなのか。コロナ禍にともなうオンライン授業の普及や,GIGAスクール構想の展開などから,教育系YouTuberに注目が集まっている。ただ,それにしては日本の教育系YouTubeのコンテンツはほとんど未開拓だ。まあ,塾・予備校などのクローズドコンテンツはたくさんあるのだろう。

Webhackによれば,教育系YouTuberにもいくつかのカテゴリがある。(1) スキル・教養・ビジネス,(2) 本・書籍の要約,(3) 学生向け,(4) クイズ・脳トレ,(5) 英語・英会話 である。ユーチューブチャンネル登録数順に代表的な教育系ユーチューブを並べてみた。受験メタ知識が中心のものは除外している。大学や教育委員会(細々としたものはあるが)がもっと力を入れてもよいかもしれないが,そういうのはたいていおもしろくないので難しいところ。

1 とある男が授業をしてみた(129万人)

2 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(61万人)

3 授業映像TryIT(47万人)

4 Stardy -河野玄斗の神授業(35万人)

5 PASSLABO in 東大医学部発「朝10分」の受験勉強cafe(25万人)

6 「ただよび」文系チャンネル(18万人)

7 超わかる!授業動画(18万人)

8 鈴木貫太郎(13万人)

9 Historia Mundi(10万人)

10 eboard channel(8万人)

番外 中田敦彦のYouTube大学(351万人)




2021年1月26日火曜日

YouTube(3)

YouTube(2) からの続き

YouTubeチャンネルのコンテンツについて,タグをざっと眺めてみた。

1位 ゲーム実況(5994),2位 音楽(3111),3位 女性(2519),4位 やってみた(1761),5位 芸能人(1477),6位 企業(1149),7位 鉄道(748),8位 商品レビュー(665),9位 スポーツ(626),9位 Vocaloid(573),10位 お笑い芸人(557)だったが,十分検索しきれていない可能性はある。ここには現れていないが,子ども・おもちゃ関係も関連も合計すれば735以上,その他では,料理が495,車が458などが目立つかもしれない。

一方,YouTubeの教育利用可能性はどうだろうか。同じくタグ数を数えてみた。勉強(178),教育(88),受験(50),プログラミング(44),大学(23),学校(22),資格(20),学習(10),授業(6)など。また,STEAM関係キーワードでいえば,数学(30),科学(28),実験(24),宇宙(23),化学(10),哲学(8),物理(5),統計(5),天文(4),生物(3)。まだまだ開拓されつくしていないようにもみえる。

2021年1月25日月曜日

YouTube(2)

 YouTube(1)からの続き

昨日のチャンネル登録者人数で気持ちがわるかったのは,両対数グラフの順位がユーチュラ掲載数の上限近くで急速に減少していることである。普通ならば,ジップの法則が当てはまりそうなもので,両対数グラフではほぼ直線となり,なんらかの冪乗則が成立してもよいところだ。直感的には,登録者数の少ないチャンネルもある程度の数が存在しているが,これらはユーチュラへの登録動機がないため,ロストされているからと考えられる。実際,ユーチューブチャンネル人気ランキングを出しているTUBERS(ユーチューブ活動支援コンサルティング)では,13万件の日本語チャンネルが存在すると書いているのでユーチュラの捕捉率は1/4程度なのかもしれない。

さて今日は,ユーチュラにおける日本のユーチューブチャンネルの累計動画再生回数である。1位は,Fisher's −フィッシャーズ− (110億回),2位:キッズライン♡Kids Line,3位:avex(88億回),4位:HikakinTV(79億回),5位:はじめしゃちょー(hajime)(78億回)などとなっている。

(1位,110億回),(18位,30億回),(107位,10億回),(506位,3億回),(1514位,1億回),(3923位,3千万回),(7123位,1千万回),(12590位,3百万回),(16760位,百万回),(20794位,30万回),(23690位,10万回),(26107位,3万回),(27708位,1万回),(28720位,3千回),(29262位,1千回)


図1 日本のユーチューブチャンネル累計再生数分布(片対数)



図2 日本のユーチューブチャンネル累計再生数分布(両対数)




2021年1月24日日曜日

YouTube(1)

 ベネッセの「小学生がなりたい職業ランキング2020」では男子小学生の1位が「ゲームクリエータ・プログラマ」,2位が「ユーチューバー」,女子小学生の1位が「芸能人」,4位が「ユーチューバー」ということだ。もっとも,クラレの調査「小学生の将来就きたい職業」ではようやく男子の10位に顔を出している程度。

テレビはつまらないし,読書エネルギーにも欠けるため,最近は自分がユーチューブにハマった。そこで,ユーチューブランキングサイトのユーチュラを使って少し調べてみた。なお,googleのYouTubeヘルプをみれば,自分のチャンネルの作成方法その他がわかる。

まずは,ユーチュラにおける日本のユーチューブチャンネルの登録者数である。YouTubeランキングには,約33,000のチャンネルが登録されている。登録数非公開のチャンネルが1200弱あるので,それ以外のチャンネルを,登録者数と順位で並べてみた。なお,1位は,キッズライン♡Kids Line(登録者数1220万人),2位:せんももあいし−Ch Sen, Momo, Ai & Shii(939万人),3位:はじめしゃちょー(hajime)(906万人),4位:HikakinTV(884万人),5位:タキロン Takilong Kids' Toy(712万人)などとなっている。

(1位,1220万人),(38位,300万人),(304位,100万人),(1434位,30万人),(4169位,10万人),(8915位,3万人),(13863位,1万人),(18923位,3千人),(23196位,1千人),(26549位,300人),(29071位,100人),(30477位,30人),(31265位,10人)


図1 日本のユーチューブチャンネル登録者数分布(片対数)


図2 日本のユーチューブチャンネル登録者数分布(両対数)


2021年1月18日月曜日

日本語版ウィキペディア(2)

 北村紗衣(saebou)さんが,佐藤由美子さんの意見に若干の反論をしていた。彼女のウィキペディアンとしての経験に基づくものであって,事実としては概ね問題ないと思われる。が,本質はやはり歴史修正主義の跋扈である。

2001年1月15日にスタートしたウィキペディアは,今年で開設20周年を迎えることになる。記念イベントとしてオフラインミーティングが東京+サテライト会場で催されるようだ。

退職前の数年の大学院の授業では,ウィキペディアの教育利用を話題にしたことがあって,2008年頃からの動きは少しだけ眺めたことがあるが,その後はほとんど盛り上がらないまま推移していたようだった。

2021年1月17日日曜日

日本語版ウィキペディア(1)

 佐藤由美子さんの「日本語版ウィキペディアで歴史修正主義が広がる理由と解決策」という記事を見たが,まったくそのとおりだと思われる。自然科学の分野でも日本語版ウィキペディアの記事にムラがあると同時に,英語版と比較して非常に内容が薄いことが気になっていた。オープン性に欠けるコミュニティがディスインフォメーション(故意に流す虚偽情報)の温床になっているということだが,右派(あるいは準政府団体)の組織的な活動がSNSに加えてウィキペディアをターゲットにしているということだろう。

2020年11月7日土曜日

人文社会系学協会連合連絡会

 11月6日に日本記者クラブで「人文社会系学協会連合連絡会」の記者会見があり,日本学術会議の任命拒否問題について,その理由の説明と撤回を求める共同声明が発表された。

人文・社会科学系の諸学会のほぼ全分野にまたがる220以上の学協会が連携して意見表明をするのは初めてのことらしい。できれば連合連絡会のホームページも作ってもらいたいところだけれど。

臨時国会の衆議院,参議院の予算委員会では,野党のエース級と菅総理との質疑が行われているが,菅の答弁はボロボロのようだ(NHKなどはまったくその様子を正確に報道しない)。日によって論理が移ろうデタラメでも国会を切り抜けられてしまうのがすごい。もうそこは日本語も機能せず,普通の論理も通用しない場所になってしまっているようだ。

大阪でも,大阪市廃止・特別区設置における住民投票の結果が反対と出たにもかかわらず,松井や吉村がしおらしい顔をしていたのは,ほんの一瞬のことだった。大阪維新はさっそく,大阪市から大阪府への権限移譲のための条例案検討をスタートさせてしまった。あの住民投票での市民の判断は一体何だったのだろうか。ここでも普通の言葉や筋道が通用していない。

そして,アメリカ合衆国の大統領選挙開票中から開票後のトランプ派の言動もしかりである。普通の論理が通用しない世界とは一体何なのだろうか。差別と偏見と利権が横行する世界。それはもしかしてインターネットがパンドラの箱を開いたことでもたらされたものなのか。その情報伝達ネットワークの速度や応答性に人類と旧来の制度やシステムが十分適応できないまま部分的な変化が加速してアンバランスをもたらしたことで,ハンコ屋さんだけでなく,民主主義すら危機的な状況を迎えている。

2020年10月20日火曜日

fj.books

 fjのアーカイブはgoogle などいくつか見てきたが,Unified fj NetNews archive渡邊克宏)は知らなかった。1992年は1/3程度,1996年以前は2/3程度しかarchiveできていないということだが,幸いにも1992年5月の自分の最初の投稿は見つかった。 

Path: galaxy.trc.rwcp.or.jp!sparky!uunet!ccut!wnoc-tyo-news!sranha!sranhb!okds1!koshi
From: koshi@okds1.osaka-kyoiku.ac.jp (Kunio Koshigiri)
Newsgroups: fj.books
Subject: Re: "zoku meian"?
Message-ID: <171 okds1.osaka-kyoiku.ac.jp="">
Date: 21 May 92 13:13:53 GMT
References: <43025 ntttsd.ntt.jp="">
Followup-To: koshi@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
Distribution: fj
Organization: Osaka Kyoiku University
Lines: 14
Xref: galaxy.trc.rwcp.or.jp fj.books:2905
X-originally-archived-at: http://galaxy.rwcp.or.jp/text/cgi-bin/newsarticle2?ng=fj.books&nb=2905&hd=a
X-reformat-date: Mon, 18 Oct 2004 15:18:22 +0900
X-reformat-comment: Tabs were expanded into 4 column tabstops by the Galaxy's archiver. See http://katsu.watanabe.name/ancientfj/galaxy-format.html for more info.
手元の本によりますと
+- - - - - - - - - - - - - - - - -+
「續 明暗」
著作者:水村美苗(約370ページです。)
発行所:筑摩書房(03-5687-2680:営業)
発行日:平成2年11月20日(初版第5刷)
ISBN4-480-80294-0 C0093
定価:2060円
+- - - - - - - - - - - - - - - - -+
私が購入したのは去年の2月ごろです。

越桐國雄@大阪教育大学
(Today's Diary: NeXT ni $750 no Mathematica wo yatto Install
site hotto sitetara $250 no Offer wo mitukete simatta; Sigh)

2020年9月18日金曜日

マストドン(1)

 久しぶりにhttps://mathtod.online/web/getting-startedhttps://mstdn.jp/web/getting-startedにアクセスしていたら,マストドンが終了するとの記事に遭遇した。

2017年4月の日本におけるマストドンブームはごく一部だけに留まっていた。それは久しぶりに胸熱な動向だったのだが,数週間で熱は冷めていった。このとき一番大きかったのが数式を自由に投稿できるMathtodonの開設だった。本家のマストドン(mstdn.jp)へのアクセスはモーティベーションが続かなかったのですぐに減衰したけれど,Mathtodonの方は興味深い話題が散発的に投稿されていたのでそれなりにアクセスしてきた。

最近はほとんどごぶさただったけれど。そのご本家のマストドン(mstdn.jp)が,2020年の5〜6月に終了というニュースだった。結局米国のsujitechが引き取ったようだ。東大にかかわるSUJI YANがCEOでイリノイ州のChampainに本社があるなかなか不思議な会社だ。

[1]マストドン「mstdn.jp」6月30日に終了(2020.5.25)
[2]マストドンの国内サーバー「mstdn.jp」米企業への譲渡が決定,6月30日での閉鎖は回避へ(2020.6.12)

2020年9月3日木曜日

エンペディア

ウィキペディア(1226,000本)から寄付のお願いがあって2080円寄付したところで,エンペディア(41,000本)にはじめて遭遇した。他にもいろいろあるのかもしれない。アンサイクロペディア(20,700本)は知っていたけど。あとは,Citizendium(実名性),Scholarpedia(実名+専門家)とか。

各分野別では,哲学だと,Stanford Encyclopedia of Philosophy(SEP)とかInternet Encyclopedia of Philosophy (IEP)になる。数学だと Wolfram Math World かな。国内の学会レベルで運用しているのが脳科学辞典(日本神経科学学会),天文学辞典(日本天文学会),ISディジタル辞典(日本情報処理学会)など。

詳細は,List of online encyclopedia をみるのがよいか。

2020年5月12日火曜日

えっ,この非常時にさえICTを使わないのなぜ?

文部科学省の令和2年度ICT活用アドバイザー事業「学校の情報環境整備に関する説明会(当日資料)」が5月11日(月)に開催され,youtubeでも配信されていた。また,まさきとみずもとかづきさんによるnoteで一部(重要な部分)が文字おこしされている。

文部科学省初等中等教育局情報教育・外国語教育課長の髙谷浩樹さんの説明はなかなか気合いが入っていた。配布資料にはなかったが,以下の部分がキモでした。



図 高谷課長の声が聞こえてきた

これからはICTを使わないことに説明責任が伴う(地方自治体に向けて),説明責任が伴うのは本件の文部科学省の私であり地方教育行政をになうあなた達である。我々は一蓮托生なのである。今までが間違っていたのだ。やろうとしないのは子どもに対する罪である。

豊福晋平さんは辛口のコメントをしていたが,みんながんばってほしい。

2020年4月1日水曜日

インターネット授業への道

昨日,非常勤先の大阪教育大学の方針が変更された。当初,予定されていた学年暦どおりに4月8日から授業を開始するとのことであったのだが,やはりこの状況なので,通常授業は困難であると判断され,4月8日から4月19日までは休講となった。一安心。

4月20日からインターネット授業(インターネットを活用した授業),5月11日からは対面授業を含めて実施ということである。昨日はzoomによる緊急のFDが開催されて,moodleを活用したインターネット授業の典型例,実施のための体制はどうすればよいか,ということが議論された。

昨年度の大阪教育大学のmoodleの活用率は1/6程度らしいのでなかなか険しい道のりなのである。


学習院大学の田崎さんのGIGAにやさしい遠隔授業を参考にしようと思うが,あと3週間で準備できるだろうか。

2019年12月13日金曜日

メルカリ初登場

メルカリへの出品というかメルカリンになることを勧められ,こども服等を出品してはや2ヶ月。これはだめだろうと忘れかけていたら,突如オファーが来ていることに気付いた。放置して普段チェックしていなかったので,本当に偶然のタイミングだ。で,とんとん拍子に話が進んで購入していただいたので,あわててセブンイレブンに駆け込んだ。なるほど,こういう仕組みになっていたのか。後は評価を待つだけのようだ。なかなか面倒なものでもあるが,慣れたらしまいなのかもしれない。

2019年12月12日木曜日

機械学習と公平性

2019年12月10日に,人工知能学会 倫理委員会・日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会・
電子情報通信学会 情報論的学習理論と機械学習研究会の三者が連名で「機械学習と公平性に関する声明」を発表した。

声明を出した背景としては,2018年10月にAmazon.comが採用時に利用していた機械学習システムが女性に対して不利益に働くことに気づいてこのシステムの利用を停止したという報道を挙げている。

しかし,それでは時間が開きすぎている。直接書かれてはいないが,東京大学大学院情報学環・学際情報学府特任准教授が11月20日にTwitter上で差別的な発言をして,それが炎上したことがきっかけになっている。

情報学環長・学際情報学府長の越塚登先生は,11月24日に学内向け文書,11月26日に学生向けMLでメッセージを発しており,それを11月28日には公開している。それなりに迅速な対応がなされたと思う。

一方,当該教員の属する寄付講座についても,マネックス証券はただちに見解を発表し,寄付の停止に至るようだ。

機械学習が社会にもたらす影響は非常に大きなものになりそうだ。センサーが張り巡らされた社会を,センサーの塊をつねに携帯しながら活動する個人が,ほとんどの情報を無担保に預けながら,ブラックボックスにつつまれたプロセスで評価される社会だ。機械学習の説明責任(というか説明システムの理論的な研究や開発)についての議論もスタートしている。

P. S. 大澤昇平はネトウヨにアピールしながら寄付を集め始めたようだ(2019.12.12)。


[1]学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する学生へのメッセージ(2019.11.28)
[2]学環・学府特任准教授の不適切な書き込み等に関する調査委員会の設置について(2019.11.28)
[3]学生留学生委員会から情報学環・学際情報学府の学生の皆さんへ(2019.11.29)
[4]大澤昇平特任准教授による2019.12.12付のSNS書込みに対する見解(2019.12.13)
[5]寄付講座担当特任准教授の不適切な書き込みに関する見解(マネックス 2019.11.24)
[6]寄付講座担当特任准教授の不適切な書き込みに関する当社の見解について(オークファン 2019.11.25)
[7]Japanese academia appears soft on racism(ASIA TIMES 2019.11.25)
[8]Announcement: terminating our business relationship with Daisy AI (Streamer 2019.11.27)

2019年10月16日水曜日

食べログ問題

食べログのスコアの得点分布の3.6点と3.8点に不自然な構造が存在することから,スコアの決定アルゴリズムに対する疑問が涌いていた。これに対して,いくつかの分析がなされていたが,食べログ3.8問題に終止符を打つという因果推論の手法を用いた決定版的な詳細分析がでた。「年会費を払う=有料会員になることはお店のスコアをどれくらいあげるのか」という点にフォーカスされているので結論は物足りない。不自然な構造の説明としては,[3]の話の方がおもしろかった。

[1]食べログ3.8問題を検証
[2]食べログEDA
[3]食べログの得点計算についてのポジティブな可能性を考える−操作されたデータを検証する難しさ−
[4]黒木玄さんの分析

インターネット上の評価システムには,運営側のアルゴリズムが不透明であること,逆に透明化することがスコアハッキングを招くこと,意図的なスコア操作(正も負も)の横行などがあり,評価システムではなくとも溢れる情報の真偽を確かめることはますます困難になっている。上からの単純な情報操作と,これに相互作用する大衆の反応が複雑な社会の意思決定に重大な影響を及ぼすようになっている。

トランプがツイッターを駆使し,政府や政権政党が金任せにネトウヨを操る広告宣伝作戦を進め,対抗側のアクションをツイッターなどSNS企業の一部が潰すという,非常に悲惨な世界への扉が開かれつつある。とりあえずは複数の信頼できる人々の情報を重ね合わせて自分なりの初期情報源とし,後は自力で考えて判断するしかないだろう。ただ,経済問題については何が理論的・実践的に正しいのかが自分にはまったく見えてこないのが残念。

[5]サクラチェッカー(やらせ・サクラレビューを見抜けるレビューチェッカー)


2019年9月27日金曜日

ニュースソースとしてのSNS

関西電力役員の背任に相当する原発マネー還流事件が発生している。それは,それとして,NHKの7時のニュースでは,SNSにおけるユーザの意見をいつものように取り上げていた。ある意味,街頭インタビューに相当するものと考えているのかもしれないが,顔も名前も見えない匿名のコメントを平気で使う神経が気味悪い。いや,いまの報道に関る若手記者にとっては,SNSを含むネット空間の情報は空気のようなものであり,むしろそれに依拠しないほうがおかしいと思っているのかもしれない。

インターネット空間には,政治的なPA(パブリックアクセプタンス)が満ちあふれていることや,エコーチェンバー効果が指摘されていることから,よほどの注意が必要だと思う。また,短いセンテンスに切り詰められた定型詞の使い回しや,統計科学への過度の依存が,情報の真偽が多数決で決定されるものであるかのような幻想を振りまいている。新聞やテレビや週刊誌などの既存メディアの行く末を考えたときに,SNSを何らかの形で取り込むことによって生き残りを図るという作戦なのだろうか。

監視カメラの横溢と同様に,すべての国民が持つ携帯カメラのネットワークは,これまで見逃してきたような様々な事件の瞬間を地引き網で掬うように漁っている。あるいは,多くの情報番組やバラエティ番組のネタ元は,YouTubeであったり,Twitterで拡散された情報あったりする。それが,マスメディアのシャワーを通じて全国にいや全世界を循環している。