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2021年7月31日土曜日

コロナワクチン接種状況(4)

コロナワクチン接種状況(3)からの続き

6月中旬の上記記事で,菅首相の話はおかしいのではと指摘したが,その後の遡及入力分を補正すると最終的にはこのころに100万回/日を越えたという彼らの言明の方が正しかった。

ただし,政府の内部データによるシミュレーションは必ずしも正確ではなく,累計接種回数で10%,300万回程度過小評価していた値を当時報告していた。また,6月10日から6月16日の平均ワクチン接種回数は現時点で109万回にまでなっていて,発表時点の週平均104万回という値を上回ったことになる。

そこで首相官邸のコロナワクチンのページで報告されているワクチン接種回数に遡及入力補正を行った現時点でのワクチン総接種回数推定値を求めてみた。遡及入力分がだらだらと指数関数的に登録されると仮定して,7月1日分の一般接種分データの1ヶ月分の推移からざっくりパラメタを求めた。$N(t) = N_0 \{1 - 0.5 * \exp (-t/7) \} $で近似できたことにしよう。

図:ワクチン一般接種回数の遡及入力曲線(7/1データの29日分の推移から)

7/29時点の政府データの総接種回数は,医療従事者等1200万回,一般接種7200万回(うち高齢者5600万回)の合計8400万回になっている。これは遡及分を含んでいない(はず)。



図 一日当たりワクチン接種回数の推移(深いdipはオリンピック開始時)

遡及分を補正すると400万回分くらい増えるので,7月末までの総接種回数は,合計8800万回である(注:こちらの集計では,医療従事者等1070万回,一般7570万回,合計8640万回なので若干の齟齬がある)。結局,現時点の補正後の高齢者ワクチン総接種回数は,5900万回程度なので,当初の予想通り,高齢者については7月末までにワクチン総接種回数ベースでほぼ80%が完了したことになる。

仮にこのまま日本における一日のワクチン接種回数が140万回/日で推移すれば,(2.2億回-8800万回)/140万回/日 = 94日≒3ヶ月かかるので,10月末には希望者への接種がほぼ完了するはずだ。現時点で総接種回数ベースで40%が完了しているので,8月末に60%,9月末に80%,10月末に100%というわけだ。

(注:ここは総接種回数ベースの議論なので,第1回目とか第2回目の割合はまた別の話)

2021年7月8日木曜日

ワクチン接種統計のマジック

オリンピック開始まであと残りわずかとなった。今日,緊急事態宣言が東京・沖縄で8/22まで発出され,蔓延防止等重点措置が埼玉・千葉・神奈川・大阪で 8/22まで延長された。また,北海道・愛知・京都・兵庫・福岡については7/11までで蔓延防止等重点措置が解除された。


7時のNHKニュースの枠で,菅首相記者会見がだらだらと放送されている。気になったことがある。ワクチン接種のロジスティックスというか管理態勢は破綻していると思うのだが,総数としては必要分が確保されていて(地方自治体に滞留している)というところまではよい。ところで,現時点で1日あたり130-140万回のペースで接種が進んでいると菅は発言した

いや,いくらなんでもそれはないだろうと,首相官邸のワクチンのページをみると,なにやら内閣官房の新型ワクチンの統計のページの形式が変更されている。あやしい。しかも,新しく設けられている日別のファイルをみると(データ列が途中で入れ替わっているという単純ミスがある),確かに日平均130万回以上接種がすすんでいるかのように見える

で,よく調べてみると,これには,毎日の遡及入力が含まれない段階の各報告日の過小評価した合計の一覧がならんでいる。一方,それらの最終日において一定の遡及入力が加わったものを並べた結果とは違ってくる。このため,政府発表の数値は,最終的に遡及入力が収束するものと比べて,日々の増加分を過大評価することになっている。グラフでみたほうがわかりやすいだろう。


図 ワクチン接種統計のマジック(2021.7.8の政府統計より)
青が遡及入力を含むより現実的な値,橙は政府統計値

2021年6月27日日曜日

ワクチン供給状況

 日本政府が確保しているワクチンは,ファイザー製が1億9400万回分(9700万人分),モデルナ製が5000万回分(2500万人分),アストラゼネカ製が1億2000万回分(6000万人分)である。いずれも国内で承認されているが,アストラゼネカは血栓の発症が海外で報告されているため,当面国内の公的接種には用いられない。台湾には124万回分提供したけれど・・・。

日本の人口は1億2600万人なので,ファイザーとモデルナの合計では400万人分不足するが,12歳未満のこどもが1170万人いることを考慮すれば,いちおう12歳以上の全国民が希望しても賄えるはずだ。

ところが,ファイザーとモデルナの供給スケジュールがここにきて頓挫しかけている。モデルナは職域接種・大学接種などにむけて提供されているが,供給不安から新規予約が一時保留とされた。どうして,もっときちんとシミュレーションできなかったのだろうか。

一方,厚生労働省のファイザー社ワクチン配送スケジュール(2021.6.3)によれば,医療関係従事者向けに963万回分配送している(接種回数は1033万回)。また,高齢者向けに,4410万回(5月末まで),3452万回分(6月分),2340万回分(7月分)の配送が予定されている。6月24日時点での高齢者の接種回数(追加遡及入力分を推計に含めない)は2689万回なので,少なくとも高齢者分に関しては目標の7200万回にはまだ余裕がある。

しかし,8月以降の9000万回分の配送計画が示されておらず,各自治体では供給が絞られることに対する不安が募っているようだ。もしかしてこれはまだ日本に届いていないのか?

[1]自治体のワクチン接種、一転ブレーキ 職域接種に続き…政府の見通しの甘さ露呈<新型コロナ>(東京新聞)

2021年6月26日土曜日

第2回ワクチン接種

第1回ワクチン接種からの続き

6月26日14:30に第2回のワクチン接種を予約していた。

前回の経験から多少早く行っても問題ないことがわかっていたので,14:15には天理市文化センターに到着した。検温,手指消毒,3階受付の移動と前回同様のルーティーンで進んだ。用意するものは,(1) ワクチン接種券と(2) 記入済み問診票と(3) 本人確認ができるものなのだが,免許証を忘れてしまった。別の書類にサインして事なきを得る。

前回よりスムーズに進んだ。3階のホールで待っていると,受付でもらった小さなプラスティックの番号札の番号で呼び出しがある。どうやら4人ずつ呼び出されるようだ。氏名を確認されて,1階のエレベータに誘導される。エレベータも感染防止のために4人ずつ四隅に乗るようになっている。

1階の接種コーナー前の椅子に座るとすぐに番号が呼び出されて接種コーナーに進む。前回は6ブース中2ブースがオープンしていたが,今回は4ブースで運用している。ここも待ちなしで問診,接種,接種証明書の発行と進み,最後に注意書きと待機時間が記載された書類をもらう。

15分の観察スペースに進んで,14:40にはすべてのワクチン接種プロセスが完了した。この間25分であり,非常に効率的に運営されていた。天理市の高齢者ワクチン接種率(6/24で第1回75%,第3回34%)は奈良県の市でトップの成績を収めている。


写真:天理市文化センターのワクチン集団接種会場(2021.6.3撮影)

2021年6月18日金曜日

コロナワクチン接種状況(3)

 コロナワクチン接種状況(2)からの続き

6/17に,6/20まで出されていた緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の継続・変更・解除についての菅首相の記者会見があった。相変わらず,リスクコミュニケーションに失敗しているのだが,気になったのがワクチン接種100万回を達成したという部分

もし,首相官邸の新型コロナワクチンについてのデータが正しくて,それ以外の接種統計情報がないのであれば,菅首相の説明は誤っている。しかし,だれもこれを指摘していない。いや,リベラシオンとラジオ・フランスの特派員のKaryn Nishimuraさんがtwitterでつぶやいていた。その結果,当日の資料が公開された。


図 首相記者会見でのワクチン接種回数資料(2021.6.17)

6/16水と6/9水の差分が728万回なので,1日平均104万回に達したと書いてあるし,菅首相は自信満々で説明していた。 うーん,ホントなの? 政府のデータが,厚生労働省の新型コロナワクチンの接種実績(2/17-4/9=159万回)と首相官邸のこれまでのワクチン総接種回数だけであれば,首相記者会見で出された数字はおかしいように思われる。それ以外の情報が加わっていたり情報が加工されているのであれば,その限りではない

そもそも,注釈にある「土日は接種がないので金曜日分・月曜日分をつないで補完」とあるが,土日の情報が欠けているのは医療関係従事者等分であり,これも月曜分として,土日を含めた数字が計上されているため,注釈のような補完をすればダブルカウンティングになってしまう。

ただし,6/9-6/16の期間ではこの影響は高々36万回程度であって,大きな要因ではない。6/17付の政府公表データが正しいのであれば,新型コロナワクチン総接種回数は,6/9で2093万回(2038万回),6/16で2660万回(2766万回)なので,その差は567万回(728万回)となる(カッコ内は記者会見資料)。先程の本当は正しくない補完の効果を加えても,603万回にしかならないので,残念ながら菅首相のいう1日100万回には惜しくも到達しないのであった。

P. S. コロナワクチン接種状況(2)で指摘した,まだ加えられていない遡及入力分を評価しているから平均100万回/日突破は正しいという説があった。あるいはそうなのかも知れないので,来週もう一度確認してみることにしよう。

2021年6月17日木曜日

イベント制限

なにがなんでも オリンピックに向かってまっしぐらに進んでいる今日このごろ。

6月20日迄の緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置は解除の方向となり,変更されたものの期限は7月11日迄である。

緊急事態宣言10都道府県{北海道,東京,愛知,京都,大阪,兵庫,岡山,広島,福岡沖縄}のうち,沖縄は継続,岡山と広島は解除,その他下線のところは蔓延防止措置に移行。

蔓延防止等重点措置5県{埼玉,千葉,神奈川,岐阜,三重}の内,岐阜と三重は解除,その他は継続。したがって,蔓延防止等重点措置は合計10都道府県となる。

イベント制限については,緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置が出されている都道府県に対して,現在の定員50%以内かつ上限5000人を解除後は定員50%以内かつ上限10000人に変更し,1ヶ月後程度で問題がなければ,現在のその他地域と同様に,5000人以下か定員50%以内のいずれか大きい方に変更する予定である。

7月23日のオリンピック開始時には,定員の50%がOKになるということだ。関係者が口をそろえて今回のイベント制限変更措置は五輪とは関係ないというのでますます怪しさが露呈している。わかりにくいので,Mathematicaで現在と今後の制限のようすを図示してみる。

現在: g1 = RegionPlot[ {y < 0.5 x && y < 5, y <= 0.5 x || y <= 5}, {x, 0, 40}, {y, 0, 20}, PlotLegends -> "Expressions"]

今後: g2 = RegionPlot[ { y < 0.5 x && y < 10, y <= 0.5 x || y <= 5}, {x, 0, 40}, {y, 0, 20}, PlotLegends -> "Expressions"]



図 イベント制限(左6/20まで,右6/21から,単位は千人)

P. S. 日本経済新聞の朝刊記事の内容をまとめると上のようになったのだけれど,6月17日に開催された,新型コロナウイルス感染症対策本部(第 69 回) によると微妙に解釈が間違っているのかもしれない。その場合,その他地域でも上限の1万人が存在していることになるのだけれど,ちょっと自信がない。どうして,こんなにわかりにくい文書を作れるの?

2021年6月11日金曜日

コロナワクチン接種状況(2)

 コロナワクチン接種状況(1)からの続き

自衛隊が東京と大阪で運営する大規模接種センターが現段階で予約が2割とか3割しか満たされていないために,全国からの接種を可能にするらしい。おい,人流はどうなった。大阪維新もそうだけれど,安倍−菅政権を通して十分に吟味検討されていない政策が,整合性も反省もなくいきあたりばったりに積み重ねられている。アジャイル政策開発といえばもっともらしくごまかせるのかな。

さて,証拠に基づく政策づくり(EBPM)とはほど遠い現状で,重要な社会統計データの質や信頼性についても不審な点が多々観測される。コロナワクチンの接種回数統計もその一つかもしれない。前回に続いて,医療関係従事者と高齢者の接種回数をプロットしてみた。一日あたりの接種回数100万回の目標にはほぼ順調に接近しているように見える。ただし,菅首相が100万回に達したと言及したのは嘘であり,高齢者分だけに限ればまだ60万人程度の水準である。

図1 ワクチン接種状況(2021.6.10まで)

高齢者向けワクチン接種統計はワクチン記録システム(VRS)によって集計されているようだが,いまだに1ヶ月以上過去のデータが更新され続けている。つまり,首相官邸のワクチン接種回数データは,数日の遅れはあってもそれより過去のデータは変化しないというものではなくて,毎回の更新時に全過去データへの修正が行われるということだ(医療関係従事者のほうはそうなっておらず過去分は確定した状態で更新される)。

善意で解釈すれば,VRSの導入がまだ続いていて,利用できるようになった会場での遡及入力が行われているということなのかもしれないが,それにしても時系列統計としてどうなのよという感じである。


図2 6/10時点の接種回数と6/9時点からの遡及差分(対数軸)

2021年6月5日土曜日

第1回ワクチン接種

 4月5日に予約したコロナワクチンの第1回接種の日がやってきた。14:30からの30分ということで,15分前に会場の天理市文化センターに到着した。

入口でスタッフによる検温チェックがあって,エレベーターで3Fの受付に誘導された。受付前の椅子に座って待つように指示され,ワクチン接種券と問診票を準備して待っているとすぐに受付に案内された。何ももたずに来ていたおばあさんはどうなったのだろう。

受付に書類を提出すると再度手首で検温された。36.4℃。身分証明書(運転免許証)で本人確認した後,50番の番号札を渡され,3Fのホールで待つようにということだった。

3Fの中ホールにはほとんど人が滞留しておらず,呼び出しがあるまで河野太郎がグダグダ話しているビデオを見せられていた。2-3分で番号が呼び出されて,1Fの接種会場に行くようにということでエレベータ(乗員を4人までに制限)に載せられた。要所要所にスタッフがふんだんに配置されていて,混乱なくスムーズな誘導が行われていた。

1Fの接種会場前の椅子で再び待つようにということで,しばらく待っていると番号が呼び出された。番号札の順番には特に意味がなく,たぶん30分で40-50人の想定になっているような気がした。接種ブースが6箇所設けられているが,今日実際に使われていたのは2箇所だけだった。

ブースの前に1人,2人待たされるが,すぐに呼び出されて,問診票に基づく確認とワクチン接種へと進んだ。注射器は評判の悪い2mLのものではなく普通の1mLのものに希釈されたファイザーのRNAワクチンが0.3mL入ったものだ。

14:30に接種が完了して荷物とシャツを回収すると,接種完了の証明書が貼られた接種券が返却されて,接種後の注意事項と15分の観察時刻が示された紙をもらって,1Fの観察スペースで待つことになる。30人の観察スペースが15分で1回転するので,毎分2人くらいの速度で接種が進んでいる計算だ。4時間で500人といったところだろうか。

ということで,到着14:15から終了14:45までほぼ30分のコースだった。天理市は並河市長が賢いので,現時点の高齢者接種率は和歌山県と同レベルの30%越えの水準である。さらに,市の判断で社会の基礎的な活動を支える優先職域(学校,幼稚園・保育所,学童保育,福祉施設,警察署など)の全職員(居住地を問わず)の集団接種を計画しているようだ。


写真:天理市文化センター(撮影 2021.6.3)

2021年6月4日金曜日

オリンピック憲章

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会(7/23-8/8,8/24-9/5)まで50日を切った。新型コロナ感染症が終息しておらず,変異種によるさらなる感染拡大が強く懸念されるこの時期に,陽性者検査数でもコロナワクチン接種率でも世界にはるかに遅れを取っているこの日本で,なぜオリンピックの開会に固執するのかという多くの国民や医療関係従事者の疑問に,責任者たち(日本政府組織委員会国際オリンピック委員会)は誰もまともに答えようとはしていない。

新型インフルエンザ等対策推進会議(尾身議長)の基本的対処方針分科会の尾身茂会長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)が,「本来は,パンデミックの中で開催するということが普通でない。何のために開催するのか明確なストーリーとリスクの最小化をパッケージで話さないと,一般の人は協力しようと思わない」といいだした。

というわけで,そもそもオリンピックの理念は何か,オリンピック憲章を調べてみた。ところが,想像していた理念をうたう十七条憲法的なものではなく,IOC権利関係や組織に関するガチガチの規程だった。理念的な部分は,いちおうオリンピズムの基本原則として挙げられているが,スポーツ至上主義的空気のただよう なんだかなぁ の内容だった。そもそもこの状況でのオリンピック実施強行は,普遍的で根本的な生命倫理規範を無視するものじゃないのか。

1 オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め,バランスよく結合させる生き方の哲学である。オリンピズムはスポーツを文化,教育と融合させ,生き方の創造を探求するものである。その生き方は努力する喜び,良い模範であることの教育的価値,社会的な責任,さらに普遍的で根本的な倫理規範の尊重を基盤とする

2 オリンピズムの目的は,人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために,人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。

3 オリンピック・ムーブメントは,オリンピズムの価値に鼓舞された個人と団体による,協調の取れた組織的,普遍的,恒久的活動である。その活動を推し進めるのは最高機関のIOCである。活動は5大陸にまたがり,偉大なスポーツの祭典,オリンピック競技大会に世界中の選手を集めるとき,頂点に達する。そのシンボルは5つの結び合う輪である。

4 スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく,オリンピック精神に基づき,スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては友情,連帯,フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。

5 オリンピック・ムーブメントにおけるスポーツ団体は,スポーツが社会の枠組みの中で営まれることを理解し,政治的に中立でなければならない。スポーツ団体は自律の権利と義務を持つ。自律には競技規則を自由に定め管理すること,自身の組織の構成とガバナンスについて決定すること,外部からのいかなる影響も受けずに選挙を実施する権利,および良好なガバナンスの原則を確実に適用する責任が含まれる。

6 このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種,肌の色,性別,性的指向,言語,宗教,政治的またはその他の意見,国あるいは社会的な出身,財産,出自やその他の身分などの理由による,いかなる種類の差別も受けることなく,確実に享受されなければならない。

7 オリンピック・ムーブメントの一員となるには,オリンピック憲章の遵守およびIOCによる承認が必要である。

まあ,LGBT理解推進法でさえ葬る政党のトップが首相の国なので押してしかるべし。

2021年6月1日火曜日

コロナワクチン接種状況(1)

 コロナワクチン接種能力からの続き

6月に入りました。温室いちごが終わってヒノヒカリの田植えがそろそろ始まる。首相官邸のコロナワクチンのページが更新されたので,5月末までの状況がわかった。これを眺めると次のようなことがわかる。

(1) 医療従事者向けのワクチン接種総回数は760万回を越え,予定の960万回に対して80%の実施率となった。しかし,ここにきて一日あたりの接種回数は鈍っている。

(2) 高齢者向けを含めた1日あたりのワクチン接種能力は50万回/日程度に至った。この調子で6月末までに100万回/日になって,7月末まで推移すると,高齢者向けのワクチン接種総回数は5800万回となり,予定の7200万回の80%が達成見込みとなる。

モデルナワクチンによる職場や大学での集団接種がうまく進めば良いけれど,相変わらず十分に設計されていない感が漂ってくる。接種体制を各組織で調達せよということなので,そう簡単な話ではなさそうだ。


図1 ワクチン接種回数の推移


図2 都道府県の人口に対する x 医療関係従事者と y 高齢者の接種率 (%)

[1]新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保について(厚生労働省)

2021年5月26日水曜日

コロナワクチン接種能力

医療関係従事者数からの続き

東京と大阪の大規模接種会場のコロナワクチン接種能力を次のように定義する。

コロナワクチン接種能力 = 1日あたりの接種回数 / 医療関係従事者数

東京会場は290人で1万回,大阪会場は190人で5千回なので,合わせて1万5千回を480人で割ると平均は1日あたり31回/人となる(1日8時間とすれば,1時間あたり4回/人のオーダーなので,ほぼ接種後の待ち時間が律速になっていることに対応)。

ワクチン接種には,医療チームが関わる問診・接種・事後観察などの過程がある。医療関係従事者でなくても可能な事務受付や誘導や接種完了登録などを除いて,医療チームが全体として対応している部分をざっくりと平均した値が上記の数字である。

この能力を使って政府の目標とされる100万回 / 日を実行するためには,3.2万人の医療関係従事者が1日作業する必要がある。現在考えられている医師・看護師・歯科医師・薬剤師・臨床検査技師・救急救命士などの合計が200万人であり,この1.6%をフルタイムで動員すればよい。

5月25日現在の接種回数は,医療関係従事者14万回,高齢者26万回の合計40万回 / 日なので,延べ1.3万人がフルタイムで動いていることに相当する。これから7月末にかけて,その人的資源の活用度を2.5倍にまで拡大する必要がある。


2021年5月25日火曜日

医療関係従事者数

コロナワクチン接種予想からの続き

コロナワクチンの接種を加速化するということで,救急救命士と臨床検査技師が接種要員として動員される。医師はワクチンを筋肉注射する部分ではなく,むしろ問診の過程に必要らしい。そこで,今回のコロナワクチン接種に関係する日本の医療関係従事者数を調べてみた。令和2年版厚生労働白書の資料編の保健医療の項にあった。残念ながらいつものように,最新より少し古いデータしか上がってこないのだった。

医師  311,963人
歯科医師  101,777人
・薬剤師  240,371人
資料:厚生労働省政策統括官付保健統計室「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計」
  ※医師・歯科医師は医療施設の従事者。薬剤師は薬局・医療施設の従事者。

・保健師 62,118人
・助産師 39,613人
看護師 1,210,665人
・准看護師 347,675人
資料:厚生労働省医政局調べ。(H28)

・理学療法士(PT)  91,694.8人
・作業療法士(OT)  47,852.0人
・視能訓練士 8,889.1人
・言語聴覚士 16,639.2人
・義肢装具士 105.3人
・診療放射線技師 54,213.1人
臨床検査技師 66,866.0人
・臨床工学技士 28,043.4人
資料:厚生労働省政策統括官付保健統計室「平成29年医療施設調査」
  ※常勤換算の数値

・就業歯科衛生士 132,629人
・就業歯科技工士 34,468人
・就業あん摩マッサージ指圧師 118,916人
・就業はり師 121,757人
・就業きゅう師 119,796人
・就業柔道整復師 73,017人
資料:厚生労働省政策統括官付行政報告統計室「平成30年衛生行政報告例」

・救急救命士 56,415人
資料:厚生労働省医政局調べ。(H30.3.31現在)
免許登録者数
なお,今回の報道によれば,救急救命士の免許登録者は6.6万人でそのうち4.0万人が就業中らしい。これらの医療関係従事者のうちの該当者(太字)の3%がワクチン接種の運用にフルタイムで関わることができれば(仮定1),総数は5万人となる。さらに,5人のチームが1日100人の接種に対応できれば(仮定2),100万人/日が実現できる計算なのだけれど・・・。

2021年5月24日月曜日

コロナワクチン接種予想

コロナワクチン接種率からの続き

5月24日(月)から東京と大阪で防衛省・自衛隊が設置した大規模接種センターの運用が始まった。自衛隊の医官が80人,看護官が200人,民間の看護師が200人,民間のスタッフが200人でこれに一般の自衛隊員が加わる。総スタッフ数は,大阪会場が340人,東京会場が700人と思われるので,およそ次のような内訳ではないかと推定される(あまり自信はない)。

東京会場:医官 50,看護官 130,自衛官 280,民間看護師 110,民間スタッフ 130;合計 700
大阪会場:医官 30,看護官 70,自衛官 80,民間看護師 90,民間スタッフ 70;合計 340
合計:医官 80,看護官 200,自衛官 360,民間看護師 200,民間スタッフ 200;合計 1040

民間の看護師とスタッフ,医官や看護官以外の自衛官には,余ったワクチンを接種するということだけれど,なんだかなあ。接種会場のスタッフにまずワクチンを打つべきだと思うが。

これらの会場では,モデルナのワクチン(2回の接種間隔は4週間)を,1日あたり当初 5000人/2500人,最大 1万人/5千人の接種を実施する。100万人/日の目標からするとそれほど大きな効果はないが,これに習って各地方自治体でも大規模接種会場が設置されるようだ。


菅首相は,7月末の高齢者ワクチン接種完了に異常に固執している。しかし,現在のワクチン接種数を外挿すると多分実現は無理である。ただし,3600万人の高齢者全てが希望するわけでなはいなどというめちゃくちゃな後付けの理由で持って,80%達成時点で目標は達成されたといい出す可能性はある。

首相官邸の新型コロナワクチンのデータからざっくりと見積もると(接種回数が線形に増加して,5月末に最大値の100万回/日に到達すると仮定),非常にうまく進んだとして,5月末までに400万回,6月中に2400万回,7月中に3000万回の合計5800万回がこなせれば,目標の7月末の高齢者ワクチン接種は,80%の達成率となる。


図 ワクチン接種状況(医療従事者と高齢者と合計の推移)

2021年5月23日日曜日

コロナワクチン接種率

 日本政府(各省庁等)の統計データの管理技術にはなかなか残念な綻びが散見される。コロナワクチン接種率もその一つだ。政権の見栄えのために厚生労働省から引き剥がして内閣府に設けた「新型コロナワクチンについて」のページには,医療従事者等と高齢者等の総ワクチン接種回数のデータが,日別と都道府県別で上がっている。しかし,データは必ずしも定時に定常的にアップロードされるわけではなく,目詰まりしながら間欠的に提示されている。都道府県別データに至っては,5月23日の時点で5月14日や16日のデータが最新という有様だ。

WHOの新型コロナウイルス感染者数と死亡者数でも多くの国では毎日更新データが提供されているが,スペインなど1週間で2回ほど更新される程度の国もある。なお,日本は,このデータについては毎日更新ができている。

この直近のワクチン接種回数の都道府県別データを,各都道府県の人口で除したものを医療従事者と高齢者を2つの要素として散布図にしてみた。juliaのグラフィックスのgadfly.jlを用いると簡単にできることがわかったので,それを使ってみた。

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using Gadfly
using Compose
using DataFrames
X = [4.0,4.2,5.2,4.1,4.8,4.8,4.4,4.0,4.1,4.2,3.5,3.2,3.6,3.0,4.3,5.0,5.0,6.3,3.6,4.3,4.3,3.7,3.9,4.6,4.0,4.0,3.4,3.4,4.6,5.4,5.6,5.3,4.8,4.6,5.8,6.8,4.8,5.6,6.7,4.0,7.1,5.9,6.0,5.9,5.3,5.7,4.6]
Y = [0.6,1.3,1.3,0.7,2.1,2.1,1.3,0.7,0.7,1.0,0.4,0.4,0.5,0.4,1.1,0.4,1.8,1.4,1.3,1.2,1.0,0.5,0.8,0.7,1.4,0.5,0.5,0.5,1.0,3.5,2.3,1.5,0.4,0.8,2.5,1.6,1.8,0.6,3.2,0.4,1.7,0.9,1.0,1.2,1.8,1.4,0.9]
Labels = ["北海道","青森","岩手","宮城","秋田","山形","福島","茨城","栃木","群馬","埼玉","千葉","東京","神奈川","新潟","富山","石川","福井","山梨","長野","岐阜","静岡","愛知","三重","滋賀","京都","大阪","兵庫","奈良","和歌山","鳥取","島根","岡山","広島","山口","徳島","香川","愛媛","高知","福岡","佐賀","長崎","熊本","大分","宮崎","鹿児島","沖縄"]

plot(x=X, y=Y, label=Labels, Geom.point, Geom.label, Theme(major_label_font="CMU Serif",minor_label_font="CMU Serif",major_label_font_size=12pt,minor_label_font_size=12pt))
#plot(x=X, y=Y, Guide.annotation(compose(context(), text(X, Y, Labels))))

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図 都道府県別コロナワクチン接種率(x: 医療従事者 %,y: 高齢者 %)

ラベルの重複処理ができているといえばできているのだけれど,欠落しているといえばそうなわけで,これを解決すると(#でコメントアウトしたcomposeによる方法)見にくくなってしまうので一長一短なのだった。

エビデンスベースの政策立案(EBPM)が鳴り物入りで喧伝されているが,公文書を堂々と改竄・隠蔽して憚らない文化の中で,恣意的なエビデンスのチェリーピッキングが横行することを考えれば,地味でも着実に正規化された標準データを蓄積して情報公開を進めることの方が,つまらないデジタル庁を設けるよりもまず最優先の課題だと思われる。

2021年5月8日土曜日

新型コロナワクチン接種予約(4)

 新型コロナワクチン接種予約(3)からの続き

昨日(5/7),政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は,緊急事態宣言地域の拡大と期間の5/31(月)までの延長,ならびに,蔓延防止等重点措置地域の変更を決定した。そもそも最初の段階で連休末までと設定していたため,休日効果で正確な感染動向も把握できず,こうなることは目に見えていた。戦力の逐次投入や期間の暫時延長の連続が最も駄策なのだ。トップがまともに記者会見で答弁できず,内閣官房のメンバー首相動静で登場する人物達がグズグズなので,状況は悪化の一途をたどる。

菅首相は,ワクチンのみが頼りだと強調しつつ,100万回/日の接種を目指すとした。65歳以上の高齢者(3600万人)と医療従事者(470万人)と15歳未満の子ども(1500万人)を除いた国民の数は約7000万人である。高齢者と医療従事者の接種が7月末までに完了したと仮定して,その後140日で,対象とする国民全体への接種が完了する。つまり2021年12月末には完了というもくろみだ。

EUからは十分なワクチンが供給されている(5/6時点で7200万回が輸出許可済ロイター5/7では2800万回が国内到着済)にもかからわず,接種が進んでいないのはいったいなぜかという疑問が指摘されている。これに関しては,厚生労働省のウェブサイトに新型コロナワクチン供給の見通しが載っている。整理すると,

【第1クール】4/05 の週  100箱(各道府県2箱 東京・神奈川・大阪は4箱)
【第2クール】4/12 の週   500箱(各道府県10箱 東京・神奈川・大阪は20箱)
【第3クール】4/19 の週   500箱(各道府県10箱 東京・神奈川・大阪は20箱)
【第4クール】4/26 の週 1,741箱(全ての市区町村に1箱)
※5/9 までに 4,000箱 = 合計6,814箱 = 6,814 × 195 × 5 =664万回
【第5クール】5/10の週・5/17の週の合計 16,000箱
※第5クール以降では、1バイアルから6回接種が可能な注射器を配布します。
【第6クール】5/24 の週・5/31 の週 13,000 箱+調整枠
【第7クール】6/07 の週・6/14 の週 13,435 箱+調整枠
【第8クール】6/21 の週・6/28 の週13,434 箱+調整枠
※7/4までに 合計 55,869箱 = 55,869 × 195 × 6 = 6,536万回
 ※1-4クール + 5-8クール = 7,200万回 = 3,600万人分

次の4クール(8週)はこれまでの4クール(5週)の10倍量(一日あたりのワクチン接種量で6倍,19万回/日→117万回/日)のワクチンが供給がされるので,これが本当にうまくいけば7月中に 高齢者向け接種が完了するのだが・・・。実際にはこれまでの4クールで22万回(1万回/日)と供給量の1/20しか接種が完了していない(最も多い日でも2万回/日)。


2021年4月29日木曜日

大手町合同庁舎3号館

新型コロナ感染症ワクチンの話。 3600万人の高齢者接種などを進めるために,東京と大阪に1日1万人規模の大規模接種会場を設置するということだ。東京では大手町合同庁舎3号館を予定しているらしい。なんで,新国立競技場じゃないのだろうか。

高齢者分のワクチン接種はまだ100万回しか終了していないので,菅首相のにいうように7月末(当初は6月末といっていた)までに高齢者接種を終わらせるためには,90日で7100万回,全国で約80万回/日の割合で接種を進める必要がある。全国の接種ロジスティックスを1-2%改善すれば大規模接種会場は不要なレベルなので,政治的デモンストレーションのためという感じは否めない。大阪は維新行政がぼろぼろなので,そちらだけはテコ入れする必要があるのかもしれない。

さて,KKRホテル東京の向かいにある大手町合同庁舎3号館は1971年に竣工し,15階(地下1階)のうち現在1フロアだけが使用されていて99%は空いている。廃止された1号館,2号館も含めた建築延床面積が約60,000㎡である。3号館の面積やエレベータの設置基準がよくわからないが,3号館のみでも10基以上のエレベータはありそうだ。

1階を受付にして,2階から10階が接種会場に割り当てられる。10階部分だけで1000人の接種者があるとして,各階専用にエレベータを1台割り当てるとする。密集をさけて2人ずつのせて往復させるならば500往復は必要になる。1往復に1分とすると500分=約8時間なので,朝から夕方までかかる。各フロアの接種・観察時間を30分として,常時60人が各階に滞留する。また1階の総合受付での待機滞留も常時100人規模ということか。


写真:大手町合同庁舎3号館(食べログより引用)




2021年4月27日火曜日

近畿のコロナ

 NHKの新型コロナウイルス特設サイトには都道府県の新規感染数と死亡数の情報が集約されている。csvデータで昨年の1月から現在までの都道府県別の情報をみることができる。これから,近畿2府4県をあわせたコロナ新規感染数と死亡数のデータをグラフにしてみた。

第4波がそろそろピークアウトするのか,あるいは単に検査数が飽和しているだけなのかはこれだけではわからない。いずれにせよ,昨年かなり厳しい措置が出たときと比べると,圧倒的に感染数も死亡数も多いのだけれど,我々の対応はゆるくなっている。

行動変容の呼びかけだけで1年間何も手を講じてこなかった国や多くの都道府県の仕事のつけがいよいよ回ってきた。そして聖火リレーは暴走してパンデミックオリンピックへの扉を開こうとしている。


図 近畿2府4県の新規感染数と累計死亡数の推移


2021年4月23日金曜日

新型コロナワクチン接種予約(3)

 新型コロナワクチン接種予約(2)からの続き

4月12日から始まった全国の高齢者向けワクチン接種は当初の2000人/日から8000人/日の水準に増加したが,まだ全国で4万人しか1回目が終わっていない。優先すべき全国480万人の医療従事者向けは,1回目終了が150万人(31%),2回目終了が80万人(17%)にとどまっている。

さて,天理市の第2回目の予約(1000回分)に滑り込みで間にあったので,自分の集団接種会場(市内に2箇所)での接種予定日は6/5土と6/26土となった。第1回目と合わせて1375人(8%)が6月末にようやく完了の運びとなる。

本日,天理市の第3回コロナワクチン接種(高齢者)のお知らせが来て,第3回の予約受付は4/26月の午前8時半からとのこと。5/10から5/17の週に全国で1万6千箱(1560万回分)が発送される予定だ。単純平均すれば,天理市分は8500人分なので,前回分と合わせて高齢者の6割がカバーされる。ただし,これらが接種完了するのは7月末までかかる。この調子なら,高齢者接種は秋,さらに一般分の接種が行き渡るには来年度まで待つのだろうか。

(1) コールセンターの電話受付は,曜日ごとに年齢指定されるようになった。

(2) 第2回目の接種は自動的に接種1回目と同会場,3週間後の同時刻に割り当てられるようになった。

大阪などでは,まだワクチン接種予約案内すら送られていないとのことで,天理市のスムーズな対応はありがたい。

2021年4月16日金曜日

新型コロナワクチン接種予約(2)

 新型コロナワクチン接種予約(1)からの続き

天理市では,4月中の高齢者向けワクチン接種数は375名であり,4/12から4/30の19日間に,2箇所の集団接種会場が設けられて実施される。平均約20名/日である。

奈良県の資料によれば,高齢者向けのファイザーのワクチンの第1クールでは,全国100箱のうち奈良県には2箱届いている。1箱には冷凍された195バイアルが入っており,解凍して希釈した1バイアルからは5-6回分の摂取ができる。したがって,奈良県の第1クールでは,2000回分のワクチンが届いている。

全国ではその50倍で10万回分であり,これを4月12日から接種開始するならば,全国の高齢者向けワクチンの1日平均の接種数は約5000回となるはずだ。ところが,首相官邸のコロナワクチンのページでは,4/12から4/15までの4日間でほぼ毎日1600回となっていた。大丈夫か。

そもそも,全国470万人の医療従事者への接種が185万回(1/5)しか済んでいないのに,アリバイ的に高齢者向け接種を始めたところに問題がある。これからは接種回数が加速するとはいえ,とても6月中に医療従事者と高齢者の接種が終わりそうにないのだけれど。

[1]新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種について(奈良県医療審議会報告資料)

[2]新型コロナワクチン(首相官邸)

[3]新型コロナワクチンの接種実績(厚生労働省)

2021年4月5日月曜日

新型コロナワクチン接種予約(1)

天理市の新型コロナワクチン接種【高齢者】の第2回目(4/26-5/16,1000名分)の予約が4月5日の午前8時半から始まるというチラシが入っていた。第1回目(4/12-4/30,375名分)は3月29日に受付開始してすぐにいっぱいになったらしい。第1回目に予約サイトにアクセスしたが,そもそも登録ができずに終わってしまった。

天理市の人口は6万4千人あまり,その1/4の1万6千人が65歳以上の高齢者である。この調子で1ヶ月1000人のペースで接種していたら,高齢者だけで1年半かかってしまう計算なんですが。そもそも医療関係者などの接種は全員終わったのだろうか。

受付開始から1時間以上たっていたが,今日はどうかと試してみると辛うじて6月の予約を取ることができた。ただし,予約システム(複数の市町村に提供されているものらしい)のユーザインタフェース設計はあまりよくなかった。
予約方法
【接種会場を選択】ボタンを押して、接種会場を選んでください。
【接種日時を選択】ボタンを押して、予約日時を選んでください。
【予約登録に進む】ボタンを押して、予約を確定してください。
予約完了画面で予約票をダウンロードしてください。

となっているが,1回目と2回目がほぼ独立になっていて,3週間空けるはずの2回目の登録で混乱してしまい3週間後の日程が見当たらず,1回目の登録をキャンセルする羽目に落ち入ってしまった。予約票のダウンロードも1回だけできたが再出力できなかった。意味がよくわからないデジタル庁を作るとこのような混乱にさらに拍車をかけそうで怖い。