2025年1月21日火曜日

立体と内接球(2)

立体と内接球(1)からの続き

具体例として,辺の長さが a の正 n 角形を底面とし,頂点から底面への辺の長さが b である正 n 角錐に内接する半径 r の球の問題を考えてみた。共に正 n 角錐の高さは$\displaystyle \sqrt{b^2-\Bigl( \dfrac{a}{2 \sin(\pi/n)}\Bigr)^2}$となる。図ではN=3の奇数角形とN=4の偶数角形の例で示している。



図:正n角錐と内接する球の側面図と平面図

上図から明らかなように,△DOF あるいは △GOKにおけるピタゴラスの定理から,nが偶数でも奇数でも共通の r に対する条件式が得られる。
すなわち,
$\displaystyle  \Bigl\{\sqrt{b^2-a^2/4}-\dfrac{a}{2\tan(\pi/n)} \Bigr\}^2+r^2 = \Bigl\{ \sqrt{b^2-a^2/4\sin^2(\pi/n)} - r \Bigr\}^2 $
これから,
$\displaystyle r(b) = \dfrac{a/(2 \tan(\pi/n)) \sqrt{b^2-a^2/4} - a^2/(4 \tan^2(\pi/n))}{\sqrt{b^2-a^2/(4\sin^2 \pi/n)}}$
さらに,球の体積の多角錐の体積に対する比率を最大化する$b$を求めると,
$ \dfrac{d}{db} \Bigl\{ r(b)^3/\sqrt{b^2- \frac{a^2}{4 \sin ^2(\pi/n)}} \Bigr\} = 0$
を解いて,
$\displaystyle b = \dfrac{a}{2 \sin(\pi/n)} \sqrt{5+4 \cos(2\pi / n)}$
となる。
そこで,$n=3,4,6$に対して,$b=a, \sqrt{\frac{5}{2}} a, \sqrt{7} a$,$r=\sqrt{\frac{1}{24}}a , \sqrt{\frac{1}{8}}a, \sqrt{\frac{3}{8}}a$ が得られる。

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