2025年1月28日火曜日

新しい読書体験

 kindle unlimitedからの続き

人が本を読む速度は,1p/分のオーダーである。一日の読書時間は人によってマチマチだけれど,0〜10^3分の間には収まるはずだ。平均的な人の上限として100分を採用すると1日に読めるのは高々100pということになる。これが1年では3.6万pとなり,一生では300万ページになる。これが多くの人の読書量の上限だ。

本の平均ページ数を150ページだとすれば(Perplexity Proによれば250ページらしいが),普通の人は一生で最大2万冊までの本を読めることになる。たぶん実際には,その何割かということだろう。場合によってはもっとずっと少ないかもしれないし,積ん読本やチラミ本を含めればその程度になるかもしれない。

数学や物理の本は数ヶ月で1冊しか読めないだろうし,コミックや絵本ならば,一週間で100冊くらいクリアできるかもしれない。そんなわけで,2万冊というフェルミ推定は妥当なような微妙なような。いずれにしても,それからすると12万冊という kindle unlimited やaudible はそれなりに広い空間になる。


ところで,ChatGPTなどの生成AIを用いると,大量の文章のダイジェストを簡単に作成することができる。場合によっては,特徴のある部分を抽出したり,加工したり,深掘りしたりも可能だろう。これまでの直接の読書体験とは異なった超高速な間接的な読書体験ができる。

いや,単なるあらすじや概要だと,精妙な文学的表現や時間をともなった展開からくる効果をうまく受取ることはできないだろうから,ノウハウ本や知識伝達本以外では,この間接的読書体験は意味がないのかもしれない。audibleも元になるテキストさえ与えれば,任意の音声で実現されることになる。

そもそもあらすじだけだと心には残らないだろう。ところが,これを映像化作品として観賞するとどうだろうか。audibleで数百時間かかる物語の原作から数時間に圧縮した脚本を作成して仮想俳優による実写映画化する生成AIができれば,どうだろう。でもそれはもう読書とは言わないわな。



図:これ1万冊以上あると思いますが・・・(DALL-E3のイメージ)

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