日の出から日没までの昼時間の一年における変化は,三角関数になっているはずだと思い込んでいた。秋分から冬至にかけての位相はπ//2で立冬がπ/4だ。そうならば今ごろの日の出時間は午前6時(秋分)と午前7時(当時)の間の1/√2の午前6時40分ごろになるはずだが,実際には午前6時20分ごろ。もしかして,三角関数ではない?
小学校のころ緯度と太陽高度の関係ははさんざん勉強したはずだ。小学校5年生の理科では,春夏秋冬の良く晴れた一日が太陽高度の観察日にあてられた。授業中でも1時間毎に運動場に出て,画用紙をおいた画板に立てた棒の影の長さを記録するのだ。それでも昼の時間が1年でどう変わるかの定量的議論には至らなかった。小学生には計算できません。
図:昼夜時間計算のための座標
地球の自転軸をz軸とするxyz座標系を考える。x軸ϕ方向すなわちs=(cosϕ,0,sinϕ)xyzから太陽光線がくるものとする。ただし,公転面に対する自転軸の傾きϕ0=23.4∘として,−ϕ0≤ϕ≤ϕ0の範囲で振れることになる。
この角度ϕは,地球の公転面をXY平面とした座標系において,自転軸の方向ベクトルa=(sinϕ0,0,cosϕ0)XYZと,太陽から見た公転軌道上の地球への方向ベクトルt=(cosτ,sinτ,0)XYZの内積の角度をπ/2から引いたものになる。つまり,sinϕ=sinϕ0cosτとなる。
昼夜時間を求めるために,半径を1とした地球のxyz座標系で考える。
太陽入射光線の方向ベクトルs=(cosϕ,0,sinϕ)に垂直な平面と地表面が交わる大円を考えると,大円上の点(x,y,z)はxcosϕ+zsinϕ=0を満たす。なお,この大円よりx軸負方向側が夜である。
緯度θの観測点は,z=sinθなので,x2+y2=cosθ2の小円上にある。さきほどの大円との交点が昼夜分界点となるので,これらの連立方程式を解いて,(xb,yb)を求めればよい。その結果,xb=−tanϕsinθ, yb=±√cos2θ−tan2ϕsin2θ となる。
昼夜分境界点までの角度αは,tanα=xbyb=tanϕtanθ√1−tan2ϕtan2θ となる。
αはラジアン単位なので,α⋅180πで度になおし,さらに 24360をかけて,α⋅12πが時間単位の値だ。この2倍が12時間からの夜時間の余剰部分に相当する。
これから夜時間の長さは,T=12{1−2πtan−1(tanϕtanθ√1−tan2ϕtan2θ )}で与えられる。
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