芥川龍之介が「蜘蛛の糸」を発表して百年。高二の秋の文化祭,クラスの仮装行列のテーマが 蜘蛛の糸だった。お釈迦様の極楽タワーの竹を近所から切り出し,地獄の焔と煙の絵を描いた。犍陀多に続いて蜘蛛の糸(登山部の赤いザイル)に群がる地獄の亡者だったころ。
2022年11月8日火曜日
世阿弥の佐渡状
2022年11月7日月曜日
NARASIA
2022年11月6日日曜日
質量とは何か
2022年11月5日土曜日
戦争と人間(3)
2022年11月4日金曜日
弾道ミサイルの軌道(4)
北朝鮮は本日7時台から8時台にかけ,ICBM級の可能性があるものも含め,少なくとも3発の弾道ミサイルを,東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが,落下したのはいずれも我が国の排他的経済水域(EEZ)外であり,飛翔距離等については以下の通りと推定しています。① 7時39分頃,北朝鮮西岸付近から発射し,最高高度約2000 km程度で,約750 km程度飛翔し,朝鮮半島東側の日本海に落下。当該ミサイルはICBM級の可能性があります。② 8時39分頃,北朝鮮内陸部から発射し,最高高度約50 km程度で,約350 km程度飛翔し,朝鮮半島東岸付近に落下。③ 8時48分頃,北朝鮮内陸部から発射し,最高高度約50 km程度で,約350 km程度飛翔し,朝鮮半島東岸付近に落下。なお,日本列島を超えて飛翔する可能性があると探知したものについては,その後,当該情報を確認したところ,探知したものは日本列島を超えず,日本海上空にてレーダーから消失したことが確認されました。
実際に弾道ミサイルの飛来を探知した場合は,まず航空総隊/BMD統合任務部隊にデータが送信され,防衛省を経て内閣総理大臣および各省庁にデータが送られる。総務省は,全国瞬時警報システム(J-アラート)を通じてマスメディアや地方公共団体に警報を伝達する。国民には,報道や防災無線を通じて屋内退避などの自己防衛が指示される(Wikipedia J/FPS-5から引用)。
2022年11月3日木曜日
團十郎への道
2022年11月2日水曜日
戦争と人間(2)
2022年11月1日火曜日
戦争と人間(1)
2022年10月31日月曜日
門の会
阪大マンドリンクラブの歴史 (注:昭和41年〜昭和52年まで)
S. 41. 1 松本守氏 阪大マンドリンクラブを創設・・・(中略)S. 47. 1 部長 塚本氏→西村氏教養部 スト突入4 高松にて合宿 合宿中流れたはずの後期試験がありとの報にあわてて帰阪するも試験は流れる5 箕面帝釈寺にて新入生歓迎合宿はじめて外国人留学生入部和歌山での選曲をめぐってビートルズ派とオリジナル派論争7 和歌山特別演奏会司会者のうまさか,とにかく部員と観客が一体となって演奏を楽しんだ8 信州黒岩にて合宿山の上の池で泳ぐ 合宿でもハイキング恒例化 はじめて酒が入る(コンパ以外で)S. 47.12 第4回定期演奏会そのまま泊まり込みコンパへへ突入S. 48. 1 部長西村氏→徳井氏大量留年時代に入る4 土庄(小豆島)にて春合宿 自動車(若者)バス(幼児)自転車組(老人)と分かれて小豆島を動きまわる銀杏祭に出演し大好評…酒を飲んで演奏した人がいたとか…7 九重高原にて夏合宿 寒さのためカゼ大流行ハイキングの帰り人と車の競争…人が勝つ10 服部緑地YHにて合宿11 第5回定期演奏会S. 49. 1 部長 徳井氏→井元氏3 加古川演奏会に向けて加古川へ数十回でかける(車の所有者ガソリン代に泣く 有留も泣く)小豆島にて4度めの春合宿5 加古川特別演奏会(会場前から長蛇の列,マンドリンの人気に一同驚くやら喜ぶやら)教養部スト突入 麻雀大流行S. 49. 8 白馬大池(信州)にて夏合宿11 びわこ青少年の家にて強化合宿第6回定期演奏会S. 50. 1 部長 井元氏→土岐氏・・・6 奈良特別演奏会・・・(以下略)第4回定期演奏会 1972.12プロバンズ序曲・森の写影・海の悲劇LP「ABBY ROAD」より・カストリュークの歌・海に来たれメリアの平原にて・マッサリア・劇的序楽第5回定期演奏会 1973.11青春の思い出・夜想的間奏曲・情熱的組曲夢うつつ・過去への憧れ管弦楽組曲第2番序曲小英雄・マルネリラ・序曲ニ短調第6回定期演奏会 1974.11バートバカラック特集祝典輪舞曲序曲5番ハ長調祈り・イタリアの覚醒・恵まれた結婚
2022年10月30日日曜日
待兼山俳句会
二〇〇一年,(株)博報堂の社内俳句会「源八句会」に参加。二〇〇六年,待兼山俳句会に投句を始め,現在に至る。「雲」同人,俳人協会会員。著書に「たのしい回文」「笑う回文教室」(創元社)
瀬戸さんは 基礎工学部の情報工学科を卒業したのだけれど,本人もおっしゃっているように,文科系人間,言葉の人だったのだ。これにビートルズマニアが加わっている。 それは広告会社博報堂にぴったりの人材だった。
待兼山俳句会の会員は,ほとんど高齢者なのだけれど,つらつらと眺めていると向井邦夫先生の名前があった。大阪教育大学でフランス語を教えており,瀬戸さんより10歳年上だ。阪大の文学部・大学院を修了されている。フランス語の先生といえば,なんだか近寄りがたい人が多かったので,在職時代に向井先生とお話したことはなかった。
P. S. 半導体の大塚穎三先生や元総長の平野俊夫先生のお名前もあった。「待兼山」第4集に寄稿された会員の年齢構成は60代以下が2名,70代が8名,80代が19名,90代が6名だ。出身学部等は,文学部11名,薬学部6名,浪高6名などとなっていた。
[1]せとちとせ(Instagram)
2022年10月29日土曜日
せとちとせ(2)
2022年10月28日金曜日
キュリー夫人
2022年10月27日木曜日
ドーナツ地球(3)
m = 1000000; R = 2.0; r = 1.0;t = Table[{RandomReal[{-3, 3}], RandomReal[{-3, 3}],RandomReal[{-3, 3}]}, m];(* s = Select[t,(#[[1]]^2+#[[2]]^2+#[[3]]^2)<1 &]; *)s = Select[t, ((Sqrt[#[[1]]^2 + #[[2]]^2] - R)^2 + #[[3]]^2) < 1 &];smax = Length[s]n[w_] := 1/Sqrt[w[[1]]^2 + w[[2]]^2 + w[[3]]^2 + 1/smax]ListPointPlot3D[s, BoxRatios -> Automatic]
p = {4 - z, 0, 0};d = Table[p - s[[i]], {i, 1, smax}];w = 1/smax*Sum[n[d[[k]]], {k, 1, smax}];v[z_] := wg[1] = Plot[v[z], {z, 0, 8}]
p = {0, 0, z - 4};d = Table[p - s[[i]], {i, 1, smax}];w = 1/smax*Sum[n[d[[k]]], {k, 1, smax}];v[z_] := wg[2] = Plot[v[z], {z, 0, 8}]
2022年10月26日水曜日
ドーナツ地球(2)
v = Table[{2 r Cos[Pi/6 i], 2 r Sin[Pi/6 i], 0}, {i, 1, 12}];d = Table[{2 r + r Cos[t], 0, r Sin[t]} - v[[i]], {i, 1, 12}];n[w_] := w/Sqrt[w[[1]]^2 + w[[2]]^2 + w[[3]]^2]m[i_] := (1 + Mod[i + 1, 2])/2f = Sum[n[d[[i]]]*m[i], {i, 1, 12}];g[t_] := f /. r -> 1.0Plot[g[t], {t, 0, Pi}]Plot[{Sqrt[g[t][[1]]^2 + g[t][[3]]^2],180/Pi*ArcTan[g[t][[3]]/g[t][[1]]]}, {t, 0, Pi}];vp = Table[{{Cos[t], Sin[t]}, {-g[t][[1]], -g[t][[3]]}},{t, 0., Pi, Pi/30}];g1 = ListVectorPlot[vp, AspectRatio -> 0.5];g2 = Graphics[{White, Disk[{0, -0.05}, 0.95, {0, Pi}]}];Show[g1, g2]
2022年10月25日火曜日
ドーナツ地球(1)
2022年10月24日月曜日
ウィーンの変位則
2022年10月23日日曜日
宗教法人法
第一章 総則(この法律の目的)第一条 この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。2 憲法で保障された信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。従つて、この法律のいかなる規定も、個人、集団又は団体が、その保障された自由に基いて、教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。(宗教団体の定義)第二条 この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体(法人格)第四条 宗教団体は、この法律により、法人となることができる。2 この法律において「宗教法人」とは、この法律により法人となつた宗教団体をいう。(公益事業その他の事業)第六条 宗教法人は、公益事業を行うことができる。2 宗教法人は、その目的に反しない限り、公益事業以外の事業を行うことができる。この場合において、収益を生じたときは、これを当該宗教法人、当該宗教法人を包括する宗教団体又は当該宗教法人が援助する宗教法人若しくは公益事業のために使用しなければならない。第六章 解散(解散の事由)第四十三条 宗教法人は、任意に解散することができる。2 宗教法人は、前項の場合のほか、次に掲げる事由によつて解散する。
五 第八十一条第一項の規定による裁判所の解散命令
第八章 宗教法人審議会(設置及び所掌事務)第七十一条 文部科学省に宗教法人審議会を置く。2 宗教法人審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。3 宗教法人審議会は、所轄庁がこの法律の規定による権限(前項に規定する事項に係るものに限る。)を行使するに際し留意すべき事項に関し、文部科学大臣に意見を述べることができる。4 宗教法人審議会は、宗教団体における信仰、規律、慣習等宗教上の事項について、いかなる形においても調停し、又は干渉してはならない。第九章 補則(報告及び質問)第七十八条の二 所轄庁は、宗教法人について次の各号の一に該当する疑いがあると認めるときは、この法律を施行するため必要な限度において、当該宗教法人の業務又は事業の管理運営に関する事項に関し、当該宗教法人に対し報告を求め、又は当該職員に当該宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者に対し質問させることができる。この場合において、当該職員が質問するために当該宗教法人の施設に立ち入るときは、当該宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者の同意を得なければならない。一 当該宗教法人が行う公益事業以外の事業について第六条第二項の規定に違反する事実があること。・・・三 当該宗教法人について第八十一条第一項第一号から第四号までの一に該当する事由があること。2 前項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させようとする場合においては、所轄庁は、当該所轄庁が文部科学大臣であるときはあらかじめ宗教法人審議会に諮問してその意見を聞き、当該所轄庁が都道府県知事であるときはあらかじめ文部科学大臣を通じて宗教法人審議会の意見を聞かなければならない。3 前項の場合においては、文部科学大臣は、報告を求め、又は当該職員に質問させる事項及び理由を宗教法人審議会に示して、その意見を聞かなければならない。4 所轄庁は、第一項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させる場合には、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。5 第一項の規定により質問する当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者に提示しなければならない。6 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。(解散命令)第八十一条 裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。一 法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。二 第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。・・・3 第一項の規定による裁判には、理由を付さなければならない。4 裁判所は、第一項の規定による裁判をするときは、あらかじめ当該宗教法人の代表役員若しくはその代務者又は当該宗教法人の代理人及び同項の規定による裁判の請求をした所轄庁、利害関係人又は検察官の陳述を求めなければならない。5 第一項の規定による裁判に対しては、当該宗教法人又は同項の規定による裁判の請求をした所轄庁、利害関係人若しくは検察官に限り、即時抗告をすることができる。この場合において、当該即時抗告が当該宗教法人の解散を命ずる裁判に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。6 裁判所は、第一項の規定による裁判が確定したときは、その解散した宗教法人の主たる事務所の所在地の登記所に解散の登記の嘱託をしなければならない。
2022年10月22日土曜日
カーリングの原理(5)
カーリングの原理(4)からの続き
村田次郎さんの結論を整理すると次のように理解できる。
広義の摩擦力は,速度方向と逆向きに働く動摩擦力と,衝突/固着点の回りに働く旋回力から成り立つ。その向きは図のように表わされる。衝突/固着の瞬間の撃力の寄与を除く旋回力はストーンの中心から衝突/固着点までの位置ベクトルと同じ向きになり,動摩擦力は進行方向の速度ベクトル$\bm{u}$と回転方向の速度ベクトル$\bm{w}$を合成したものと逆方向になる。
これらの力をリング上で平均すれば対称性によっていずれの場合もその合力は0になる。ところで,y軸の正負の領域間でアイスシートに対するストーンの速度に非対称性がある。上半面の速度$v_{-}$は下半面の速度$v_{+}$より小さくなる。旋回力と動摩擦力はともに速度が遅い方が大きいとする。これによって,旋回力では,ストーンの自転方向にカールする力の成分が残るが,同摩擦力では,打ち消し合いが依然として生ずることになる。
$y$軸方向の力を打ち消しあうペアが,同じ速度領域なのか異なった速度領域なのかがポイントだということになる。
(付)旋回力の図で,中心に示した矢印は衝突/固着時の撃力による重心の運動量変化に対応する力を現したものである。この項も,速度の非対称性の有無にかかわらず,キャンセルする項になっている。
付録(TikZでの変数や反復の方法について少しだけ勉強した):
\begin{tikzpicture}\tikzstyle{every node}=[font = \large];
\draw[step=1.0, dotted] (-7.5,-3.5) grid (7.5,3.5);
\draw[->] (-7.5,0) -- (-0.5,0) node[below left]{$x$};
\draw[->] ( 0.5,0) -- ( 7.5,0) node[below left]{$x$};
\draw[->] (-4,-2.5) -- (-4,2.5) node[left]{$y$};
\draw[->] ( 4,-2.5) -- ( 4,2.5) node[left]{$y$};
\draw (-4,0) circle(2) circle(1pt) node[below left]{${\rm O}_1$};
\draw ( 4,0) circle(2) circle(1pt) node[below left]{${\rm O}_2$};
\draw[<- br="" gray="" thick="" ultra=""> \node at (-3,0) [above right]{$u$};
\node at (-4,-3) [red, above]{旋回力の方向};
\draw[->, thick, gray] (-4,-0.5) arc [start angle=-90, end angle=90, radius=0.5] node[left]{$w$};
\draw[<- 4="" 5="" br="" gray="" thick="" ultra=""> \node at (5, 0) [above right]{$u$};
\node at (4,-3) [blue, above]{動摩擦力の方向};
\draw[->, thick, gray] ( 4,-0.5) arc [start angle=-90, end angle=90, radius=0.5] node[left]{$w$};
\draw[dashed, blue] (6,1.4)--(2,1.4);
\draw[dashed, blue] (6,-1.4)--(2,-1.4);
\draw[dashed, red] (-5.4,-2)--(-5.4,2);
\draw[dashed, red] (-2.6,-2)--(-2.6,2);
\node[purple] at (-3.3, 0.5) {2,4};
\node[purple] at (-3.3,-0.5) {1,3};
\foreach \t/\s/\r/\d\q in {1/10/-1/0/{-}, 3/5/0/0/{-}, 5/-5/0/0.4/{+}, 7/-10/-1/-0.4/{+}}
{
\tikzmath{
integer \n, \m;
\n = (\t+1)/2; \m=abs(4-\t)-2;
\x1 = -4+2*cos(\t*45); \y1 = 2*sin(\t*45);
\u1 = -4+2.5*cos(\t*45); \v1 = 2.5*sin(\t*45);
\w1 = -4+1.5*cos(\t*45); \z1 = 1.5*sin(\t*45);
\x2 = 4+2*cos(\t*45); \y2 = 2*sin(\t*45);
\u2 = 4+(2.5+\r)*cos(\t*45+\s); \v2 = (2.5+\r)*sin(\t*45+\s);
\w2 = 4+1.5*cos(\t*45); \z2 = 1.5*sin(\t*45);
}
\filldraw[red] (\x1,\y1) circle(2pt) (\w1,\z1) node{$\n\ v_\q$};
\draw[->, thick, red] (\x1,\y1)--(\u1,\v1);
\draw[->, thick, purple] (-4,0)--({\m*(\u1-\x1)-4},{\m*(\v1-\y1)});
\filldraw[blue] (\x2,\y2) circle(2pt) (\w2,\z2) node{$\n\ v_\q$};
\draw[->, thick, blue] (\x2,\y2)--(\u2,{\v2+\d});
}
\end{tikzpicture}
->->
2022年10月21日金曜日
カーリングの原理(4)
カーリングの原理(3)からの続き
問題を現象論的な微分方程式で扱えれば簡単なのだが,動摩擦力だけではカールがうまく説明できない。もちろん,進行方向前後で動摩擦係数が異なり,進行方向後部の摩擦が大きいとすればよいのだけれど,物理的な理由づけが難しい。
村田さんの精密実験の結論は「摩擦=微小な衝突の重ね合わせとして,離散的な摩擦支点中心の旋回が,左右非対称な頻度で起こる」というもので「従来の左右非対称摩擦説を支持するものであった」とまとめられている。
実験データの分析や結論は問題ないが,最後のまとめ方がちょっと納得できない。というのも普通の動摩擦力であれば,物体の速度と逆方向に働くのだけれど,摩擦支点中心の旋回力=動摩擦力(旋回)の向きは通常の動摩擦力(並進)とは異なる。もちろん広義の摩擦ということではくくることはできるだろうが,現象論的には動摩擦力(並進)および動摩擦力(旋回)として区別して取り扱う方がよいと考えられる。
そこで,$x$軸方向に速度$u$で進む質量$M$,半径$R$の環状ストーンモデルを考える。このリングの進行方向から$\theta$の部分とアイスシートの間に衝突/固着点 P が生じ,これを中心に重心が角速度$\Omega$で旋回運動を始めた場合の旋回力の大きさと方向を求めてみる。
衝突/固着点Pで働く抗力はこの点の回りの角運動量に寄与しないので,点Pの回りの衝突/固着前後の角運動量が保存される。ただしリングの重心の回りの自転角速度は小さいのでその寄与は無視した。保存される角運動量は,$L= M u R \sin \theta = I_{\rm P} \Omega = 2MR^2 \Omega$である。したがって,$\Omega = \frac{u \sin \theta}{2R}$となる。ここで,$I_{\rm P}= 2MR^2 \ $はP点の回りのリングの慣性能率である。
衝突/固着後に重心は運動量$\ \bm{p}=M\bm{V}=M R\Omega(\sin\theta, -\cos \theta)\ $で動き出す。なお,運動量の大きさは$\ p=MR\Omega\ $である。微小時間$\Delta t$の後,重心は$\ \Omega \Delta t\ $だけ反時計回りに回転し,これにともなって,運動量ベクトルは$\ \Delta {\bm p}=p \Omega \Delta t (\cos\theta, \sin\theta) = M R \Omega ^2 \Delta t (\cos\theta, \sin\theta)\ $だけ変化する。
したがって,衝突/固着時の旋回力は $\bm{F}=\dfrac{\Delta {\bm p}}{\Delta t} = M R \Omega^2 (\cos\theta, \sin \theta) = M \frac{u^2 \sin^2\theta}{4R} (\cos\theta, \sin\theta)\ $である。これについても,幾何学的な対称性によって,このまま一様に角度平均をとればその寄与は0になってしまい,ストーンのカールの原因にはなれない。
そこで,衝突/固着の確率がアイスシートに対する衝突/固着点Pの速度$v(\theta)$に逆比例すると考え,無次元化した$\frac{u}{v(\theta)}$をかける。つまり,旋回力$\ \bm{F}=M \frac{u^3 \sin^2\theta}{4R v(t)} (\cos\theta, \sin\theta)\ $を導入すれば,リングの回転方向にカールすることが説明できることになる。
前回と同様に,Mathematicaで試してみると次のようになる。
mg\[Mu] = 2; mcl = 1; ux = 1; uy = 0; w = 0.1; r = 0.1; q = 0.944;v[t_] := Sqrt[w^2 - 2*w *(ux*Sin[t] - uy*Cos[t]) + ux^2 + uy^2]
k[t_] := mg\[Mu]/v[t]^1.5 *(1 - q*Cos[t])
F[t_] := -k[t]*{ ux - w * Sin[t], uy + w*Cos[t]}
G[t_] := mcl ux^3/(4 r*v[t])*Sin[t]^3
T[t_] := -r * k[t]*(w + uy*Cos[t] - ux* Sin[t])
Plot[{v[t], F[t], G[t]}, {t, 0, 2 Pi}, PlotRange -> {-3, 3}]
NIntegrate[{F[t], G[t]}, {t, 0, 2 Pi}]
{{-12.5427, 0.592575}, 0.592504}
2022年10月20日木曜日
カーリングの原理(3)
mg\[Mu] = 2; ux = 1; uy = 0.00; w = 0.1; r = 0.1; q=0.0;
v[t_] := Sqrt[w^2 - 2*w*(ux*Sin[t] - uy*Cos[t]) + ux^2 + uy^2]
k[t_] := mg\[Mu]/v[t]^1.5 *(1 - q*Cos[t])
F[t_] := -k[t]*{ux - w*Sin[t], uy + w*Cos[t]}
T[t_] := -r * k[t] * (w + uy*Cos[t] - ux*Sin[t])
Plot[{v[t], F[t], T[t]}, {t, 0, 2 Pi}, PlotRange -> {-3, 3}]
NIntegrate[{F[t], T[t]}, {t, 0, 2 Pi}]
6.烏兎匆匆 7.籠鳥檻猿 8.鶏群一鶴 9.鱸膾蓴羮 10.鯨飲馬食