第一部「運命の序曲」が1970年,第二部「愛と悲しみの山河」が1971年,第三部「完結編」が1973年の公開で,高校生か大学生のときに映画館で一通り見ている。日清・日露戦争の後,中国大陸に進出した日本が侵略戦争をはじめる満州事変前夜の1928年の張作霖爆殺事件から太平洋戦争に至る前の1939年のノモンハン事件まで10年余りを描いたものだ。
日本を代表する俳優陣が数多出ているため,タイトルバックの俳優名は男女別アイウエオ順で100名近くの名前があった。50年前の映画なので既に物故している方も多い。一番印象的なのは伍代財閥の満州における権益を握っていた伍代喬介役の芦田伸介(1917-1999)だった。それに比べると高橋英樹も高橋悦史も高橋幸治もチンピラのようなものだ。まだ若い岸田今日子(1930-2006)がいい味を出している。
もう少し内省的で暗い感じだと想像していた石原莞爾のイメージにカリスマは感じられず,ちょっと違っているような気がする。
記憶の中では,モノクロームの映像でノモンハンの平原を北大路欣也の伍代俊介がボロボロになりながら歩いているのだった。そこに娼婦に身を落とした女性が待っているというシーンがくる。その女性が浅丘ルリ子だと話の辻褄が合わないので,どういうことなのかと思ったが,夏純子だったので納得がいった。ただ,記憶していたモノクロシーンではなかった。
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