インタビューの応答も含めて,どうも当代の市川團十郎は苦手なタイプだ。息子も同様になりそう。先代の市川團十郎は海老蔵という名前で記憶にインプットされているのだが,こちらもちょっとだった。そもそも歌舞伎を始めて見たのは,文楽を見るようになってからなので,團十郎といわれてもいまひとつその重要性がピンと来ない。
歌舞伎役者といえば,テレビにでてくる尾上松緑(二代目)とか尾上菊之助(四代目),舞台に出てくる松本幸四郎(九代目),あるいは映画に出てくる中村鴈治郎(二代目)の印象があるくらいだった。
さて,その1985年のNHK特集では竹本住大夫(1924-2018)を襲名する直前の竹本文字大夫が,浄瑠璃(弁慶)を襲名前の市川海老蔵(10代目)に指導するシーンがかなり長い時間を割いて取り上げられていた。この22歳年上の住大夫の指導はなかなかに厳しいのである。もちろん,弟子の文字久大夫への指導の場合とは比べものにはならないが,声が腹から出ない海老蔵は汗だくになりながらダメ出しされ続けるのだった。
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