手帳を使い始めたのは,中学校のころだ。父が,北國銀行の古い手帳の残部をくれることがあって,なんとなく持ち歩いていた。手帳というのは,自分が必要とする知識をコンパクトに収めて携帯するものだと認識していた。田舎の中学生に行事や業務の予定はない。
理科の図鑑を沢山読んでいた小学校低学年のころ,宇宙の重要なデータを小さな紙に書きまとめ持ち歩いていたことがある。最も重要だと考えたのが光の速度で,1秒間に30万km,2秒で60万km など,かけ算のテーブルよろしく表にしていた。他に何を記載していたかよく憶えていないが,太陽や月や惑星のデータだったかもしれない。まあ,こども理科年表ですね。
理科で月を扱う単元の最初の時間(小学校2年),「月について知っていることはありますか」との先生の発問に,ハイハイハイと大きな声いっぱいに手を上げて無事あてられたものの,「月は地球の衛星で・・・」と頭でっかちの思いばかり先走り,その後の言葉が続かなかった。
高校時代,米島君に北國銀行の手帳を見せて自慢していたら,彼は,タナベ経営のブルーダイアリーをどこからか探し出してきた。確かにそちらの方がスマートで機能的だった。自分でこのブルーダイアリー・ジュニアを毎年買うようになったのは大学に入ってからだろうか。それ以来50年は使っていることになる。手元の引き出しには1990年からの30年分が置いてある。
ブルーダイアリーはその後,行事予定記録帳やパスワードメモ帳として活用されるのだが,定年前後から書くべき予定もなくなってしまい,アイディア計算ノートに変貌してしまった。それでも毎年購入していないと落ち着かない。
阪急百貨店のこじゃれた文房具コーナーで探すものの,高橋書店の手帳や能率手帳しか置いていない。しかたなく,紀伊国屋書店までひとっ走りしたのだが,ここも高橋書店やモレスキンやシステム手帳に占領されている。店員さんに尋ねて探し回った結果,ようやく隅の方に埋もれていたブルーダイアリー・ジュニアが発掘された。
ネットで検索してみると,タナベコンサルティングのブルーダイアリーは店頭販売から撤退してネット販売だけになっていた。ようやく買い求めることができた2023年のブルーダイアリーは外装がシックな紺の網目に変更されていた。手書きの手帳はいつまで続くことだろう。
写真:外装が濃青から紺に変更されたブルーダイアリー・ジュニア
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