大学4年間はこれですんだが,修士課程に進学すると年9.6万円,博士課程では年14.4万円と急速に着実に授業料は上昇を続けた。1960年代の高度経済成長が終わり,1973-4年のオイルショックを経て,不景気モードの中で私立大学との格差を解消するというような名目の政策が進められた。
今では,国立大学の授業料は年53.6万円に達しているが,このところはデフレの影響で高止まりしたままになっていた(2005年度から上昇していない)。それが再び話題になり始めた。
1.3月27日,中央教育審議会・高等教育の在り方に関する特別部会で,慶応義塾塾長の伊藤公平(物理屋だったのか・・・伊藤忠兵衛の来孫か・・・)が,国立大学の授業料を150万円にという,国立・公立・私立大学の協調と競争を促す学納金体系を提案したことが発端だ(2月27日にも発言している)。これが,5月に入ってマスコミに取上げられたことで波紋を広げた。
2.5月8日,NHKが東京大学が授業料を10万円程度引き上げることを検討していると報道。国立大学の授業料は,文部科学省の国立大学等の授業料その他の費用に関する省令によって,標準額の120%までの増額が各大学の判断で可能になっている。既に,東京芸術大学,東京医科歯科大学,東京工業大学が120%の年64.3万円なので,これに続くということか。
3.5月16日,自民党の政務調査会の一つ,教育・人材力強化調査会(会長:柴山昌彦,他に櫻田義孝,義家弘介,片山さつき等・・・orz)が,国立大学は競争力強化へ適正な授業料を聴取すべきだとの提言をまとめた。慶応の伊藤塾長の発言に呼応したものだろう。
奨学金という名前の学生ローンシステムをそのままにして,窮乏する国家における格差拡大路線まっしぐらという感じか。
図:国立大学と私立大学の授業料の推移
自分が学生の時は,授業料が相対的に最も安い時期だったことがわかる。伊藤公平の議論は全体としておもしろいところもあるけれど,いつものように単に学費値上げだけが実現されて悲しい結果になるのが火を見るより明らか。
[1]国立大を「授業料値上げ」に追い込んだ「真犯人」(古川雄嗣)
[2]国立大学12の真実(東京大学)
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