太陽フレアからの続き
太陽表面の爆発現象によって,数分から数時間のスケールで多波長(電波〜X線・ガンマ線)の増光現象が起こる。これが太陽フレアであり,これにともなって,高エネルギー陽子やプラズマが太陽嵐として放出され,地球磁場に影響を及ぼすことになる。その結果が低緯度オーロラである。
太陽フレアは,太陽領域のプラズマ中の磁場が再結合(磁気リコネクション)することによって,磁場のエネルギーが荷電粒子の運動エネルギーに転化することで生ずる。そのエネルギーは,10^22〜10^25 Jである。事象継続時間の10^3〜10^4秒で割れば,10^19〜10^21 W のパワーが発生していることになる。
これを太陽から1.5億kmの距離にある地球軌道上でみると,パワー密度は,0.5〜50×10^-4 W/m^2 となる。太陽フレアのエネルギー等級としてよく用いられるのは,波長 100-800 pmのX線のエネルギー流束であり,これが10^-4 W/m^2 を越えるものが Xクラスということになる。X5.8は 大気圏外の観測点のパワー密度が5.8×10^-4 W/m^2 になるということだ。
図:人工衛星GOES(米国NOAA)によって観測された太陽X線強度
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