図1:4分円と半円の交わる部分の面積を求める
小学生にも出来るはずだということで,いろいろ考えたけれど,どうしても解けない。いや,tan−1α=1/2,tan−1β=2によって,図の2つの角度さえ求めてよいならば,扇型AOEGの面積が S1=αa2,扇型DOEGの面積がS2=β(a/2)2,そして四角形OAGDの面積が,S3=a2/2であることを用いて,求める面積は S=S1+S2−S3となる。
あるいは,解析幾何学を使ってよいのならば,2つの円の式の交点からG=(4a/5,2a/5)となり,面積は積分を使って,S=∫4a/50(√(a/2)2−(x−a/2)2−a+√a2−x2) dxとなる。
いずれにせよ,答えは,正方形OABCの一辺をa=4として,S≈3.847 である。
結局,中国の小学生はどうやってこの問題を解いているのだろうか?
小学生のとき,似たような問題で長いこと未解決でクラスのみんなであれこれ議論したものがあった。それは図2右のようなもので,正方形の中の四つの四分円の交わる領域の面積を求めるものだ。図2左は授業でもよく出てくる問題であり,これならみんな解ける。
図2:小学校のときの未解決問題(右図)
あるとき,塾に通っていた友人たちが,塾の先生から答えを聞いてきて披露したことがあった。それはだめでしょう。せっかくみんなで自分たちで答えをだそうとがんばっていたのに。その解法には正三角形の面積を求める過程がふくまれていて平方根が登場する。小学生には無理な問題だったのだ。
いや,じつはそれほど無理でもない。小学校5,6年のときだろうか,学校で一番頭の良いことで有名だった大杉君というのが,平方根の筆算による計算法(開平法)をどこかで学んできて,みんなに教えてくれたことがあった。なるほど,そういうことかと計算できるようになった友達は多い。たぶん,ピタゴラスの定理もどこかで聞きかじっていたかもしれないので,実はもう少しで解けるあたりまでの知識は蓄積していたはずなのだ。
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