前回2023年3月7日のH3ロケット1号機では,2段目のエンジンに点火することができず,陸域観測衛星大地3号の軌道投入に失敗していた。
YouTubeを見ていると,JAXAからライブ映像が配信されていた。その段階ではすでに第2段への点火が完了し,説明を聞いているところで第2段の燃焼が終了して,衛星が分離されていた。
JAXA配信中の解説で新しくわかったことは,H3ロケットが従来のH2Aのコストを半分の50億圓にしたというだけでなく,第1段のエンジンを2または3基,固体燃料ブースターの数を0,2または4基と,様々な組み合わせで,ペイロードにあわせた最適化ができるというところだった。今回のは,第1段エンジンが2基,固体燃料ブースターが2基のH3-22Sである。最大の組み合わせH3-24Wでは,6.7tの衛星を静止トランスファ軌道に投入できる。
写真:H3ロケットの1/20模型(Wikipedia「H3ロケット」から引用)
JAXAの記者会見では,記者たちのクオリティの低さが目立つ。最後の南日本新聞の女性記者が,第1段のエンジンを3基(このとき固体燃料ブースターは使わない)にするのはいつになるかを聞いていた。まだ,検証が必要なので次回ではないという説明をうまく引きだしていた。このような事前学習がされている少数例を除くと,ほとんどみんなお気持ち主義なのである。曰く「○○のときはどんなお気持ちでしたか云々」。こればっかり。平安文学からの伝統が連綿と受け継がれている。
参考:
『栄花物語』では、文学的な興趣によって感覚的に歴史を把握しており、個々の歴史事象の背後に潜む歴史の真実を描くよりも、事件をめぐって生起する人々の心情や人の世の哀感を、事実を主観的に潤色したり、虚構を用いたり、さらには、『源氏物語』の文章を模倣するなどして描いていて、作り物語的性格が濃厚であり、冷徹な目で人間を直視し、その内面へ踏み込んで描く態度が希薄である。(Wikipedia「栄花物語」から引用)
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