2024年2月19日月曜日

デブリ除去衛星


2月18日,ニュージーランドで,日本のベンチャー企業のアストロスケールが,商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」を打ち上げ軌道投入に成功した

どうしてニュースでは知りたいと思う肝腎の情報を伝えてくれないのだろうか。

(1) 日本にそんな会社があったのか? → 2013年に設立され本社は東京だが,世界各地の子会社で500名がグローバルに働いている。

(2) ニュージーランドは人工衛星を打ち上げられるのか? → 2006年にニュージーランドで設立された民間企業のロケット・ラボ(現在の本社はカリフルニア州ロングビーチ)が,ニュージーランドの北島東にあるマヒア半島にロケット発射施設をもっていて,そこから打ち上げたものだ。

打ち上げに用いられたのは,小型2段式液体燃料ロケットのエレクトロンで,750万ドル(12億円)で300kgの衛星を低軌道に打ち上げられる。2017年以来31回の打ち上げを行い,28回成功している。年に6-7回の打ち上げだから,日本のH3の2倍のペースだ。

このロケットエンジンは,ニュージーランド出身の物理学者アーネスト・ラザフォードにちなんで,ラザフォードエンジンと名付けられている。推力は小さいが,技術的には高度なものが採用されている。


デブリ除去衛星ADRAS-Jは,JAXAとの契約で低軌道にあるH2Aロケットの第2段にランデブーして,比較軌道離脱のための実証データを収集する。今回はデブリ=非協力物体に接近してその様子を観測撮影するだけのようだ。

遠距離では対象の地上観測とデブリ除去衛星のGPSを組み合わせて接近する。対象が見つかった後は,可視光・赤外光・LIDARの3種類で対象を捉えることになる。


写真:ADRAS-Jのイメージ図(アストロスケールのウェブサイトから引用)

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